ハリーポッターと化物となった少女   作:96℃

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かくして化物(フリークス)は生まれた 四

――――――――1985年8月3日 夜

 

 

 

 

sideメルセデス

 

 

 

 

 

私が家に帰るともう夕食の準備が整っていた。

 

「お帰りなさい、メルセデス。」

 

「お帰り、遅かったね?」

 

「ただいま帰りました。遅くなってしまって申し訳ありません、お父さん、お母さん。予想外の事が起こりまして...」

 

「予想外の事?」

 

私はダニーの事を両親に相談することにした。

 

「はい、実は....ダニーがマグル生まれの魔法使いだということが判明したのです。」

 

「何だって?」

 

お父さんは驚いた声をあげた。お母さんも声にこそ出さなかったもののかなり驚いているようだ。

 

「とりあえず、どういう状況でダニエル君が魔法使うことになったのかを教えてくれるかい?」

 

「はい、私の帽子が風に飛ばされて高い樹の枝に引っ掛かったのを、ダニーが取りに行こうとして二十メートル程の高さから落下してしまったんです。私は、咄嗟に魔法を使って助けようとしたのですが...私の魔法が発動する前にダニー自身が魔法で落下速度を落としたのです。」

 

「ダニエル君が魔法を使ったのは確かなのかい?」

 

「子供が魔法を暴走させた際に生じると言われている魔力の微かな波を感じました。ダニーが魔法を使ったのは確定だと思います。」

 

そう、私はダニーが落下した時に微かな波を感じていた。だからこそダニーが今まで魔法を発動させた事がなかったとしても彼が魔法使いであると確信できたのだ。

 

「そうか...ダニエル君が魔法使いであることはわかった。ダニエル君にはどこまで話したんだい?」

 

「ダニーに魔法使いの素養があることは勿論、私達一家が魔法使いの家系であること、魔法使いには魔法使いの社会があること、魔法使いはマグルから隠れて暮らしていること、後は...十一歳になったら魔法学校から招待状が来ること位です。.....私の判断でダニーに色々と話してしまいましたが、何か不都合なことはありますか?」

 

「いや、魔法使いが隠れて暮らしているこを教えているのなら、ダニエル君も迂闊に我々の事を洩らしたりしないだろう。ダニエル君は、自分が魔法を使えると聞いてどんな様子だった?」

 

「魔法を使えることは凄いことだと、学べるなら学びたいと言っていました。ですがまだ他にやりたい事が出来るかもしれないからどちらの世界で生きるかは決められないとも言っていました。」

 

「自分の人生を決める大事な選択だ、迷うのは当たり前なことだね。じっくり考える必要があるだろう。しかし、そうか.....それならダニエル君のご両親、いや、奥方は数年前に亡くなっていたか。ダニエル君のお父さんに魔法界の事を話すのは、彼が道を決めてからの方がいいかな。」

 

どういうことだろう?なるべく早く教えた方が心構えもしやすくなると思うのだけど。

 

「もし、ダニエル君がマグルの世界で生きることを選んだならその時は―――――――彼の魔法界に関する記憶を全て消さなければならない。私達のことも含めてね。」

 

「―――――っ!」

 

「だから、その時まではウォード氏には魔法界の事を話さないでおこう。手間が増えてしまうからね。」

 

お父さんの言葉に私は、言葉に表せない不安を抱いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

sideダニエル

 

 

 

 

 

メルセデスを家まで送った僕は自分の帰路についた。

 

今日は僕に魔法使いの才能があった何て言う信じられない事がわかった。まだ何かの間違いじゃないかと疑う気持ちが完全に消えた訳じゃない。だけど、僕はメルセデスが、確証の無いことを人に喋るような性格ではない事をよく知っている。

 

―――――――メルセデス。僕の大事な素敵な友達だ。実の所を言うと友達以上になりたいと思っている。

 

彼女はとても魅力に溢れた女の子だ。他の子は不気味だって言うけど、鮮やかな赤色の目はルビーのように輝いていて綺麗だし、本物の黄金のような光沢をした髪は驚くほどさらさらとしている。

 

何より、とても優しくて一緒にいるととても居心地が良いんだ。メルセデスって名前は深い慈悲を意味しているらしいけどメルセデスほど名前が実態を表している子を僕は知らない。

 

彼女が僕に嘘をつく何て考えにも浮かばない。きっと僕は魔法使いなんだろう。父さんに相談したい所だけど、魔法使いが隠れて暮らしているなら許可をとらないで人に話すことは避けた方が良いんだろうね。

 

そんな事を考えているうちに家に着いた。メルセデス住んでいるウォルター邸には及ばないけど、村の中ではかなり大きい家だ。

 

「ただいま。」

 

「帰ったか。夕飯の準備はもうできている。早く食卓につきなさい。」

 

ダイニングに入ると父さんと兄さんはすでに食卓についていた。父さんの名前はアルフレッド、兄さんの名前はアーロンだ。

 

「ダニエル。今日はいつもより遅いんだな?一体何をしていた?」

 

兄さんが疑わしい目を向けてきた。何故か兄さんは僕の事をあまり良く思っていないようでよくこうして僕の行動に疑りをいれてくる。

 

兄さんとはかなり歳が離れている。僕は五歳で兄さんは十五歳だ。十歳も歳が離れた弟にどうしてこんな態度をとるんだろうか?

 

兄さんは村では悪い意味で有名だ。暴力を振るうのが好きでよく村の人達に意味もなく暴力を振るっては父さんに尻拭いをさせている。

 

「森の探索に夢中になっちゃってて、太陽をよく見ていなかったんだ。」

 

とりあえず魔法のことは秘密にしておく。

 

「ふん、随分とあの娘に入れ込んでるんだな。知っているぞ?お前は他の村の子供達とは関わらずにウォルター家の娘とばかり関わっていると。あんな薄気味悪い目をした娘の何処が良いんだか....」

 

「よせ、アーロン。あの娘には利用価値がある。ダニエルを通してお前の陰口があの娘の耳に入ったらどうする。」

 

僕は家族を嫌っているわけではない。だけど、二人のメルセデスへ向ける明らかに見下している言動の数々には我慢ならない気持ちが込み上げてくる。

 

駄目だ。この人達に向かって感情に任せて叫んだところで何も変わらないとわかっていても堪えきる事は出来ない。

 

「メルセデスは薄気味悪くなんかない!僕は彼女を利用するつもりなんかない!そうやって彼女を侮辱するのはもういい加減にしてくれ!」

 

そう言って僕は自分の部屋へと駆け戻った。

 

僕は明日メルセデスが見せてくれるだろう魔法の事を考えて気分を変えることにした。

 

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――――

 

 

sideアルフレッド

 

 

 

 

「メルセデスは薄気味悪くなんかない!僕は彼女を利用するつもりなんかない!そうやって彼女を侮辱するのはもういい加減にしてくれ!」

 

そう言って食べ終わった食器も放って部屋へと駆けていった息子を見て、思わずため息をついた。

 

「はぁ、全く....あれには困ったものだな。」

 

―――――――あれほど利用価値のある娘も珍しいと言うのに。

 

六年ほど前に村に住み着いたあの夫婦。どうみても上流階級の人間だとわかる彼らは突如として村に現れ、いつの間にか作られていたあの館で生活を始めた。

 

村のものたちも明らかに一般人ではない雰囲気に当てられて一時は腰が引けていたが元々余所者にも寛容だった事もあり、一月もたつ頃には誰も気にしなくなっていた。

 

私は彼らを一目で貴族であると断定した。ただの金持ちや、やり手の商売人の線も無くは無かったが...あの立ち振舞いは産まれた時から身体に染み付けてきたものだ。間違いはないだろう。

 

かつて幾多の貴族と関わってきたのだ、付け焼き刃かどうかなどすぐにわかる。

 

だが、彼らが貴族であるならば率直に言うと邪魔であった。

 

この村は私がロンドンを追われて以来二十年をかけて作り上げた私の国だ。村人達は私に心酔している。様々な悪条件が重って滅びかけていた村を救い。その成果をもって私は村のまとめ役だった老人の孫娘を娶り、この村を実質的に支配してきたのだ。

 

この村に私以外の権力者など要らない。そう考えてこの村からあの夫婦を排除する策を練っていた頃にあの夫婦は娘を作り、私の妻は男児を作った。

 

この機会を逃す手はなかった。排除するより取り込んでしまった方が時間はかかるがやり易かった。

 

あの娘と私の息子を結婚させるように仕向ける。そう決めて色々とやって来たはいいものの.....

 

「少し、考えが足りなかったか......」

 

「あん?何をいってるんだ?親父」

 

息子を近づかせ、娘に惚れさせる事であちらから婚姻話を持ち出すように仕向けるつもりだった。恐らくそれは成功するだろうという確信も持っている。

 

あれは容姿に優れていたし、女に請けのよくなるように性格を矯正している、それがアーロンには気にくわないようだが。

 

娘を惚れさせることは出来るだろう。しかし、私は一番肝心であった常に他人を利用しようとする考えをダニエルに根付かせることを怠っていた。

 

そのせいであれは驚くほど全うに育ってしまった。私の息子とはとても思えん。人を疑うことを知らなかったあの愚かな女に似てしまったのだろうか?

 

恐らくあれは娘と結婚したところで私に利用させようとはしないだろう。やはり原点に戻って彼らを排除する策を練り直すべきか..................

 

ふむ?そういえばこの村の老人どもは魔法使いや怪物の類いを極端にに恐れていたのだったな。一度彼らが恐怖に駆られる姿を見た事があるが......あの倫理も何もかも消えて無くなったような行動は利用できる。

 

丁度親子は異常なほど赤い目をしている。あの赤い目こそが魔法使いの証拠だなどとでっち上げれば老人達はすぐさま行動に移してくれるだろう。自分たちの娘のような存在だったとしても躊躇無く排除したのだ。元が余所者ならば尚更だろう。

 

「ふふふ...そうと決まれば早速詳細を詰めよう。楽しくなってきた。」

 

「???」

 

人を陥れる策を練る瞬間こそが人生で最も心が踊る。アーロンが奇妙なものを見る目をしているが関係ない。

 

そうだ!この暴力が好きなバカ息子にも、たまには私の役にたってもらうとしよう。いつも後始末をしてやっているのだから、役にたってもらわなければ生かしておいている意味がない。このバカも、私や村のものたち公認で暴力を振るう機会が与えられるのだから喜んで協力するだろう。

 

 

 




ハリポタ要素が出せない.....序章が終わって賢者の石に入ったらこれでもかと言うほど出しますのでお待ち下さい。
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