「なるほど…ではここからは一番近い国がロモス王国」
「そうですじゃ。ここから北へ行くと【ラインリバー大陸】に【ロモス王国】、その次に近いのが東の【ホルキアン大陸】の【パプニカ王国】、北東の【ギルドメイン大陸】の【ベルガーナ王国】ですかの」
私はここで生活しながらブラスに世界の事を教えて貰っていた。どうやら私が知っている場所から相当離れている様で四魔貴族の事や聖王等知らないと言われた。更に300年に一度の起きる死食も知らないそうだ。
「ZZZZ」
「………」
ダイは教えてもらう事が嫌いのようでいつも寝てるか逃げ出してしまう。
「こぉらっあっ!!起きんかぁ!!」
「っ!?痛ったァァァ!!」
今日も直ぐに寝たダイに杖を杖を振り下ろすブラス。ダイの頭には大きなタンコブが出来ている。
「ダイ!ちゃんと話を聞かんかっ!」
「だってつまんないんだもん!そんなの知らなくったいいじゃんかっ!」
「なんじゃと!?」
言い合う二人を横目にブラスが木板に書いてくれた地図を見る。
「ピィ?」
二人の喧嘩に呆れて近づいてきたゴメちゃんが楽しい?と聞いてきた。
「?ああ。楽しいぞ。ここがデルムリン島で…ここがラインリバー大陸だ。この島よりも凄く大きいんだ。どんな物があるのかワクワクする」
「ピィピィ?」
私の一言で驚くダイとブラス。二人は喧嘩を止め、私とゴメちゃんの話を聞いていた。ゴメちゃんは私の話に興味が出たようだ。
「うん。私がこの島に来て皆と友達になった。ラインリバー大陸やホルキアン大陸にはどんな人達が住んでいて、どういった場所があるのか検討もつかない。だから知りたいし見たい」
そう。ブラック達が言っていた冒険だ。彼らの話には大きな城?なる家があるらしい。
「私は城が見てみたい」
「お城?」
「そうだ。ダイ知ってるか?城とは何百人と住んでる大きな家らしい」
「そんなの知ってるよ!王様がいるんでしょう?」
「そう。王様だ。人間の王。相当強いのだろうな」
「強いの?勇者様より?」
「勇者?勇者は知らないが人間の王。つまり一番偉いのだから一番強いんじゃないか?」
「え~!流石に勇者様には勝てないよ!だって魔王を倒したんだよ?」
「魔王!?それは本当か!?それは凄い!」
「でしょう!!勇者様は強いんだ!」
「勇者様は強い!」
「強い!」
「ピィピィ!」
私達の会話をブラスは聞くと頭を抱えてしまう。
「ううぅ……頭痛がするわい……まずはボストン殿。王は強いのではなく偉いのですじゃ。王達は人々を導き、平和維持する指導者ですじゃ」
「ん?そうなのか」
人間とは強い者が王になる訳ではないのか?ブラック達は一番強いブラックがキャプテンだった。我々も強く偉大な者が長に選ばれていた。
「勇者様は勇気ある者。我々が言う勇者様は嘗て、人々を苦しめた魔王を倒した正義の剣士様の事を言いますじゃ」
「なるほど。私達の言う【聖王】だな」
「聖王?」
ダイが疑問に思うのも仕方ない。どうやらこの辺では本当に知られていない。
「ああ。世界を蹂躙した魔貴族達を打ち倒してアビスへ追い返した英雄だ」
あの魔貴族の一角【魔海侯フォルネウス】を追い返したなど信じられない。それぐらい奴は強い。
「へ~そんな勇者様以外にそんな凄い人がいるんだ!」
雑談を交えながらブラスから色々な話を教えてもらう。私の話も話す事が多く、毎日楽しく暮らしている。
最果ての島出身のボストンは元の世界の事も殆ど知りません。その為、ここが異世界だとわかりません。
ダイ達もボストンが異世界から来たなどわかりません。