俺の幼馴染は俺の存在をなかったことにする。   作:胡椒こしょこしょ

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なんとなく主人公の機体が決まりました。
なので初投稿です。


俺は確かに企業所属だが、幼馴染のコネに過ぎない。

予期せぬ金髪ちゃんの来襲もあったものの、俺たちは3時間目の授業を受けようとしていた。

教壇には千冬が立っている。

 

千冬が授業をするなんてお尻に目が行って授業に集中できなくなっちまうぜ!!

Hな授業してくだたいっ!!!

俺が教壇に立っている千冬を爪先から頭の先まで嘗め回すように見ていると千冬が口を開く。

 

「授業に入る前に再来週に行われるクラス対抗戦に出る代表を決めなくてはならない。」

 

教室が騒めく。

まぁいきなりの話だし、驚きはするだろう。

千冬は騒めきを手の動きだけで制すると話を続ける。

....かっこいいな、それ。

 

「他校でいうところのクラスの委員長といったようなものだ。それならイメージもしやすいだろう。ちなみに一度決まれば一年間は変更できないと思え。」

 

委員長かぁ。

思えば俺も何回か委員長したものだ。

そういえば中学とかでは途中から篠ノ之さん係って言われたことがあったなぁ。

まぁ幼馴染の俺が毎回束が学校行事に参加するように説得していたからそういう意味だったんだろうなぁ。

束係...良い言葉の響きだ。

 

俺が昔を思い出して悦に浸っている間も話は続いていく。

 

「クラス対抗戦は、入学時点での各クラスの実力推移を測るものだ。簡単に言うと各クラスの代表者が模擬戦をすることになる。」

 

なるほど....であれば代表者は慎重に決める必要があるな。

代表者一人の実力がそのままクラスの実力と見なされる。

もし、言い方が悪いがへっぽこを選んでしまったら最悪どっかの文なんちゃら学園のFクラス的な扱いを受けるのだろうか?

クラスとしては一番ISに習熟している人を出そうと思うに違いにない。

 

そうなるとやっぱりイギリス代表候補生のあの子が一番選ばれる可能性が高いな。

なんかちょっとアレな子だけど代表候補生になれるということは強いってことなんだろう。

 

「自薦・他薦は問わない、誰かいないか?」

 

へぇ自薦・他薦で決めるのか。

しかし学校初日でみんな周りの子がどんな子か分かっていないんだから自薦・他薦はあまり合っている選出方法ではないんじゃないか?

いや、千冬の言うことにケチつける気はないが....。

もしかすれば最近の高校生はお兄さんが知らないだけでこの短時間で既にみんなの情報を得て仲良くするほどコミュ力が発達しているのか...?

 

「はい!」

 

すると一人の女子が手を高らかに上げた。

そしてその子は立ち上がると口を開く。

 

「織斑君を推薦しますっ!!」

 

「へっ!?お、俺!?」

 

一夏が困惑した声を上げる。

しかし周りの女子生徒は案外乗り気であり、

 

 

「あっそれ良いかも!」

 

「私も織斑君を推薦しますねぇ!!」

 

「せっかく男性操縦者で千冬様の弟さんが居るんだからそれを全面に押し出してクラスの顔としてアピールしないとね~。」

 

3人目の発言で思わず頷いてしまった。

確かにクラス対抗戦は実力を測る場であるが、それと同時に代表者はそのクラスの代表者としてクラスを表すのである。

そして一夏は男性操縦者であり、別にISが下手でも言い訳がつく。

....まぁ試験官を倒すほどの腕を持っているんだが。

そしてなによりも一夏はイケメンかつ千冬の弟なのである。

もうこの時点でPR力ではビキビキビキニ1・2・3なのである。

 

「ど、どうしよ湊兄ぃ....お、俺代表なんか無理だよ.....」

 

おろおろしながら俺を見る一夏。

何言ってんだよ。

 

「お前なら出来る。俺は信じてるぞ....バナージ。」

 

「誰がバナージだよ。まったく俺は困っていると言うのにふざけて.....」

 

一夏にサムズアップを見せると呆れた顔をして前を向いた。

しかし心なし顔からは困惑の色が消えていた。

 

しかし一夏だけで決まりというわけではあるまい。

具体的に行ったらオルコットさんがそんな結末を許容するはずがない。

後ろを振り返り、オルコットさんを見る。

 

「......」

 

オルコットさんはそわそわと落ち着かない様子で周りをチラチラと見ていた。

....もしかして、他薦してほしいのか?

えっ、でも代表の候補になりたいなら自薦すればいいだけじゃ....。

 

そう考えていると不意に頭に電流が走る。

分かったぞ。

あの子は他の人に推薦されて出たいんだ!

ちょっと自己承認欲求がでか枕な女の子なのだと見た。

そうするとさっきの時間に俺たち男性操縦者に噛み付いてきたのも頷ける。

わざと俺たちレアケースである男性操縦者に噛み付くことで存在感を周りにアッピルしようとしていたのか!

であれば年上のお兄さんとして一肌脱がないわけにはいかない。

 

俺は手を挙げた。

そして立ち上がると、オルコットの方を向く。

 

「おい、オルコット。」

 

「ぴゃっ!?な、な、なんですの!?」

 

急に立ち上がった男に声を掛けられて驚くオルコット。

....ていうかぴゃっ!ってなんだ、ぴゃって。

ちょっと可愛いと思っちゃったじゃないか。

まぁ束や千冬の方が遥かに可愛いのは変わらないけどねっ!!

 

「お前さ、オルコットさぁ....さっき一夏が推薦された時、周りをチラチラ見てたよなぁ?」

 

俺がオルコットにそう尋ねる。

するとオルコットは目に見えてうろたえる。

 

「な、なんで見る必要がありますの?..あなたの勘違いではなくて?」

 

クソ....なに取り繕ってんだ。

他薦されたいんだろ。

俺が他薦してやるって分かんねぇのか。

まぁいい。

 

「絶対嘘だゾ。出たけりゃ出してやるよ、しょうがねぇなぁ~。というわけで俺はオルコットを推薦する。」

 

俺が言うとクラスが若干騒めく。

ん?なんでだろう?

 

そしてオルコットは俺を怪訝な表情で見る。

 

「...なんのつもりですの?」

 

なんのつもりってそりゃ出たがってたし、出してあげようかなと。

でもそれをそのまま言うつもりはない。

こういう子は自尊心が高いからな。

だからこそそのまま言ったら同情するなと烈火のごとく怒りだすかもしれない。

だからこそちょっとおだてることにしよう。

 

「イギリス代表候補生なんだろ?そのISの腕前でなんとかしてくださいよォーー!!」

 

そう言うとオルコットは俺から視線を外す...がどこか笑みを隠そうとしているようにも見える。

 

「そ、そこまで言うなら仕方ありませんわね....私を推薦するなど中々見る目がありますのね!

少し、少しだけですが男を見直しましたわっ!!」

 

 

コイツちょろいわぁwww

まぁでもこれで全部丸く収まるな。

オルコットも嬉しそうだし、俺結構良い事したんじゃない?

自身の行動に五万エルになる俺。

しかし.....

 

「ほう....随分とオルコットを買うんだな、加坂部。」

 

千冬がなぜか俺に冷たい目で見てくる。

もしかして....嫉妬してる!?

幼馴染にオルコットが推薦されて嫉妬してるのか!?

いやー困るなぁ。

俺は千冬と束しか眼中にないから安心しろってぇ!

....そうだったら良いな。

だって怖いもん。

 

俺は急に千冬に睨まれて怯えていた。

するとある少女が一人手を挙げる。

 

「はーい!私は加坂部さんを推薦しまぁ~~す!」

 

佇む雰囲気がほんわかしており、袖が余った萌え袖から小動物のような印象を見ていて受ける。

確か布仏さんだったかな。

まぁそんなことはどうでもいい。

それよりも重要なことは.....

 

「えっ、俺!?マジで!!??」

 

俺試験官に負けるし、今持っているISも乗ったことないんだよ?

そんな俺が代表なんて無理だよ。

公開処刑以外の何者でもなくなっちゃうよ?

君たちは成人男性が高校生にボコボコにされるところが見たいのだろうか?

IS学園の女生徒はドSしかいなかった!?

というかそもそも他の人が賛成しないってそれ一番言われ.....

 

「いいね!それある!!」

 

「加坂部さん、確か企業所属なんでしょ?てことはISにもそこそこ習熟してるだろうしね!」

 

「能ある鷹は爪を隠す。他の人を推薦して逃れようともしても無駄なんだよな~。」

 

「企業所属の選考で入選したこの素敵なISの腕前を見せてお。」

 

どうやら束の気遣いが裏目に出たようだ。

なんで俺が企業所属だって知ってるんだろう?

俺が困惑していると立っている一夏が口を開く。

 

「わるい湊兄ぃ....湊兄ぃが気絶している間に、俺....しゃべっちゃった。」

 

お前かぁ一夏ぁああああああ!!!!!

まさかこんなところに伏兵が居たなんて...。

俺はな!ただ幼馴染のコネだけで企業所属になったんだよ!

選考なんか受けちゃいないんだよ!!いい加減にしろっ!!!

そう言おうとして立ち上がると千冬さんが口を開く。

 

「....とにかく時間が押している。候補は三人ということで良いな。では3人で模擬戦を行ってその結果でクラス代表を決める。いいな?」

 

いやちょっと待って速い速い!

 

「あ、あの!俺の推薦について....」

 

「なんだ加坂部。言っておくが推薦を受けた以上辞退することは出来ないぞ。それを踏まえた上でなにか言いたいことがあるか?」

 

なんで推薦されたら辞退できないんですかねぇ....。

千冬の目がどこかまだ冷たく感じる。

どうしたのだろうか?

今日はやっぱり機嫌が悪い気がする。

なにかあったのか....?俺は心配だよ。

 

(ふんっ、小娘なんぞに媚びを売りおって....まぁいい。

都合が良い事に湊が推薦されたからな。

アイツはISの経験がない。

そうなれば私に泣きついてくることは確定だ。

ふふふ....なんて言っても私はIS操縦者最強と呼ばれているからな。

そこでじっくりと教えてやれば.....ふふふふ........)

 

(うわぁ....千冬姉なんかにやついてるよぉ.......。)

 

湊の心配など知るよりもない千冬は、さらに湊と距離を詰める口実を得ることが出来ると笑みが出そうになるのを必死に噛み殺す。

そんな姉を眺めつつ、内心少し引く一夏であった。

 




原作のようにオルコットが暴言を吐くのを事前に防いだ主人公。
しかし企業所属という肩書からか、クラス代表候補に推薦されてしまう。
幼馴染のコネで企業所属になった湊に対し、
IS学園教員の千冬が言い渡した示談の条件とは・・・。
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