FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
「はぁ…はぁ…ぜぇー…はぁ」
リートとマーラは、赤い悪魔のギルドとの戦いを終えたところだった。
「お疲れ、よく頑張ったな」
「はい!!って言いたいところだけど…なんでリートさんは平然としてるの?アタシより動き回ってたよね?」
「こんな雑魚ギルド相手にするより、バンク1人を相手にしてた時の方がよっぽどキツかったからな、この程度なら大した事はねーよ」
「えぇー…それはそれで、ちょっと引くんですけど…」
リートは掌に氷を作ると、マーラに投げ渡す。
「ほら、こんなのしかねーけど冷やして体を休ませとけ、コイツらから情報を得て、まだ動き続けることになるだろうからな」
「あ…ありがとう」
マーラは受け取った氷を額に当てて、気持ち良さそうな顔をしていた。
「さてと…」
リートが倒した敵から情報を得ようと、振り返る。
「あなた方、命が惜しくばさっさと六魔将軍の居場所を吐きなさいな」
リートよりも先に、ラリカが敵の額にに爪を立て、情報を聞き出そうとしていた。
(えぇー…何アレ…)
(ラ…ラリカちゃん怖い…)
「ヒ…ヒャッ…ハー……教える分けねーだろクソ猫が…」
「あら、そうですの?吐いてしまえば楽でしたのに」
ザシュ
「ギャアアァ!!」
ラリカは、額に当てていた爪を振り下ろした。
(容赦ねー)
「アワワワワワ」
「さて、お次は…と」
ラリカは別の敵にも、同じ事を行い始めた。
「情報収集はラリカに任せてりゃよさそうだな」
「う…うん……というか、今のラリカちゃんに関わるのが怖い…」
数分後、ラリカが敵の情報を得て、リート達に報告する。
「西の廃村?」
「えぇ、六魔将軍はそこにいるって情報は手に入れることができましたわ、ウェンディ様を連れていった目的までは聞くことができませんでしたけど、情報としては十分ではなくて?」
「西の廃村って確か古代人の村があるって聞いたような」
「なるほど、村ってことは拠点にするには十分な設備はあるって訳か」
リートは立ち上がって、動き出せる準備をする。
「とりあえず、その西の廃村ってところに向かうとするか、奴等がそこに居るなら、ウェンディとハッピーも十中八九そこに連れられてるだろうしな」
「ウェンディ……大丈夫かな」
マーラが、また不安そうな顔をして俯いてしまうと、リートがマーラの頭を撫でて落ち着ける。
「大丈夫だ、それに言っただろ?必ず助け出すって、だから心配すんな」
「うん!!」
「そうと決まれば、さっさと奴等の拠点に向かわねーとな、二人とも準備はいいか?」
リートの問いかけに、マーラとラリカは笑顔で答える。
「私はいつでも行けますわよ」
「アタシも準備できてるよ!!」
「よしっ!!じゃあいくか」
リート達が西の廃村についた頃、グレイがレーサーと戦闘している光景が目に入る。
「グレイ!!」
「リート!!?」
「また、余計なのが増えやがったか」
レーサーは、リート達目掛けて攻撃にかかる。
「!!?」
バッ!!
レーサーにギリギリで反応できたリートは、マーラ達の盾になり攻撃を受ける。
「ぐぁぁぁ!!」
「「リート(さん)!!!」」
「くっ…」
がしっ
「へっ?」
リートは、マーラの服を掴み、ラリカを抱かせながら崖下の廃村目掛けて投げ飛ばそうと構える。
「させるかよ」
「アイスメイク・ランス!!!」
「!!?」
リートを止めようとしたレーサーだったが、グレイの攻撃に反応し、避ける方を優先した。
「おまえの相手はオレだ!!」
「ナイス!!グレイ!!」
リートは、マーラを掴んでいる腕に力を込める。
「リリリリリートさん!!?ななな何を!!?」
「なんとなく分かりましたけれど、ちょっと待ってはくれませんの!!?」
「説明してる余裕はねぇ!!」
ブォン!!
「行ってこーーーい!!!」
「「キャアアアァァァァァ!!!!」」
リートは全力投球で、マーラとラリカを下に投げ飛ばした。
「よしっ」
「無茶苦茶するなオマエは!!」
「グレイ、あいつ等が救出に成功するまで、コイツの相手は二人でやるぞ」
「……分かったよ、やってやる!!」
「オマエ等じゃオレの走りは止められねぇよ」
………
下に投げ飛ばされた二人は、何とか着地に成功していた。
「死ぬがどおぼっだよぉ~」
「リート コロス ゼッタイ」
(ラリカちゃん…精神が崩壊してる……)
「とにかく、二人を探しませんと」
「あ、あれ!!」
マーラが指差した方向には、ナツとシャルルが洞窟へと入っていくのが見えた。
「追いかけますわよ!!」
「うん!!」
洞窟に入ったナツ達が見た光景は、信じられない光景だった。
「な…何だ……コレ……」
「そんな……」
「ナツ~」
洞窟の中では、ウェンディ、ハッピー、ブレインともう一人、ジェラールが復活して立ち上がっていた。
「うぅ…ごめんなさい……ごめんなさい…私……」
ウェンディは、ジェラールを復活させた罪悪感で、涙を溢していた。
「ウェンディー!!シャルルー!!」
「ナツ!!ハッピー!!無事ですの!!?」
そこへ、マーラとラリカも合流する。
「ジェラール………」
「「!!?」」
「ジェラールって…あのジェラールですの!!?」
「ジェラール…ウェンディが恩人って言ってた人……」
「ごめん……なさ…うぇっ うぇっ」
「この人は私の……恩人…なの」
ウェンディは、泣きながら謝罪を続ける。
「ウェンディ!!あんた治癒の魔法を使ったの!!?」
「え!!?そんなことしたらウェンディは!!」
ふらっ
ウェンディは力尽きたのか、倒れてしまった。
「「ウェンディ!!」」
マーラとシャルルは、慌ててウェンディに駆け寄った。
「なんで……オマエがこんな所に……」
ナツは拳に炎を纏い、ジェラールに殴りかかる。
「ジェラァァァルゥゥゥ!!!!!」
ボッ!!
しかし、ジェラールが魔力を掌から放出することで、ナツは一瞬で吹き飛ばされた。
「うあああっ!!!」
「ナツ!!!」
「相変わらず凄まじい魔力だな。ジェラール」
ジェラールはブレインの方を振り返ると、洞窟の床を崩し、ブレインを下へと落としてしまった。
「なにっ!!!?」
「ぐおああぁっ」
つかつかつかつか
ジェラールはそのまま一言も発することなく、洞窟の外へと出ていってしまった。
ガラガラガラ
「ジェラール!!!」
ナツは瓦礫の中から起き上がって、辺りを見渡す。
「どこだ!!!」
「行っちゃったよ…」
「あんにゃろぉーー!!!」
「ちょっと、アイツが何なのか知らないけどね、今はウェンディを連れて帰る事の方が重要でしょ」
シャルルの言葉で、ナツはジェラールを追うことをやめて踏みとどまる。
「エルザを助けたいんでしょ!!!」
「……わかってんよ!!!…あいつ」
「いくぞ!!!ハッピー!!!」
「あいさ!!!」
「マーラは、私が連れて飛びますわ」
「うん!!お願いね、ラリカちゃん」
ハッピーはナツを、シャルルはウェンディを、ラリカはマーラを連れて外に飛び出した。
ガラガラ
洞窟の下層へ落とされたブレインは、少しだが動揺していた。
「………計算外だ…いや、拘束具を外した私のミスか……しかし、以前の奴は私にここまでの敵対心を持っていなかったハズ」
「眠ってる状態でニルヴァーナの話しを聞いていたとでもいうのか?……」
ブレインの中で、一つの考えが浮かぶ。
「ジェラールめ!!!!まさかニルヴァーナを独占する気か!!!!」
「させぬ!!!!あれは我々のモノ!!!!誰にも渡すものか!!!!」
ブレインは、上を向いて大声で叫び出した。
「コブラ!!!!聞こえるかっ!!!!ジェラールが逃げた!!!!奴を追え!!!!奴の行く先に…ニルヴァーナがある!!!!」
コブラに、ブレインの声はしっかりと届いていた。
「OK聞こえたよ、ついでにジェラールの足音もな」
リート&グレイVSレーサーにしてしまったけど…この後考えたら間違いなくリートお荷物だよね…どないしましょ……