グレイが召喚されました。   作:アステカのキャスター

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一か月バイトと課題で失走してました。
ちょっと趣向が変わった英霊グレイの過去編です。
グレイが自分を見失った時に、いっそ死にたくなったグレイをクイナはあの時に手を伸ばしたのだ。

良かったら感想評価お願いします。では行こう。



俺達を選べ

 これは夢だ。

 マスターはサーヴァントの過去を夢として見る事が意図していない状態で起こる。

 

 今は聖杯大戦で疲れが溜まっていたのか早めに寝て、気がつけば自分は時計塔の廊下に立っていた。いや、自分の姿は無くただ夢の中に意識があるだけ、それ以上はこの夢が語ってくれるだろう。

 

 

「………!」

 

 

 グレイが時計塔の廊下を走っていた。

 フードを抑え、アッドも連れずに逃げるように走っていた。すれ違った彼女の顔には涙が流れているように錯覚する程悲しそうだ。あの顔はまるで何かに絶望したような、そんな顔だった。

 

 片眼に包帯を巻いていた。

 フードを抑えて逃げるように走っていくグレイ。そして、視点が変わるように今度は先生、ロード・エルメロイ二世と少し成長し、少し伸びた髪が()()()()()()()()()()に変色した自分が居た。

 

 

「先生、この際全部話してください。グレイが抱えてる事について」

「……それを聞いてどうする。貴様に関係が––––」

「無いと言うなら軽蔑しますよ。幾ら先生でもそれ以上口にするなら力尽くで聞き出します」

「……この事は他言無用だ。それだけは約束してくれ」

「はい」

 

 

 先生は語った。

 俺はその時まで知らなかったのだ。グレイが使う宝具は知っていてもグレイ自身の事を深く知ろうとはしなかった。グレイ自身がそうして欲しくないと思って避けていた。

 

 けど、この時初めて知ったのだ。

 グレイと言う人間に起こっている事態に。

 

 

 

★★★

 

 

 逃げたかった。

 逃げる事は悪い事じゃない。逃げて逃げて、自分の事など曖昧でその環境に溺れていたのだ。いずれ、自分と言う人間が曖昧で無くなる事を知っていたと言うのに。

 

 

「ハァ……ハァ……」

 

 

 気がつけば、ロンドンの裏路地に来ていた。

 無意識だった。無意識にこの場所に来ていた。此処で私は一度、クイナさんに救われた事があった。

 

 

『あのなー、この場所に限って治安悪いからあんまオススメしないぜい?ココには死体が埋まってます的に()()()()()()()()()()()()()()()()()。特に無意識の行動だと、霊を霊と気付かずに魂の一部を持ってかれかねない』

 

 

 死者に引き寄せられる実験が昔あった場所だと告げた瞬間、私はその時手が震えて過呼吸に陥りそうになった。アッドの声も遠くなり、視界が揺らいで意識が刈り取られそうになる。死者の残響(トラウマ)に身体が動かなくなるその時だった。

 

 

『アホか。そこで怯えたらなお悪くなるって、ホラ。これ持ってな』

 

 

 その時渡されたのは短剣だった。

 小さな十字のロザリオの形を模した短剣。鞘に収まっているそれを握ると身体の震えが止まった。

 

 

『それ埋葬機関とか執行者が使う黒鍵を俺なりに改良したもんだ。概念礼装で軽い浄化の力はある。それ持ってりゃ大丈夫だろ』

 

 

 どうだ?と彼が聞いた時には身体の震えも過呼吸も無くなっていた。霊感が強い自分はそう言った類が苦手にも関わらず、死者に引き寄せられているようで吐き気がした。

 

 

『君、アレだろ時計塔にいたフードの子。先生が連れてきた』

『拙は……(グレイ)です。黒でも白でもない、グレイ(どっちつかず)────』

『んじゃグレイ、早速友達になろうぜ!』

『えっ?』

 

 

 この時はまだ友達について詳しく分からなかった。

 けど、拙は貴方がいたから、貴方のおかげでグレイとしてこの場所を護りたい。そう思えたんです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 この場所は彼と出会った場所。

 いっそ此処で誰にも知られずに、グレイ(どっちつかず)ですらない自分を幕引ければ、私はグレイのまま死ぬ事が出来る。

 

 彼から貰った短刀の鞘を抜く。

 そして切っ先を自分の首に添えて、そのまま喉に突き刺す。そうすればきっと……拙はグレイのままで居られる。私は短剣を喉に突き刺した。

 

 

 

 

 

 

 

「………えっ?」

「何、してんだよ、馬鹿!!」

 

 

 喉に突き刺そうとした短剣は彼が力強く握って止めていた。両刃の刃を強く握っているのだ。血が流れて顔を青くする。短剣を無理矢理奪って投げ捨てるクイナさんの表情は怒っていて、焦っていた顔をしていた。

 

 

「クイナ……さん」

「ハァ、ハァ、お前なら多分ここだと思ったよ。無意識にここに来る呪いが定評のある場所だからな」

 

 

 『天秤』で予測した場所はここしかないとクイナは時計塔から全力ダッシュでグレイを探したのだ。息切れと疲れに座り込むクイナにグレイは流れていく血にサァーと青い顔をして心配する。

 

 

「ごめん……なさい……その手……」

「そう思うならさ、なんで死のうとしたのか説明してくれ」

「………」

 

 

 私は黙り込んで俯いていた。

 クイナさんはため息をついて私に告げる。

 

 

「先生から全部聞いたよ」

「!」

「お前が何で『最果ての槍(ロンゴミニアド)』を使えるのかも、お前に起きてる出来事も全部知った」

 

 

 知られてしまった。

 私がどうなっているのか。この人にだけは知られたくなかったのに。

 

 

「フード、取ってみていいか?」

「嫌っ!」

 

 

 見られたくない。

 嫌いな顔を見てほしくない。自分自身が分からなくなった自分の顔は自分が思っている程に醜いのだ。それをクイナさんに見せたくなかった。

 

 けど、クイナさんは頭に手を立てて大丈夫だと言った。その言葉に何処か安心したような気持ちになる。

 

 

「フード、悪いけど取るぞ。みんなには黙ってる」

「………」

 

 

 ただコクリと頷く。

 フードを取ると髪の毛の大半が灰色から()()()()()()()()()。包帯をずらして瞳を見るといつもエメラルドのような瞳をしていた瞳は()()()()()()()()()()

 

 

()()()()()()()()……だいぶ進んでたんだな」

「……クイナさんも、同じなんですよね。その髪」

「まーな。()()()()()()()()()()()()()()()()()()ようなもんだ。侵食はおかしくはなかった」

 

 

 クイナもグレイと同じ。

 英霊の宝具を持ってしまった以上、避けられない事態に陥ってはいる。髪の一部が女神と同じ髪色になっているのだ。グレイの場合は更に侵食している。戦闘中でしか金色にならなかった瞳は戻らずに髪色は金色と灰色が混ざってしまっている。

 

 

「何で……死のうとしたのか聞いていい?」

「……()は最近忘れていくんです」

 

 

 最近、忘れていくのだ。

 楽しい記憶も初めて護りたいと思った場所も私の中で薄れてしまっていくのだ。それは単純に忘れたからじゃない。知らない過去が自分の記憶を塗り潰しているからだ。

 

 

「私は……拙は、最近自分が消えていくようで嫌なんです」

 

 知らない過去の記憶、自分ではないアーサー王の記憶がグレイの思い出を塗り潰して行くのだ。

 

 知らない戦いの記憶、知らない王としての記憶、そして知らないカムランの丘での死を、まるで()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「分からなくなってきたんです。最近、誰かの声が聞こえて、自分自身が何者なのか……分からなくなって、私自身の意思すら……」

「……グレイ」

「……クイナさん、貴方の眼に映るのは……本当に『グレイ』なんですか?」

 

 

 聞こえてくるそれは人々の願い。

 救ってほしい。助けてほしい。導いてほしい。愛してほしい。殺してほしい。死なせてほしい。見つけてほしい。数えてキリがない果てしない願いが過ぎっている。

 

 

「怖いんです。怖くて恐ろしい。今感じている感情も思いも、本当に私の物なのか、拙にはそれが分からないんです」

 

 

 それは聖槍を通して聞こえたアーサー王としての役割の引き継ぎ、そのせいで現代を生きる自分から離れていってしまっているようで、怖くなった。

 

 

「クイナさんから見て、私は本当に『グレイ』なんですか?」

 

 

 果たして今の自分はみんなが知るグレイであるのか?

 今感じている感情はアーサー王としての別の自分なのか?

 

 

 

「今の()は……拙は……アーサー王(グレイ)なんですか?」

 

 

 泣きそうな顔でグレイはクイナに問いかけた。

 クイナはため息をついてグレイに近づく。グレイはそれに怯えながらも動かない。死ぬならいい。まだグレイとして死ねる。その最後がクイナならそれだけで救われる。

 

 だがクイナは頭に手を置き、自分の胸へ引き寄せた。

 

 

 

「………えっ?」

「辛かったんだな。グレイ」

「なん……で……」

「悪かった。俺はお前の事、何も理解してなかった。だから今から全部辛い事吐き出しちまえ」

 

 

 強く、グレイを抱きしめる。

 グレイが消えないように、離さないようにも思えた。

 

 

「拙…は……」

「俺はさ。女神に救われて、その槍を託されて使ってその一部が自分のものになった時はさ。嬉しかった。けど、お前はそうじゃないんだろ?アーサー王は尊敬してもアーサー王に成り代わりたいわけじゃない。だから苦しかった。そうなんだろ?」

「は…い……」

 

 

 クイナは今まで勘違いしていた。

 アーサー王に成り代わったグレイは選ばれた存在だと思っていた。けど、グレイはそれを望まなかった。

 

 

「私は……拙は……」

「––––お前はグレイだよ」

 

 

 クイナは迷わずに告げた。

 だが、グレイはその一言が恐ろしかった。こんなあやふやな自分はもうグレイですらない。どっちつかずの(グレイ)が心地よかった。だが今は、アーサー王になりかけている。そんな中で今の自分はグレイなのか。グレイであっているのか怖かった。

 

 クイナを突き飛ばしてグレイは叫んだ。

 

 

「私は……もうグレイじゃない!

グレイ(どっちつかず)』にすらなれない!!」

 

 

 もう諦めてしまったのだ。

 自分の中に聞こえる声に自分を捨ててしまったのだ。これから喪っていく。グレイとしての全てが消えてアーサー王に成り代わる。どっちつかずだった自分は遠からず死ぬ。

 

 

「拙は……喪うくらいなら、喪う前に死にたいんです……!その方がまだ幸せに終われる!!みんなの記憶を持ってこの嫌な顔がもっと変わる前に!!」

 

 

 それがグレイの本音だった。

 消えるくらいなら大切と思えた自分のまま死にたかった。いっそこのまま楽になれば、自分はグレイとして在れる。

 

 そうしたかった。

 そうなればどれだけいいか。

 

 

「もう分からないんです……もう何もかも…どうすればいいかも……私には…分からないんです……」

 

 

 膝をついて子供のように泣きじゃくる。

 保っていた心が決壊しダムが崩壊したかのように感情が溢れる。グレイはとっくに限界だったのだ。

 

 

「子どもかお前は……」

 

 

 ぽつりと、そう呟く声がした。

 泣き叫んで、クイナが出した結論に頑なに否定して閉ざそうとしてるグレイを見て、クイナがぽつりと呟いた。

 

 

「泣いて、喚いて、嫌だってごねて、全部一人で抱え込んで……これじゃ、まるで」

「––––––」

「一人ぼっちの、子供みたいだな」

 

 

 今のグレイは迷子の子供に見えた。

 一人ぼっちで、ただ寂しそうに泣く彼女は子供そのものだった。クイナはため息をつき、グレイに問いかける。

 

 

「そんなに分からないのが怖いか?」

「!」

「そんなに喪うのが怖いか?」

「………」

「そんなに……『グレイ(どっちつかず)』に縋らなきゃいけないのか?お前が思うグレイは、()()()()()()()()()()()()はその程度なのかよ?」

 

 

 グレイはクイナに掴みかかる。

 挑発的な笑みを浮かべて嘲笑うクイナを睨みながら、涙を流しながも激情のままグレイは掴みかかった。

 

 

「貴方に……私の何が分かるんですか!!」

「分からない」

「えっ……?」

「さっぱり分からん。俺はお前じゃない。お前の気持ちは分からない。喪うのが怖いのも、どうすればいいかなんて知らん。けどな、これだけは言える」

 

 

 共感は出来ても本音は理解出来ない。

 その本音だけは同情してはいけないからだ。けど、気持ちが理解出来ずとも今のグレイに言える事はただ一つ。

 

 

「お前はグレイだ。アーサー王じゃない」

 

 

 グレイの掴む手が緩んだ。

 彼女が今欲しかった言葉は大丈夫でも頑張れでもない。励ましの言葉なんて要らない。

 

 ただ、グレイで在る事を肯定すること。

 

 

「どっちつかず、灰色だからグレイ。白でも黒でもないどっちつかずだからグレイ。そんな意味は捨てちまえ」

 

 

 どっちつかずであやふやな自分が居た所で意味ない。最初からあやふやだったのだ。灰色でいい、自分を色に例えてどっちつかずになった所でグレイと言う少女はそこには居ない。どっちつかずの自分など、名前のない赤ん坊と同じだ。

 

 あやふやだったからグレイが生まれた。

 だけど、どっちつかずですら無くなったらグレイが消える。そんなのおかしい。そんな考えではグレイ自身が救われない。

 

 いい加減、自分を肯定する時だ。

 俺はお前に救われて欲しかった。

 

 

「お前はただの『グレイ』だよ。どっちつかずなんて意味のないもんに縋るなら、諦めて生まれ変われ。俺から言わせりゃ、忘れやすくなって髪と瞳の色が変わった程度だ。お前がグレイじゃないなんて馬鹿馬鹿しい」

 

 

 本質すら変わり始めてるのが怖いのだ。

 あやふやな『グレイ(どっちつかず)』ではなく、ただの『グレイ』として自分を肯定して生きられるなら、もう苦しまなくていい筈だ。

 

 

「でも、私は……拙は……」

「信じろ。お前はアーサー王なんかじゃない。お前はグレイで、先生の弟子でライネスの親友であの教室の仲間で、そして俺の友達だ。お前自身が自分を信じろ」

 

 

 グレイ本来の顔でなくとも、ちゃんと綺麗な瞳をしてる。それは外見的な話ではなく、瞳が語ってくれる。思い出が大切過ぎて消えていくのが怖いのはわかる。けど、だからってグレイである事を否定するのは違う。

 

 肯定できないなら、それでもまだ信じる事が出来ないなら……

 

 

「––––俺達を選べ」

 

  

 友達だから、だからこそグレイを助けたい。グレイも俺達を、アーサー王の人格に負けないくらいの自分を肯定して、共に生きよう。お前が救われないと嘆くなら俺は、俺達は何度だって救ってやる。

 

 

お前(グレイ)が護りたいと思ってくれた俺達を信じろ。アーサー王の意思もない、自分が選んだ道に俺達は必ずお前に手を伸ばしてやる」

 

 

 俺達は魔術師だ。利己的に動く薄汚い連中かもしれない。けど、目の前の女の子救えないで、魔術師として誇れる訳がない。こぼれ落ちそうならものを掬って、拾って、失わないようにするのがクイナ・バルハルクだ。

 

 あの時、ランサーが俺を救ってくれたように。

 

 

「だから、お前も『グレイ』として明日から全力で生きてみろよ。先生も、ライネスもフラットやルヴィア嬢やスヴィン、あの教室に居た奴らも、一緒にいる」

 

 

 味方だっている。友達だっている。

 何度忘れたって、何度も教えて、何度も笑えるように、そう言う場所で在れるように。

 

 

「一緒に生きよう、グレイ。まだ死にたいと思わないくらい楽しい思い出で埋め尽くして、自分がグレイである事を誇れる日まで、一緒に生きよう」

 

 

 俺はまた手を差し伸べる。

 グレイの生きる意味が今は無いならそれでもいい。いつか生きる意味がまた見つけられるように、その時まで一緒に。

 

 

「拙…は……」

「だから、俺達をお前(グレイ)が選べ」

 

 

 アーサー王としてではなく、グレイとして生きられた場所をグレイが選ぶ。そんな意味はないのかもしれない。幾らグレイが肯定したってアーサー王に成り代わるのは遠くないかもしれない。

 

 それでも……

 

 

 

 

 

「囚われた思いなんて捨てて、ただの『グレイ』として俺達と生きてくれ。お前が信じてくれた人達と一緒に」

 

 

 明日を生きる為に今日の自分を信じろ。

 それがクイナが今のグレイに贈れる最大限の応援(呪い)だった。 

 

 その後はどうなったのか分からない。ただ泣いていた彼女に胸を貸して、泣き止むまで側にいたのか、どうしたのかまでは見えない。いや、グレイがどうやら見せたくないらしい。

 

 夢は夢だ。

 もしかしたらいつか辿る未来であっても、その先を見る事は少しズルい気がする。俺とグレイは友達だ。この夢の先でどうなってんのかは知らない方が面白いのだろう。

 

 そんな考えを抱きながらも、クイナは夢の世界から覚めていた。

 

 

 

 

 ☆☆☆

 

 

 

 

「んっ……」

 

 

 目が覚めると見覚えが薄い天井とふかふかのベッド、そして、椅子に座って見守っているグレイが居た。わざわざベッドが二つあるのに眠ってない事にため息をつきながら、目を擦り寝ぼけたままのクイナは話しかける。

 

 

「おはよー、グレイー」

「おはようございます。クイナさん」

「グレイー、ちょっと来てくれるー?」

「はい?」

 

 

 全く、この子は変わらないように誤魔化すのが上手いらしい。クイナがグレイを軽く手招きする。グレイは首を傾げながらクイナに近づくと……

 

 

「きゃっ!?」

 

 

 クイナは少しだけ強くグレイを抱き締めていた。

 それは単純に夢の中のグレイが寂しそうだったのもあるが、クイナはまだ寝ぼけているようだ。

 

 

「どうしてグレイはー肝心な所を話してくれずにー抱え込むのかなー?」

 

「ひゃっ、ク、クイナさん!?///」

 

「グレイー、俺はグレイとちゃんと友達なんだからー、困ったことがあったら頼ってくれよなー?全くー」

 

「わ、分かりました!分かりましたから離してください!?」

 

「んー、あったかいからそのまんまー」

 

「ぴゃっ!?///」

 

 

 どたまぎしているグレイに寝ぼけたまんま猫を抱くように抱きしめるクイナ。この後完全に目が覚めて赤面で涙目のグレイと抱き締めている事に漸く気がついたクイナは、青い顔をして土下座していたと言う。

 

 

 

 


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