そうだ、刀買おう 某CM風
というか京都に行きたいなぁ
さすがは古都
刀屋結構多いんですよね~
あ、今回も説明会です
ただ個人的にナナの辺りはそこそこ良い出来だと思っております
楽しんでくれれば幸いです
蜀に派兵にきた俺達に、早速仕事が割り振られた。
予想通り俺は土木工事。
呂蒙に尾行娘、呂布とパンダ帽子が南蛮へ。
尾行娘は前線での情報収集と呂蒙の護衛。
呂布は戦力として、パンダ帽子は手綱兼軍師。
ちんちくりんは成都に残って内政関係で、甘やかし短髪は北方への派遣だった。
甘やかし短髪がちんちくりんから離れるのを嫌がると思ったのだが……意外にもすんなりと指示を受諾していた。
内政といっても本当に簡単なことしか出来ない。
まぁ同盟といっても他国にかわりないしな
むしろ他国の小娘を登用というか仕事を割り振った方に驚きだ。
気を遣ったのか、よほど人手が足りないのか、もしくは半々……この三つだと思われる。
それもそれで難儀だなぁ……
意外に思ったのは甘やかし短髪が別行動に頷いたことだ。
考えてみれば今までも甘やかし短髪が前線で軍師として仕事をしている時まで、ちんちくりんが付いていくとは色々考えにくい。
別行動をしたことがあると言うことだろう。
ただ条件としてちんちくりんの親衛隊を何人か、必ず同伴させるということを条件としていた。
甘やかし短髪がそこまで信頼するのだから……本当に親衛隊と言っていいのだろう。
そんなことを考えながら、俺は早速工事箇所と仕事内容を聞くために片側ポニーを探していた。
俺達の連絡員として、基本的に片側ポニーが対応してくれることになった。
武も知も秀でている片側ポニーが対応するのはある意味で当然と言えた……ちんちくりんとパンダ帽子以外は、全員それなりに武があるため……し、俺としては顔見知りで話もしやすい片側ポニーだったのは助かった。
そして片側ポニーのそばに……ナナの気配を感じ取って俺はこの呼び出しの目的の一つを悟った。
ありがたいことだな……
あちらとしても俺を信頼してくれているような気がして嬉しかった。
しかしそれをおくびに出さず、呼び出された執務室へと向かう。
「失礼します」
「どうぞ~♪」
執務室へ声を掛けると、嬉しそうな声が返ってくる。
ナナ以外にも片側ポニーにミドリボンがいることを考えると……仕事をしている最中なのだろう。
仕事が一時中断できたのでラッキー……という感じの声だった。
こんな声を、よく褐色ポニーが出していた。
何処も一緒か……
若干呆れるのだが、事務量が膨大なのは俺もよく知っているので、完全に呆れることも出来ず……何というか何とも言えない気持ちで室内へと足を踏み入れる。
そこには気配の通り、ナナの姿があった。
俺の姿を見てナナがパッと笑顔を咲かせてくれる。
その笑顔を見て、俺は素直に驚いた。
以前と違ってそばにいる誰かの影に隠れることはせず、嬉しそうに笑顔を向けていたのだから。
ただまだ完治には至ってないようで、そばに佇む片側ポニーのスカートの裾を握っている。
怖いことは怖いが、それでも歓迎してくれているのは……俺としては本当に嬉しかった。
「ナナ……。元気そうで何よりだ」
故にこそ、俺はリハビリも兼ねてしゃがんで目線を合わすことはしなかった。
だが、可能な限り優しく声を掛ける。
また旧交を温めるのと少しでもナナの恩を返すことも思って……ちょっとした菓子も用意してきた。
「仕事の話で呼ばれたでしょうが、緊急性がなければ少しだけナナの容態を聞きたい。かまわないでしょうか? せんべい……米の菓子ならナナも食えますかね?」
そう言いながら俺は手にしていた菓子……さすがに手の込んだ物は用意できず、醤油せんべいが数枚……を前に出しながらそう言う。
ここで普通であれば毒味をすべきなのだろうが俺が作った菓子である……殺そうと思うのならとっくに殺している……ことと、ナナにも食べさせるということで、安心な物であるとアピールする。
ナナに毒殺する菓子が回るかもしれないような手を使うくらいなら……俺はマジで腹を切る……
そんな俺の言葉に、片側ポニーは少し渋い顔……ナナをだしに使っているし、毒味を提案するのも仁義に反する……をしたが、ナナの案件のため断るのも難しいと判断したのだろう。
不承不承に頷いて俺の包みを受けとった。
そして片側ポニーに執務机から少し離れた席に座らされ……ナナのためと他国の事務仕事……軽く雑談を始める。
「今はとりあえず仕事を抜き……って感じでかまわないでしょうか?」
「もちろんです刀月さん! ご無沙汰してます! またこうしてお話できて嬉しいです!」
素人娘が以前と変わらず屈託なく笑うその姿は……俺としては内心で感嘆していた。
ここまで国が大きくなったにも関わらず、未だ以前と同じ気持ちで生きているのがわかったからだ。
権力を手にしたというのに、増長しないのはこいつの人柄故なのだろう。
「ありがとう劉備。俺としてもナナの元気な姿が見れて安心した」
「貴様に心配されるいわれはないぞ刀月。心配ならば文の一つでもよこしたらどうだ?」
「無茶を言うなよ関羽。俺は一応呉に与する人間だぞ? 許可もなく他国の情報なんぞ仕入れたら怒られるじゃすまないだろ?」
確かに考えなかったわけではないが……現代ではないのだから文通なんぞ出来るわけもない。
特にこれが同じ陣営の仲間と言うことであれば簡単だっただろうが……他国の相手であれば無理がある。
しかも俺が文を出すとすれば素人娘か片側ポニーかちみっこのいずれかになる。
蜀発足時よりいる重鎮中の重鎮と王様だ。
常識的に考えて文を送っても捨てられるのが落ちだ。
「わかっている。ただの嫌味だ」
「もう、愛紗ちゃん。そんないじわる言っちゃ駄目だよ。愛紗ちゃんだって刀月さんがきたって聞いてから嬉しそうにしてたでしょ」
「と、桃香様、それはあくまでもこいつと剣を交えることが出来るかもしれないと言うことで、決して嬉しいというわけでは……」
「お久しぶりです刀月さん。こうしてお話しできて私も嬉しいです。連合軍時には大してお話出来ませんでしたが、噂はよく聞いてます。私たちにもその力を貸してくださると嬉しいです」
「無論です諸葛亮様。俺の力、大いに役立ててもらえれば」
「もう朱里ちゃん! 今は堅い話は抜きにしようよ! それに刀月さんならきっとそんなこと言わなくても頑張ってくれるよ! いい人だもん!」
「いやまぁ頑張ることについては否定しないが……お前も少しは疑えというか……」
他国の人間故に本気で腹を割って話すのは難しいが……仕事の話を抜きにすれば俺としては二人のことは好いている。
ミドリボンも諸葛亮ということで……俺としてはまだ頭の中で整理が出来てないのだが、少なくとも人柄は問題なさそうだった。
そうして少し雑談している中で驚いたことに……ナナがせっせと動いてお茶の用意を終えた。
その仕草には一切淀みがなく、そつがない。
日頃からしているのが見て取れた。
そして準備が終えるとまず一番偉い素人娘にお茶を渡す。
次に俺に渡すのか一つだけをお盆にのせる。
そのお盆を片側ポニーが受け取ろうとするのだが、ナナはそれについて首を横に振った。
「? いいのか?」
そんなナナの仕草に、片側ポニーはもう本当に心配する仕草を見せたが……しかし意志を尊重するらしく、深く頷いてナナの様子を見守った。
またその気持ちは素人娘も同じようで……ハラハラしながらもナナの行動を見守っている。
お前らは親か!?
ナナに対する二人の気持ちがもうそれはそれは手に取るようにわかるので……思いっきり突っ込みたかったのだが、ナナがいる手前大声を出すことなど出来るわけもない。
故に俺は二人の様子に苦笑することしかできなかった。
そして当のナナはというと、おぼんを持って必死に歩いてきていた。
すぐに俺は行動した。
ナナを怯えさせず、ナナの気持ちを汲むために……椅子に座った状態で腰を曲げて姿勢を低くし、右手の平を上にして手を開いて前に突きだした。
お茶をおける場所を作ったのだ。
近くに机がなく、置く場所が床しかないからだ。
「無理だったら近くの床においてくれ。全く問題ない」
そう可能な限り穏やかにそう言った。
俺の声が聞こえたのかは謎だが……ナナは若干顔をこわばらせながらもゆっくりとした足取りで俺に向かってくる。
その様子を俺がじっと見ているのも緊張していけないと思い、顔を伏せていた。
しかし一歩一歩確実に近づいてくる様子はわかった。
その勇気をたたえて、俺は微動だにしなかった。
そしてナナも俺の手にお茶をおける位置まで歩いてきて……おぼんからお茶を手にしたのがわかった。
後は俺の手に乗せれば良いだけなのだが……いくら手を伸ばしているとはいえ、俺が行動を起こせば怖がる可能性がある。
男という恐怖の対象がそばにいる状況とは……ナナの心境は想像を絶する。
故に俺はただただ……ナナがお茶を置くのを待ったのだが、やはりどうしても怖かったようだ。
お茶を手にして俺の手に置こうとしたが……最後の最後で出来なかったようで、手を滑らせてしまい俺の手に熱いお茶がこぼれてしまう。
それを取るのも可能だったが……俺はあえてお茶を取らなかった。
「!??!?」
失敗したことで、ナナが息を呑んだのが聞こえてくる。
周りの連中も固唾を呑んで見守っていたのだが……ナナが失敗したことで息を吐き出してしまう。
ナナが恐怖にしゃがんでしまったようなので、誰も何も言うことが出来なかった。
零したお茶はナナにかかってはいないので、内心でほっと溜息を吐いていた。
俺のそばで頭を守るようにして、ナナが体を丸めて震えていた。
きっと……以前の男に覚えた恐怖が、脳裏をよぎっているのだろう。
そんなナナに……掛ける言葉は一つだった。
「もう一度だ、ナナ」
思わず駆け寄ろうとした。
桃香様も同じ気持ちだったのだろう。
咄嗟に息を呑んで……立ち上がろうと机に手を掛けたのが視界の端に写っていた。
私も同じだ。
ナナがお茶を取りこぼしたときに体が動いてしまった。
だが……湯気が立つ熱いお茶が手にこぼれたというのに……刀月は何も言うことはなく微動だにしなかった。
咄嗟に熱いと口走っても良いほどだというのに。
そう……もっとも動いても不思議じゃない刀月が、動くことも言葉を発することもなかったのだ。
一体どういうつもりなのか?
そう不思議に思っていると……刀月はただ一言、こう呟いた。
「もう一度だ、ナナ」
怒りなど微塵もなく、ただただナナを励ますためだが、しかし過度な期待は逆効果だ。
故に淡々とした口調で、俺はナナに可能な限り優しい声を掛ける。
「「「!?」」」
他の三人が驚いたように俺を見てくるのがわかった。
そして当のナナは……少しの間震えていたが俺の声は聞こえていたようで、しばらくしてから頭を抱えるのをやめて、俺に顔を向けてくるのがわかった。
俺に顔を向けてくるまで待った。
自発的にこちらを見なければ意味がなく、俺から見るのはナナに再度恐怖を植え付ける可能性が高いために……俺は一切姿勢を変えずに言葉を続ける。
「茶をこぼしただけ。何も問題はない。あるとすれば俺のお茶がなくなっただけ。だからもう一度入れてくれ。床においてもかまわない。だから……俺にお茶を入れてくれないか?」
手を突き出して腰を曲げている姿勢では、実に滑稽と言えただろう。
だがそれでも……ナナの気持ちを考えればそんなものなどどうでもよく、やけどした手なんぞもっとどうでもよかった。
先ほども話したとおり、今は仕事の話をしていない……つまり呉の客将に、蜀の小間使いが無礼を働いたという状況ではない。
ならば俺にお茶をかけてしまった程度、問題になどなるはずもない。
ここでもっとも大事なのは、ナナの勇気を無駄にしないことだ。
故に俺は……可能な限り優しく、だが鼓舞するように力強く、言葉をかける。
「『ナナ』が入れたお茶を、俺に飲ませて欲しい」
その言葉が励みになったのかはわからない。
だがそれでも、ナナは震えながらも立ち上がって……再度お茶を入れ始める。
先ほどと違って堂々たる気配はなく……再度失敗しないように震えているのがよくわかる。
そのため茶葉が少ないのがすぐにわかったが、そんなことどうでもよかった。
俺が姿勢を戻さないこと、そして俺の言葉の真意がわかっているのか……誰も言葉を発せず手伝いもしない。
ただただ固唾を呑んで、ナナの動作を見守っている。
やがて少なくない時間が経ちながらも再度お茶を入れることが出来て……今度はお盆にのせずお茶を手に持って、勇気を振り絞ってナナが俺に歩いてくる。
その一歩はどれほど重く恐ろしい物だろう。
それを考えれば……時間の経過など全く苦にならない。
ただただ見守って……再度俺にお茶をおけるところまでたどり着いた。
そして……今度は俺の手に何とかお茶を乗せることが出来た。
俺が触れるわけにも行かないし、怖がらせる可能性が非常に高いので、指を動かすことは出来ない。
俺の手に置いて、自立したことを確認すると……ナナはすぐにとって返して片側ポニーの足にしがみついた。
置くまではよかったが、すぐに走った事でお茶がバランスを崩す。
このままでは落ちるが、ナナにお茶が置けたことを見せたかったので能力を使用する。
目に見えず手助けするくらいは良いだろうと判断して、左腕の風翔の力を用いて超局所的突風……お茶の傾きを正す風……を起こして安定させた。
そしてナナが俺の方を見て、俺の手に乗ったお茶に視線を向けられたのを数秒感じてから……俺は指を曲げてしっかりとお茶を握りしめた。
体勢をゆっくりと起こし、そしてゆっくりと顔を向けて笑顔を見せる。
「……ありがとうナナ」
見事なんて言う堅苦しい言い方では意味がない。
ただ万感の思いを込めて……お礼を述べた。
その俺に対して……恐怖に震えそして恐怖がにじみ出ていたがそれでも僅かに俺に対して笑みを浮かべたのを見せて、感極まったのか片側ポニーがしゃがんで力強く抱きしめた。
「よくやったナナ! 偉いぞ!」
涙ぐみながらそんなことを言っている。
もう嬉しすぎるのか少し力を入れすぎな感じがしないでもないが……それでもナナは嬉しそうに笑っていた。
「ナナちゃん! 立派だよ! すごいすごい!」
素人娘も耐えきれなかったようで、椅子から勢いよく立ち上がって片側ポニーごとナナを抱きしめていた。
そばにいるミドリボンも本当に嬉しそうに微笑んでいて……そばによって優しくナナの頭を撫でていた。
俺も感極まって何も言えず……ナナに対してはっきりと頷いて笑顔を向けた。
仕事の話をしにきたのだが……予想外にも嬉しいことが起こってしまい、しばし四人とも何も出来ずにいた。
ちなみに当然だが、ナナの入れてくれたお茶は薄かったが、そんなことはどうでもよかった。
「……すまない、嬉しくて思わず。呉の将の前だというのに」
「堅苦しいことは抜きだ関羽。俺としても飛び上がるほどに嬉しい事だった。今度菓子を作ってくるから盛大に祝おう」
「刀月さんのお菓子ですか!? こっちにも噂が広がってくる位に有名ですよ! 特に、春に出されたぷりん?っていうお菓子がすごいんですよね!?」
「あぁ、時期が来たら必ず作ろう。というかその話こっちまできてんのかよ……」
プリン。
それは卵を使った魅惑の菓子。
作り方自体は簡単なものから高度な物まで幅広くあるが……あれほど老若男女を惑わす菓子もそうないだろう。
以前に呉で作ったことがあったのだが……城の中で軽く戦争が起きた。
最初は……ちんちくりんに出したのだ。
それがまぁえっらく喜んで食べるものだから……他の連中も興味を抱いたのだ。
甘やかし短髪がちんちくりんとの共通の話題と言うことで、俺に所望してきたのが始まりだった。
後はもう芋づる式と言うか……ねずみ算式というか、ともかく何故か瞬く間に噂が広まり、驚くべき事に土木工事現場まで噂が広まったのだ。
おそらく卵が貴重ではあるが、材料自体が非常にシンプル……この時は簡単な物にしたので卵、砂糖、牛乳のみ……であること、作ることが簡単だと俺がうっかり口走ってしまったのが大きな原因だろう。
そのため武将だけに飽きたらず、文官や一般兵、あげくには都の子供達が食べたがった……褐色妖艶になついていた子供達が褐色妖艶におねだりしたらしい……ために、何故か俺が作る羽目になったのだ。
一時期卵買いあさったから、それが影響して噂で蜀まで流れてきているのか?
相当量作る羽目になった……俺自身の自腹も使うほど……ので、大量の卵が必要になり、一時期市場の卵のほとんどを買いあさる羽目になったのだ。
そうなると飲食店に迷惑がかかるのだが、飲食店の連中も食べたがってむしろ買うのを手伝ってくれたくらいだ。
たまに意見を聞きたくて、工事現場で他の菓子の差し入れなんかをしてたのも要因の一つだろうなぁ……
ちなみにその場合は差し入れというよりも、工事を素早く確実に終えた連中への副報酬という意味合いだった。
故に俺の工事は人足も確保できるために、褐色知的眼鏡としても俺の現場入りは歓迎していたのだが、その時はそれが裏目に出てしまったのだ。
事態を重く見た褐色知的眼鏡が、材料購入に仕方なく税の使用を許可した程だった。
救いといえば品種改良が為されてないため、卵が春にしか手に入らないことだろう。
そのため何とかプリン制作から解放された俺だったが、しばらく薄い黄色を見るのも嫌になったくらいだった。
税を投入したこともあって、最低限の材料費しか取らず、また希望者には行き渡るように大量に作った。
あまりの人気にレシピについては秘密にするように、褐色知的眼鏡から厳命を受けていた。
ちなみに俺が持ってきたせんべいも好評だった。
「さてそろそろ将として仕事しようか。嬉しいことは事実だが、これ以上さぼるわけにも行かないだろう」
「そうだな。では朱里。説明を頼む」
「はい!」
嬉しいことがあったのと俺の性格が少しわかったのか、ミドリボンが片側ポニーに返事をして俺に笑顔を向けながら説明してくれた。
といっても土木工事を行う事はわかりきっていたので、どんなことが出来るのかまず俺からの説明を要求された。
そのため俺は包み隠さず自分に出来ることを伝えた。
一時間もあれば林を根こそぎ丸裸に出来ることや、数十人は必要な巨石を一人で持ち上げる等々……ありのまま伝える。
直に見たことがないので、疑われると思ったのだが……俺の出鱈目さは素人娘や片側ポニーから既に聞いているのか何の疑いもせず、俺にどのように仕事を行うのか的確に指示をくれた。
そして……最初から手加減をしてはくれなかった。
つまり……激務である。
まぁそれだけ余裕がないんだろうな……
要所のみとはいえ、その要所が本当に難所で困難な案件ばかりだった。
木材を得ようにも野獣や他国の動きも考慮にいれなければいけないので、材料を得るにも気を遣わなければいけない状況だ。
故に俺は……全力で仕事を行った。
細かいところはほとんど丸投げだったが、野獣を恐れる理由がない俺は一時間と立たずに森を一つ丸裸にし、土木工事で掘削した際に出土した巨石なんかも、ほいほいと運んで行って周囲を圧倒させた。
最初こそ驚くのだが……すぐに土木怪人の話題を上げるので、他国にまで俺のへんてこなあだ名が浸透しているのを知って、内心で笑うしかなかった
しかしそれと同時に、俺は噂話が馬鹿に出来ないことを再度認識する形となった。
インフレが整ってないこの時代に、それなりに確かな精度でこの蜀まで話が広がっているのだ。
以前にも俺が村を作る羽目になってしまった時に噂話を甘く見ていたが、今回もそれを痛感していた。
となると……まさかとは思うがライブでの徴兵ってのも事実なのか?
そして蜀に呉の情報が伝わっていたのと同じように、当然呉も噂話を情報として耳にすることもあるわけであり、その中で俺が真面目に頭を悩ませたのが、魏の徴兵方法だった。
話によれば……三人姉妹が歌ったり踊ったりしているのを見て『魏に入ってみんなも大事な人を守ろう!』となどの謳い文句が書かれた看板なんかで徴兵を行っているという。
それを聞いて俺は真っ先に『それって歌手なんかのコンサートライブか?』と思った。
そしてそこで疑問になるのが、徴兵をするというのならばいわゆる『箱』と呼ばれるようなライブハウスといった小規模な物ではなく、野外ライブのような物であると考えられる。
そもそも箱みたいな施設がないだろうしな……
その場合、声が果たして遠い連中に届くのかと疑問に思ったのだが、噂ではなにやら妖術を使って三人姉妹の声を大きくしているという話だった。
徴兵方法や、何よりも声を大きくするといった事を、呉の連中は眉唾物で考えていた。
俺もその一人だったが、今回の噂話の信憑性を鑑みるとあながち間違いではなのかもしれない。
それは俺自身が不可思議な存在であり妖術が使える……風翔の力で拡声したりもしている……のと、何よりも魏には北郷一刀という俺と同じ現代人がいるのも大きい。
一応真実かもしれないことは上の連中には進言しておいた。
褐色ポニーや褐色知的眼鏡なんかは、俺の進言を聞いてもなお少し疑っていたが……俺の進言と実際に増えていく兵の数に信じざるを得ないといったところだった。
だが北郷は妖術が使える雰囲気はなかったが……拡声の術は一体誰が使ってるんだ?
別段重要な情報ではないので俺自身そこまで深く考えていなかったのと、噂に過ぎないと高をくくっていたこともあった。
しかし黒幕が使っていたとはいえ妖術があることは既に把握済みだったはずだ。
その辺は迂闊と言うよりも俺が油断していたと考えて良いだろう。
まぁともかく……もう少し噂話についても考えるようにしないといけないな……
現代の感覚から、どうしても噂話というのにあまりいいイメージがわかない。
そのため軽く考えてしまうところがあるのはまずいと気を引き締めなおした。
そして土木工事の現場に出てからは、呉と同じ感じになった。
違いがあるとすれば、工事箇所が各地に散らばっているので一箇所にとどまることはせず、ひたすらに難所の工事をしたら次に行くという形になったので、あまり人と話すことはできなかったところだろう。
そしてこの時俺はナナの回復と勇気にめちゃくちゃテンションが上がっていたので、魔力と気力をフルバーストしていた。
そのため一箇所にかかる時間が諸葛亮の想定なんぞ目じゃなく、片側ポニーが想定していた時間よりもさらに短く、俺の予想すらも上回る速度で難所の工事を片付ける。
さらにちょっと俺自身最近暇すぎた事もあったため、テンションが馬鹿になっていて
「全速前進! 全速前進! 全全全全全速前進!!」
どこぞの社長がMAD化された時のセリフを吠えていた。
そんなもんだからお付きの奴が、俺のテンションと俺の仕事速度についてこれなかった。
なにせお付きのやつは馬で移動だというのに、徒歩の俺の方が移動が速いのだ。
しかも到着してほぼ休む間もなく次の場所は移動になるのだ。
具体的には
現場に到着
難所を早々片付ける
次に移動
早々片付け
お付きの兵士が休む間もなく移動
早々に片付け
お付きの兵士を少し休ませる
移動
片付ける
お付きの兵士が悲鳴を上げ始める
という感じになった。
途中で疲れている兵士が休んでいるのを待ってるだけなのもめんどくさくなったので、難所以外も手伝いをした。
明日からはお付きの兵士が持たないから、事前に現場に連絡しておいてもらおう
同盟国の客将だが、完全に味方というわけでもないのでさすが監視が必要なのは理解しているが、これでは工事が捗らない。
一人を監視につけるのではなく、工事現場ごとに先に監視役を配置してもらおう。
もしくは度胸があるやつをお付きにしてもらって呂蒙のために作った背負子を利用して運ぶのもいいかもしれない。
というか、常時監視じゃないと意味ないから後者か
誰か百メートル飛び上がっても悲鳴を……上げてもいいから耐えられる奴がいないか戻り次第確認しようと思った。
そしてそんな状態で仕事をしていれば相当早く仕事が終わるのは当然といえば当然であり……まだ昼頃だというのに本日の予定が終わってしまったのだ。
片側ポニーとしても俺が本気を出したところを見たことがないので予想できなかったのだろう。
そして本当にテンションが馬鹿になっているので……息も絶え絶えの兵士を強引に横抱きにして、俺は城へと跳んだ。
「えぇぇぇぇぇぇぇ!?!?!?」
ノーロープバンジーなんぞ目じゃない……完全に生身でのスカイダイビングだ。
ある程度知れ渡っていると判断したが、さすがに空中での気壁と魔壁を応用した二段ジャンプ等はしなかった。
しかしそれでも俺の気力と魔力による跳躍力は脅威以外の何物でもない。
そして……いと哀れなおつきの兵士は、その脅威を身をもって知ることになった。
さすがにまだ慣れてない上に、同盟国とはいえ他国で城壁越えをするわけにはいかないので、城壁前で着地して……門番が泡を食っていた。
「客将、刀月である! 本日の工事が終了したため、諸葛亮殿に明日以降に行くべき工事現場を教えて欲しいと伝えて欲しい! つまり新しい仕事を教えてくれということだ」
「は、はい!?」
門番としては本当に目が点になる状況だろう。
何せまだ俺の存在を認識できるほど蜀には知れ渡ってない。
正しく言えば俺の顔と名前が一致してない。
しかし俺が横抱きにしているのは蜀の兵士。
そして運が良いことに門番とお付きの兵士が顔見知りだったようで、門番の男が慌ててお付きの兵士に事実確認を行った。
お付きの兵士も恐怖で震えていたのだが……しかしさすがに問われてなんとか持ち直したのか、門番の男に事実を説明する。
すなわち……突如として飛来した男は呉からの客将の刀月であり、そして本日の業務の工事が終わったのだと。
門番としては俺の業務内容はわかってない……本日の俺の工事数が半端ないこと……だろうが、それでも仕事を終えたから新しい仕事をよこせという意味は理解できるのだろう。
ともかく内部の兵士に伝令をお願いしてくれたので俺はしばらく門の前で待機した。
しばらく待っていると、俺とお付きの兵士は軍議の場へと招かれた。
「え、えっと……本日お願いした工事が全部終えたので新しい仕事を振って欲しいと伝令から聞いたのですが……本当ですか?」
半信半疑なのか、ミドリボンがうさんくさそうにというか……ともかく疑惑の目を俺に向けてくる。
本来同盟国の将の報告を疑うのは無礼なのだろうが……俺はあまりそういうことは気にしてない。
まぁ信じられない気持ちは当然だろうしねぇ~
無礼なんぞ思わないし、そもそも俺も本当はここまで本気でやるつもりはなかったのだ。
あちらが困惑するのも無理からぬこと。
嘘をいう理由は何もないので、俺は胸を張って答えた。
「本当です。それについては……」
そして……それを証明してくれるのが、お付きの兵士だ。
「は、はい諸葛亮様。恐ろしいことに……刀月様は本日お願いされた工事を全て終えています」
「終えたって……まだお昼を過ぎたばかりなのですが」
「飯についてはご心配なく。自前で用意がありますので」
「いえあの……そうではなくて……」
ちなみに俺の食事は自前にさせてもらった。
どこで食うのかもわからないので、適当に運搬できる食料を購入しておいたのだ。
これについては兵士も同じだ。
飯の時間を固定されてしまうと、自由に身動きがとれないのでいつでも食えるようにしたのだ。
工事現場でもらうことも考えたが……そうすると工事現場の連中の食べられる分が二人分減ってしまうのでそれは避けたかったのだ。
まだ食料が十分に行き渡らない時代では、公的工事に従事した際の配給というのは非常に貴重だ。
俺なんか特に飯に困ってないのだから必要がない。
「え……えっと……では、お願いしてもいいでしゅか?」
「?」
「は、はわわ。噛んじゃいました」
本当に小動物みたいな子だな
そんな感想を抱きつつ仕事に向かう。
その際度胸がある兵士にお付きを変えて欲しいとお願いした。
もっと正確に言うと俺の跳躍に耐えられる奴をお付きにしてくれと頼んだ。
移動速度が格段に違うからである。
意味が理解できないみたいなので、その場で100m程飛び上がって見せた。
そしてこの移動に耐えられる奴を選出して欲しいと言ったのだ。
まぁノーロープバンジーを耐えられるような奴なんてすぐにわからないだろうけど
むしろ呂蒙がよくぞ平気だった物だと今でも思う。
しかし流石というべきか……ミドリボンは少しだけ悩んだ後一名の兵士を呼び出した。
何でも片側ポニーが訓練を行っている兵士の一人のようで、今日は非番だったらしい。
非番なのに良いのか?と思ったが、休日手当故に給料が弾むと言うことで喜んでいた。
んで肝心の移動方法……ハンググライダーのような物がないので、普通におんぶして飛び上がっての移動のみ……で移動したのだが、なかなかどうして肝が据わっているようで怖がってはいるが平気だったようで、何度か行ったら普通に慣れていた。
さすがにお付きの兵士の選出をしてからだったので午後は三カ所ほどしか回れなかったが……明日からは格段に速くなるので御の字だろう。
新しいお付きの兵士……
しかし、そこで俺は失策をする。
ここは義勇軍より出発した国。
義勇軍時代の連中も、生き残っている連中はそれなりに偉くなっているのである。
つまり、
「刀月さんの供だと!?」
「刀月さんが供を募集中!?」
「そういや来たって話が出てたな!?」
「刀月さんのお付きが新米とは許せん!?」
なんて馬鹿な話が上ったらしく……次の日に登城すると結構な人数が押しかけてきて困った。
ただ残念なことに義勇軍の連中は俺の行軍に耐えることが出来ず、結局俺のお付きは平で決定してしまった。
ちなみに平曰く……
「落下していく時の感覚が最高です!」
とのこと。
ジェットコースターが好きな人がそんなことを言っていた気がする。
俺自身数回しか乗ったことがないが……乗ったときは中学生だったため、既にそんな感覚なんぞ知りすぎていて面白くも何ともなかった。
また遊園地なんぞ行っている余裕もあまりないので、卒業時に同級生に強制徴収されたときに行って以来行ってない。
遊園地……か……
遊ぶ園の土地。
まさに平和でなければ実現し得ない物だろう。
だから……無性に懐かしく感じてしまう。
ホームシックとは少し違うんだが……
そんな郷愁の念に駆られた気がしたが、そんなことはどうでもよかった。
土木工事に従事してそんな想いを馳せている暇なんぞない。
数日はそんな生活が続いた。
しかしそんな時間もそう長くは続かなかった。
その日、俺は会議室へと呼び出されていた。
朝、平が俺の元へとやってきて工事現場の場所を教えてくれる。
地図は本当におおざっぱな物を渡される……地形は非常に重要な情報のため、子細な地図を渡されない……ので、そこへ向かって俺は背負子で平を背負って移動する。
後はひたすらそれを繰り返すのだが……本日は違ったようだった。
何かあったのかな?
もしくは土木工事の難所が終えたのかもしれない。
しかしそうなると俺としては困ることになってしまう。
一応客将であり『将』ではあるのだが……俺としては武を禁止しているため、戦場へとかり出されるのは願い下げなのだ。
別段行くのはかまわないのだが……前線に出るのは正直避けたかった。
前線に出ても相手を殺さないなんて面倒なだけだしな……
その辺は素人娘と片側ポニーが理解しているとは思うが、汲んでくれないことも有り得る。
もしも戦闘を依頼されたらどうすべきか……そんなことを考えていたのだが、会議室で言い渡されたのは少し予想外な内容だった。
「援軍要請? あの呂布が?」
会議室へと赴き、言われた内容に驚愕した。
南蛮に向かった入れ墨娘とパンダ帽子が、俺に援護を求めてきているという。
入れ墨娘は間違いなくこの大陸では随一の武力を持っている。
その相手が苦戦するとは……一体どういう事なのか?
瞬時に思考を巡らせて、俺としては黒幕が暗躍している可能性しか思いつかなかった。
しかしどうやら違う様子だった。
「援軍というか……戦えないというか戦わないのでどうにかしたいと」
「戦わない?」
ミドリボンが届けられた文を読んで不思議そうにしているというか、どう説明すべきか悩んでいるようだ。
その時点でどうやら黒幕の連中ではない……入れ墨娘が戦うのに苦戦しているのなら素直にそう言えば良いだけなので……と察して、最後まで話を聞くことにした。
「苦戦と言うよりも、戦うのが難しいようなのです」
「戦うのが難しい?」
言っている意味がわからず首を傾げるしかない。
「何でも、敵の南蛮兵は皆が幼子と言っていいほどの容姿で、呂布さんが非常に戦いにくいようなんです」
「あぁなるほど。あいつ子供に弱いと言うことはないが、優しいですからね」
「それに何でも……すごく大きな生き物にのって攻撃なんかをしてくるみたいで。動物が相手だとほとんど戦いにならないようで。幸い呂布さんが出ることであちらも警戒して攻撃をしてこないので、一種の膠着状態に陥ってしまったようです」
大きな生き物? ……あぁ象か
友人に付き合って三国志のアクションゲームをやったことを思い出した。
確か南蛮の相手は猛獲という名前で、非常にあきらめの悪いというかしつこいというか……倒しても何度も復活してきて友人共々嫌気が差していた記憶がある。
また象も通常攻撃では届かないのだが、象の攻撃は当然こちらには当たり放題で、非常にイライラしたのを覚えている。
子供のような容姿に象。
これでは入れ墨娘が本領を発揮できないのは致し方ない事かもしれない。
「呂布さんは、刀月さんに大きな生き物の対処をお願いしたいと言っているようです」
「ぞ――大きな生き物の対処って、随分おおざっぱですね」
「その辺は私にも何とも。ただ呂布さんとしては、家族がなついた刀月さんなら何とか出来ると言うことで援軍を要請したようです」
曖昧なことを言ってるなぁ入れ墨娘……まぁ正解なのがなかなか鋭いが……
俺に生物がなつくのは龍脈を統べる老山の力を宿しているからだろう。
俺自身動物が好きなこともあるが、老山の力は大地そのものと言っていい。
その辺を本能で察している辺り、入れ墨娘もなかなかである。
「こちらとしても南蛮の侵攻を防いでいるあの砦を落とされるのは避けたいのです。南蛮には張飛、趙雲、黄忠がいます。先に伝令を出しておきますので向かっていただければ……」
「伝令の時間が無駄でしょう。よければすぐに向かいますが? そっちの方が速いし」
距離があるため気を遣ったのだろうが、国内移動など俺にとってはないのと一緒である。
しかも早馬なんぞよりも俺の方が遙かに速い。
「え……えぇ!?」
流石に予想外ではあったのか、ミドリボンが驚きの声を上げている。
片側ポニーも同じようで、声こそ上げてないが驚いてはいるようだ。
そしてすぐに……胡散臭い顔に変わる。
「刀月。お前の出鱈目さはよくわかっているが、さすがに早馬よりも早く着くのは言い過ぎではないか?」
「まぁそう思うかもしれない……俺としては普通のことなんだ。疑うのも無理はないんだが……戦線が膠着している内に赴いた方がよくないか?」
疑うのは当然にしても、それで時間をロスするのは愚かなこと。
戦線が膠着しているのであれば、その膠着が瓦解する前に援軍に行った方が良いだろう。
行商目的ではないが、それでも台車を置いていくわけにはいかないので、呂蒙と行商に出ていたときの装備をそのまま使用すれば……まぁ言い訳にはなるだろう。
「確かに……工事現場に向かうその様を見れば大丈夫かもしれませんね」
「朱里、正気か?」
「念のため早馬も出しておきましょう。その後刀月さんも出発していただければ。同じ書状を二つ用意しますので、その間に準備をお願いできますか?」
「了解しました」
既に兵士としては入れ墨娘の部隊が向かっているので、俺が単品で赴けばいいのでそう時間をかけずに迎えるだろう。
ただ平の仕事的にどうなのかとは思ったが……国防の危機の状況で一兵士の要望がそう通るわけもないので大丈夫だろう。
聞けば妻子はいないみたいだし、ある意味でもっともいい人材をお付きに出来たと喜んで良いだろう。
平もお付きとして付いてきてくれることになったので、俺と平は急いで準備を進める。
といっても二人とも独り身故に準備なんぞそうかかることもなく、俺と平は一時間後には準備を終えて城門前に集まっていた。
ちんちくりんの元を離れることになるので……それが少し不安だった。
しかし一応ちんちくりんも状況は理解しているのか、文句は言っていたが納得はしてくれた。
戻ったら菓子を要求はされたが……とりあえずなるべく早く帰るようにした方が良いだろう。
「俺が来てから面倒事ばかりで済まないな平。宜しく頼む」
「それはかまわないのですが……刀月様荷物が多いんですね?」
「まぁ、長旅だから俺は。物が多いのよ」
距離うんぬんなんぞどれほどの距離を踏破したのかわかるはずもなく、時間も年単位で既に相当の年月が経過している。
長旅なのは間違いないだろう。
久しぶりの出番だが……まぁ問題ないだろう
呂蒙と行商を行っていたときの装備を使用するのは、背負子を除けば久しぶりだった。
メンテはこまめにしているので問題はないと判断……そもそもこの装備はだますものでしかないのでぶっちゃけ壊れても問題はない……し、俺と平はしばし雑談をしていた。
一応激戦区とも言える南蛮に向かうというのに、平は実に平然としていた。
無理して緊張を隠している様子も見受けられない。
なるほど……さすがは関羽と諸葛亮が一目置く兵士の一人ってところか……
何処にでも、いつの時代も傑物というのはいるものだ。
俺としてもこいつを鍛えれば面白いことになりそうだと素直にそう思えた。
しかしそんな暇もなくやる気もないので思うだけだ。
ともかく目先の仕事を片付けるべきだろう。
雑談をして待っていると書状が出来たのかミドリボンと片側ポニーが俺達の元へとやってきた。
「こちらに刀月さんについてと、平さんについて、さらに今の成都などの情報も記載してます。くれぐれもなくさないようにお願いします」
「了解しました」
「それで……なんだその変な荷車は?」
片側ポニーが呆れながらそう言ってくるのは……俺の行商荷車である。
既に翼もセッティングが終えているのですぐにでも出発できる状況だ。
「俺の荷物を触れて欲しくないのでね、持って行く」
触れられてはまずい物が多いのは事実だったが……それとは別に今回の相手が象という事で準備した秘策のための荷物が多いのもあった。
というよりも、今回の旅路での荷物はそれがほとんどだと言っていい。
頑張って収穫しておくもんだな……
台車数台分を一人で運んだのは無駄ではなかったと言うところだろう。
「お前は……まぁ良いか。ともかくみんなを頼んだぞ」
「了解」
そう軽く挨拶を告げると、俺は背負子に平を乗せて台車を上に投げて手で受け止める。
その様子があまりにもあれだったので……周囲の連中が驚いているのが見なくてもわかった。
「では」
その言葉と同時に、俺は普通に加速をしていき、やがて跳んだ。
その後は風翔の力を用いて滑空飛行で移動を行う。
距離はそこそこあるようだが、二時間ほどで到着できるだろう。
「な、なんなんでしゅか? あれ?」
「……私に聞くな」
刀月が平と供に南蛮の援軍に向かったのだが……その行き方があまりにも想像の埒外過ぎて私と朱里は思わず絶句していた。
以前から出鱈目なのはわかっていた。
噂話も聞こえていたし、実際土木工事については私も朱里も確認の意味も兼ねて一度視察に向かった。
その時の刀月も大概だったが……今の移動も明らかにおかしくて、もう笑うしかなかった。
これなら確かに……早馬よりも速いとか言えるな……
念のため早馬を送りだそうとしたのだが……完全に無駄になりそうなのでやめるように指示を出す。
出鱈目すぎる刀月の噂話で、行商についての話も聞いたことがあったが……まさかそれが本当のことだとはさすがに予想外だった。
「え、えっと……これでどうにかなるんですかね?」
「まぁ……悪い方向には転がらないとは思うが」
朱里としても予想が出来ないのだろう。
確かに不思議な男だが……南蛮の連中に対してどれほど対処できるのかは未知数だ。
それに報告にあった大きな生き物の攻撃をどうやって解決するのかも、よくわからない。
呂布が戦えないというのが……よくわからないが……
天下に名を轟かせた呂布。
未だ戦ったことはないが、同盟に伴って訪れた際に見た様子では、そんな様子は見受けられなかった。
相当強いことはわかったのだが、実際に戦ってみなければわからない。
そう言えば……仕合についてはどうすべきか……
以前に約束をした、刀月との仕合。
あれからそれなりの年月が経過した。
その間にも戦はあって……私なりに考えた。
ナナがそばにいたのが大きかったこともあって、以前よりも考えたつもりでいる。
その考えを……あの不可思議な男がどう思うのかを聞いてみたかった。
問題はないと思うが……無事に帰ってこい
刀月に問題があるとは……逆の意味で問題かもしれないが……思えない。
きっと吉報を持って帰ってくるだろう。
そう思った。
「厄介な相手だな……」
砦の防壁の上にて、槍を手にした女の将が一人、そうぼやいていた。
名を趙雲。
蜀の武将にして一騎当千の強さを誇る武将だ。
先端で二叉に分かれた槍を手にしている。
衣服としては胸元の上部分が大きく拓かれた扇情的とも言えるもので、和服のように開かれた前を、左を前にして会わせて腰の帯で固定している。
さらに腕には振り……和服の二の腕の部分のひらひらしたところ……もあり、和服を改造したかのような印象を受けるが、他の将と同じようにミニスカート程度の丈かなく、足は太ももまであるニーソックスで隠されている。
強さについては蜀でも随一と言っていいだろう。
そんな強さの将がぼやくのは、士気を考えればあまりよいことではないのだが……それも無理からぬ事だった。
「本当ですね。ものすごく……やりにくいです……」
そばで守衛に当たっている兵士が趙雲の言葉に同意した。
その厄介な相手が……砦の先にある森の隙間からひょっこりと顔を出してくる。
果てしなくずさんだが……おそらく偵察だろう。
その偵察に来ていたその姿は……
「珍妙だな」
刀月がこの場にいれば天を仰いで大きな声でそう言っていただろう。
毛皮を利用した虎柄の衣服なのだが……何故か知らないがビキニ風の服。
頭には猫耳のようなものがある。
しかも本物なのか、耳を澄ませたのかぴくぴくと耳を動かしている。
そして手には棍棒。
何よりもその体は小柄というか少女と言っていいような体躯だ。
一人を見れば普通に保護欲をかき立てられる愛らしい姿なのだが……それが何万となって襲ってくるのだ。
逆に不気味に思えて成らなかった。
「本当に……困った物ね」
その隣で同じようにぼやくのは……同じく将である黄忠だった。
黄忠はすらっと手足が長く、趙雲よりも背丈が高い。
また特徴的な衣服で……胸元の谷間全てが見えるようにど真ん中で大きく開かれている。
あげく丈こそ長いもののスリットが腰近くまで入っているので……下手をすれば尻が見えるような衣服である。
スリットから覗かせる足はあまり筋肉質ではなくすらっとしている。
右手には弓のための手袋をしており、弓を左手に持ち腰には矢筒。
黄蓋と違い剣を帯びてないところを見ると、完全な弓兵なのだろう。
また黄忠が他の将との大きな違いとしては未亡人であり、一人の幼い娘がいた。
黄忠はまだ幼い自らの娘である璃々に重ねて見えて、なおさらやりづらいのだろう。
非常に顔をしかめていた。
南蛮の兵士達は突撃のみで、何とか被害を抑えられてはいた。
この砦を突破されては村々に略奪に行かれてしまう。
かといって完全に籠城をすれば砦よりも遠くの村なんかを襲うので、完全に籠城するわけにもいかなかった。
逆に何度か討って出たこともあるのだが……深い森の不慣れ環境に、水を飲んだ者で体調不良を訴え出た者が多くまともな進軍が出来なかったのだ。
籠城は難しく、攻めるも難しい。
故にこそ膠着している状況といえた。
「ぶーーーー。つまんないのだ!」
そう言って文句を吼えているのが張飛だった。
猪突猛進とでもいうべき猛将だが……一人で突っ込むことが出来ないことも理解している。
だがそれでも目の前に敵がいながら満足に戦うことも出来ないのは理解しているため、こうして砦にいることしかできない現状を憂いているのだろう。
「みっともなく騒ぐななのです!」
そんな張飛に食ってかかるのがパンダ帽子こと陳宮だった。
くってかかってきた陳宮に顔を向けて……張飛はつっけんどんな言葉を返す。
「ふんだ! ろくに策も巡らせられない軍師のいうことなんて、聞かないのだ!」
「む!? その言い方は失礼なのです! 私は歴とした恋殿の軍師なのですぞ!」
「ふーーーんだ! 呂布は確かに強いのだ! けど、お前一人だったら全然怖くないのだ!」
「恋殿を馬鹿にするのは許しませんぞ!」
「馬鹿にはしてないのだ!」
ぎゃーぎゃーと、実に低レベルな争いをしている。
二人とも年頃が近く、またあまり同年代とふれあった事もないのでこんな感じにつんけんしてしまうのだろ。
微笑ましい風景と言えなくもないが……あまりよい言い争いではない。
こうして膠着状態ではストレスが溜まってしまうのだろう。
「ふ、二人とも。騒いじゃ駄目なのです。みんなが不安になってしまうのです」
そんな二人の仲裁に入ったのは、同じく小柄な少女である周泰だった。
なるべく人目につく場所にいるようにしているため、こんな砦の上にいるが……本来であれば森の中に入って行けばより真価を発揮できる。
しかしまだ信用を得てない状態でそれを行えば、砦にとって返して侵入して情報を盗んでいると勘ぐられても不思議ではない。
そのためなるべく人目が付くところに射るようにと、軍師である呂蒙に指示を受けていた。
「ち、陳宮さん。あまり騒がないでください。兵だって気が立ってますから」
「うるさいのです! 呂蒙ももっと言ってやるのです! 恋殿が侮辱されているのですぞ!」
「む、無理を言わないでください!」
呂蒙も何とか抑えようとするが……刀月にすら突進していく幼さ故の無鉄砲さと勢いのいい陳宮と、元々引っ込み思案とも言える呂蒙では、言い争いになって勝てるわけもなかった。
ちょっとしたプチパニックになってしまっている。
「ごめんね。れんだと、あのこたち……うまくたたかえない」
そんな騒ぎの中でぼーっとしているような仕草でそう言ってくるのは入れ墨娘こと呂布。
普段からあまりはっきりと物言いをしない人物だが……象を相手にうまく戦えない事で少し気を揉んでいるのか普段よりも暗い様子だ。
確かに呂布が象を突破出来れば活路も見えてくるが……常識的に考えて人間よりも遙かに大きな存在である象に向かっていくなど、だれも行いたくない。
蜀の武将は兵士もそれはわかっているし、逆に呂布があまり攻撃に転じてないからこそ、象や南蛮の兵達が怒って突撃してこないこともわかっているため、あまり強く言うことは出来なかった。
そして呂布としても動物である象を傷つけたくはなかった。
「まぁあれだけ巨大な生物を相手するのは他の兵士では難しいしな。こうやって膠着して被害が出ないだけでもありがたい話だから気にしないでくれ。援軍である刀月を待とう」
実際象を相手にしなくていいぶん、武将である趙雲からすればそれだけでも相当な労力を負担してくれている。
いなくて良いなどあるわけもない。
「そうよ呂布ちゃん。あなたのおかげだからあまり気を落とさないで、ね?」
同じように将として黄忠も同じ意見なのか、少しだけ肩を落としている呂布に寄り添って頭を撫でて励ましている。
撫でられて安心するのか……呂布はされるがままに気持ちよさに目を細めていた。
そんな緊張感が少しゆるんでいた時に……何故か大きな音が後方より響いて全員が驚きに目を見開いた。
そしてその次の瞬間の行動はさすがといえた。
将の四人はすぐさま伏せた。
陳宮も呂布が抱きかかえることで弓矢の攻撃から守っていた。
しかし先ほど響いた音は……あまりにもおかしな衝撃と轟音だ。
攻城兵器である投石機でも使用されたのかと思うほどだった。
しかも方角が前方ではなく後方……つまり成都側である。
そんな音がするはずもないため、砦にいる全ての兵士は疑問符を浮かべるしかなかった。
その時……先ほどの轟音すらも軽く凌駕するほどの大きな声が、砦の上にまで響いてきた。
「俺は客将、刀月である! 砦の将に取り次ぎを願いたい。呉からの客将である呂布の要請に応じて、救援に参った」
刀月?
その言葉を聞いて、蜀の存在は誰もが疑問符を浮かべた。
何せ成都に救援要請を出したのは数日前だ。
早馬にて単身で着たとしてもあまりにも到着が速すぎる。
故に誰もが驚きと戸惑いで動けずにいたのだが……その声で刀月本人だと断言できる存在が、この場にいたのだ。
「あ、もう来たんですね。さすが刀月様」
「さすがの速さなのです!」
「きた……」
「ちっ……きやがりましたか」
声だけで刀月本人が着たと断言できたのは、呉の将達だった。
そして四人は刀月が着たのがわかったので警戒を解いて立ち上がっていた。
しかし刀月の出鱈目加減を知らない蜀の将達は戸惑うことしかできなかった。
「着たって……本当に刀月が着たのか?」
そう疑問を口にするのは趙雲だった。
連合軍の陣営で遠目で見たことがあり、目の前にいる呂布との一騎打ちも見ていた。
確かに武としては超常の存在と言えたが……それと到着が異様に速いのは別の話だ。
故に信じられないのも当然といえた。
「確かに……お兄ちゃんの声なのだ」
そして蜀の中では他の連中よりも交流のある張飛が驚いた様子で、呉の将の言葉を肯定していた。
あり得ないとは誰もが思っていたが、しかし誰かが口上を挙げているのは事実。
確認だけはしなければと思い、声を上げている人物が見える位置に移動する。
すると……確かに連合軍時に見かけた覚えのある男が、蜀の兵士の装備を纏った男を背負子に乗せた物を背負って立っている姿が見えた。
「指揮官殿に諸葛亮より書状を預かっている。確認して欲しい」
そう言いながら手に持った書状を手に持って頭上に掲げる。
さすがにそこまで言われては見ないわけにもいかない。
だが念のため強い存在が行く必要性があると思い、趙雲自ら門の外へ出て書状を受け取った。
そしてその場で中身を見て……絶句した。
……たったさっき成都からやってきただと!?
刀月と名乗っている男から受け取った書状には確かに諸葛亮の書状とわかるものが記載されていた。
そして内容としては目の前で言っている刀月当人の言うとおり、呂布が要請した援護に向かったという物だった。
変装するというのは知人もいるのでは無理があるが……しかし……
この時代、変装というのは難しいだろう。
化粧もそこまで発達してないのだ。
また化学薬品なんぞあるわけもなく、変装のための薬品もない。
この時代……というよりも変装道具が発達するまでは、敵軍に紛れ込む方法は負傷兵として忍び込むことが一般的だ。
そのため言い方はひどいが、埋没する一般兵に紛れて暗躍するというのが限界だ。
何せ武将に化けても側近達がすぐに気付く。
特に名の知れた武将であればなおさらだった。
そのため……刀月のようなあまりにも有名な存在が相手では、化けるに化けられないのが実情と言っていい。
常識的に考えれば、早馬を何者かが捕らえて救援要請の書かれた書状を奪い取って、侵入してきたというところだろう。
だがしかし……それでも無理があるのだ。
もしも何者かに書状を奪われて刀月に化けた場合……成都からこの砦に着くまでの日数を計算もせずに、刀月に化けてきたことになるからだ。
そんなずさんなことしかできない存在が、わざわざ化けて何かをしてくるとは思えない。
……まぁさすがにあり得ないか
さらに言えば、目の前にいる刀月の雰囲気が明らかに一般のそれと違うことを、趙雲は肌で感じ取っていた。
これほどの技能を持ち得た存在を、趙雲は直近で呂布しか見たことがなかった。
それを考えれば……本人であると判断するしかないだろう。
そしてそれは中に招き入れた時の、呉の連中の態度でわかった。
「刀月様! 申し訳ありません!」
「出会い頭に謝るなよ呂蒙。謝るようなことしたのか?」
「いえ……刀月様のお力を借りることになってしまった自分がふがいなくて」
「お前相手に俺が助力することに何のためらいがある。お前はもう少し俺のことをもっと信用というか信頼というか、頼ってくれよ。お前とか助とか格とかのおかげで今の俺がいるんだ。もう少し当初の気持ち……俺に行商に連れて行ってくれと騒いだ時くらいの気持ちで構わん」
「そ、そんなの恐れ多いです!?」
まず真っ先に反応したのは呂蒙だった。
顔を恥ずかしさなのか照れなのか……ともかく顔を真っ赤にしながらも信頼しきっているのか、ものすごく饒舌だった。
しかもその顔から見る様子から察するに、ただ慕っているだけではないというのが……趙雲にもわかるほどだった。
「刀月様! お疲れ様です!」
「おう周泰。お疲れ。うまくやれてるか?」
「まだそこまでお役に立ててないのです。私は亞莎みたいに頭が良くないですし、呂布様みたいに強くないですから」
「まぁ今は雌伏の時だ。お前の力は必ず役に立つ。その辺は気にしなくて良いだろう」
「はい……」
次に近寄ったのは周泰だ。
こちらも信頼しているのがよくわかる。
今までピンと張り詰めた糸のように振る舞っていた様子を見ていた趙雲としては、意外に思えた。
任務中ということ、そして自分が疑われていることを理解しているのだろう。
それでも弱音を一切吐かずに仕事をしていたのだと、内心で好感を覚えたほどだ。
「とーげつ。ごめん」
「謝るなよ呂布。象――動物相手じゃお前は本気で戦えないもんな」
「む~~~~~邪魔な奴がきたのです」
「陳宮。別に思うのは構わないがせめて口に出すな。事と次第によっちゃ処分しなきゃならなくなるだろ?」
ほう……あの呂布ですらも信頼しているというのか?
これにはさすがに趙雲も意外に思えた。
呂布はつかみ所がなく、蜀の人間とは今のところ黄忠としか大して会話をしない。
また陳宮が憎まれ口を叩きながらも、近寄ってはいる。
陳宮が刀月を好いていないのはそれとなく察せられたが、子供なので本当に嫌いなら近寄りもしないだろう。
信頼している証とも言えた。
「久しぶりなのだお兄ちゃん!」
「おー張飛。ご無沙汰」
「元気にしてたのだ?」
「まぁまぁかな? 張飛はどうよ?」
「暴れられなくてつまんないのだ! 行軍しようにも、お水を飲んだらみんなお腹壊しちゃって討って出られなくてイライラしてるのだ!」
「水を飲んで? あぁなるほどね。そっちの問題もあんのかい」
!? それだけでわかったのか!?
南蛮を討つために打って出たときに生じた、突然の体調不良。
未だ原因がわかってない状況だったので、それをただ聞いただけで何かわかるようなそぶりをしたのは非常に気になった。
「刀月様!」
「よくぞお越しくださいました!」
「刀月様!」
「やかましい! お前らも疲れてるんだから体力温存せい!」
さらに、呂布隊の人間も一様に刀月のことを信頼していた。
そこには確かに信頼し、慕っているのが見て取れる。
これは本来であればあり得ないことなのだ。
何せ砦に籠もっていながら膠着状態でしかない。
普通であれば籠城している方が有利ととれなくもない状況だ。
だが南蛮たちが本拠地にしている森林の側だ。
地の利とは南蛮にあることもあり、また象の脅威があったために攻撃力は明らかに南蛮の方が上なのだ。
これでは兵の士気を保つのも難しい。
しかも救援要請できたのはたった一人の男だ。
これでは来ない方がましなのだ。
何せ首都からの返事として、一人しか増援を送らなかったと言うことなのだから。
だというのに……呉の人間の士気の上がり方は異常だった。
それだけこの男が異常だということを知っていると言うことになる。
戦わないというのに……この男は一体……
刀月は戦わない。
蜀にすら話が来ている位なのだ。
ならば呉の人間がそれを知らないはずがない。
なのに来ただけでこれだけの影響力を持つ男。
一人の将として、一人の人間として、興味を持った。
そしてこの男のことは……趙雲も認める存在、関羽が気に掛けていることも、趙雲自身が知っていた。
面白いな……
以前から気になっていた。
その存在目の前にいるのだ。
気にならないと言えば嘘になった。
この際……我らが主が気に掛け、愛紗も気になっている男を見極めてみるかな?
そんなことを考えながら……趙雲は紹介してもらうために、その男へと近づいていった。
多々買いを
辞めて向かうは
刀買い
物欲断ちは
未だ叶わず
メタルビルド頑張って買ってたけど、予約戦争に疲れて辞めました~
だから何?
って感じですがw
hi-νも本当は欲しいんだけど、どうせ買えないだろうし
転さんとの戦いはもう降伏で良いですw
前回と同じく説明会でしたね
まぁ今のところ刀月が戦ったのって、ほとんどないのですが
月夜の時よりも戦闘回数少ないな