ライノ(亡霊)と行く提督業   作:三笠改二

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第10話 記憶の断片~その1~

「はぁ……空はあんなに蒼いのに……」

 

なんか、空を見てるとほっとするんだよなぁ。

地球の七割を占める青が恐怖の対象になってると尚更。

少なくとも、空の蒼はまだマシだ。

 

「……はぁ」

 

徐ろに首にかけていたペンダントと、識別票(ドッグタグ)を取り出し、

再びため息をつく。

……少しゆっくりし過ぎたな。『委員長』に怒られる前に…

 

「現実逃避は終わったか?工廠で最終確認(メンテナンス)すんぞ」

「ッ!?びっくりしたぁ、ゴホン。すんません隊長殿、今行きます」

 

急いでそれらを仕舞い、隊長や同僚たちのいる第二工廠(軍事工場)に向かう。

 

「悪りぃ、遅れた」

「遅せぇぞ何やってたんだよ?」

「空を見ながら、この時代に生まれたことを嘆いてた」

「あ、あぁ……そりゃぁ……」

「冗談だよ。苦しい思いをして親が産んでくれたのに、そんな贅沢言うわけないだろ」

「分かりにくい冗談言うなッ!!!」

 

これがこの部隊の平常運転。

幾度となく生き延びた『死に損ない』の寄せ集めの陸上自衛隊第二旅団麾下特設第026小隊。

奴ら相手に、生身で戦い生き延びて来た百戦錬磨の兵(つわもの)たちである。

 

「いつもながら、ここまで軍の在り方から離れた部隊って凄いですよね」

 

そんな俺らのコント?を少し離れた所で見ながら、真面目なメガネっ娘(あだ名は『委員長』)が注意すべきが悩んでいる。

 

「放っておけ、あれはあいつらの戦う前の儀式のようなものだ。これから実戦という時に緊張するのは危険だしな。

…ある程度は息抜きしなければ、アレを目にしただけで闘争心が折れる」

 

『委員長』の隣に立つ傷だらけの大男、『隊長』は、『委員長』にコーヒーを差し出しながら苦笑する。

 

「まぁ、規律は最低限守っているんだ、文句を言われる筋合いはない。それに…」

「それに?」

「下には規律やら法律やらを押し付けるが、上はロクに守ってないんだ。……なら、俺たちも真面目にこなさなくていいだろ?」

 

肩を竦めて「はぁ」と大袈裟な仕草をする大男を見るのは中々のギャップだった。

(ギャップ萌えは、さすがに無かったが)

 

「『隊長』はコミカルなんだがなぁ」

「見た目は、正直……典型的な強面軍人だし」

「『隊長』が唯一休んだ日ってさ、幼稚園児に怖がられて挙句泣かれたからだって」

「「「「『隊長』………」」」」←(憐れみの瞳)

「メンテナンスしろよお前ら」

「「「「はぁーぃ『委員長』」」」」

 

無駄話しを終えると、各々が腰ベルトに装備していた兵装を取り出し、メンテナンスを始める。

 

兵装は、刀・薙刀・盾・銃・鉄甲・小太刀・警棒etc……その殆どに、木や銀が混じってる。

 

奴らに効果があった寺社で清められた、永い時を重ねた木……教会で洗礼された銀……

それを現存している武器のパーツに組み込むことで、奴らに対する矛となった。

 

・・・・

・・・(メンテナンス中……)

・・

 

「メンテは終わったな!」

「「「「「はっ!」」」」」

「よし、総員出撃!目標 元佐世保鎮守府!深海から湧いて出てきた有象無象に、我らの土地を土足で踏み荒らしたことを後悔させてやれっ!!」

「「「「「了解っ!!」」」」」

 

これは、奴らが深海棲艦と呼称される前の話。

艦娘がまだ現れる前、人の身でありながら人智の及ばぬ『化け物』に挑んだもの達の最後の人間の部隊。

 

・・・

・・

 

『なんで今更……あぁ、そうか』

『司令官ッ!?なにを!』

 

ケッコンカッコカリをした戦友を敵戦艦の射線から体当たりで強引に外す。

と、同時に軍刀で敵弾を逸らすが、パキィンッと音を立てて大戦時からの愛刀が折れる。

 

『……そうかこれが走馬灯』

 

ケッコン艦である―――がこちらに向かって走っているが、到底間に合わない。

というか、むしろ間に合って欲しくない。

間に合う=死なのだから……

 

『……俺は―――』

 

瞬間、敵の砲門から閃光によって―――――。

 

 

誰かを守れたのだろうか……?

登場する人物候補です!この結果を反映出来るように尽力します(確約は難しいです…)

  • ドレル・クーベリック(灼眼のシャナ)
  • マービン・ブラナー(バイオハザード)
  • 千寿夏世(ブラック・ブレット)
  • ミレディ(ありふれた職業で世界最強)
  • …居ないな(可能ならコメ欄で)
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