ロマサガRSにボストンが出て欲しいと思い書いた作品です。
残念ながら原作読み切りまでですが楽しんで貰えたら幸いです。
「はて?ここはどこだろう?」
私の呟きは水中へと消える。仲間達と世界の果てへ落ちていき、目の前がまっくらになったと思えば知らない海の中に居た。
身体を調べるが何も変らない赤い甲殻に自慢のハサミが付いている。
「う~ん?」
見覚えの無い海草が漂い、記憶に無い種の魚が回遊している。海水の味すらまったく違う。
「よし」
私はとりあえず動くことにした。元々ブラック達の話を聞いてから冒険がしたかったんだ。これは良い機会だ。そう思い彼方此方を探索する。
「おお!何だこれは?」
見る物の殆どが知らない。光を浴びて銀色に光る魚、赤い大きな毒クラゲ、桜色の珊瑚。その全てが私をワクワクさせた。
「?」
そして遂に話が通じそうな大きな生き物を見つけた。全身緑の下半身が魚で上半身が人に近い。あれがブラックが言っていた人魚だと思う。
「すみません。少しいいですか?」
「グウゥ?」
私が話しかけると彼はかなり驚いた顔をした。どうやら言葉がしゃべれないようだがとりあえず襲ってくる訳でもないので話を進めよう。
「私は【ロブスター族】のボストン。よろしく」
「グウグウ!」
どうやら話は出来ないが言葉はわかるようで挨拶を返してくれる。よかったよかった。
「私に似たロブスター族を見なかったか?」
「ガウウゥ」
「そうか…」
すまなさそうに首を横に振られ、私は寂しくなった。もしかすれば仲間も近くに居ると思ったがどうやら違うらしい。
「ガウゥゥ……ガウ!」
「ん?そっちに何かあるのか?」
悩んでいた彼は急に何かを思いついたようで私をどこかに案内してくれるようだ。
「ガウ!」
「わかった。よろしく頼む」
彼の後を泳いでついて行く。彼は私より泳ぐのが得意のようで途中から引っ張ってもらった。
「すまないな」
「ガウガウ!」
気にするなと彼は笑う。うん。良い人魚に出会えてラッキーだった。
10分ほど泳ぐと島が見えてきた。大きさは故郷の【最果ての島】の10倍ほど、見たことも無い程木も生えており、私達の主食の木の実が期待出来る。
「ガウ!」
「ん。あの島か」
「ガウガウ!」
どうやら目的地はあの島のようだ。
「もしよければあの島を拠点にしていいだろうか?」
「ガウ?」
「仲間を探す間の寝床にしたい」
「ガウガウ!」
彼は任せろと言わんばかりに胸を力強く叩く。非常に頼りになる良い人魚だ。よい友が出来て非常に嬉しい。
「ガウガウ」
途中大きなイカや巻き貝の様な者と会話していた彼は私を連れて砂浜に案内してくれた。
「ありがとう」
「ガウ!」
お礼を言い少ししたら島の奥からガサガサと何かが近づいてくる。
「ピピーィ!!」
急に飛び出してきたのは羽で飛ぶ光る金色の雫だ。しかもよく見れば顔がある。
卵は私達の周りを嬉しそうに笑顔で飛び回る。どうやら歓迎されているようだ。
「ゴメちゃーん!マーマン~!」
光る卵の次は黒髪の人の子が飛び出してきた。人の子…子供だったかな?彼はブラック達とは違う服を着ているが木の剣を持ってた。しかし頬に傷があるのでブラックを知ってるかも知れない。
「うおおぉ!?大きなエビだなぁ!」
彼は私の姿を見て驚く。どうやら私の仲間はここには居ないようだ。
「私はロブスター族のボストン。よろしく」
「俺はダイ!ボストンよろしく!」
なんとも感じのよい子供だ。ブラックとは違うが仲良くなれそうだ。
「ピィピィッ!」
「へへへ。ゴメちゃんもよろしくって!」
「ゴメちゃんよろしく」
「ピィピィ!」
やはり冒険をしてよかった。仲間は見つかってないが友が出来るのは嬉しいものだ。
「ボストンはこの辺で見かけないけど、どこから来たの?」
「それがわからないんだ」
「わからない?」
「ピィピィ?」
「うん。私は最果ての島と呼ばれる場所で仲間達と生活していたんだ。その最果ての島は水龍に削られて私達は最果てへ落ちていったんだ」
「へ?」
「ピィ?」
「ガウ?」
ん?どうしたんだろう?
「え?お、落ちたの?」
「うん」
「仲間みんな?」
「うん」
何か変だろうか?
「ええぇえぇッ!?ど、どうして逃げなかったの!?」
「私達は最果ての島で住んでいたしな」
「じゃあ水龍を倒さなかったの!?」
「水龍は私達が使う玄武が効かないからな」
「で、でも…」
「元々滝に削られて遅かれ早かれ島は無くなってしまった」
そう。最果てに住む私達の故郷は無くなるのはわかっていた。だから私はブラックに着いて行った彼が羨ましかった。
「そ、そんな事……」
「ピィピィ…」
「ガウ……」
彼らは私の境遇に悲しんでくれているようだ。
「どうしたんじゃ騒々しい」
「じいちゃん!?」
森から青い珊瑚の塊の様な者が歩いてくる。どうやらじいちゃんとい言うらしい。
「おや?お客様かの?」
「私はロブスター族のボストン。じいちゃんよろしく」
「ぷっ」
「これはこれはワシは鬼面道士のブラスですじゃ」
「ん?ああ。これはすまない。よろしくブラス」
なるほど。じいちゃんとは名称か。ブラックが船長と呼ばれるのと一緒だな。
「じいちゃん。ボストンなんだけど……」
「なるほど…大変苦労なされたようで…」
そうでもないが話が進まない気がしたので黙っておこう。
「それでボストンはどうするの?」
「良ければここを拠点に仲間を探したい。それと冒険だな」
私の一言でみんなが驚く。
「冒険ですか?」
「うん。昔、島に来たブラック達が楽しそうに冒険の話をしていた。冷たい泡の様な雪、一面砂の砂漠、大きな岩の山。仲間を探しながら冒険したい」
そう、ブラック達に着いて行った仲間のように私も冒険がしたい。
「……わかりました。ボストン殿これからよろしくお願いしますじゃ」
「よろしくねボストン!」
「ピーピィ!」
「ガウガウ!」
いつの間にか集まっていた色々な魔物達に歓迎され私はこの島…【デルムリン島】で生活する事になった。
既に書き終わってるので毎日更新します。
短い間ですがよろしくお願いします。
感想や言い回し、意見などがあれば次回に反映しますので是非お願いします。