そんな彼が目指した英雄はある時豹変してしまった。
短編ネタです
原作のシリアスな要素全て台無しです。
それでもいいという方は是非どうぞ。
「ーッセフィロス!
なぜ村人たちの毛を刈った!
なぜティファをショートカットにした、答えろセフィロス!!!!」
突然ニブルヘイムの村に脱毛剤を振りまき、村の男たちの髪をすべて刈り尽くした
ティファの親父は年々薄くなる髪をすべて刈られた事で立ち直れず、ティファも自慢のロングヘアをショートにされたことで泣いていた。
そんなティファに俺は
「大丈夫だ、ショートカットも似合っている」
そう励まして巨大なハサミ、バスターシザーを手に取り追いかけた。
――俺は
神羅は魔晄エネルギーに発毛効果があることを発見し、それを使って瞬く間に世界の髪を支配。
しかしウータイという国が『髪は自然に生やすべきである』と頑なに神羅の受け入れを拒んだため神羅との対立が深まり戦争になった。
俺は剃ルジャーになってウータイ戦争に参加した。
対峙するウータイ兵の髪を切り、毟り、刈り取った……。
ただその時期に、剃ルジャー1stであるジェネシスが大量のスタッフと共に独立してしまった。
俺は急遽人手不足を補うために1stに抜擢されたのだ。
しかしその後、俺の師匠であるアンジールも退社してしまったのだ。
俺にシャンプーの仕方、アイロンの使い方、パーマの掛け方など厳しくとも丁寧に教えてくれた師匠だったのに。
『俺は客の顔を剃りたいから美容師にはなれん』
そういって俺にバスターシザーを託して――。
セフィロスに追いついた俺はバスターシザーを構える。
セフィロスは俺を見ても相手にせずマネキンに語ってる
「母さん、またやつらが来たよ
母さんは優れた能力と知識でこの星で
けど、アイツらが―― なんのとりえもないアイツらが
母さんから髪を奪ったんだね
でも、もう悲しまないで、俺と一緒に行こう―」
どうしちまったんだよセフィロス、お前はみんなの憧れの
そして俺は
『昔、この星を災害が襲った。
お前たち先祖は逃げ回り…隠れたおかげで残ったのだ』
『星の危機はセトラの犠牲で回避された。
昼夜を問わない戦いによる睡眠不足、過剰なストレス、バランスの取れない食事』
『その後でのうのうと髪を増やしたのがおまえたちだ』
『セトラはこうして、僧侶になるしかない種族になってしまった』
『ジェノバ・プロジェクトとは古代種、つまりセトラの髪を持った人間を創り出すことだ』
『……創り出されたのは俺だ、この銀できめ細やかで枝毛がない髪が何よりの証拠』
もうセフィロスは…俺の知ってる
俺は奴の自慢の銀髪に切りかかった。
だがひらひらと空中に舞うその髪の色は黒色。
セフィロスは余裕の表情を見せ、俺のカットを交わし自身のハサミ“正宗”で反撃してきた。
気付いたら俺のオデコに垂れていた前髪が無くなる。
ヤバい、ほんとにヤバい。
俺には約束があるんだ、スラムで花を売っていた亜麻色の綺麗な髪をした女の子エアリス。
その子に俺のカットモデルとなってもらうという約束が!
だが健闘むなしくもジリジリと追い詰めれていた。
セフィロスはいまだ自慢の髪をたなびかせている。
俺の髪型は、かつてゴンガガにいる母親に切られたようになっていた。
「どうしたザックス、おとなしくしていればモヒカンになったものを、
動き回るから変になってしまったではないか」
「ふざけるな!俺はそんな髪型には絶対にならねぇ」
だが、俺は足を踏み外し、階段を転げて行ってしまい、バスターシザーも落としてしまった。
その時、俺のトモダチで見習いのクラウドが落ちてきた俺にかけよってきた。
クラウドもまた
剃ルジャーになろうと神羅に入社するも、お客様とのコミュニケーションに難ありで適性無しの判定をされた後、ひたすら床を掃除する仕事しかしていない。
「クラウド、セフィロスの髪にとどめを」
「でも俺じゃ・・・」
「大丈夫だ、
俺の言葉を聞くとクラウドはバスターシザーを手に取り奴の銀髪に切りかかる。
「
そういってセフィロスはバスターシザーを振り払う。
だが追撃をしようとした時、セフィロスはある事に気付いてしまった。
「ーッヘルメット!だと!」
狼狽えるセフィロスに隙を見つけたクラウドがバスターシザーで奴の銀髪をバッサリと切る。
「そんな……バカな……」
そしてセフィロスはクラウドによってライフストリートメントに落ちて行く。
だが俺達も力尽きてしまい、その後神羅に捕らえられてしまった。
長い眠りから目が覚めた俺はカプセルを割り外に出た。
見渡すとクラウドが同じく培養カプセルに入っている。
俺はクラウドを救い出すと抱えニブルヘイムの
バイクに乗りミッドガルを目指す。
エアリスとの約束を果たす為に。
途中でいろいろあったが何とかミッドガルに着きそうだ。
だが現実は甘くなかった。
ミッドガルを目の前にして行く手を阻んできたのは大量のお客様。
長い間放置されていた大量の予約客がここにきて俺達を阻む。
クラウドはダメだ…
ここは俺がやるしかない。
俺は決意してバスターシザーを構えそして……
「いらっしゃいませー!!!!!」