改変プリコネ部 スタイリッシュアクションの裏技   作:イイネ!ホルマリン漬け王者決定戦

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Q.おーおーおーおー、どこ行ってたんだよお前よー。逃げやがってよーおい
A.GE:Rのアリサちゃんクソ可愛いので許し亭許して。

Q.文体変わりすぎィ!読みづらいってはっきり分かんだね
A.もう一回デビルメイクライ読んでたらマジでこんな感じなのでお兄さん許して!頭壊れちゃ^~う!

次→GER詰んだら


#2

「ステータス……?何言ってんだアンタ。最初に会った時から胡散臭ェヤツだと思ってたが、今度はボケ始めたか?」

 聞きなれない単語と、成長しないという宣言が怒りを誘う。まださしたる改造を施していない、背負ったままの長剣に手をかけているだけで済んでいる事に感謝して欲しい。

「キミが言えたことじゃないよね、それ。あと人の話は最後まで聞くものって教わってないのかい?」

「いいや、よく知ってるさ。『怪しいヤツの言うことを聞いてはいけない』までな。そうそう、説明が上手いやつってのは、俺みたいなのにも分かりやすく説明できるらしいぜ?」

 そう(うそぶ)いてみるが、正直なところ返事はどうでもよかった。この手合いの連中は得てして説明ができないのだ。テレ女にも似たやつが二人程いて、苦労した時の経験が活きてるのを実感する。

「やはり、プリンセスナイトの力は返すんじゃなかったかな。酷いバグだ……人格に影響が出てる……」

 思惑通り、説明らしい説明は帰ってこない。これだから頭脳派だとかいう連中は嫌いなのだ。自称皇帝も何言ってるかサッパリ分からなかった。

「おい、質問には何らかの返答をするのが大人ってもんじゃねェのか?見た目通りのイカれたやつだってんなら納得はできるんだけどな」

「いや、生き返らせた感謝くらいはするべきじゃないかな?」

 会話にならねェなら黙ってて欲しいが、その願いは叶いそうにないので剣を抜いて赤髪のイカれたバーさん(確かラビリスタとか言ってた)に突きつける。

 後ろでキャルとユイが悲鳴を漏らすが、気にしている場合ではない。ぶっちゃけそんなことに構っていたら時間などいくらあっても足りない。俺には時間が無いのだ。

 が、

「こ~ら、弟君、ダメでしょ?そんな危ないものを人に向けちゃ」

 二度と会いたくないと思っていた人物に遭遇したことで、思わず舌打ちをする。前にバレンタインデーだとかで無限にチョコを食わされたり、一挙手一投足を管理してくる様に震え上がったものだ。

 どうしたものかと思考を巡らせていると、不意に後ろから知能がかつての自分以下みたいな声がする。

「お兄ちゃん!今日は私もいるんですよ!」

「げっ、お前もかよ……」

 思わず考えていたことを口にしてしまう。リノとシズルのコンビを出されると、流石の俺でも手こずる。

 唯一の救いは、リノが俺の意図に気づかなかったことくらいか。

「なんかしらの説明逃れはすると思ったがな、天敵をぶつけるなんて随分と(こす)い真似してくれるじゃねェか、オイ」

「んー、一応説明はしてもいいんだけどね、ほとんどの人が何それってなるから言っても無駄かと思って」

「あ?さっき言ったろ、誰にでも分かるように説明しろってな」

 剣を収めつつ煽ってみるが、芳しい結果とはいかなかった。どうにもこのギルドの連中とは気が合う気配すらしない。

「ご要望通り簡単に言うとだね、キミの体力や筋力は今を超えられないってこと」

 なんとなくそんな気はしていたが(原因はわからないけど)、はっきり言われると案外刺さってくる。

 とはいえ、経験そのものは無駄にはならないだろうし、何より使えるものは使っていけばいい。ちょっと後暗い連中に「手伝って」もらえば、俺専用の装備も楽に揃えられるはずだ。

 

 そうこうしている内に、シズルがごく自然に俺をギルドハウスに連れて行こうとしていたので、「抱き枕に腰でも振ってろ」と吐き捨て、放心状態のキャルとユイを回収した。

 イカれ学者(ラビリスタ)の言う通り、俺にはあまりパワーというものがないらしい。キャルはともかくユイを運ぶのに多大な労力を使ってしまった。

「性格が質量でも持ってんのかね……」

 そう呟いたところで二人が起きてくれるわけでもない。仕方がないので、予定を変更して先に装備の作成を依頼しに行く。

 場所が場所なので先にキャル達を預けたいと思っていたところ、見回り中の狼っ娘(マコト)に出くわす。

「よう、ユウキ。珍しいなこんなとこで」

「ああ、色々あってな。今日は私用でさ、この先に行きたいから、二人を自警団(カォン)のギルドハウスに連れてってくれないか?それなりの礼はするからよ」

「この先……ってお前、正気か!?ランドソルでも指折りのスラムだぞ!?なあ考え直せって、お前が死んだらユイがどうなるか……」

 どうやら発作を引き起こしてしまったようだ。俺の中ではマコトもユイが好きなんだと思うようにしている。勝手に盛ってて欲しいが、そう上手く行くことは全くない。

「ユイユイうるせェな。丁度いいぜ、そのユイがいるんだ、ちゃんと面倒見とけよ?」

「あっおい!待てコラ……!おい!」

 埒があかなくなる前にキャルとユイをマコトに押し付け、違法改造や密造を専門とするショップへと足を運ぶ。元より防具関連はここで調達しようと決めていたため、ショップの所在地も合言葉も既に調べが付いている。

 

 

 改造ショップ『知恵と度胸の店』は、スラムの街道から二本ほど入り込んだ、生気すら失せた路地のさらに奥にある。

 普段の自分ならあっという間にカモにされてしまうが、今回は勝手が違った。ユウキが最も信頼を置いているギルドの「トワイライトキャラバン」がガサ入れをした直後なので、荒事師達はまとめて病院送りにされていたのだ。

「『Go home and take a shit and go to sleep.(家に帰ってクソして寝ちまいな)』だったっけな?」

 合言葉を唱えると壁の一部が(へこ)み、内開きの扉になる。この構造のおかげで王宮騎士団(ナイトメア)などのガサ入れに今まで一度も見つかっていない。

「……珍しい客だな」

 出迎えた職人の言葉は短く、そっけない。

「頑丈な鎧を頼む。関節と腰、胸が守れる程度のものでいい。それと、推進剤を噴き出す特殊な剣もオーダーしたい。どちらも設計図は既に出来上がっている。納期はなるはやだが、その分は前金でな」

 職人――名をゼノルド(Genoldo)と言った――は、奇っ怪な注文に一瞬顔を(しかめ)めるも、相場の倍近い前金を見て、「承った」とだけ返した。

「じゃ、失礼させてもらうぜ」

 ユウキの返答もまた、短い。その堂々たる振る舞いが、この異空間でも受け入れられる要因なのだろう。最も、彼自身は小さなランプが映し出した己の影に気付かず終いだったが。

「人を辞めようとする者を見るのは、都合八十六回目か……」

 ぜノルドが呟いた声は、己以外の存在が失せた工房に小さな木霊となって消えた。

 

 

(道を変えて正解だったな。マコトのやつ、律儀に張り込んじまってまあ……)

 オーダーを終え、ホクホク気分の俺をお迎えしやがったのは、濃厚な獣人族(ビースト)の放つ獣臭だった。

 普段ならなんら意識してない匂いが、妙に鼻腔を(くすぐ)るのが余計に虫の居所を悪くした。まあ、悪いことをしている自覚はあるのだが。

(どうせ引っ捕まえてご高説垂れるつもりだろうがな、俺はもうお前らとは関われないんでね……サヨナラだ)

 獣人は五感が俺らヒューマンとはえらい違いなので、見つからずにギルドハウスに帰るなんてのはどだい無理な話だ。それなら、なるたけ追い付かれない道を行くより無い。

 退路のために、と(トワイライトキャラバンにタレ込んだ影響で)人気が失せた建物を登る。屋根なら、いかに跳躍力が高くとも簡単には登れないはずだ。

 案の定、下から

「やっと見つけたぞユウキ!降りてこい、説教の時間だ!」

 と吠えられる。

 犬は嫌いじゃないが、こういう時だけは勘弁してほしい。

「だったら捕まえてみるんだな。ドッグランは得意だろ?」

 屋根を伝いつつ、冷静に煽る。が、ここで計算違いが起きた。

 端的に言えば、スラム街を抜けてしまった。家主に見つかったらお咎めで済まないだろう。

 こうなった以上、降りざるを得なくなってしまうが、その為の保険も一応ある。相手の予想を上回る手を隠し持ってないなければ、同じ轍を踏むだけだ。

「やれやれ、こんな体力じゃワンちゃんコンテンストは望めねェな」

「ハァ……ハァ……そ、そんなこと、今は、いいだろ……。さあ、ユイが、待ってる……早く、行くぞ?」

「あ?ユイに言っとけ、私用で顔を見せるな、ってね」

 激しい爆発音と閃光が辺りを包む。本来は戦闘中に使う閃光弾だけに、その効果はお墨付きである。

「じゃあな、身体には気を付けろよ?つってももう聞こえてないだろうがな」

 やがて来るであろう一般騎士に捕まる前に、俺は足早に現場を去った。

 

 ギルドハウスに戻る道すがら、雑誌で読んだ服屋に寄る。確かここはツムギが店主をやっていたはずだ。

 とはいえ、未だに確執は消えておらず、隙あらば吹っかけてくるのだが。

「よ、随分出世したんだな。シャレオツな雑誌の巻頭特集だぜ?」

「え、誰なんですか貴方。そんな馴れ馴れしい人知りませんよ」

 参った。これから会う奴全員に説明するのかと思うと気が滅入る。しかも大体信じてくれないので、余計に疲れる。

 一先(ひとま)ず大まかな装備を外して様子を見る。

「この格好見て気付かないか?あと俺しか使えない剣も。なんならレイでも連れてくるか?」

「あー分かりました。騎士さんなのは分かったんですが、何があったんですか?」

「それこそレイ達に聞いとけ。俺からいくら説明しても納得はせんだろうしな。まあ、そんなことよりこのくたびれた服を一新したいんだが、頼めるか?」

「そんなこと……?でもまあ、レイ様に会えるならよしとします。ええと、そうですね……心做(こころな)しか体型が変わっているみたいなので、採寸が必要ですね」

「……そうか。驚くなよ?」

 あの日、俺は知能と一部の記憶が戻る代わりに、傷跡が身体に残ってしまった。(うず)きこそしないものの、引かれるのは覚悟しなくてはならない。

「えっ…………なんですかこれは。本当に生きてるんですか?」

「人を歩く屍(ゾンビ)屍食鬼(グール)みたいに言うんじゃねェよ。まああれだ、簡単に言うと生き返った。さ、早いとこ採寸済ませようぜ?風邪引いちまう」

「そ、そですね……!」

 唐突にツムギの態度が変わったが、気付かないふりを決め込む。この先世話になるから、裸くらい慣れてもらわないと困るってもんだ。

 

「んー、色々変わっちゃったみたいですけど、どんな服が好みです?一から作った方がいいでしょうし」

「なら、まずは赤いフード付きのノースリーブシャツが一つ欲しいな」

「うん……うん!?」

「インナーは黒くて伸縮性の高いものを三つ」

「えっ……」

「で、黒いレザーバンツ……これは一つでいい」

「この時期に……?」

「あと、寒冷地対策にレザーコートが欲しい。表は濃紺で裏地をバーガンディーに仕上げてくれないか?」

「独創的ですね……」

「そうそう、白とワインレッドの半袖シャツも一つずつ頼むぜ。完成イメージ、置いとくよ。流石に服を作れるほど器用じゃないんでな」

「…………あの、本当に騎士さんなんですよね?」

 まだ疑っていたのか。

 まあ、確かに以前の俺なら絶対に着ないであろうというデザインだらけなので無理もないが……。

 それに、絶対にツムギには言えないが、袖の一部は装備を合わせた際に切断する予定でいる。

 なんというか、切れ端がかっこいいと思うのだ。絶対理解されないが。

「そいつらは仕上がったら知らせてくれればいい。それまで着る服は今買っちまうぜ」

「あ、いえ、型紙作ればすぐなので、そんなにかからないと思いますが……。って、そのジーンズとジャケットは……その、売れ残りなんですけど」

「サイズ的にこれしかないだろ?さっきまで着てたやつは着たくねェんだよ」

 俺が手に取ったのは、深緑のジャケットにベルト付きのジーンズだった。

 明らかに似合ってないが、何も着ないよりはマシだろう。それに、ツムギも早く仕上がると言ってるわけだし、気にする必要はあまりないと思う。

「そんなの初老で銀髪でもないと似合いませんよ……だから売れ残ってるわけですし」

「分かったよ、大人しく出来上がるまで待ってるさ。それなら、このマントより少し大きい布が欲しい。色は黒だ」

「え、キモっ」

 黒いマントに大剣にボウガンなんて、イカしたファッションは理解されなかったみたいだ。

「金は置いていくぜ、じゃあな」

 

 

(しまった、貯めてた小遣いがなくなったか……服と飯と武装代、稼がないとな……)

 老人の頭髪並に寂しくなった財布を握り、ポケットに突っ込む。どうやら散財しすぎたらしいが、ロマンには敵わない。

 腹の虫も泣き叫び始めた辺りで、俺は(ようや)く窮地を理解した。

 

――ギルドハウス前にキャルとコッコロ、トゥインクルウィッシュとカォンのメンバーが揃っていたからだ――

 




Q.貴方を詐欺罪で訴えます!理由はもちろん、お分かりですね?
A.5~6k字に抑えるとアクション削るしかなかったゾ……ほんへデビルメイクライ小説は、アクション描写が野獣先輩のBBくらいあるんだから、多少はね?それとも10k字超えるか?覚悟は出来てる(一転攻勢)

Q.職人の名前
A.「nico(ニコ)」と「godo(ゴドー)」と「neel(ニール)」(綴り合ってるか知らねえけど)をいい感じにねるねるねるねしました。文句あるならもっといい案を送ってくれよな^~頼むよ^~(強気)

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