ハリーポッターと化物となった少女   作:96℃

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ここ数日頭痛に悩まされております。回らない頭で文を考えたのでおかしい部分があるかもしれません。



化物(フリークス)と賢者の石 二十一

 

 

sideダニエル

 

 

 

今日は色々と有りすぎた。飛行訓練に夕食の時の騒動、決闘騒ぎに禁じられた廊下への侵入だ。一日に詰め込みすぎじゃあないだろうか。特に夜中の決闘からの一連の流れはたった一時間かそこらで起きたとは思えないほど濃い時間だった。

 

僕は夜中十一時頃に抵抗も虚しくハリーとロンに連れ出され、夜中に出歩くのを止めようと待ち伏せしていたハーマイオニー、合言葉が分からずに寮から閉め出されていたネビルを加えた五人でマルフォイが来るであろうトロフィー室に向かうことになる。

 

しかし、トロフィー室にやって来たのはマルフォイではなくフィルチだった。マルフォイはフィルチに告げ口をしてハリーを嵌めようとしていたんだ。フィルチに気付かれる前にトロフィー室から逃げ出して走るもピーブズに遭遇。居場所を大声でばらされたので近くの鍵の掛かった扉に逃げ込んだがそこには三頭犬が居た...というのが大体のあらすじだ。

 

扉に入って一息つこうとして後ろから三重に重なった唸り声が聞こえてきた時はここ数年で一番肝が冷えた。思わず振り向き様に全力の失神呪文をぶちかまして来てしまった。三頭犬程の魔法生物であれば魔法使い一人の失神呪文でどうにかなるとは思えないけど...もう少し冷静に行動出来るようにならないとね。

 

寮に戻るとみんな息も絶え絶えになっていた。三頭犬に至近距離で遭遇するなんて普通に生活していればあり得ない恐怖体験なのだから仕方ない。ハリーとロンは三頭犬が学校に居ることに不満を洩らしていたし、ネビルなんかは恐怖のあまりブルブルと震えていた。

 

ハーマイオニーはしばらく無言だったが時間が経つにつれて怒りを表し始め、「あなた達、さぞかしご満足でしょうよ。もしかしたらみんな殺されてたかもしれないのに。もっと悪いことに、退学になったかもしれないのよ。それとダニエル。あなたはもっとまともな人だと思ってたのにがっかりよ。では、皆さん、お差し支えなければ休ませていただくわ。」と一方的にまくし立てて去っていった。

 

殺されることよりも退学になることをもっと悪いことと表現したことにも驚いたが、何故か僕だけ名指しで非難されたことに開いた口が塞がらなかった。確かにハーマイオニーの前ではハリー達を諌める側にまわっていることが多かったが勝手に期待して勝手に失望しないで欲しいな。

 

どうも彼女は自分が絶対的に正しいと思っていそうで苦手だ。規則を守ることは秩序だった生活をする上で重要なことではあるが、規則を押し付け過ぎるのは周囲の顰蹙をかってしまう。そういった彼女の普段の物言いにハリー達は不快そうな表情を隠しもしないようになってきている。不満が爆発して大きないさかいに発展するのは時間の問題だろう。

 

部屋に戻ってもロンはハーマイオニーへの愚痴をこぼしつづけていた。ハリーは何かを考え込み、ネビルはまだガタガタと震えていたがさすがに疲れたのだろう。数分も経たない内に三人共寝入ってしまった。

 

僕も今日は休もうかと思ったけど、三頭犬のことをメルセデスに報告した方がいいかと思ったし、今日はシャロンが初めての訓練をしていることを思い出して心配になった。心配しているのはシャロンがメルセデスの無茶振りに振り回されていないかどうかだ。

 

メルセデスは訓練の時によく到底出来そうにない課題を出して困らせてくる。先に出来そうにない課題をを出せば後に出てくる少し難しいくらいの課題をスムーズにクリアできるからというのが理由だと言っていたが、明らかにメルセデス自身の楽しみも含まれていると思う。

 

一度考えだすと眠気もそれほど感じなくなってしまったので鏡を起動してみるが応答がない。訓練に熱中しているのかもしれないと思い、もう一度寮を抜け出すことにした。寮を出るところをグリフィンドール寮の門番である太った婦人の絵画に毎回見られているが、目眩ましを使っているので誰かまではバレていない。しかし、リスクはできるだけ減らすべきだからそろそろ窓からの脱出を考えていいかもしれない。

 

窓から出たときのルートを考えながら必要の部屋に向かう。部屋の前にたどり着き、さてシャロンは無事かと部屋に入ると、そこには予想外の光景が広がっていた。頭から犬の耳を生やしているシャロンとそれを楽しそうに撫で回しているメルセデスの姿だった。

 

どうしてこうなったかは分かる。恐らくメルセデスが課題に罰ゲームでも追加したのだろう。しかし、問題なのは犬の耳を生やした手段だ。

 

床に薬瓶が転がっているからやはり使われたのは僕が作った魔法薬だろう。それは人に犬の耳を生やすなんていうあまり使いどころが無さそうな薬なのだが、メルセデスに犬耳が生えたら可愛いかもしれないと思いながら作ってしまったある意味黒歴史な薬だった。

 

なんとも微妙な気分になりながら僕は意を決して二人に話しかける。

 

「何をしているんだい?君達。」

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

sideメルセデス

 

 

 

 

「メルセデス………そろそろ耳を触るの辞めません?」

 

私は今、シャロンの頭に生えた犬耳を堪能している。昔住んでいた村には犬がおらず、現在住んでいる屋敷も深い森の奥にあるので犬という生物とふれ合ったことが無かったのだが随分と損をしてきたものだと思う。耳をもふもふとしているだけで全く飽きがこないのだから本物はもっと楽しめる筈だ。

 

「何をしているんだい?君達。」

 

シャロンの不満を無視してもふもふとし続けていると、いつの間にかダニーが必要の部屋にやって来ていた。呆れたような目で見られているがダニーだってこの感触を味わえば夢中になるに違いない。

 

「ダニー、ハリー達の対応お疲れ様です。今あなたの作った魔法薬でシャロンに犬の耳を生やしてみたところなのですがダニーも触って見ます?」

 

ダニーの目の前にシャロンを差し出す。シャロンはダニーに向かってブンブンと首を振っている。

 

「遠慮しておくよ。シャロンは嫌がっているようだしね。君が耳を生やしてくれるなら喜んで触らせてもらうけど?」

 

ダニーが私の耳を?……少し心が引かれる提案だ。撫でられる側も体験してみたいと思っていたところだし、相手がダニーなら尚更だ。

 

「ダニーがそうしたいなら……」

 

「え?本当に?……冗談のつもりだったんだけど言ってみるもんだな。いや!それより、報告があるんだ。」

 

「報告?」

 

ピーブズに居場所を大声で暴露された後に報告がいるようなことがあったのだろうか?とりあえずシャロンの犬耳を塞いでおく。耳を塞がれたシャロンは状況を察してか大人しくされるがままになった。

 

「それはシャロンに聞かれても問題無いことですか?」

 

「ああ、問題無いよ。四階の廊下についてだ。」

 

シャロンの耳を塞ぐのを辞める。無論、犬耳から手を離した訳ではない。

 

「あれ?いいんですか?聞いても。」

 

「禁じられた廊下についてだそうです。これはまぁ、今はさほど重要では無いのであなたに聞かれても問題はありませんよ。」

 

禁じられた廊下については現在只の興味本位に収まっている。中に何があるのかによっては対応を変えるかもしれないが聞かれて困ることはないだろう。

 

「それじゃあ報告をするよ。切っ掛けは省略するけど四階の禁じられた廊下に入る羽目になったんだ。中には……三頭犬がいた。」

 

「三頭犬?三頭犬っていうと…あれですか?頭が三つあって凄い大きいっていうあの……」

 

三頭犬、キメラやマンティコアといった伝説級の魔法生物よりは危険度が劣るものの、只の学生が出会えば間違いなく喰い殺されてしまうような生物だ。とはいえ犬は犬なので手触りは良かったりするのだろうか?

 

「三頭犬ですか……そんなものを用意してまで一体何を隠しているのでしょうね?いえ、隠しているというよりは守っていると言う方が正しいでしょうか。何かがあるというのは誰の目にも明らかですから。そういえば、三頭犬の他には何かありましたか?」

 

「三頭犬の足の下に仕掛け扉があった。何かが置いてあるとしたらその先だろうね。やっぱり…グリンゴッツから持ち出された例の物なのかな。」

 

「タイミングがあまりにも合致しすぎています。もし本当に何かがあるのだとしたら例の物で間違い無いでしょうね。」

 

ダイアゴン横丁で初めてハリーと会った日にハグリッドがグリンゴッツから持ち出し、謎の人物が盗もうとした小さな包み。それがあの廊下の先にあるのか、はたまたあの廊下がダミーなのかは分からない。しかし、どちらにせよダンブルドアは物を奪おうとする輩をホグワーツに誘きだそうとしているように感じる。

 

「何かを狙っている人物が居て、その何かがここ(ホグワーツ)にある。何かを企むクィリナス・クィレルにホグワーツに入学したハリー・ポッター(帝王を討った英雄)...そして(化物)...ホグワーツは今、騒動の種で魔法薬の大鍋の中身のように混沌としています。いつ何が起きても対応出来るだけの能力と気概を持たねばなりませんね。」

 

このまま何も起きずに時が過ぎる筈がない。必ず何かが起こる。問題は、私達がそれを踏み越えることが出来るかどうかだ。

 

「さらっと自分を騒動の種に数える辺りメルセデスって自分のこと良く分かってますよね。」

 

「シャロン、黙っていた方が身のためだと思うよ。」

 

 

 

 

 

 

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