荒野に轟くねじり金棒の凪払い(仮)   作:刀馬鹿

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個人的に傑作の出来です
内容的に他意はないので、その辺はご理解願います



薬剤投与、裸体、整体、触診、入眠。そして真名

静かな夜だった。

周瑜は自らの執務室で事務仕事を行っていた。

先日の蜀との同盟を結ぶという会議を終えてから、早数日が経過している。

まだ蜀から文書の回答が来ていない。

先日出した文書。

魏が突出した戦力を有していること。

魏も先日の戦で軍の中心にダメージを追ったために立て直しに時間がかかること。

そして数だけは正確に書いた、呉と蜀の戦力。

これだけ材料を見せれば、蜀の軍師が反応しないわけがない。

 

幼子と見間違えるほどの少女だったというのに……これほどまでに大きくなるとはな

 

連合にて顔を見た諸葛亮と劉備。

三国の中で、蜀だけが0から立ち上がってのし上がってきた……いわゆる振興国だった。

もっと言えば最初は国ですらなく、義勇軍でしかなかった。

それが今では、大陸で覇を競い合う程の大きさにまで膨れあがったのだから……その力は周瑜も認めている程だった。

問題がないと思いつつも、回答がこない状況では問題になるかもしれないという、懸念が出る。

まるで恋文を出してその返事を待っているかのようだと……周瑜は己の心境を思わず笑ってしまった。

だが……待ちこがれているのは紛れもない事実だった。

 

!!!!

 

机に向かって仕事をしていると、突如として胸に激痛が走った。

周瑜は痛みに耐える声が外に漏れないように、必死になって耐えていた。

蜀との同盟だけではなく、やるべきことはいくらでもあった。

だというのに……この体が以前よりも言うことをきいてくれないことに、周瑜は自らの体を殴りつけたい程に悔しい気持ちを抱いていた。

 

まだだ……まだ倒れる時じゃないはずだ……

 

自らの体を蝕む不治の病。

胸の痛みは日ごとに重く、鋭くなっていくのがよくわかっていた。

医者には密かに看させたが、誰もが言うことは同じだった。

長くはないと。

療養すれば少しは生きながらえることが出来るとは言われたが……そんな時間は周瑜にはなかった。

自らの主と……親友と誓った想い。

自らの夢。

それらを成し遂げるためには、悠長に寝ている暇などありはしない。

だから必死になって仕事をしていた。

誰にも気取られぬように、歯を食いしばって病の痛みに耐えていた。

周瑜自身、自らの相棒である孫策には病状が進行した今現在では、気付かれているだろうことは十分理解していた。

それでも……普段通りに振る舞ってくれる主のために、周瑜は必死になって耐えていた。

 

自らの主のためと、己の夢のために。

 

その二つの想いが……常人であればすぐにも泣き叫ぶほどの痛みに耐える力を、周瑜に与えていた。

 

 

 

だというのに……

 

 

 

「いったはずだぞ」

 

 

 

そんな言葉が耳に入って……痛みに耐えていた周瑜は慌てて顔を上げた。

痛みに耐えていたために、誰かが執務室の中に入ってきたことに気づけなかった己の迂闊さを、周瑜は呪った。

だがその相手を見て、気付かなかったのも仕方なかったと、納得する自分がいた。

失敗に内心で歯がみしつつも納得した周瑜の視線の先にいたのは……

 

 

 

「もう少し、身体に気を遣うんだな……と……」

 

 

 

呆れたように嘆息し……色んな物を持って仁王立ちしている刀月の姿がそこにあった。

 

 

 

 

 

 

さすがにそろそろ限界か

 

日に日に淀んでいく、褐色知的眼鏡の体。

先日蜀との同盟が内部的に決定された今、俺が派遣されるのも時間の問題だった。

故に……既にだいぶ進行しているが、完全に手遅れになる前に手を打たなければならなかった。

故にこそ……入手したのだ。

 

三度の……絶対命令権を……

 

「いくら刀月とはいえ、私の……女の執務室に勝手に入り込むのは、感心しないな」

「確かにな。俺もこんな夜這いみたいなこと、はっきり言ってしたくなかったよ」

 

褐色知的眼鏡は痛みに必死になって耐えていたようなので気付いていなかったが、おそらくノックをしても気付かなかっただろう。

普通に扉を開けて普通に扉を閉めて、執務机の目の前まで歩いたというのに、こいつは俺が話しかけるまで一切気付かなかったからだ。

 

「ほう? それは手厳しいな? 私では刀月のお眼鏡にかなわないか?」

「うん。お前だからって訳じゃなく、俺としては自分の故郷以外で女とまぐわうつもりはないから、例え相手が絶世の美女であっても起っ勃てるつもりはない」

 

これは常々いっていることであるが、今日……というよりもこれからすることを考えても強調する必要性があったのであえて口にしておく。

出来ればしたくなかったことだが、以前の約束……明確に約束はしてなかったかもしれない……もあるので、俺は色んな意味で気が進まなかったが実力行使に出ることにしたのだ。

 

「だが、以前話をしたとおり、お前の身体に相談しに来たのは事実だな」

 

先ほど俺に気付かなかったことを考えれば、相当病が進行しているとみていいだろう。

だが、気のよどみ具合を鑑みれば何となる気がしないでもないし……何よりも先日の致死毒に比べれば、病は遙かに簡単だ。

解毒剤こそないが、薬はまだある。

少々もったいないと思うことも事実だが……近しい人間が死ぬよりはマシだろう。

 

「令呪を持って命じる。周瑜よ、服を脱いでからこの布団の上に横になれ」

 

そう馬鹿なことを言いながら、俺は持ってきていたいくつかの道具の内の一つ、布団を床に敷いた。

 

「れ、れいじゅ? 何を言って……というか服を脱――」

「これは孫策に許可をもらった王命だぞ? 逆らうというのか? 他ならぬお前が?」

「!?」

 

令呪という意味はわからなかっただろうがそれでも王命と言われれば、俺の言葉が三度の絶対命令権であることは理解できたはずだ。

非常に嫌そうだった……そら裸になれといっているのだから当然だが……が、しかし王を救った褒美として得た絶対命令権、そして孫策にも許可をもらったとあっては逆らうことなど出来るはずもなかった。

ちなみに許可を受けたのは本当で、俺が許可をもらう際に話をしに言ったら……褐色ポニーは「やっぱり」とでも言うように、少し呆れながら許可を出してくれた。

 

たぶん……意味が二つあるような感じだったな

 

褐色知的眼鏡を治療しに行くと言って、そんな表情をされたのだ。

病のことに気付いており、俺がそれを治療できるということをわかっていたのだろう。

 

後で説教だな……

 

俺が説教対象の二人に対してどう叱ってやろうかと考える。

そして当の本人の褐色知的眼鏡は、非常に嫌そうにしながらも俺の言葉に素直に従って服を脱ぎ終えていた。

そして……俺は内心で思わず感嘆していた。

 

 

 

うわ~~~~エッロ……

 

 

 

※ 最低な思考である

 

 

 

鉄面皮を貫いたが……もうなんというか本当に良い体をしていた。

均整のとれた肢体。

背が高く、それを支える四肢はすらりと伸びており、実にメリハリのある体だ。

すらりと伸びているが、ほどよく肉は付いていて非常に艶めかしい体だ。

もちろん出るところは出てて、引っ込むところは引っ込んでいる。

その体を飾るのは……眼鏡をかけてなお鋭い眼光を放つ、まさに美人の顔。

何より上下供にでかい!

説明不要!

まさにボン、キュ、ボンである。

元々派手な衣装だったのでほとんど裸みたいな物で、良い体をしているのは重々承知していたが……実際に裸を見ているとそのすごさがより顕著に表れていて実にエロかった。

しかしぱっと見た限りでは、もっとでかい連中もいるのを思う……褐色妖艶、おっとり眼鏡……と、末恐ろしい物である。

 

まぁ……少し体に生気を感じられないから、結構無理はしてるんだろうけど……

 

と、そんなおっさんくさい思考と診療を刹那の時間だけ考えて……俺は睨みつけてくる褐色知的眼鏡に対して、苦笑しながら布団を指さした。

先ほど褐色知的眼鏡の肢体を観察したが、あくまでも診察するために「看た」のであって決して下心で「見た」わけではない。

 

まぁどんな感想抱くのかは自由だよね~

 

俺だって若い男なのだ。

思うくらいは良いだろう。

 

「あ、それと寝る前にこの薬を飲め。体を軽く動かしてから横になってくれ」

 

そんな馬鹿なことはともかく置いておいて、俺はてきぱきと準備をしながらも褐色知的眼鏡に薬を飲ませることを忘れなかった。

黄色い液体……活力剤……を暖かいお茶で薄めた飲み物だ。

自然治癒力を高めてくれる代物である。

外傷ではなく、内科である以上……俺が出来ることは限られている。

 

 

 

薬漬けにして体を触りまくって体を興奮させて、気持ちよく眠らせることだ。

 

 

 

変な言い方をすると……こんな感じかな?

 

 

 

全く意味がないのだが、それでも何となく変なことを考えてしまうのは、欲求不満な証拠なのかもしれない。

色んな意味で溜まっているので、ある意味で致し方ないと俺は自分を肯定しておく。

 

洋食とかファーストフードとかの、和食と中華以外が食べたい、鉄を打ちたい、刀を振りたい……何より休みが欲しい!

 

俺的最大欲求を封じられているので……下が溜まるだけでなくストレスも溜まるのである。

変なことを考える事くらいは、許して欲しい物である。

薬を飲んで体を動かした褐色知的眼鏡が、俺の敷いた布団にうつぶせになった。

 

「すまん、気持ちはわからんでもないんだが、仰向けになってくれ」

「……どうしてもか?」

「安心しろ。さっき看たからもう見る必要性はないので、目隠しするから。だが触診はするぞ?」

「……わかった」

 

俺の言葉である程度意味はわかったのだろう。

そして俺が医療を施すという意味を……褐色知的眼鏡もわかったのか、返答が少し震えていた。

俺がやれば……治るのかもしれないという希望があるのだから。

俺の今まで……刀村での医療行為、褐色ポニーの命を救った……の実績。

そして以前に帰り道に話をし、さらに二人が飲み会をしているときに乱入して言った台詞。

その時の言葉を、実戦するときが来たのだ。

 

さて……頑張るか……

 

目隠しをしたため既に視界はふさがれているが、何処に何があるのかは全く問題なく把握できる。

俺は持ってきた道具の一つから竹筒に入れてある油を手に塗って、仰向けに寝ている褐色知的眼鏡の体にも掛けた。

 

「これは?」

「菜種油だ」

「油?」

 

俺は俺が食用油として生産している油だった。

香り等のリラックス効果を考えて、出来れば椿油がよかったのだが、さすがに菜種油以外の物を生産、精製している余裕はなかった……そもそも椿ってこの時代にあるのか?……ので、やむなく食用油の菜種油を使用する。

 

 

 

※ ちなみに椿は日本原産らしい(wikiより)です by作者 

 

 

 

リラックス効果としては、香を焚くことで代用とした。

何故油を持ってきたのかと言えば、当然マッサージのためである。

また、俺が菜の育成、さらに菜種油の精製まで手がけたため、俺の気が込めやすいという利点もある。

医療と言ってもやることは褐色ポニーの時と一緒だ。

ともかくまず下地を整えるところから始めなければならない。

 

「あ、ちなみに先ほど布団に横になれと命令したが、それが三度の命令権ではないからな?」

 

褐色知的眼鏡だからわかっているとは思うが、念のため伝えておく。

布団に横になるということで一度目の命令権を利用していては、治る物も治らない。

 

「だろうな。それで……私は一体何をすれば良いんだ?」

「仕事は普段通りせざるを得ないだろうが……俺の信頼する医者が来るまでは、俺の指示に従ってもらう。具体的には毎日俺が用意した食事を食べること。次に毎晩こうやって俺の整体を受けること。そして俺が用意した薬を飲むことだ。これを持って俺の三度の命令権の内の一つとさせてもらう」

「ふ……随分と身勝手だな。三度と言いながら、随分と命令してくれるじゃないか?」

「好きに言ってくれてかまわない。それとも嫌か? 俺も嫌がる相手にしてやるほど恩着せがましくしたくないし……治りたいと思わない奴を相手に何かをする義理はないんだが? 本当に嫌ならやめるぞ?」

 

実に卑怯な言い方である。

王命に逆らうことが出来ないということがわかっている。

 

だが……それ以上に……

 

 

 

必死になって隠し、それでもなお頑張ってきた奴を相手に言うには、あまり良いことではないだろう。

 

 

 

「ちなみに目隠しはもうしているから……俺にはお前の挙動も顔も見れない。だから声に出してくれないとわからないぞ?」

 

 

 

それでも……今まで抱えていた想いをはき出す機会を与えなければ……

 

 

 

こいつが浮かばれない……

 

 

 

 

 

 

卑怯だと思った。

確かに以前から、刀月が私の病について、気付いているようなそぶりはあった。

それこそ直接的に言ってきたこともあった。

そして……確かに普通に入ってきたのだろうが、それでも私が気付くように声を掛けてから入ってきてもよかったはずだ。

それくらいのことは、この男になら出来たはずだと……確信にも似た気持ちがあった。

だがこの男はそれをしなかった。

何故しなかったのかがわかったときに……私は思わず涙を流しそうになってしまった。

それも察しての事なのか……必要だからということもあるのだろうが、それでもこの男は自然と目隠しが必要な状況を作ってから、私に嫌味たらしいことを言ってくる。

普段であれば嫌みの一つも返していただろうが……それでも今はこの場には私と刀月しかいないはずだ。

そんなあまりにも初歩的な事を……この不可思議な男がしないわけがないと、わかっていた。

そしてだめ押しとでも言うように……こいつは目隠しで見えないと、そういってくれた。

なら……少しは甘えても良いのかも知れない。

身勝手だと思う。

雪蓮と二人で飲んでいる時にこの男は差し入れを持ってきて言ったのだ。

体に気を遣えと。

その時、私は確かにこいつのことを気味悪がっていた。

疑っていた。

それに関しては雪蓮だって無理からぬ事だと言ってくれていた。

恐らく、他のみんなも……こいつを疑えと言えば疑うという位に怪しい男だ。

誠実な男だというのはわかっている。

良い奴だともわかっている。

それでも……恐ろしいと思っていたことも事実だったのだ。

あまりにも埒外な身体能力。

自分のことを無知と言いながらも……この男が作る物は何もかもがあまりにも想像の埒外だった。

 

 

 

そして何よりもっとも恐ろしいと……すごいと思ったのは、この男の覚悟だった。

 

 

 

雪蓮が暗殺をされかけた時……この男は雪蓮を救って見せた。

 

己の命を危険に晒してまで。

 

今まで見たこともないほどに、蒼白になっていた刀月の顔色。

 

そして……自らを遠くに逃がすことで周囲を気遣うその姿。

 

あまりにもやることなすことが出鱈目すぎて……ほんとに意味がわからない。

 

 

 

そして今……薬を惜しげもなく、王ではなく換えのきく私に振る舞ってくる。

 

 

 

致死の毒すらも治療したこの男なら……もしかしたら……

 

 

 

そう思ってしまう。

 

そう思わせてくれる。

 

 

 

「あ、ちなみに言っておくが……全力は尽くすが「絶対」ではないからな? くれぐれも安堵して気を緩めすぎるなよ? 俺の手助け以上に、お前の治したいという気持ちがもっとも大事なんだからな?」

 

 

 

「っ! ……全く……ひどい男だな」

 

 

 

身も心も委ねても良いような状況を自ら整えておきながら……最後にこうして全てを委ねさせてくれない。

 

思わず吹き出しそうになってしまった。

 

だけど……それでも……

 

今このときだけは……許して欲しい。

 

 

 

 

 

 

「……治るのか?」

 

 

 

 

 

 

声が震えているのがわかった。

 

だけど……気持ちを抑えることが出来なかった。

 

それでも最後の意地で……私は平静を装ってそう問うた。

 

 

 

「あぁ。お前が今までと同じくらいに頑張ればきっとな」

 

 

 

「治るとは……言ってくれないのか?」

 

 

 

「俺は医者じゃないんな。断言は出来ない。だが……」

 

 

 

 

 

 

「よく頑張ったな」

 

 

 

 

 

 

穏やかに、そして暖かく紡がれたその言葉を耳にして……堪えきれなかった。

 

だが、抑えすぎていたせいか……安堵しても何故か泣くことも出来なくて……

 

 

 

「信じる信じないは勝手だが……俺が治療している間は、何をしても部屋の外には音が漏れない。俺も治療に集中するから……何も聞こえないぞ?」

 

 

 

そんな私に……刀月はだめ押しとばかりにそんなことを言ってきて……

 

 

 

「……っ! 私は……!」

 

 

 

言葉にならなかった。

 

まだ治ると決まったわけじゃない。

 

それでも諦めなくて良いのだと。

 

もう怯えなくて良いのだと。

 

そう思うと……あらゆる感情が溢れて言葉にならなかった。

 

そんな私を察してかどうかわからないが……刀月はただ私が落ち着くまで、待ってくれた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

褐色知的眼鏡が落ち着いたと見計らった瞬間……俺は動いた。

 

 

 

必倒!

 

 

 

頭へ気力注入!

 

効果は絶大だ!

 

痛みも違和感もなく、褐色知的眼鏡は一瞬にして眠りについた!

 

 

 

ふう……良い仕事をしたぜ……

 

 

 

自分自身よくわからないテンションになっていた。

ともかく心を安堵させてしばらくして落ち着いた瞬間に……俺は褐色知的眼鏡に気を送って強引に眠りにつかせた。

別段意識を覚醒した状態で治療をしても良かったのだが……今の案件で色々と恥ずかしいだろうと思い、余計なお節介かも知れなかったが俺は強引に寝かしつけた。

 

恥ずかしいだろうからね~……しかし死ぬかもしれない恐怖を堪えてだのただから、泣くのも当然だと思うがね……

 

強引に寝かしつけたので、目隠しをとって作業しても良かったのだが……さすがに医療行為とはいえ本人の許諾を取らずに目隠しを取るのは個人的にいやだったので、そのまま作業を行うことにした。

 

まぁこの光景を他の人に見られたら……さすがにまずいだろうけどね……

 

気配が近寄ったら、魔壁を展開して扉を固定するつもりである。

いくら治療行為で目隠しをしているとはいえ……客観的に見れば、蝋燭の光で油でてかっている全裸の褐色知的眼鏡の側で、かがんでいる男がいるのだ。

見ただけでは真っ先に通報されて終わりだろう。

 

自分で思い返しても見て……嫌になってくるな……

 

しかも良い体をしている……セクハラ……褐色知的眼鏡の体の感触を、手で直に味わっている形のため、実に何というか……笑うしかなかった。

そんな馬鹿なことを考えながらも、俺は治療を続けていく。

といってもたいしたことはしない。

丹田ともっとも気がよどんでいる胸部に手を添えて、俺の気力をゆっくりと送って体内の治癒力をさらに活性化させる。

さらに凝り固まった筋肉を気を送りながらマッサージすることで、体の凝りをほぐして血の巡りを良くする。

こんなところだろう。

 

後はどうせ寝ろと言っても寝ないので、しばらくは強制入眠させることになるだろうな……

 

気を当てて気絶させたり、急所を殴ることで意識を断つのもいやなので、出来うる限りマッサージで気分をよくさせて、疲れとリラックス効果による自然的な入眠だ。

ただ一晩でどうにか出来るほど簡単な病でないことは考えるまでもないことなので、しばらくこの執務室か……褐色知的眼鏡の部屋に通うことになるだろう。

夜な夜な妙齢の美人の部屋に通う男。

これだけ聞くと、実に変態チックである。

 

まぁ実作業よりも……割とマジで金の方が痛いんだけどね……

 

すでに仕込みを終えている明日からの食事のことを考えると……正直溜息を吐きたくなる気持ちだった。

治療が成功すれば多少は請求するつもりだが……さすがに全額請求は恩着せがましすぎる。

別段命を救ったのだから全額請求しても何ら問題はないのだが、それでもなんか無駄なプライドが働いて金をせびりたくない気持ちがあった。

 

だけど……マジでとんでもない額がとんでくからなぁ……

 

この辺の感性で俺が庶民であることを……つくづく思い知らされてしまう気分だった。

ともかく明日から俺は結構忙しい事になるので……根回しもしなければならない。

間違っても……失敗するわけにはいかないのだから。

 

ま……明日のことは、明日の俺に任せよう

 

そんな現実逃避をしながら俺はセクハラ……もとい医療行為を行った。

 

 

 

 

 

 

「まるで生まれ変わった気分だ」

 

翌日。

治療を一通り……整体と気力を送る治療で述べ二時間……行った後、意識を失った人間に服を着せるのは面倒なので、敷き布団で簀巻きにした状態で褐色知的眼鏡を自室まで運んで寝かしつけた。

全裸で寝ることになったので、俺は布団を厚めに掛けてごまかした。

寝てる人間に下着を着させる変態的な行為は、俺としてはしたくなかったのである。

 

絵面を想像するだけでも、背徳的って言うか変態的で嫌だわ……

 

そして朝になってから様子を見に行った際の発言がこれだった。

整体を行ったことで体が活性化したのと、ため込んでいた不安をはき出すことが出来てリフレッシュが出来たのか、実によい夢見心地だったようだ。

 

昨日よりもよどみが減ったか……さすがはモンスターワールドの薬……

 

真面目に絶句するほどの効力である。

しかも薄めて飲ませてこれだ。

そのまま飲んでいたら……果たしてどれほど効果があっただろうか。

 

モンスターワールドでもっと手に入れておけばよかったなぁ……

 

と思うが後の祭りである。

それはともかくとして、見る限りでは昨日よりは間違いなく改善されている。

よって少なくとも頑張れば無駄ではないことがわかったので……俺としてはやる気が出てきた。

 

では次か

 

俺は着替えを終えた褐色知的眼鏡を連行して、調理場へと向かった。

そして中に入ると……一人の男が待っていた。

 

「お前は……ノブだったか?」

「ノブって……いや、もういいです」

 

待っていたのは俺が頼りにしている……こき使っているとも言う……ノブだった。

ノブがいたことは褐色知的眼鏡としても意外だったのか、驚いているのが見て取れる。

袁術の元で文官をしていた男。

俺の報告書作成を丸投げしている男だ。

こいつを連れてきたのは……理由があった。

 

「本日より、お前の事務作業を手伝ってもらうようにお願いしてある。仕事を放棄できないのは間違いないだろうが……それでも体を休める時間を増やさないと、治療する意味がない。仕事を減らす意味合いでこき使ってくれ」

「……ひどい言いぐさですね、刀月様」

「その通りだ。だが本当にそれだけだとくそ野郎だからな。だからこそお前もこうしてこの場に呼んだんだ」

「? どういう事だ?」

 

全く話を聞いてない褐色知的眼鏡が疑問を口にしてくる。

その疑問に答えるべく、俺は昨夜から火にかけている陶器のそばへと近寄った。

それを見てようやく褐色知的眼鏡も、俺が何かしらの調理をしているのに気付いたようだ。

ノブも、憎まれ口こそ叩いているが……その顔には俺が調理している料理が楽しみなようで、嬉々とした表情を浮かべている。

俺はそれを確認してから……陶器の壺の蓋を取り払った。

それと同時に……実に何とも言えぬ芳醇な香りが、部屋を支配した。

 

「それは?」

 

褐色知的眼鏡としても驚きのようで、興味が隠せないようだ。

俺はそれを意識しながら……実に芝居がかった仕草でスープを器二つに盛った。

それを、座らせた二人の目の前の卓においた。

 

「どうぞ召し上がれ仏跳牆(ぶっちょうしょう)だ」

 

仏跳牆(ぶっちょうしょう)

それは現代からみて、西暦1860年頃「(しん)」において生まれた料理だという。

簡単に言えば、乾物を時間をかけて蒸し煮しただけの単純な料理だ。

調理自体は非常に簡単なので、俺でなくても作ることが出来る。

しかし誰でも出来るわけではなく、7~8時間ほど蒸す必要性があるし、そもそも乾物を戻すのにも数日かかる。

調理自体は難しくないが、時間と根気が必要な料理なのだ。

さらに……これの味を極上の物にする場合は、よほどの高官でなければ出来ないだろう。

 

「!? こ……これは……」

「!? ――」

 

二人とも口にした瞬間……何も言わずにただ味を楽しんでいた。

単純な料理だが……めちゃくちゃうまいのである。

名前の仏跳というのは、「あまりのうまさに、断食している僧ですら壁を跳び越えてでも食べに来る、仏像であるはずの仏様すらも動き出す」というのが由来なのだ。

それだけ……うまいのだ。

しかも俺自身丁寧に時間を掛けて調理を行ったので、まずいわけもない。

二人はおかわりすらも要求してきたので、俺は内心で溜め息を吐きながら新たによそったスープを、二人が満足するまで飲ませた。

 

「うまかった……」

「おいしかったです……刀月様」

「あぁ、そうかい」

 

空になった壺を見て顔が引きつっていた俺は……実に仏頂面でそう答えていただろう。

そんな俺を見て、二人は疑問を抱いたのか、褐色知的眼鏡が問うてくる。

 

「こんなうまい料理が作れるとは、さすがだな」

「別にさすがと言われるほどじゃない。これは言ってしまえばうまい物を使いまくった料理なんだから、失敗さえしなければまずいわけもないんだよ」

 

自分の分がなくなったので、本当に溜め息を吐きながら俺はそう返していた。

高官しか食べられないというのは……予算的な意味合いなのだ。

使用する材料は乾物が主で、肉を使用する場合は油が出ないように正肉を使用する。

俺が今回使用したのは、干しアワビ、干し貝柱、フカヒレ、魚の浮き袋、白子、干し海老、するめ、中華ハム、干しナマコ、干しシイタケ、干しナツメ、鳩の卵、豚の筋、豚ヒレ肉、鶏胸肉、アヒル肉、鹿の尾、朝鮮人参、干し竜眼、枸杞子、紹興酒。

全てが超高級食材である。

仮にこの料理を現代の香港料理店で注文する場合は、まず予算から始めなければならないのだ。

何故なら予算によって材料が変わるからである。

ピンからキリまでというが……この料理はある意味でそれの典型だろう。

4~5人前が50~60万にまでも変化するし、時にはそれ以上にもなるのだから。

俺の分がないというのはつまり……二人分以上作るほどの余裕がないので、自分の分がまかなえなかったという事なのだ。

 

あ~~~~これをしばらく作るのかぁ……予算がぁ……

 

そして何故この料理を出したのかと言えば……これが薬にもなる料理だからである。

特に鹿の尾、朝鮮人参なんぞは強壮剤や漢方なので……料理でありながら薬といえなくもない。

もちろんスープだけでは腹に溜まらないので、他にも完全な薬膳を出して食してもらう。

その二つを食べ終えて……俺は半分切れながら二人に言う。

 

「周瑜はこのスープを毎日俺が作るから飲むこと。食事も俺が用意する。ノブもスープは無理だが食事は俺が用意してやる」

「え!? スープは駄目なのですか?」

「俺が破産するから却下だ。今日のスープだってとんでもない値段なんだぞ」

 

さすがに具体的な値段を言うのは意地汚いので言うのは避けた。

だが、客将とはいえ将としてそれなりに給料をもらっている上に、さらに俺は刀村との連中との商売でもそれなりに金を得ていたりもする。

そんな俺が破産するという言葉で……どれほど高価な物なのかは推して知るべしといったところだろう。

おそらくこのスープだけで……この時代の農民であれば数年は働く必要性がない程の値段になったはずだ。

といっても、朝鮮人参などが俺には入手出来ないので行商で得ているが、他の干しアワビといった海産物は俺が自前で用意できるので、店で食べるよりは安価に仕上がっている。

ノブに飲ませたのは、報酬前払いの意で飲ませたのだ。

 

「一応言っておくがこのスープを飲んだ以上死ぬ気で働けよ? 極論だがもしも俺の治療を受けつつ、俺の料理を食べていた周瑜が過労で倒れたりしたら……お前をむち打ちの刑に処すからな? 俺が直々に刑を執行してやるからありがたいと思え」

「……なんか刀月様怒ってません? というか、なんか理不尽な気がするのですが」

 

 

 

「別に? スープを? 全部? 飲み干し? やがって? なんて? 思って? ないからな?」

 

 

 

「……絶対それが原因じゃないですか」

 

八つ当たりのようになってしまっているが……結構苦労したのでそれも無理からぬと思っておく。

俺だって人間だ。

がめついとまではいわないが、金は欲しいのである。

あとついでに言えば……

 

食い物の恨みは海よりも深いのだ!

 

完全な八つ当たりであるが……食いたかったことは事実なのでそう言っておく。

 

 

 

 

 

 

そうして……俺の治療の日々が始まった。

まずは一晩掛けてつくった仏跳牆と薬膳を周瑜に食べさせる。

そして互いに仕事を行いつつ、俺は昼食も薬膳を用意して食べさせる。

内蔵の負担を避けるために、褐色知的眼鏡は一日三食にした。

一食一食を少なめにしておき、さらに薬膳にすれば内臓だけではなく胃腸への負担も和らげることが出来る。

夜に整体の時間が必要なため、褐色知的眼鏡の下にノブを付けて事務負担を減らして夜の時間を作る。

そして晩飯の薬膳を食べさせてしばし消化を促してから、俺が褐色知的眼鏡の部屋に赴いて活力剤を薄ませた物を飲ませて運動させて、裸に剥いて整体をする。

そんな生活をしばらく続ける事になった。

しかし俺として嬉しい誤算だったのが……モンスターワールドの薬の強力さだった。

もっと時間がかかると思っていたのだが……俺が治療を始めてからみるみる褐色知的眼鏡の気の淀みが改善されていったのである。

日に日によくなっていると本当に簡単に実感できる程だった。

本人もそれが自覚できるのか……以前よりも嬉しそうにしているのがよくわかった。

 

マジでおかしい……モンスターワールドの薬……

 

下手をすれば活力剤を飲んだだけで、ほとんどの病が治るのではなかろうか?

全ての人間が気軽に使える代物ではないだろうが……それでもハンターが普通に買えて使えていたことを考えれば、あの世界の人間が異常に丈夫だったことも納得できる気がした。

 

まぁ油断は出来ないわけだが……

 

気である程度診断が出来るとはいえ、俺は専門医ではない。

やはり最後は医者にお墨付きをもらわなければ安心できないという物。

故に流した噂を聞きつけて……華佗が早く来てくれることを祈るのみである。

 

 

 

 

 

 

そして俺が治療を開始してから10日後。

それと同時に……華佗がようやく来てくれて、俺の元を訪ねてくれた。

一度しか接したことがなく、精々保存食を分けた程度の俺の頼み……しかも噂話という実に信憑性が薄い伝達手段……を聞いてくれるのか不安だったが、来てくれて心底安堵した俺だった。

 

「本当にすまない。助かった。看て欲しいの俺ではなくて別の人間だ」

「気にするな。病人がいるから看て欲しいと頼まれれば俺は何処にだっていくさ」

 

うわ、イケメン

 

嫌みも裏もなく、本心から言っているのが容易にわかる程だった。

そして……こいつがいると言うことは、あいつもいると言うことで……

 

「久しぶりねぇん、刀月ちゃん」

「……元気そうで何より」

「だぁ~れがぁ、吐き気が三日三晩止まらなくなる上に、発狂するほどの顔ですってぇ!?」

「いってねーよ!」

 

相変わらず変な漢である。

さらに笑ったのが……一人増えていた事だった。

 

「新しい人だな。俺は姓を入寺、名を刀月。あんたは?」

 

明らかに貂蝉と同類と思われる存在がそこにいた。

マッチョで巨漢で筋肉もりもり。

ビキニパンツに極小ブラだけを身に付けて、何故か黒い外套を羽織っている。

そして冗談のように長く横に跳ねている髭。

 

極めつけが……貂蝉と同じく化け物じみた気を放っていることだ。

 

「私は卑弥呼。この大陸でダーリンと旅をしている。貂蝉はわしの弟子だ」

 

……もう突っ込まないからな

 

明らかにおかしな名前なのだが、もう並行世界だし、そもそも貂蝉の師匠と言うことは同類だ。

ならば深く考えない方が吉である。

 

「先日私がいないときに弟子が失礼をしたようだな」

「別に。それほどでも……ないかな」

「……いいのか聞かなくて?」

「自分で何とかするからいいよ」

「ほう? なるほど」

 

この時だけは……特異な存在として互いに牽制し合ったが、それだけだった。

師匠という意味がどういった意味なのかは謎だが、それでもあちらもあまり干渉する気はないのだろう。

ともかく一応の自己紹介を終えてからは……二人には街で待っていてもらうことにした。

医者以外の部外者を、国の中枢部に連れて行くのはさすがに無理があったからだ。

気配で褐色知的眼鏡の場所を確認すると……玉座の間で褐色ポニーにおっとり眼鏡、さらに呂蒙も一緒にいた。

一度華佗を俺の自室に連れて行って待機してもらい、玉座の間に早足で向かう。

そして中に入ると……皆がこちらを見て、ちょうどよかったと言うように笑みを浮かべる。

 

人員から言って結構重要な会議かな

 

そして今の情勢下で会議となれば……議題は一つしかないだろう。

 

「蜀からの返答か?」

「さすがね刀月。その通りよ」

 

王たる褐色ポニーが代表してそう答えてくれた。

いよいよ正式に蜀からも文書がやってきて、同盟を組む手はずとなったようだ。

その話を聞いて……俺は心底安堵した。

 

ぎりぎり間に合ったかぁ……

 

さすがに今すぐ出発と言うことではないだろうが、それでもそう時間をおかずに出発することになる。

俺が出発してからでは、華佗が来ても部外者でしかないため城に招き入れることは出来なかっただろう。

何度か医療で通わせれば、最悪は最後の方で俺がいなくなっても何とかなるだろう。

ともかく最低限顔合わせだけはしなければどうにもならないので……どうにか間に合ったことを俺は内心で喜んだ。

 

「それで会議なんだろうが……すまないが周瑜に紹介したい人がいるんだ。すまないが少し時間をくれないか?」

「なんだって? しかし今は大事な軍議の途中だ」

「それを承知の上でだ」

「しかし……」

 

もっとも知力に優れ、責任感も強い褐色知的眼鏡をこの場から連れて行くのが難航しそうだった。

大事な軍議の途中なのは俺も重々承知だったが……あまり待たせるのも失礼だ。

時代的に考えれば、市井の医者をあまり重視する必要性はないのかもしれないが、俺は礼儀を欠くことをしたくなかった。

わざわざここまで来てくれたのだ。

俺が出来ることは全力でしなければならない。

また俺自身少し焦るというか……俺以外の所見が欲しいのもあったため、少し強引にこの場から褐色知的眼鏡を連れ出そうと躍起になってしまう。

その時……俺の必死さが伝わったのか、お上の鶴の一声が玉の間に響く。

 

「刀月。それは冥琳の体のことということかしら?」

 

褐色ポニーが、周りに部下がいるという状況にも関わらず、そう言ってくる。

体の事という単語を聞いても、咄嗟におっとり眼鏡も呂蒙も何を言っているのかはわからないようで、首を傾げている。

そして当の本人は……やれやれとでもいうように、嘆息をしている。

 

まぁ俺が三度の命令権を早速使用するに当たって褐色ポニーには許可をもらいに行ったんだからわかるのも当然か

 

しかも許可をもらいに行ったときもあっさりと許可を出したのだからうすうす気付いていたのだろう。

そしてその通りだったために、俺ははっきりと頷いてみせる。

そのため……褐色ポニーは嬉しそうに笑顔を見せて、褐色知的眼鏡に向き直った。

 

「冥琳」

「……なんだ?」

「言わなくてもわかるでしょ?」

「……わかった。二人とも、後を頼んで良いか?」

「? はい~、わかりました~」

「わ、わかりました!」

 

二人とも意味はわかってないようだが、王である褐色ポニーの命令だ。

否とは言えないし、言わないだろう。

許可を受けて褐色知的眼鏡を俺の部屋まで連れて行き……華佗を紹介する。

 

「初めまして周瑜様。俺は華佗。五斗米道の教えを受け、大陸を旅しながら医者をやっている」

「私は周瑜。呉で軍師をしている者だ。今回は世話になる」

「あぁ。全力を尽くす」

 

二人の自己紹介を終えて……いよいよ診察の時間となった。

さすがに二人きりにするのは無責任……細作である可能性もあるわけで……なので、診察に伴って肌を出さねばいけないので出て行きたかったが、やむを得ず俺も同席した。

そしてすぐに結果が出た。

 

「な、何だと!?」

「? 何か問題があるのか?」

 

診察してすぐに……華佗が驚きの声を上げる。

俺としてはちょっとびっくりだったが……驚いている理由がわからなくはないので、安心して声を上げる。

驚き方も、悪い雰囲気ではないので安心できたというのもあった。

 

「確かにまだ病が残っているようだが……ほとんど問題ない。治療は刀月が行ったのか?」

「たいそうなことはしてない。仕事が忙しいのはわかっていたので、事務負担を減らすために人員を配置して、薬を飲ませて食生活を改善させただけだ」

「それだけか? というか薬というのは?」

「興奮しているところすまない。出来れば結果だけでも教えてくれないか?」

 

診断が終えたような状況で結果を伝えていないため、少しいらだった様子で褐色知的眼鏡がそう言ってくる。

これについては俺と華佗は何も言えず、謝るしかなかった。

 

「失礼した。ともかく……病については完治まで後一歩と言ったところだ。よほどの事がない限り悪化はしないはずだ」

「つまり……私は助かったということでいいのか?」

「完治まで気を緩めてはいけないが、その通りだといってもいい状態だな」

 

その言葉を聞いて……俺は本当に心の底から安堵した。

そして安心したという意味では……俺よりも褐色知的眼鏡の方がよほど嬉しいだろう。

再度涙を流しそうに涙ぐんでいたが……それでも意地だったのか泣かずに目元を押さえて堪えていた。

 

「ありがとう……刀月」

「まぁ医者のお墨付きをもらったから大丈夫だろうが……まだ治ってないから完治したら、その言葉を改めて受け取ることにするよ」

「……あぁ、そうだな」

 

死を受け入れてそれでもなお、身を粉にして働いてきたのだ。

命が助かったという想いが果たしてどれほどのものかは、俺には想像も出来なかった。

故にしばし待って……とりあえず本当に問題ないことを華佗に確認した。

 

「では私は戻るぞ。それと刀月、わかっていると思うが会議の話はまだ他の者にはいうなよ?」

「了解。そのうち呼ばれるだろうからその前に終わらせないとな」

「あぁ」

 

そして診察が終われば褐色知的眼鏡はせわしなく会議へと戻っていった。

変わってやれればよかったのだが……未だ満足に読み書きが出来ない俺が行っても足手まといにしかならない。

それに恩人に礼をしなければならなかった。

 

「本当に……よく来てくれた華佗。助かった」

「何の、俺は医者として当然のことをしたまでだ。気にしないでくれ」

 

裏もなく100%本音で言ってきているのでまぶしくて仕方がない。

しかしそれが華佗という存在なのだろう。

俺としては本当に礼を言うしかなかった。

 

「といっても何もないのは失礼だしな。路銀は出すとして、他に何か希望はあるか?」

 

報酬として出来うる限りの事はしてやりたいのだが……こいつはおそらく金を大量に渡されても受け取ってくれないだろう。

ならば他に報酬の代わりとして何か出来ることをしなければならない。

 

「いや、本当に気にしないでくれてかまわないぞ。それに俺も医者として彼女の体はまだ完治してないからしばらくこの街にいるつもりだ。いつでも頼ってくれてかまわない」

「それは助かるが……お前本当に良い奴だなあ」

「医者として当然のことをしているだけさ」

 

アフターケアまでしてくれるのだから、実にありがたい話である。

どうやって恩を返すべきか悩むのだが……今回は俺としても少し優位というか、華佗がほしがるであろう物が手元にある。

 

「それで刀月。出来れば教えて欲しい。あの病を一体どうやってあそこまで治療した?」

 

治療法だ。

褐色知的眼鏡に話は聞いたが、密かに何人もの医者に診せており誰もが不治の病とあっさりと断言したという。

その不治の病を回復させた俺の治療法は、当然気になるだろう。

俺は全ての治療法を包み隠さず教えた。

また活力剤は品切れだったが、それでも空き瓶は残してある。

集めれば舐める位は出来るだろう。

 

「もう残ってないが……空き瓶でよければ見せられるぞ?」

「是非見せて欲しい」

 

さすがは医者と言うべきか、興味津々に活力剤を分析したり、あの二人を招き入れて、俺の料理を振る舞って……仏跳牆も残りを飲ませ、普通の料理もごちそうした……雑談もした。

最後に……俺はいくつか役に立つであろうモンスターワールドの薬を、華佗に代価として渡そうとした。

だが……

 

「非常に高価な薬だと思う。そしてそれ以上に貴重なはずだ。さすがにこれは受け取れない」

「何でだ?」

「俺はまだ五斗米道の修行を行っている身だ。そんな身でこんな高価な薬をもらっては駄目だと思うんだ」

「違うぞ、華佗。むしろ逆だ」

 

受け取りを渋ることはわかっていた。

そのため俺はあえて卑怯な手を使うことにした。

 

「確かにまだ修行中の身なのだろう。俺も同じくまだ剣術も鍛造も修行を行っているからその気持ちはよくわかる」

「なら……」

「だが、俺の修行はあくまでも己のためのものだが、お前の医術は違う。人を救うことの出来る大切な医術だ」

 

究極的なことを言えば、俺の修行は自己満足の類と言えなくもない。

だが華佗の医術は違う。

人の命に直接関わるんだ。

医者はこの時代本当に貴重だ。

医療が未熟なのだから当然といえる。

しかもこの時代は、権力の強い者から消される心配だってあるし、盗賊などに襲われる心配だってある。

それでもなお立ち上がって医療をして生きているのが、この時代の医者だ。

尊敬しかできない。

 

まぁこいつの場合は……地上最強のボディーガードが二人もいるから、武力的な意味で潰されることはまずないだろうが……

 

そして華佗は、そんな下心ありきでこの二人で一緒に旅をしていない。

ただ一緒に旅をする仲間として旅をしているのだ。

本当に色んな意味で脱帽だ。

 

そんな彼を少しでも助けられれば……俺としても悪い気分ではない。

 

「薬の有無で救えない命なんて、あっちゃいけない。無論薬に頼るのはよくないが……お前ならそんな慢心はしないはずだ」

「それは……」

「お前のためじゃない。未来の患者のために……そしてお前が医者を続けていくための手助けとして、どうか受け取ってくれないか?」

 

手助けといっても、あまりにもやばいのを渡しすぎてもあまりよくないので、俺が渡すのは回復薬と回復薬G位だ。

これなら華佗も頼れるが頼り切ることはしないし出来ないはずだ。

そして医療を施しても、この時代の医療が未熟なことが原因で死んでしまう人間がいたら……どうしても華佗の心が痛んでしまう。

それを少しでも和らげていたかった。

それを差し引いても、ともかくこいつなら変な使い方はしないだろう。

ここまでわざわざ来てくれたこの男が……潰れて欲しくなかった。

 

「……あぁ、わかった」

 

俺の意図はほとんど伝わったようで、華佗は苦笑しながら受け取ってくれた。

そしてそれだけではなく、宿泊先として、刀村の連中が暮らしている家まで案内した。

俺が普段暮らしているところは城の中のため、さすがに部外者は無理だったからだ。

助と格には事情を説明し、俺の客人と伝えたので変な扱いはしないはずだ。

俺がいる間は褐色知的眼鏡の診療を行う場合は、俺も同席する事になるだろう。

だがともかくとして……俺の大事な仕事は一つ終わりを告げたので、非常にほっとした。

 

まぁ……おかげで蓄えほとんどすっからかんだけどな

 

連合からこつこつ貯めてきた貴重な乾物類やら貴重な食料。

蓄えていた金。

そのほとんどがなくなってしまった。

また地道に貯めていかなければならないのだが……この後俺は遠征というか、別の土地に行かねばならない。

さすがに蜀の益州から海までの距離を移動するのは、距離的にもそうだが周りの目を鑑みても難しいだろう。

 

まぁ一度やってみないとわからないが……一息には無理だろうなぁ

 

実験的に試してもみたいが、その場合は次の日が休めることも確認してからの方が良いだろう。

ともかく散財をする羽目にはなったが……それでも一つの命を救えたことは素直に喜ぶべきだろう。

そしてこの仕事を無事に終えたことで……俺としても次の仕事になんの憂いもなく取りかかることが出来るというもの。

 

蜀への派遣かぁ……どうなることやら

 

 

 

 

 

 

会議の邪魔をした翌々日。

俺は王の間に呼び出しを受けて赴いた。

するとそこには既に褐色ポニー、褐色知的眼鏡、おっとり眼鏡、呂蒙、尾行娘、入れ墨娘、パンダ帽子、ちんちくりんに甘やかし短髪と……蜀への派遣が決定しているメンバーが集まっていた。

どうやら俺が最後になってしまったようだ。

 

「集まったわね。では会議を始めるわ」

 

全員が揃ったことで、王たる褐色ポニーがそう言った。

といっても最終確認の意味合いが強かった。

呂蒙は軍師として。

尾行娘は現場での武力と伝令役として。

入れ墨娘は最前線での最強武力。

その最強武力を支えるパンダ帽子。

為政者としてそれなりに優秀なちんちくりん。

頭脳労働担当としては文句なしの甘やかし短髪。

それぞれが完全に役割を分担できる状況故に、あくまでも確認する意味合いが強かったのだ。

そして出立の日を伝えられ……準備期間は三日だった……解散となった。

だがその前に……俺は残るように言われてしまった。

何かしたか心当たりがなかったのだが……褐色ポニーと褐色知的眼鏡が残ったことで、何の案件かすぐにわかった。

褐色ポニーは玉座に座っていたのだが、他の連中が退室したのを確認すると、玉座から降りて俺と同じ床に立った。

それは褐色知的眼鏡も同じで、二人は俺の前に足を進めてくる。

 

「冥琳から聞いたわ。冥琳の病……治ったのね」

「あぁ。まだ完治ではないが、ほぼ問題ないだろうという信頼できる医者の診断も得ている。出発までには何とか完治できるだろうし、ありがたいことに医者の華佗もしばらくこの地に留まってくれるようだ。あからさまな金品とかを受け取らないが、便宜を図ってやって欲しい。刀村の連中が住んでいる助の家に招かせてもらっている」

「華佗というのね。わかったわ」

 

実際ほぼ問題ないが……俺としても出来れば完治してから出かけたいのでまだ気を抜く気はなかった。

準備期間はそれを狙ったわけではないだろうが、それでもこちらとしても猶予があって助かった。

 

荷造りが大変だけどな

 

正しくは再度認識阻害の術を掛けなければいけないのが面倒なのだが……アルミ製の台車を置いていった方がよほど面倒なので、持って行くしかないだろう。

そんな事を考えていると……褐色ポニーが柔らかく微笑むと、俺に向かって深々と頭を下げた。

 

「……おい孫策」

 

この場には今俺と褐色ポニーと褐色知的眼鏡しかいない。

だがそれでも、一国の王たる褐色ポニーが頭を下げるのはいくらなんでもやり過ぎだった。

しかも褐色知的眼鏡が慌ててないところからも考えるに……この礼について褐色知的眼鏡も承諾していると言うことだ。

そして一応玉座を降りて同じ高さに立っていることで、自らの立場を「王」ではないという気持ちの表れのはずだ。

この状況で敬語を使うのは俺が褐色ポニーと「王」として対面している事になる。

それではわざわざ玉座から降りた褐色ポニーの敬意を汚すことになる。

故にこそ敬語は使わないし使えないのだが、こちらとしては萎縮というか恐縮というか……ちょっと失礼だが嫌な予感を覚えてしまう。

 

「これは本当に私からの心からのお礼よ、刀月」

「だからといって頭を下げるのはだな?」

「確かにそうかもしれない。けど……本当に嬉しかったの。ありがとう」

 

そう言って俺の手を握ってくる。

その手は僅かにだが震えていて……本当に感謝しているのが伝わってくる。

そばで控えている褐色知的眼鏡も、俺に対して頭を下げてくるものだから……俺としては非常に居心地の悪いというか、何とも言えない状況になってしまった。

しばらくそうしていたが……褐色ポニーが頭を上げて、後ろに控えていた褐色知的眼鏡の背後に回って背中を押して、俺の前に立たせた。

いたずらっ子のように満面の笑みで背中を押してくる褐色ポニーに、同じように嬉しそうに苦笑しながら褐色知的眼鏡は俺の前に立ち……真っ直ぐに俺の目を見つめてきた。

 

「改めて……感謝する、刀月。私を救ってくれて、本当にありがとう」

「まだ終わってないぞ。気を緩めるなよ? 後俺だけじゃなくノブにも褒美をやってくれよ?」

 

ある意味で今回の一番の功労者はノブだ。

膨大な量の事務仕事を、俺の脅迫と報酬……先払いのスープと毎日の飯……で死にものぐるいで仕事をしてくれた。

念のためノブが細作として情報を他に回してないのか警戒はしたし、仕事を始める前には相当俺が脅しておいた。

 

まぁある意味で無駄だったが……

 

ノブは良くも悪くも悪人ではないので、褐色知的眼鏡としても色んな意味で信頼に足る人物として、重宝することになり副官として仕事を行うようになった。

出世である。

その分仕事も増えたようだが……その辺は頑張ってもらおう。

またそれとは別にたまに差し入れを持って行ってやるつもりだ。

 

というか俺の仕事丸投げ人材がいなくなったな……俺も勉強するか……

 

派遣先ではそこそこ時間も出来るだろう。

これを機会に勉強してみるのも悪いことではないだろう。

 

「それはもちろんだ。だが……当然刀月にも報酬を渡すべきだろう」

 

……なんか嫌な予感がする

 

わざわざ会議を終えた後に王の間に残らせたこと。

わざわざ同じ地面に立って同じ視線になってから頭を下げてきたこと。

その上での褒美と言ってくること。

往々にして……嫌な予感は当たるものだった。

 

「私の名は周瑜。字は公瑾。そして真名を冥琳」

「……おい」

「私は雪蓮と違うだろう? 命を救ってくれた恩人に、私としての最上の礼をしたいと思っても問題ないだろう?」

「えぇ。そして私からも」

「は?」

 

後方に下がったはずの褐色ポニーもそんなことを良いながら褐色知的眼鏡に並んで立って……俺の手を褐色知的眼鏡の手と一緒に握ってきた。

 

「私の真名は雪蓮よ。今度こそ……受け取ってもらうわよ、刀月」

「いやいやいや。待て待て待て待て」

 

さすがにこれは予想だにしなかったことで、本当に俺は慌ててしまった。

わざわざ玉座を降りたのはこれをするための布石だったのだ。

俺としては絶句というか……一本取られた気持ちだった。

そして以前と状況が違うからか……褐色知的眼鏡も俺を見て可笑しそうに苦笑するだけで、止めようともしない。

 

「私にとって冥琳は本当に大切な人。そして冥琳にとって私は大事な人」

「自分で言わないでくれるかな、雪蓮」

「ちゃかさないでよ冥琳。本当のことでしょ?」

「あぁ」

「ともかく……私たちを救ってくれたというのは、私と冥琳を助けたっていうそれだけの意味ではないの。互いに互いを大切に思っているから……二人以上に救われたことなの」

「いや、そうかもしれないが」

「もちろんあなたの意志は尊重するわ。だから呼べと言っているわけではないの。受け取るだけで良いわ。もちろん呼んでくれたら嬉しいけど……」

 

軽くウィンクをしながらそう言ってくるが……その笑顔を否定する気には、俺もなれなかった。

一度天を仰いで……王の間故の高い天井を見上げて、溜め息を吐くしかなかった。

 

さすがに受け取らないのも失礼か……

 

「受け取るには受け取るが……済まないが……」

「わかってるわ刀月。でも覚えていて。確かに私たちは命を救われたわ。でもそれだけであなたに真名を預けた訳じゃないって事。客将だから本当は他の人と区別すべきなのでしょうけど、でもそれじゃさすがに私たちの気が済まない。だから受け取るだけ受け取っておいて」

 

ここまで言われては、俺としても何も言えなかった。

故に俺は言葉を出さず……ただ二人にわかるようにはっきりと頷くしかなかった。

そんな俺の返答を、二人は苦笑しながらも受け取ってくれた。

 

「まぁでも冥琳は最近まで刀月の事疑ってたから、少し私が無理矢理言わせちゃったかもしれないわね」

「まぁ俺みたいなのを疑うのは当然だろう」

「あ、やっぱりわかってた?」

「別に疑うと言うほど強い感情じゃないだろ。別段気にしてない」

 

文字通りの妖術使いの俺を疑うのは当然のことだ。

それについては褐色ポニーよりも褐色知的眼鏡の方が正しいし、露骨な差別やら妨害をしてきたわけではない。

ならば別段気にすることもない。

 

「それにもしよかったら……私たちを閨に誘ってくれてもいいわよ? 私としてはいつでも歓迎だわ」

「……あのなぁ、さすがにそれは言い過ぎだぞ?」

「嘘じゃないわ。ねぇ冥琳?」

「……あぁ」

 

え、嘘だろ褐色知的眼鏡!?

 

苦笑しつつも嫌ではない様子の褐色知的眼鏡に、俺は思わず目を見開いてしまった。

これはさすがに予想外すぎたからだ。

だが嫌そうでもなく否定もしないのでは……真面目にそのつもりでいる様子で、俺としては頭を悩ますというか、絶句するしかなかった。

 

誘わなければ良いだけなんだが……めんどくせぇなぁ……

 

他の連中がいない場でこれを言ったのだからその辺は考慮してくれたようだが……他の連中がいないことでなんか全ての本音をぶちまけられて散々攻撃を受けている気分になってしまう。

実にしたたかなものであって……俺としてはある意味で完敗したことに苦笑いを浮かべることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

しかしやられっぱなしは癪だったのと、ちょうど都合よく説教するべき二人が、王でも軍師でもなく一人の人間として目の前にいるので……俺は二人のことを散々に叱っておいた。

 

褐色ポニーが自由奔放に動いた方が良い仕事をするのだが、あまりにも事務仕事をさぼりすぎて褐色知的眼鏡に負担を掛けたこと。

 

褐色知的眼鏡は自らの主であり大事な存在である褐色ポニーを甘やかしすぎること、そして周りを頼らずに無理をしすぎたこと。

 

これらについて、それはもう烈火のごとく叱っておいた。

しかし二人とも説教がなくとも、命の危機に瀕したことで少しは改善するだろう。

それについては良いことに疑う余地もなかったので、一通り説教が終えるとすぱっとやめて……慶事ということもあり、俺は二人と褐色妖艶を俺の家に招いて宴会を行った。

命が助かったという本当に良いことのお祝い事だったので、俺としてもけちけちせずに俺が作った日本酒に俺が作った料理を振る舞った。

酒好きの二人は狂喜乱舞し、しかし一気に飲んでは酔いが回ってしまうので普段よりはじっくりと飲んでいた。

褐色知的眼鏡も、酒と料理には本気で驚いていた。

 

こうして飲むことが出来るのも当分お預けになるので……たまには騒ぐのも悪くないと、俺は思った。

 

 




実際問題・・・・・・原作が18禁ということもあって、いい体してますよね
作者は男です
呉は肌色面積可笑しいメンバーが多いので、実際紛れ込んだら大変出そうね~

まぁ一般人が紛れたところで、種馬みたいな役目を仰せつからない限り、役立たずなのでよくて一般兵になってすぐに死ぬか、疑われて即座に殺されるかのどちらかでしょうがw

次からようやく蜀に向かいますね~
あちらで刀月はどんなはちゃめちゃなことを起こすのか
私もまだよくわかってませんw
お楽しみに
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