グレイが召喚されました。   作:アステカのキャスター

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 久しぶりにコッチを書きました。
 地獄界曼荼羅で平安が出てしまったちくせう!
 コレじゃあスバルクリプターが書きにくいじゃないかぁ!(泣)まだプレイしてないのでそれを終わらせてから書き始めたいと思います。

 良かったら感想評価、お願いします。では行こう。




女の子をギュッと抱き締めると柔らかいと思ってしまうのは不可抗力だと思う。

 

 

 前回の振り返りをしよう!

 

 

「コレがパンクラチオンです(ジョジョ風)」

「ヒェッ」

 

 

 特訓してもらって手首壊されかけました。

 いやアキレウスやらヘラクレスやらあんな大英雄が育った理由がわかったわ。この人スパルタでした。

 

 あとはフィオレの診察しました。叡智の結晶で。

 

 

 ★★★

 

 

「「魔晶圧迫障害?」」

「それが脚の不自由な原因だ」

 

 

 二人とも聞きなれない単語に首を傾げる。

 まあこんな症例は稀っぽいし、クイナも初めて見た。叡智の結晶によりその知識が頭に流れ込んできた。まあ長時間使用は無理があるが。

 

 

「魔力の変質により、魔力の一部が神経内で結晶化、そうして神経内で圧迫されてしまう事で神経そのものが硬直する。稀なケースだがな」

 

 

 叡智の結晶、本当に便利だな。

 わりかし無理だと諦めてたけど、現代の知識にも適応されるとは改めて凄いなと思いましたマル

 

 まあこの症状は魔術回路と神経回路が密接にあるが故に発生する稀なケース。()()()()()()()()()()()()()()()()()()。神経そのものに魔力が詰まってしまっているようなものだ。取り除いても普通なら元に戻ってしまうから対処法が見つからなかったのだろう。

 

 

「まあ、治すことは出来る。俺の技術でもなんなら今すぐでも可能だ」

「っっ!?なら……!」

「だが、俺の契約は診察までだ。それ以上は契約外だしな」

 

 

 カウレスが俯く。

 そう、フィオレとの契約はあくまで診察のみだ。叡智の結晶を使用する代わりにケイローンに戦いを教わっている。それ以上は契約外だ。仕事が絡んでいる以上、ボランティアでやるわけにもいかない。

 

 

「では、追加で契約を。何を差し出せばよろしいですか?」

「んー、特に決めてない。とりあえずは高い貸しにしておくよ。異論あるかい?」

「ありません」

「ちょっ、姉さん!?少しは慎重に契約を」

 

 

 カウレスの言う通り、そんな簡単に契約するものでもない。少しだけキョトンとした顔をしたあと溜息をついた。

 

 

「安心しろよ。俺がお前さんに恩を一つ売っておくだけだ。それがどう言う意味か分からないお前でもないだろ?」

 

 

 魔術師に恩を売る行為は今後の事を有利に進める事に等しい。クイナ自身は生き残る為に何パターンかは考えついているが、ケイローンは正直味方になってほしい。仮とは言え同盟関係を結んでいる赤セイバー陣営、黒の陣営のアーチャー陣営で()()()()()()()()()()()()()、それこそ生き残る可能性が高いと言える。

 

 魔術協会側は胡散臭いらしいし、かと言ってユグドミレニアを放置しておくわけにはいかない。特にダーニックについては魔術師として魔術師すぎる。第三勢力を作り、勝てれば残る三基で願いがあるのはケイローンと獅子刧、赤のセイバーモードレッドだけだ。

 

 ケイローンと獅子刧の願いは大聖杯の中身全てを使わずとも叶えられる願いだ。モードレッドは知らないが。まあともある恩を売っておけば後々役に立つだろう。

 

 

「よし、カウレス。一旦部屋を出ようぜ」

「はっ?何で…」

「失敗したくないから着替えてもらうだけだ。アサシン、悪いけど頼んでいいか?」

「はい、わかりました」

 

 

 カウレスの肩を掴んで部屋から出る。

 着替えを覗こうとするほど馬鹿ではない。んな事したらルヴィアやル・シアンくんに殺される。

 

 フィオレの部屋から少し離れた場所で窓際に座る二人。

 

 

「んで、本題に入ろうかカウレス」

「本題?」

「フィオレ嬢だよ。あの人が本当に当主でいいのかって話さ」

「はぁ!?いや、いいに決まって……」

「本当に?」

 

 

 真剣な顔でカウレスに問う。

 クイナは少なからずフィオレの性格を見抜いていた。あれは人間らしい魔術師だ。()()()()()()()()()()()()()

 

 

「心当たりがあるんじゃない?素質はともかく、精神的に魔術師に向いていない。会って俺が数日で気付けたんだ。兄弟のお前が分からない話でもないだろ?」

「………」

「まあ、深くは言わない。だが兄弟を比べればやはり優秀なのは彼女だ。だけど、精神的には話は別だ。きっとこの世界で生きれば彼女は遠からず心に深い傷を負う。お前も弟なら考えてやれ」  

 

 

 魔術師とは非情な存在だ。

 クイナも一見そう見えるがスイッチを切り替えてるだけだ。魔術師として生きる為には非情さは必要だ。フィオレでは耐え切れるのか否かと言われたら耐え切れないだろう。

 

 

「姉さんの脚は」

「治すよ?まあ筋力が落ちてるからリハビリは必要だ。この大戦中で頑張っても歩けるくらいしかならん」

 

 

 まああの礼装があるから大丈夫だろう。

 とは言え、魔術師としてこのまま突き進むのであれば相応の覚悟が必要になってくるだろう。

 

 

『クイナさん、着替えが完了したので戻ってきてください』

「りょーかい。んじゃパパッと脚を治すか」

「そんなあっさり言うなよ……」

 

 

 まあどちらにせよだ。

 それを決めるのは俺でもカウレスでもない。脚は治すが、それ以上はお節介が過ぎてしまう。着替え終わったフィオレの脚に触れ、原初のルーンを使って変質し、固まってしまった神経を治してから部屋に戻っていった。

 

 

 ★★★

 

 

 俺はダーニックに頼んで乗り物について考えていた。

 意外にも車やバイク、なんなら小型飛行機まである。まさかこの城にそんなものがあると思わなかった。

 

 

「言っただろう。準備は万全にしていたと、ライダーの騎乗スキルを考えた上で乗り物の選択肢を増やす事も考えていた」

「抜かりねぇ……おっ、コイツがいいかな」

 

 

 選択したのはバイクの中でも最速を誇るトマホークだ。

 ちょっと待て、これ限定で10台くらいしか売ってなかった奴だよね?なんであんの?

 

 

「バイクの種類は知らないが、最も速いバイクを頼んだのだ」

「まあ、この馬力ならライダーの戦車に追い縋れるか」  

 

 

 赤のライダーの担当は俺になった。

 ケイローンでも良かったのだが、赤のライダーは確実に俺とグレイを殺しにくる。アーチャーの仇として確実に来る筈だ。

 

 そして赤のライダーは対軍宝具、ホムンクルスやゴーレムで足止めなど無理だろう。無駄に兵を消費するのは得策ではないし。ケイローンには全体の援護として城で狙撃してくれる。

 

 

「しかし、駿足のアキレウスか。勝てるのか?」

「いんや。そりゃ分からない」

 

 

 駿足のアキレウス

 ギリシャ神話においてヘラクレスと比肩し得る大英雄。英雄ペレウスと女神テティスを両親に持つ、世界的規模の知名度を誇るトロイア戦争最強の戦士である。

 

 トロイアの王子ヘクトールやアマゾネスの女王ペンテシレイアといった強敵を打ち破りギリシャ軍を優勢に導いたが、ヘクトールの弟パリスの矢を踵と心臓に受けて致命傷を負う。それでもなお戦場を駆け回って暴れ続けたのちに遂に力尽きて倒れたというまさに英雄的存在。

 

 問題は不死性にある。

 アキレウスの不死はアキレウスの母である女神テティスが彼に与えたもので神聖の炎で炙り、父ペウレスは人間性を残す為に踵だけをそのままにした。

 

 アキレス腱まで名前がある以上、弱点ではあるのだが……

 

 

「弱点を知った上で勝てるか分からないよなぁ」

 

 

 グレイの宝具やアッドは恐らくランクに関係なくサーヴァントに対して天敵属性を持っている。英霊はどれだけの事をしても死霊だ。サーヴァントである以上、アッドは敵の宝具・スキルに容赦なく魂を捕食する。

 

 だが、グレイは闘うことに向いているわけではない。俺と同じ闘える人間であって本職に劣る。二人掛かりと援護で勝てるかどうか。

 

 

「ハァ……」

 

 

 自業自得とはいえ溜息しか出なかった。

 

 

 ★★★

 

 

「ハハハハハハッ!!赤のライダー、先陣を切らせてもらう!」

 

 

 まさか要塞が攻めてくると誰が予想したか。

 思わず、ラピュタだ!と叫んだ瞬間カウレスとダーニックが吹き出した。お前らジ○リ知ってんのかよ。

 

 敵は竜牙兵と空中要塞、開戦としては上々、軍に対しては黒のランサーが対応、黒のライダーは空中要塞を動かしている赤のアサシンであるセミラミスを討伐しに、ジークフリートは赤のランサーと、ケイローンとアヴィケブロンは全体の援護、寝返ったスパルタクスは竜牙兵の所へ放り出した。

 

 俺達、黒のアサシンことグレイとクイナは……

 

 

「よお、駿足のアキレウス。元気過ぎそうで何よりだ」

「っ!?へぇ……!まさかお前らが乗り物で俺に挑むとはな!バイクだったか?そんな鉄の馬でこの俺に勝てると思ったなら、屈辱だぜ!!」

「アサシン!!飛ばしてくれ!」

「はい!!」

 

 

 アキレウスを所定の場所にバイクに乗って誘導していた。

 グレイのスキルには()()()()()()()()()()。それは本来、グレイには持っていないスキル、アーサー王の乗馬によるスキルが獲得されている。対魔力、騎乗についてはアーサー王から引き継がれてしまっている。

 

 こう言った場面で無茶はして欲しくはないが、アキレウスは間違いなく対軍宝具持ち、下手に兵を浪費するのは愚策な上にバイクの上で遠距離攻撃が出来るのは俺だけだ。グレイは魔術については知識以上に技術がからっきしだ。

 

 

「ガンド程度が効くと思ってねえけど、案外躱すんだな!」

「射抜こうとする矢に対して何もしねえのは木偶のやる事だ!」

「そりゃ同感だ!『水よ(ラグズ)氷となれ(イサイス)』!」

 

 

 アキレウスの進行方向に巨大な氷塊が出現する。

 アキレウスに魔術は効かないが、幻獣には通じるか試しにルーンを刻んだが……アキレウスが殴り砕いた。

 

 

「はっ、この俺の歩みをその程度で止められると思ったか!」

「デスヨネー」

 

 

 幻獣を狙う前にアキレウスが潰す。

 とは言え、地面を氷結させたり、ルーンを設置したりしても意にも返さないとは思わなかった。

 出鱈目さを知ってはいた。やはり大英雄である事は変わらない。勝てる見込みなど薄いにも程があるが、他のサーヴァントではウラド三世かケイローン以外で傷を付けるのは困難だ。宝具ならまだしも。

 

 

「このまま森を突っ切ります!掴まってください!!」

「うわっ!?わ、分かった!」

「ひゃっ!?」

 

 

 グレイの腰を強く抱き締めて体制を安定させる。

 このバイクの最高速度は四百キロ、振り落とされれば強化した肉体でも傷を負う。とは言え、予想以上に強く抱き締められたせいか顔が赤くなりながらも、迫り来る木々を華麗に躱す運転スキルで森を突っ切っていた。

 

 

「アサシン、止まってくれ。これ以上はいい」

「は、はい」

 

 

 アキレウスも戦車から降りる。

 赤くなった顔を直し、グレイはクイナの前に出る。この場所なら広いし、ケイローンの援護が通る場所だ。槍と鎌、矛では場所が広くないと振るえない。

 

 

「観念したか?」

「……まあ、逃げれるなんて思ってないし」

「へぇ、いいじゃねえか。マスターも含め二対一とは言え、この俺に挑むとは大した覚悟だ」

 

 

 グレイはアッドを既に第一段階にしている。

 クイナも『煉愛の魔槍(ロマンシア)』を構えてアキレウスの出方を伺う。グレイと俺は神性とサーヴァント特攻を持っている為、アキレウスの不死は通用しない。

 

 とは言え大英雄、足が震えるし勝てるかも分からない。グレイでさえ萎縮している。だが、勝算がないわけじゃない。

 

 

「行くぞアサシン!」

「はい!!」

 

 

 二人は大英雄に向かって走り出した。

 勝算が薄いが、勝てる見込みがない訳ではない。ややヤケクソ感はあるがアキレウスの相手をケイローンに任せたらよかったと思いながら、大英雄と闘い始めた。

 

 

 

 

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