グレイが召喚されました。   作:アステカのキャスター

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『クルスマ』さん感想ありがとうございました!
昨日の深夜帯に投稿して再び投稿、久しぶりな気分だぜ!!では行こう!!続くかは評価次第!!

 では行こう!!




天秤は未だ造れない。

 前回、アーチャーことアタランテに命がけの鬼ごっこをしていた俺は頑張って召喚陣を描いて英霊を召喚したかと思ったら……

 

 

「アサシンとして召喚に参上しました。あの、大丈夫ですか?」

「グレイ!?」

 

 

 まさかの知り合いだった件。

 神様ってロクでもないと叫びたかった俺はまだ正常だと思う。

 

 

 

 ★★★

 

 

 

 逃げました。

 とりあえず逃げる事には成功した。と言うか退いてくれた。サーヴァント最弱のアサシンと言えどサーヴァントとギリギリ張れるマスターとサーヴァントではアーチャーも分が悪いと察したのだろう。

 

 っしゃ!! とガッツポーズしてその場を離れる。

 

 右腕を治癒のルーンで塞ぎ、出血を防いだがちょっとまだ気怠い。とりあえず近場の森に身を潜め、人払いと防音の結界を張って一息付いた後に電話を掛ける。グレイが心配してくれていたが、大丈夫と口にした後にため息を吐く。

 

 

「もしもし、此方『神様の気まぐれと書いてクソったれと呼ぶ』です。絶対領域マジシャン教授は居ますか?」

『切るぞ』

「すみません今ふざけないと割とマジで落ち着けなかったんですよ。後生の頼みです切らないでください」

 

 

 ロード・エルメロイII世に電話が繋がった。

 こういうところ、自分が現代魔術科に所属していて良かったと思う。

 きっと他の教師だったら電話なんて持っていないから、魔術師のプライドが邪魔して頼れる人が居なかったのだろう。

 

 

『何のようだ。今私は忙しいと言うのに』

「そっちでニュースとか流れてません?」

『はっ? 貴様何を言って……飛行機の墜落事故? っっ! 場所はルーマニアか!?』

「帰りの便で乗ったら令呪が宿って撃ち落とされましたよ。ルーマニアに関連して何が起きたのか教えてくれませんかね? ぶっちゃけ全部聖杯戦争が終わったらまた聖杯戦争とか神様に愛され過ぎてヤバいので」

 

 

 まあそんな神様が居るならヤンデレに違いないのは確かだが。ふざけているが大分余裕が無い。まだ()()が完成していない中で、生き延びるのは正直厳しい。グレイだって正規の英霊では無いわけだし。

 

 まあとりあえず分かったのはユグドミレニア家が魔術協会からの離反、冬木の大聖杯を奪い取り、サーヴァントを呼び出し籠城。寄越した魔術師達を根こそぎ返り討ち。うわー、ヤバい案件だったわ。

 

 神様俺に対して鬼畜過ぎるゥゥ!! 

 

 

「待って? 聖杯戦争じゃなくて聖杯大戦? 俺の陣営は?」

「黒です。最後の一枠が拙だったかと……」

「魔術協会の敵側じゃねーか!?」

 

 

 アカン。これはマジでアカン。

 触媒的に考えればランサーかセイバーが呼び出されていた。いや、むしろセイバーが一番可能性があったが、余った枠と相性からアサシンであるグレイが召喚されたのだ。

 

 アメリカからインドの魔術関連の知り合いに礼装を直して来たから遠回りになってしまったが、連絡を忘れた訳じゃないよ?いや忘れてたけど。

 

 先ず赤の陣営は俺を敵だと思っているし、黒の陣営は黒の陣営についた途端に今後俺がどうなるか分からない。

 

 控え目に言って詰んでね? 

 

 

「天秤が完成次第逃げたいが……無理だなキャスターの勘の良さとか考えると絶対捕捉される」

『因みにサーヴァントは召喚したのだろう? どのクラスでどんな英霊だ?』

 

 

 まあ興味あるよね。

 だが今複雑な気分なんだけど……グレイは先生が好きなようだし、慕っているからマジで健気に応援してる。何故か犯罪臭がするのは置いといて、何故俺の元に召喚されたのかは分からないが、ちょっぴり罪悪感がするし。

 

 

「あー、召喚したサーヴァントでちょっと……ライネスちゃんかグレイはそこに居ますか?」

『……居るには居る。2人とも今ニュースに釘付け状態だ。貴様の心配をしているのだろう』

「マジで死にかけましたよ。6000メートルから紐なしバンジーとか本当ふざけた話ですよ。んじゃビデオ通話に変えますよ」

 

 

 ビデオ通話に変えた瞬間、先生とライネス、そしてグレイの顔が映り出す。心配そうな顔をしていたライネスと涙目になってるグレイが映っていた。

 

 

『だ、大丈夫ですかクイナさん! ニュースで飛行機が墜落したって……!』

 

「落ち着いてグレイ。まあとりあえず命は拾ったよ」

 

『飛行機を撃ち落とされたのに、随分余裕じゃないかい? しぶとさはゴキブリ並みだね』

 

「泣くぞコラ。まあいい、不幸中の幸いと言うべきか、亜種聖杯戦争を勝って無かったら死んでたね」

 

 

 ランサーの槍が無ければ回避出来ずに死んでいたな。持ち主に炎の加護を与え、()()()()()()()()()()()は伊達では無い。アレが無かったらマジ死ぬかと思ったし、身体に()()()()()()()()()為、魔力容量が増えたのも然り、槍を使うだけの魔力が無かったら死んでたな。うん。

 

 だが、先生は食いつくように質問を投げつけた。

 

 

『待て! 亜種聖杯戦争だと!? 貴様アメリカに里帰りに行ったのでは無かったのか!?』

「その里帰りした場所の近くにあったんですよ。亜種聖杯戦争、名付けるなら神の聖杯戦争。五騎全てが神霊のサーヴァントとして現界した異端の聖杯戦争が……まあ電話も繋がらなかったし伝えるのが大分遅れましたけど」

 

 

 神の亜種聖杯戦争。

 文字通り神霊が五騎召喚され、争う戦いに俺は巻き込まれた。その戦争は超過激、下手したら大陸が吹っ飛びかねない程の規模の戦いに、割と3回くらい死にかけたと思う。

 

 まあその分、亜種聖杯は魂の質が違い過ぎる為、放置しても危険だし、願いを叶えてもかなり容量がまだ余っている為、俺の体内で自然融解している。おかげで魔力の質や回路が驚く程強くなったが。

 

 

『……っ!? 貴様まさか聖杯戦争に勝利したのか!?』

「まあ頑張りましたよ。あの時は()()()()()()()()()()し、上手く立ち回れたのもありますけど」

 

 

 俺の魔術には『天秤の理』と言う解析魔術がある。

 これはいわゆる未来予測が可能となる。正確に言うなら自分の中で出会ったサーヴァントや魔術師に対しての勝率を瞬時に叩き出し、次の行動を数学的に予測するのが俺の魔術と頭脳から導き出せる最大の力だ。

 

 まあ当然、あの時は慎重を重ねた後に使い魔を何体も使ったり、小型カメラで観察したりと色々と情報を手に入れて初めて使えるものだ。正直な話、聖杯大戦で使えるかは微妙な所だ。

 

 規模が違い過ぎるし、あくまで行動を予測し、上手く立ち回るだけのやり方では勝てる保証はない。ただ勝率が高ければ狙うし、足りていない力は情報で補ってこそだ。ランサーの時はヒット&アウェイだったから天秤が完成出来た。

 

 

「あの時はランサーが強かったのもあるしなぁ」

『それで、貴様のサーヴァントは?』

「今映しますよ」

 

 

 カメラをアサシンのグレイに向けると緊張しながらも、グレイは顔を上げた。そしてそれを見た3人は開いた口が閉じないくらいに驚愕していた。

 

 グレイはフードを外し、画面越しで先生を見る。

 

 

「此方ではお久しぶりです。師匠」

 

 

 3人は目を見開いて、先生が叫んだ。

 

 

『なっ!? クイナ貴様ァァァ!! どう言う事か説明しろっ!?』

『えっ、えっ!? ど、どう言う事ですか!? 何故拙と同じ姿の人がそこに!?』

『アレっ? グレイって此処に居るはずなのに、ドッペルゲンガーの真似事かい? あれ? いやでもアサシンって言わなかったかい? えっ、ええっ?』

 

「グレイ落ち着け。ライネスは帰って来ーい」

 

 

 予想通り混乱している。

 ちゃんと事情を説明する。今居るグレイは未来で存在し、死後英霊として座に登録したサーヴァントらしい。英霊の概念に時間軸は存在しない為、不思議な話じゃない。こっちのグレイは全盛期な為、ちょっとだけ背が高いくらいか。

 

 

『成る程、不思議な話でもない訳だ。グレイはアーサー王の力を持つ存在である以上英霊として昇華されるのも不思議ではない。そして召喚者の縁によりグレイがアサシンとして召喚されたと考えてればあり得ない話でもない』

「神の聖杯戦争は相性で呼び出されてたけど……普通触媒って必要なんですよね? ならグレイは何で俺の所に召喚されたんだ?」

 

 

 神の聖杯戦争は神の気まぐれに過ぎない為、相性によるモノが大きかったのだが、聖杯大戦となると触媒は必要だがそれなら宝具にもなる槍と剣を持つ2人のどちらかだと踏んでいたのだが……

 

 

「そ、それは……! 拙が……クイナさんと未来で…………ううっ///」

「グレイ?」

『クイナ、それを聞くのは野暮ってモノさ』

「ライネスちゃん分かったの? 出来れば教えて欲しいんだけど?」

『鈍感だね君』

『鈍いな貴様』

『〜〜〜!? ///』

 

 

 成る程、意味分からない。

 グレイが顔を見せない程、めっちゃフードを深く被ってるし、何故かライネスちゃんめっちゃニヤニヤしてるし先生はため息を吐き、その奥のグレイは何故か悶絶している。

 まあいいや、召喚された以上グレイと聖杯戦争を乗り切るしかないし、理由は放っておこう。

 

 

「先生の方で打開策は?」

『どうにかして獅子刧界離に会え。此方からウチの生徒が聖杯大戦に巻き込まれたと説明しておく。確か貴様呪術や結界、ルーン関連に詳しかったな?』

「まあ大抵の呪いなら」

『よろしい、此方から獅子刧と同盟関係に出来るか交渉しておこう』

 

 

 それは有難い。天秤は情報があればあるほど精度が上がる。強いサーヴァントと必然的に行動出来ればそれこそ上手く立ち回れる。

 

 

「ありがとうございます。先生」

『クイナ、これだけは言っておく。──死ぬなよ』

「……はい。また連絡します」

『クイナさん! 絶対に生きて帰ってきてください! そちらに居る私によろしくお願いします!』

「分かった。頑張って生き延びれるように頑張るよ。ライネスちゃんは何か一言あるかい?」

 

 

 折角だと思いライネスに聞いてみる。

 だがライネスは態とらしく潤んだ嘘泣きでクイナを見つめて口を開く。

 

 

『クイナ、この戦いが終わったら私と──』

「それ死亡フラグです」

 

 

 切ろうとした瞬間、ライネスが最後に一言告げた。

 これ以上悪戯に死亡フラグ増やされたら堪らないのでため息を吐きながら耳を傾けた。

 

 

『まあ頑張りたまえ。ゴキブリのように這いずり回ってでも帰ってくるんだよ? じゃなきゃ私の遊び相手が減ってしまうからね』

「よし分かった。お前にお土産は要らないようだね」

『えっ? ちょっと待っ────』

 

 

 よし帰ったらアメリカで買ってきた紅茶に合いそうな菓子類は全部先生達に回そう。慈悲は無い。

 

 とりあえず決まった事、それはとてもシンプル。

 結構ヤケクソ気味に叫んだ。天上にいる神様に向かって呪いたいくらいだ。

 

 

「とりあえずいのちをだいじに! 聖杯大戦を乗り切りたい!!」

「そうですね」

 

 

 第一目標がそれだった(白目)

 グレイは霊体化しながら俺の後ろを歩き、俺はルーマニアの街を探索しながらサーヴァントに警戒して獅子刧さんを探す為に歩き始めた。

 




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 続くかは評価次第にします。
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