エビの大冒険   作:彼是

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これでエビの大冒険の本編はお終いです。
ボストンの出番が少ない?知ってる。
気にしてる。でもこれ以上は島帰ってダイ労ってるだけなんだよな…





それから… でろりんとまぞっほ

「ん~……はっ!?こ、ここどこ?私は!?」

 

「起きたかずるぼん…」

 

「でろりん!?」

 

 俺は最後に起きたずるぼんに声をかけてやる。今は宴のあった庭園の端の方で仲間と固まっていた。

 

「おお。随分寝ていたの~」

 

「んだ」

 

 先に起きたまぞっほ達が寝ていたずるぼんに声をかけている。

 

「あの小僧は!?どうなったのさ!」

 

 起きたばかりで動転しているずるぼん。

 

「負けじゃ負け。それもまぁコテンパンにやられたわい」

 

「俺なんかドラゴン二体だぜ?勝てるわけないだろ…」

 

「そ、そんなぁ~」

 

 話を聞いたずるぼんはへなへなと残念がった。

 

「じゃあ!私達は牢屋に入れられるの!?」

 

「いいや。王様が許してくれた。嘘も含めてな」

 

「うそぉっ!?」

 

 酷く驚くずるぼんに事情を説明してやる。ボストン達が帰った後、事情を聞かれた俺はすべて馬鹿らしくなって真実を語った。そうしたら…

 

『…事情はわかった。でろりん。今回の事は重大な事じゃ。余や多くの民を騙し、ロモス王国を危険に晒した。この罪は重い』

 

 ロモス王は普段では想像出来ないほど険しい表情をしている。もしボストンが邪悪なモンスターならロモス王国で数え切れない程の死者が出ただろう。縛り首が妥当だろうな。

 

『……』

 

『しかし』

 

『?』

 

 ロモス王は先ほどの表情を変え、悲しそうな顔をする。

 

『それは余も同罪だ。聞けばでろりんはロモス王国出身と聞く。今は冒険者で各地を旅しているとはいえロモス王国の民と言ってもいいだろう』

 

 確かに俺はロモス王国の端の辺鄙な村出身だ。そんな生活が嫌で飛び出して転々として今の仲間達とパーティーを組んだ。

 

『ロモス王国の民は余の子供の様なもの…よって!でろりん達は無罪!滅茶苦茶になってしまったがまだ時間はある。宴を楽しんでくれ』

 

『は?』

 

 俺はロモス王の言葉理解出来ずに呆けてしまう。無罪?なんで?

 

『…実はのう。最初は罪に問うつもりだったが、酷く後悔しているようなので止めにしたのだ。わしは今回でろりん達がやった事に見抜けず国を危険に陥れた』

 

『っ!そ、それは!』

 

 それは俺達が悪い。

 

『ボストン殿に言われた言葉でわしは変ろうと思う。でろりんよ。わしがお主を調べた際、人々を邪悪なモンスター達から救った記録もあった。お主も今、後悔しているなら余と一緒に変らぬか?』

 

『……』

 

 村を飛び出してから何度か人を襲うモンスターを倒した。仲間が出来てからも何度もそういう場面に出くわした。

 …金や名声ばかり欲しがったのは何時からだろう……

 

「…そんな事があったんだね……」

 

「ああ…」

 

 珍しくずるぼんも神妙な顔をしている。彼女も僧侶。その職業上昔は清く正しかったのかもしれない。

 

「……なにか失礼な事考えてなかった?」

 

「「「いいや」」」

 

 俺達は顔を見合わせ驚く。もしや全員思ったようだ。

 

「フ、フハハハ…」

 

「く、くくく…」

 

「ぶ、ぶははは…」

 

「ぷっ。ハハハ…」

 

 まずは俺から笑い出し、まぞっほ、へろへろ、ずるぼんも笑い出す。

 

「あ~あ。今回は踏んだり蹴ったりだったな~」

 

「そうじゃな~もう少しといった所じゃったな」

 

「あそこでモンスターが出てこなかったらいけてたな」

 

「そうね。でもあの化け物は無理だったかもね」

 

 俺達に笑顔が戻る。吹っ切れたように明るい顔をしたみんなを見て思い出す。はじめはみんなで村の安宿に泊まって笑顔で今日助けた人の話をしていた。それが何時からか高い宿に無料で泊まり、分け前や儲け話の話ばかりになった。

 

「でろりん殿」

 

「?」

 

 俺達が話していると若い兵士が俺に話しかけてくる。

 

「私はグリンと申します。昔、皆様にネイルの村付近でじんめんじゅに妹と襲われているのを助けて貰った者です」

 

「あ~あったな。そんなこと…」

 

 確か久しぶりにロモスに帰ってきて、酒場でずるぼん達とパーティーを組んですぐだったはず…

 

「その節は本当にありがとうございました。先日妹も結婚出来、あの時にお礼を言いたがっていました」

 

 頭を下げるグリンに俺達は今日の騒ぎもあり慌てる。そんな俺達にグリンは言った。

 

「実は最初は別人かと思いました。でも今日の事と今の皆様を見てあの時の人達だと……私、皆様に憧れて兵士になったんです…」

 

 そう言ってもう一度お礼を言い、持ち場に戻るグリンを見送る。

 

「……」

 

「…結局私達がやってきた事ってなんだったのかしらね…」

 

「……」

 

 俺はだんまり、ずるぼんの言葉にへろへろも考え込む。そういえば感謝されて嬉しいと思ったのも何時以来だろうな。

 

「……回り道じゃな」

 

「「「!?」」」

 

 まぞっほが言った言葉に俺達は顔を見合わせる。

 

「ワシらは色々やってきた。人を騙した事もあるし、物を盗んだ事もあったのぅ」

 

「「「……」」」

 

 そ、その通りだ。どこぞの村の祠にあるアイテムを盗んで売っぱらった事もある。

 

「でも、まぁ…人も助けたこともある。船が沈没しそうな時に打算塗れじゃが助けたのぅ」

 

 まぞっほは遠くを見る。思ってはいけない事だろうがボケたじいちゃんを思い出す。

 

「……ワシは昔、正義の魔法使いに憧れ取った…でもダメじゃった。自分より強い敵に出会うとな…」

 

「…俺も実は故郷を守る兵士になる武者修行で旅に出たんだ」

 

「そうだったの!?」

 

 へろへろの言葉に俺達は驚く。こいつの故郷といえば城塞王国リンガイア。確かに生半可な実力だと入れなさそうだな。

 

「俺はまぁ…田舎暮らしが嫌で村を飛び出した…勇者に憧れて…」

 

 恥ずかしそうに言う俺にみんなニヤニヤと嫌な笑みを浮かべやがる!クッソ!

 

「いいじゃねぇか!まだガキの頃だぜっ!?ハッ!?」

 

 そう…丁度あいつぐらいの歳に旅の吟遊詩人の歌に出てきた勇者になりたくて飛び出したんだ。変な歌だったが妙に印象に残る歌だった。

 

「そうじゃな…あの小僧ぐらいの歳にはワシらも…」

 

「「「……」」」

 

 みんなが思い出にふける。

 

「……で?ずるぼんはどうして旅に出たんだ?」

 

「ぎくっ……言わないわよ…」

 

 一人だけ言ってないずるぼんにへろへろが声をかける。バツの悪そうな顔をしてプイと顔を背ける。

 

「まぁいいんじゃよ?人それぞれ理由はあるもんじゃし」

 

「そうだな。無理やり言わす趣味はないな」

 

「そうだな」

 

「え?え?」

 

 俺達の言葉に当てが外れたかのように慌てるずるぼん。こいつの事だ、言いたいが恥ずかしいのだろう。こうやっていれば…

 

「……ぅ…のよ」

 

「ん?何か言ったか?」

 

「だから!こう…人を……からよ…」

 

 モジモジとするずるぼんに似合わねーと思いながら後一押しだと確信する。

 

「聞こえねーよ。もう一度言ってくれ」

 

「ッ!?教会を挟まず人を助けたかったからよ!なんか文句あるっ!?」

 

「ばか!煽りすぎじゃ!」

 

 ずるぼんを煽り過ぎて立ち上がり大声で言うものだから、回りの兵士達も何事かと此方を見ていた。

 

「~~~~!?」

 

「痛でっ!?ごめん!すまん!」

 

「もうホッントと信じられない!」

 

 真っ赤に怒るずるぼんに殴られ、怒られる。それを見た兵士達が笑い宴の雰囲気がよくなる。その後は兵士のみんなから迎えられ騒いだ。色々聞かれ、昔の話でお礼を言われる事もあった。

 

 ひとしきり騒ぎ俺達は部屋に戻った。ロモス王に部屋をそのまま使ってもいいし、これからも客人として来てくれと言われた。

 

「……なぁまぞっほ」

 

「なんじゃ?」

 

 大部屋に4人で一部屋なので俺達はベットに入り寝ていた。しかしどうしても寝れず俺はまだ起きているまぞっほに話しかける。

 

「俺達変れるかな?」

 

「……わからん」

 

「そう…だよな…」

 

 急に言われても無理だ。お金が無ければ生活が出来ない。武器の手入れもある。いいベットで寝たいし美味しい食事も取りたい。

 

「じゃが……ワシらが付いておる。安心するんじゃな」

 

「!?」

 

 ベットに寝ていて見えないがまぞっほがにやりと笑う姿を思い浮かぶ。みんなが付いてる。俺には仲間がいる。そう思うと急に色々込み上げてきて泣けてきた。

 

「お゛う゛…」

 

「じゃそろそろ寝るかの~。明日も早いし」

 

「あ゛あ゛ぁ……」

 

 俺は寝ているずるぼんやへろへろにばれない様にぐちゃぐちゃに布団を汚しながら泣く。そしていつのまにか寝てしまうのだった。

 

 

 

 

「やれやれ…やっと寝よったか…」

 

 でろりんが色々溜めていたのは気付いておった。あの小僧達に負け、今まで溜まっていた物が出たのだろう。別にワシらも好きでこんな風になった訳ではない。でも気が付いたらこうなっておった。

 

「さぁお前達も早く寝るんじゃぞ」

 

「「ギクッ!」」

 

 ベットに深く入る。あの二人もでろりんに気を使い、寝た振りまでしておった。ろくでなしのワシじゃがこやつ等と居る時は年甲斐もなく楽しい。

 そして夢を見た。過去の修行時代、兄者に助けられながら堪えて耐え抜いた辛い過去。ある日、堪えかねてみんなが寝静まった時に逃げ出した。どうしても強いモンスターを見るとビビッてしまう。

逃げ出した夜道に兄者に待っていた。連れ戻そうとしてると思い全部ぶちまけた。修行が辛くモンスターが怖い事、兄者の才能がうらやましい等だ。その当時は気付かなかったが夢の兄者は泣きそうな顔をしていた。

 

(待ってくれ!そんな事を言うつもりはなかったんじゃ!ワシは兄者に憧れていて…)

 

 夢の兄者は辛そうに何時でも戻って来いと言い【瞬間移動呪文(ルーラ)】で戻っていた。その時のワシは歓喜した。見逃された!これで逃げ出せると。

 

(兄者……)

 

 じゃが、夢を見ているワシは後悔でいっぱいじゃった。あの辛そうな兄者の顔が忘れられない。

 

 朝、身支度を終えワシらは城を後にした。目を真っ赤に晴らしたでろりんが印象的じゃったがみんな触れなかった。

 

「これからどうする?」

 

 するぼんの奴はそう言った。いつもならすぐさま儲け話と言った所じゃがワシは少し行きたい場所があった。

 

「……一度パプニカに行かないか?」

 

「「「!?」」」

 

 みんなが驚きワシを見る。ワシは今までパプニカだけは好んで近づく事は無かった。風の噂で師匠が亡くなったと聞いて後悔した。いまでも墓参りすらしていない。

 

「ま、いいんじゃない」

 

「そうだな」

 

「パプニカか…美味しいワインが飲めそうだ」

 

 察してくれたのかみんなでパプニカに行く事になった。師匠、兄者。随分遠回りしたけどワシらは真の勇者パーティーを目指すよ…

 




一応構想的に出来てますがこれからは原作がどんどん消えます。

ぶっちゃけこの作品はドラゴンクエストでは無いのでダイが魔王を倒す必要はありません。

エビVS大魔王でもいいのです。なので原作ブレイクしまくる構想なので死ぬほど長くなる事が必然なのです。

なので今回はここまで、もし評判が良ければレオナ編、それでも良ければアバン編と書いていきます。

短い間ですがありがとうございました。

また機会があれば楽しんで下さい。
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