俺の幼馴染は俺の存在をなかったことにする。   作:胡椒こしょこしょ

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なんとなく千冬姉くらいは出した方が良いと思って、続きを書きました。
対魔忍も最新話を投稿したので、気分転換です。
それにしてもこの小説自体、ボーッとしている時に思いついたものなのでどんなタグをつけるべきか・・んにゃぴ・・・よくわかんないですね。
取り敢えず今回から本編に入りました。
まぁ続き書くかは気分次第なんですけど。


俺の幼馴染は、怖いけど、お尻がエッチで、世界一綺麗。

ホテルからIS学園へと移された湊。

学園生活初日ということもあり、1-1にて湊は数多いる女子の中で、朝礼的なのが始まるのを待っていた。

 

周りは女子だらけであり、この子達全員がISの腕を磨くためにここにいると思うと、1クラスだとはいえ壮観である。

 

そしてそんな女の花園に紛れる異物が二人。

一番最初に現れた男性操縦者である織斑一夏。

そしてその後現れた男、加坂部湊である。

 

周りの女子は二人についてザワザワと何かを囁き合っている。

まるで一挙手一投足を見つめられるかのような彼女たちの視線に一夏は息苦しさを覚える。

 

しかし、一夏の真後ろの男、湊はまったくと言っていいほど動じていなかった。

むしろ目が輝いていると言ってもいいだろう。

それも当然、彼にとってはこんな時間などある女性をお目にかかる為の前座でしかないのだから。 

 

「ねぇ、湊兄。なんで俺たちこんな注目されてんの?」

 

一夏がこちらを振り向いて聞いてくる。

 

「結構珍しい男性操縦者だからだろ?ほらよくあるじゃん。集団で一人だけ浮いてるやつをガン見する感じ。そういうことだろ?」

 

湊がそう言うと一夏がうなだれる。

 

「マジかぁ・・・・俺もうやっていける気がしねぇよ・・・・・」

 

そんなうなだれる弟分を見て笑う。

 

「大丈夫だって!お前千冬の弟だろ?弟のお前がシャンとしないと、アイツが恥かくぞ。」

 

そう言うとゆっくりと一夏が顔を上げる。

 

「それは・・・・嫌だ。」

 

「だろぉ?それにお前は明るいし大丈夫だよ!」

 

そう言って肩を叩くと一夏は笑う。

 

「ありがとう湊兄、ちょっと元気出た。」

 

「おう。」

 

湊は一夏にとっては兄のような存在だ。

物心つく前から度々世話をしに来てくれて、いつも遊んでくれていた。

 

しかし一夏が項垂れていた理由は馴染めないからだけではなく、昔からの付き合いである分、この後の展開が分かるのだ。

言っちゃぁなんだが、自分の姉と湊兄はあまり積極的に会わせたくないのだ。

それは長い間、一緒にいて自分の姉と湊兄の性格などを理解した上で思っていた。

 

(え、なんで二人でイチャコラしてるんだろ・・・)

(薔薇の匂いキタァーーー!!!)

(ほう、BLですか。大したものですね。)

 

周りの女性とからは頼りになる年上に笑顔を浮かべる高校男子という構図になり、腐ったお姉さまがたの格好の妄想材料になっていることなど知る由もない。

 

(・・・なんか教室が湿っぽいな。)

 

湊がなんとなく湿っぽい視線を感じるだけだった。

 

すると始業のベルが鳴って、みんな前を向く。

すると前方の教室の戸が開き、女性が一人入ってきた。

緑の髪にメガネ越しから見える優しそうな目つきの目。

全体的にほにゃほにゃとした雰囲気を感じる。

 

しかしそれでもなお一番目を引くのは。

 

(すげぇ・・・・でけえ。)

 

一夏は心の中でそう呟くと、後ろからボソリと呟く。

 

何食ったらあんなバカ乳になれるんだ・・・でっかいんだ、ボヨヨ〜ンだ!

 

湊だ。

一夏にしか聞こえないぐらいのか細い声でそう呟くと、一夏は俄に肩を震わせる。

 

(クッ・・・・ダメだ、笑うな・・・湊兄の策略だ・・・・・)

 

こんなところでいきなり笑いだせば変な奴と見られることは間違いない。

ここで死ぬわけにはいかない・・・・。

ていうかさっきお前ならしっかりやっていける的なこと言っていた人がさっそく足引っ張ってくるのは何故だろう?

 

「全員揃ってますねー。それじゃあ朝のホームルームをはじめますよー。」

 

自身の名前を目の前の生徒に言った後に、ホームルームの開始を宣言する副担任の山田先生。

動き一つ一つに乳まで付いてくる服の上からでもわかるような爆乳の持ち主だ。

 

「それでは皆さん、一年間よろしくお願いしますね。」

 

「「「………………」」」

 

「よろしくおねがいしま・・・・えっ?」

 

山田先生の挨拶に挨拶を返そうとするも、周りの静まり具合に戸惑いを隠せない湊。

そんな湊の様子が愉快で堪らず、吹き出してしまう。

 

「お前・・・・今、俺を笑ったか?」

 

湊はすごい勢いで肩を揺らして、笑いを噛み殺そうとする一夏をジト目で見る。

 

「はい!湊君よろしくお願いしますね!!」

 

山田先生は返事をしてもらったことが嬉しいのか、唯一反応した湊に可愛らしく笑顔を見せる。

しかし湊は年下であるはずの山田先生に教え子として接してもらうことにちょっとゾクゾクしていた。

 

(・・・・年下の子に湊君って呼ばれるの、結構悪くないかも・・・・・)

 

さっきまでの戸惑いはどこへやら、モジモジとしている。

 

 

「じゃあ自己紹介をお願いします。えっと、出席番号順にいきましょう」

 

出席番号の順番。

学期初めだからか、席順も出席番号の順番になっている。

前の一夏はお、そして俺はかなので俺は一夏の真後ろの席に座ることになったのだ。

 

あまり周りの視線は気にしていないが、やはり顔見知りの一夏と近いのは運が良かったと言えるだろう。

しかし自己紹介なんて何を言えばいいのか。

正直言いたいことなんて一つしかない。

 

すると一夏の番になる。

 

「・・・え、えっーと・・・・・」

 

一夏はなにを言っていいのか困っている。

周りの空気も、女子達が一夏に視線を向けて、この男は何を言うのかと見定めているかのような雰囲気である。

 

(そんないきなり自己紹介しろだなんて言われても、すぐには思いつかねぇよ!・・・・ん、後ろで湊兄が何か言っている・・・!?まさか俺の為に!?)

 

後ろでボソボソと言っている湊の言動に耳を向ける。

湊は目が合うと、頷き口を開く。

 

俺は170*60*43 ケツマン不可・坊主・超敏感乳首野郎だ。多少毛深の年下ガチムチ野郎に鍵を外した俺のアパートに勝手に上がり込まれ・・・・

 

(ダメだ!こういう時湊兄はふざけるから当てにならない!・・・ええい、ままよ!!)

 

後ろで突然六尺コピペの自己紹介を読みだした湊を脳内の選択肢から排除するとそろそろ自己紹介せねばやばい雰囲気になってくる。

 

「織斑一夏です。よろしくお願いします」

 

そう言って頭を下げる。

しかし女子たちは次に何を話すのか、もっと色々聞かせろと言わんばかりに視線を集中させる。

 

(ふぇぇ・・・も、もう何も浮かばねぇよお・・・・・)

 

一夏は更に求められていることに内心、頭を抱える。

そして・・・・・

 

「・・・・以上です!!」

 

クラスの女子のほぼ全員がずっこけたかのような動きをする。

このクラスの人はノリがいいねぇ!

割とそういうのお兄さん嫌いじゃないと内心思う湊。

 

そして・・・・・

 

「碌に挨拶も出来んのか馬鹿者。」

 

「イデッ……!?」

 

後頭部を叩かれ、頭を抑えて唸る一夏。

後ろに天使か女神が立ってるぞと言おうと思ったが、ジロッと睨まれたので止めた。

 

「あっ、織斑先生、もう会議終わられたのですか?」

 

「ああ、山田先生。クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」

 

山田先生と入れ替わるように教壇に立つ。

ていうかもう立ち振る舞いからして王子様みたいにカッコイイよね。

その癖、お尻はエッチなんだから俺、どうにかなっちゃいそう。

 

湊は千冬に熱視線を送る。

一瞬目が合うが呆れた顔をして目を逸らす。

 

「諸君、私がこのクラスの担任である織斑千冬だ。1年という短い期間だが、君たちにはしっかり励んでもらうつもりだ。よろしく頼む」

 

なんともまぁ男前な挨拶である。

すると周囲の女子たちのボルテージが数段階上がるのを肌で感じる。

 

(・・・・乗るしかない、このビッグウェーブに!!)

 

湊も身構える。

ここで他の有象無象に負けてはダメだ。

幼馴染として一番自分が千冬のことが好きであると証明しなければ。

そんな訳のわからない行動理念から声を張り上げた。

 

「きゃああああ!!!千冬様ぁぁぁあ!!!」

「私、千冬様に会うためだけに北海道から来ましたぁぁぁぁああああ!!!」

「しゅごい!!カッコイイ!!イックゥぅぅうううう!!!!」

「俺だ!千冬!!幼馴染からワンランクアップで結婚し、ガペッ!!」

 

湊が立ち上がり、大きな声で結婚と言い出した瞬間、千冬は目にも止まらぬ速さで出席簿を投げつけて、湊の眉間を捉える。

湊は糸が切れた人形のようにがくんと項垂れて力なく椅子に座り込む。

 

「そ、そんな・・・湊兄!湊兄ぃぃぃいいいい!!!」

 

一夏はもはや身じろぎ一つしない湊を見て、肩を揺さぶりながら名前を呼び続ける。

急に人死に?が出たことであれだけ千冬が来て湧いていたクラスがシーンと凪いだ湖畔のように静寂に包まれる。

 

 

「あ、あのー・・・織斑先生、次・・・湊君の番なんですけど・・・・・」

 

山田先生が千冬の顔色を伺いながらそう言うと、千冬は表情を変えずに答える。

 

「そうですか。なら私が代わりにやっておきます。

こいつの名前は加坂部湊。

さっきこいつ自身が言っていた通り、私の幼馴染だ。

話しやすい奴ではあるから話しかけてやったらコイツも喜ぶだろう。

よろしく頼む。」

 

千冬は湊の席まで行くと、湊の髪を持って、持ち上げてペコリとお辞儀させる。

白目剥いて気絶した状態でお辞儀させられているので、ホラー感は一際高い。

クラスメイトの何人かは息を詰まらせていた。

 

そんな姉の所業をまるで昔から見ていたかのようにあちゃ〜と言わんばかりの表情で見ていた。

 

 

「篠ノ之箒、以上です。」

 

箒も挨拶を無難に終わらせる。

そして一夏に視線を向ける。

一夏は目が合うと箒が幼馴染の箒であると理解したのか手を小さく振ってくる。

どこか照れくさくなって窓に目を向けた後に、自分の姉に思いを馳せる。

 

彼女が原因で一家は離れ離れになり、一夏とも離れることになったが、それでも完全に嫌いというわけでもない。

人間離れしたあの人にも人らしい面はある。

それは今まさに気絶している湊に関連している。

 

(姉さん・・・湊さんがIS学園なんか入ってしまったら千冬さんに取られるかもしれないのに・・・・なぜなにもしない?何を考えているんだ。)

 

箒自身も姉の思いに気づいていたのだ。

しかしそれは千冬も同じ。

ここで教師という立場を利用して一気に距離を詰めるだろう。

その証拠に大勢のクラスメイトの前で自分の幼馴染と堂々と認めている。

 

これは牽制だ。

 

小娘共・・・・こいつは私の獲物だから手を出すなという意志の現れ!

 

このままでは姉さんが負けるのは目に見えている。

・・・・だが姉さんのことだ。

なにか手を打っているに違いない。

 

(まぁ・・・私は一夏と同じクラスになれたし、そこら辺はどうでもいいか。)

 

姉の恋路について考えていたが、考えるのをやめる。

姉には姉の、私には私の恋路がある。

絶対に一夏と・・・・・・

箒はまた湊の方へ心配そうな目線を向けている一夏に視線を向ける。

それは野獣の眼光と言ってもいいほどの鋭く、獲物を狙う獣の目だった。

 

このように、自己紹介という今後の学園生活においてのスタートダッシュとも言えるイベントは一人の犠牲者を出して、つつがなく終わったのだった。

 

 

《前日》

 

「先輩!コーヒー、飲みますか?」

 

 

「あ、ああ。もらおうか。」

 

書類仕事も終わり、一息ついていると真耶がコーヒーを手渡してくる。

飲んでいると真耶が話を切り出す。

 

「それにしても今年の1-1のクラスは大変でしょうね。男子が二人も来ますから、色めき立つ子もいるでしょう。」

 

「・・・ここは女子校だったからな。ですがそれと同時にISの操縦技術を上げることが第一の学園ですからね。浮足立つ生徒を諌めるのも私達の仕事だろう。」

 

「ふふっ、私には先輩が浮足立っているようにも見えますけどね。」

 

真耶が笑うのを不思議そうな顔で見る千冬。

 

「私が?なぜだ?」

 

すると悪戯っ子のような笑顔で真耶は続ける。

 

「弟さんも来ますし、・・・好きな人、も来るんですよね?」

 

「ブフゥォハァ!!!」

 

千冬はまるで先を絞ったホースのように勢いよくコーヒーを机にぶちまける。

書類を片付けた後で本当に良かった。

 

「せ、先輩!?大丈夫ですか!?」

 

真耶は驚きながらも給湯室から布巾を持ってきて机を拭く。

 

「・・・べ、別にアイツは好きな人などではない。」

 

息も絶え絶えになりながら否定する千冬。

しかし真耶は机を拭きながら、目を丸くする。

 

「え?でもお酒を飲んで酔っ払ったときとかずっとその人の話してたじゃないですか。」

 

「・・・・・」

 

千冬はその時の自分を殴りたくなってくる。

なぜ酒を飲んだとはいえ不用意にそんなことを漏らしたのか。

 

「ふふ、良かったですね先輩。同じ学校でしかも教師なら禁断の

恋みたいな感じで燃え上がること間違いないですよ!!」

 

目を輝かしながらそう言ってくる真耶。

 

「そうか、山田先生はまだ元気そうだな。ならこれをやっておいてくれ。」

 

「え。せ、先輩、これって今からやる量じゃ・・・・」

 

「なにか言ったかな?」

 

「い、いえ・・・」

 

真耶はとぼとぼと自分の席に戻り、悲鳴を上げながら書類に手を付けていく。

別にアイツについて踏み込んだ質問や話をしたから黙らせたわけではない、ただまだ山田先生は仕事できるなと思っただけだ。

 

うん、断じて私情じゃない。

 

それにしても一夏が来るのであれば姉としてカッコ悪い所は見せられない。

これまで以上に気を引き締めないとな。

 

それと同時にアイツも来るのだ。

それ自体は確かにうれしい。

ただアイツはなんというかかなり常識外れな面もある。

それに私にも簡単に好きと言ってくる。

・・・束にも言ってるが。

 

私はアイツを前にして平静を保てるだろうか。

かなりの期間会っていなかったのだ。

やっと会えたにも関わらず、教師として毅然としていないといけないのは結構キツイ。

 

それに・・・気になることもある。

アイツがISの適正があったのは初耳だ。

つまりはあのウサギが関わっている可能性が高い。

では奴はなにを考えてアイツをISに関わらせた。

もしよからぬ事を考えているのであれば・・・・

 

「私が守らなくてはな。一夏とアイツ、二人を。」

 

予期せずにISという世界の思惑の渦中に放り込まれた二人。

例えなにがあろうと自分が守って見せる。

その相手が自身の幼馴染の一人である束が相手だとしても・・・・。

 

それに・・・・束には別の意味で負けたくない。

自分の勘が間違いでなければ、きっと彼女も・・・・・・

 

うわあああああ!!書類が!書類が迫ってきますぅぅう!!!

 

千冬の八つ当たりによって大量の書類と格闘していた真耶が目を回しながら悲痛な叫びをあげる。

 

「やれやれ・・・・手伝ってやるか。」

 

苦しめた張本人こと千冬はそんな真耶を見かねて書類仕事を手伝おうと真耶の方へと歩いていく。

今までの思考は全てどこかへやって、書類に目を向け始めた。




加坂部湊:一夏や箒の兄みたいな立ち位置の人。まぁ束や千冬の幼馴染なんで多少はね?
千冬に結婚を冗談で持ちかけようとして気絶した。ざまぁ。
好きな人には簡単に好きという。もしやこの男は雛菜と同類だった?
男がやは~とか言い出したら地獄なんですがそれは・・・・

織斑一夏:原作主人公、つおい。かっこいい。シスコン
湊は慕ってはいるが、ふざけたりするのでまぁ親しみやすいお兄ちゃん的距離感。
鈍感なのは変わらず。

織斑千冬:かわいい。さいきょう。ブラコン。
原作と違い、一夏に加えて守るべき人が増えた苦労人。
昔から束と湊に苦労させられてきた。
束には負けられない系ヒロイン。

篠ノ之箒:おっぱい モッピー 剣道 
原作とぶっちゃけ変わんない。
すこし違うのは束と違って自分は素直になることで一夏をモノにしようとしているくらい。
しかしそんな簡単に素直になれたら苦労しない。
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