ハリーポッターと化物となった少女   作:96℃

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話が進まない!



化物(フリークス)と賢者の石 十八

 

 

 

sideダニエル

 

 

 

 

「新しいシーカー?君が?」

 

医務室で休んでいるシャロンとネビルの様子を見に行った後、僕はメルセデスと夕食を食べに大広間に向かって歩いていた。大広間に近づくと顔に満面の笑みを浮かべたハリーが興奮した様子で歩いていたので先程の一件の後にどうなったのか話を聞いた。何でも、飛行訓練の時にマクゴナガル教授がハリーを連れていったのはハリーの見事な箒捌きを見て大層感心し、グリフィンドールのクィディッチチームの新しいシーカーに抜擢しようと思った為だったのだとか。

 

「それは.....驚いたね。規則をねじ曲げることになるんじゃないのかい?」

 

ホグワーツでは規則で一年生は個人的に箒を所有することは禁止されている。それと同時にクィディッチに参加することも禁止されていた。ハリーがクィディッチチームに所属することになるなら専用の箒も持つことになるのだろうし、マクゴナガル教授はこの一件で二つの規則をねじ曲げる事になる。

 

「うん.....でも、百年前にも一年生で代表になった生徒がいるから前例が無いわけじゃないんだって。」

 

前例が有ったとしても、普段は規則に厳しいマクゴナガル教授が自分から規則を破ろうとするとは思っても見なかった。それだけハリーへの期待が大きいということなのだろうが他の生徒に示しがつかないんじゃないだろうか。表情には出ていないけど、メルセデスも心なしか呆れているように見える。

 

「規則云々は置いておいて、君がシーカーに選ばれたことは凄いことだ。応援しているよ。」

 

「そうですね。流石は英雄と言ったところでしょうか。スリザリン生ではありますが私も応援していますよ。」

 

「ありがとう二人とも、頑張るよ!」

 

僕らの応援にハリーはさらに機嫌を良くしたようだ。

 

「今日はダニエルはメルセデスと食べるんだね?それじゃあ、僕はロンの所に行くよ。またね。」

 

そう言ってハリーは大広間の中へと駆けていった。僕らも連れだって大広間の中に入り、グリフィンドールのテーブルの片隅に向い合わせで座った。

 

「しかし、ハリーがシーカーになるとはね。驚いたよ。マクゴナガル教授に連れていったいかれたときはてっきり退学にされるものだと思っていたんだけどね。」

 

「私は退学まではならないと考えていましたけど、流石にあの連行の仕方でいい方に転ぶとは思っていませんでしたよ.....ん?あれは...またマルフォイですか。」

 

メルセデスが視線を向けた方向にはいつも通りクラッブとゴイルを連れたマルフォイがグリフィンドールのテーブルに近づいているのが見える。その足取りは真っ直ぐとロンと話しているハリーのほうへと向かっている。飛行訓練の件でハリーを笑いに来たのだろう。

 

ハリー達も近づいてくるマルフォイに気付いて臨戦態勢をとり、マルフォイと言い合いを始めた。断片的に会話が聞こえて来るのだが、今回はいつもの嫌味の応酬とは違うようだった。

 

「僕一人………相手に………今夜…………決闘………」

 

「もちろん………介添人………誰………」

 

「………真夜中………トロフィー室………」

 

「決闘?」

 

聞こえてくる会話はなにやら決闘に関する内容のようだ。言葉の断片を繋げると『今日の真夜中にトロフィー室で決闘をしよう』というところだろうか?

 

「ハリーとマルフォイが決闘ですか?それはそれは……何とも安心して見れる見せ物になりそうですね。」

 

ハリーもマルフォイも本物の魔法使いの決闘のように殺し合う為の魔法を使うことは無いだろう。いや、どちらかというと使えないと言った方が正しいか。

 

「おい、ウォルター。またグリフィンドールのテーブルに座っているのか?君がスリザリンに組分けされたことが疑問でならないよ。」

 

いつの間にかハリー達から離れたマルフォイがメルセデスの後ろに立っていた。クラッブとゴイルは先にスリザリンのテーブルに戻っていっている。たまたまメルセデスを見かけたので突っ掛かりに来たらしい。誰かに嫌みを言いに行かないと死んでしまう病気にでもかかっているのだろうか?

 

メルセデスは思いっきり顔をしかめている。彼が来たときの対応はメルセデスに任せっきりだったけどいい加減僕も口を出したくなった。

 

「そろそろしつこいんじゃ無いかな?マルフォイ君。君達がこうやってメルセデスに静かな時間を与えてくれないからメルセデスはスリザリンのテーブルに座らないんだと思うんだけど。」

 

僕に言い返されたマルフォイは直ぐに顔を真っ赤にして忌々しげに口を開いた。

 

「お前には話しかけてないんだ。僕に気安く喋りかけるなよ。この穢れた血め!」

 

穢れた血という単語がマルフォイの口から出たとたんにメルセデスは背後にいたマルフォイの頭を掴んで勢い良くテーブルへと叩き付けた。ガシャン!と大きな音がなり周囲の生徒からの注目を集めかけるが、その前に意識逸らしの魔法を使って何とか誤魔化すことが出来た。

 

メルセデスは痛みに呻くマルフォイの耳元に顔を近づけ、ゆっくりと冷え冷えとした声色で囁く。

 

「ダニーの血が穢れているというのならあなたの血はさぞかし美しいのでしょうね?是非とも私が見たダニーの血と見比べてみたいので腕の一本でも頂戴させて貰いましょうか。そういえば、あなたはハリーに決闘を申し込んでいましたね。ハリーの代わりに私が承けてあげましょう。ハリーの手を煩わせるまでもなくあなたを殺してあげますよ。あなたの父上も、決闘の末に死んだのなら文句も言わないでしょうしね。どんな死に方をしたいですか?斬殺、絞殺、爆殺、何でもできますよ。死の呪文はあっさりしすぎてつまらないので辞めておきましょうか。ああ、私は切り裂き呪文が得意なのですよ。あなたの身体を少しずつ切り刻んでいくのは想像するだけで心が躍ります。あなたの血も見れますし一石二鳥というもの。あなたが死ぬまでに身体にどれだけの裂傷を負わせることが出来るのか見ものですね?」

 

マルフォイは前とは一転して真っ青な顔でぶるぶると震えている。メルセデスが冗談を言っていないことを理解してしまったのだろう。きっと今の彼はいつも連れているクラッブとゴイルを今日に限って先にスリザリンのテーブルに返したことを後悔しているに違いない。

 

メルセデスがここまで殺意を顕にしているのは僕への暴言の為だ。穢れた血という言葉は魔法界においてマグル生まれへの最大の侮辱に値する。メルセデスは僕にその言葉を使ったマルフォイへ殺意を向けているのだと思うと仄暗い喜びを感じてしまう。僕が彼女に向けているような感情を彼女も僕に向けてくれていることを実感できる瞬間だからだ。

 

しかし、こんな生徒も教師も大勢集まっている大広間でマルフォイを殺してしまうのは不味いという言葉では済まない。しばらくメルセデスの殺意を堪能した僕は今にもマルフォイを切り裂かんとしている彼女を止めることにした。

 

「そこまでにしよう。僕への暴言くらいでマルフォイ君を殺す必要はない。彼も十分懲りただろうしね。」

 

「ですが…」

 

「君もまだ行動を制限されるような環境に身を置きたくはないだろう?君が魔法界中から追い回されたいというのなら僕も付き合うけど。」

 

「……いえ。まだその時ではありません。」

 

メルセデスはテーブルに押さえつけていたマルフォイの頭を後ろへと放った。尻餅をついたマルフォイは慌てて立ち上がりこちらに向かってなにやら口をパクパクとしているが声にならず、そのまま走り去ってしまった。

 

メルセデスは後先を考えずに行動してしまったことが恥ずかしいらしくそっぽを向いている。それも僕を思っての行動だと思えば愛しさしか浮かばない。

 

「メルセデス……君が僕の為に怒ってくれて嬉しいよ。」

 

「………嬉しかったのならお礼としてダニーの手料理を所望します。」

 

メルセデスはそっぽを向いたままお礼を要求してきた。内容は可愛いものだ。

 

「ああ、そういえばホグワーツの料理は君には味が濃かったのかな。分かった、今夜でもどうだい?必要の部屋に最高の食材と厨房を用意してもらおう。」

 

「いいえ、今夜は駄目です。」

 

「ん?どうしてだい?」

 

メルセデスは首を振っている。今夜に何か優先してやらなければいけないことが有っただろうか?

 

「ハリー達が決闘をしに夜中に抜け出すのでしょう?ダニーも巻き込まれそうな予感をひしひしと感じます。最も、今夜マルフォイが使い物になるとは思えませんがね。」

 

そうか、そうだった。その後に起きたことの印象が強くてすっかり忘れていたけど、今夜はハリー達が寮を抜け出す可能性が高かった。なんだかんだ言って僕も巻き込まれることはとてもあり得そうなことだ。

 

「今日はシャロンの始めての訓練に付き合うだけにします。就寝時間には戻ってくるでしょうからね。ダニーはハリー達の対応に集中してください。何か有ったら鏡を使うことです。いつでも反応出来るように待機していますから。」

 

「そうさせてもらうよ。出来ればマルフォイが決闘の場に現れずに即解散してくれるとありがたいんだけど……トラブルの運命の元に生まれた節のあるハリーの事だ、ただで済む気がしないよ……手料理は明日にでも振る舞おうと思う。楽しみにしていてくれ。」

 

「ええ、楽しみにしていますよ。」

 

それから僕はメルセデスと別れて寮に戻り、案の定マルフォイとの決闘騒ぎに巻き込まれる事になる。しかし、この夜がきっかけで一年を通してハリーが関わることになる事件にも巻き込まれるとは、僕も予想することが出来ていなかった。

 

 

 

 

 

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