FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
察しのいい人ならそろそろゴルスの魔法、分かっている人もいるのでは?察しよくなくてもわかる…のかな……?
「それではお嬢様、私は先にシャルエラ王国へと向かわせていただきます」
エウスはアマネに頭を下げると、アマネも不満そうな顔で返事をする。
「ええ……」
「明後日です。それまでには必ず帰ってきていただくのでそのつもりでお願い致します」
「……わかってるわよ」
アマネは、エウスとリートとマカロフの三人になんとか説得され、明後日までという条件で、国へ帰る約束をしていたのだ。
「では、リート、お嬢様を頼んだぞ」
「ええ、必ず家に帰します」
「ならばいい」
エウスは視線をギルドのメンバー全員に向けると、再度深く一礼をする。
「それでは皆様、お世話になりました。くれぐれもアマネお嬢様をよろしくお願いいたします」
エウスの挨拶を、皆は快く返してくれる。
「世話になったのはこちらの方だ、ありがとう」
「また遊びに来てくれよ」
「次は戦ってくれよな」
「楽しかったわよ」
ミラがエウスに包みを渡す。
「これ、よかったらお土産♪シャルエラに帰ったら食べて下さい」
「おぉ、これは申し訳ない。ありがたく頂戴させていただきます」
エウスは、笑顔で港へと歩いて行った。
「はぁ~…明後日かぁ…ヤだなぁ」
アマネは深くため息をついて、肩を落とす。
「くよくよしても仕方ねーだろ?諦めろぉ」
「…そうね!!なら今日と明日で一生分遊んでやるわ!!!」
「え!?」(嫌な予感…)
ガシッ
「ちょっ…今からか!!?」
「当然よ!!付き合ってくれるでしょ?」
「お…oh」
アマネは、リートの手を引いて外へと出ていった。
「……行ってしまいましたわね」
「ラリカは追いかけなくていいの?」
ルーシィが訪ねると、ラリカは首を横にふる。
「どうせいつもの事ですわよ、私はいつも通り巻き込まれないようにするだけですわ」
「じゃあ、私と一緒に帰る?」
「ということは…ミラは今日も私達の家に泊まるのですわね」
「ええ、もちろん♪」
「わかりましたわ」
ミラも、仕事を切り上げて帰る準備をする。
「ミラちゃんもすっかりリートの家に居着いちまったなぁ」
「けど、そのわりにエルフマンはやけに大人しいわよね?」
ルーシィがエルフマンの顔を覗き込むと、エルフマンは平然とした顔で答える。
「ん?あぁ、姉ちゃんなら向こうに泊るっつっても定期的に家には帰ってきてくれんだよ、それにあんな状況ならリートも姉ちゃんに手を出せねぇだろうからな」
「そうか、ミラも決してエルフマンの事をないがしろにしているわけではないのだな」
「とーぜんだ!なんたってオレの姉ちゃんなんだからな」
「まぁ、それならそれで、安心したわ」
それから2日後、ついにアマネがシャルエラに帰るときがやって来た。
エウスは屋敷でアマネの帰りを待ちながら、執事の仕事をこなしていた。
「エウスよ、ホントに今日アマネは帰ってくるのだな?」
「ご安心下さい旦那様、アマネお嬢様は必ず帰って参ります」
「そうか、オマエが言うなら信用しよう、まったく…あのワガママ娘が」
(相変わらず、アマネお嬢様の前では素直になれないお人だ)
エウスはクスリと笑い、アマネの父親を見る。
「とにかく、私はこの後仕事で屋敷を開ける、後の事は任せたぞ」
「はい、かしこまりました」
アマネの父親は、部屋を後にし、仕事の為出掛けていった。
「さて、ではアマネお嬢様がお帰りになる前に残りの作業を終わらせてしまいましょうか」
それからしばらく、エウスと使用人達が屋敷の掃除や料理などをしていると、屋敷の表から女性の使用人の悲鳴が聞こえてくる。
「キャアァァァァ!!!!」
「!!?」
タッタッタッタ
「何事ですか!!!」
慌ててエウス達が外に出ると、そこにはゴルスの姿があり、屋敷の使用人が一人倒れており、女性の使用人が腰を抜かせていた。
「おーおー、こりゃまたゾロゾロとわいて出てきやがって、ゴキブリか?テメェらはよぉ」
「どちら様で?アマネお嬢様にも旦那様にも貴方のような野蛮なお知り合いはいらっしゃらないと記憶しておりますが」
「ハッハッハ!!野蛮ねぇ、あー違ぇねぇ、確かにテメェらから見たオレぁ野蛮かもなぁ」
「けどなぁ、今ぁそんな事ぁどーでもいいんだよぉ」
「アマネお嬢様ってのを差し出しな、ここの家主の娘だろ?わざわざ情報を得て律儀に来てやったんだぜぇ?」
エウスは白の手袋をはめて、臨戦態勢になる。
「あの二人を連れて中に隠れていなさい。彼の相手は私がします」
「は…はい」
エウスの後ろにいた使用人が倒れている使用人と女性を連れて屋敷の中へと入っていく。
「お?あんだよ、差し出す気はねぇってか?」
「当然でございます。そして……この屋敷に無断で乗り込んできた以上それ相応の覚悟はあるんだろうな?」
エウスの目付きは鋭くなり、口調も少しだけ変わる。
「あー、やめといた方がいいと思うぜ?わりとマジでよぉ」
エウス姿は一瞬でゴルスの視界から消え、細剣を手にした状態でゴルスの後ろから現れる。
「終わりです」
パキィン
「!!?」
エウスが振り下ろした剣がゴルスの首筋に当たるが、いとも簡単にへし折れてしまった。
「そんな!!」
「あーぁ、だぁから言ったのによぉ」
ゴルスは回し蹴りで、エウスの脇腹を蹴り、吹き飛ばす。
「ごはぁ」
「その程度の強度の剣じゃあ、オレには傷ひとつつけられねぇよ」
「くっ…」
エウスは、高速でゴルスの周りを動き周りながら、打撃技で応戦しようとする。
「痒いじゃねぇかぁ何がしてぇんだよ」
「ばかな!!私の攻撃が効いてないだと!!?」
「攻撃ぃ?これがかぁ?ハッ!!バカ言ってんじゃねぇぞぉ、攻撃ってのはな、相手にダメージを与えて初めて攻撃って言うことができんだよぉ、テメェのはただ撫でてんのと変わんねぇじゃねぇか」
ゴルスが指先に金の塊を作り出すと、エウスの左肩を目掛けて勢いよく打ち出す。
ドン!!
「がはぁっ!!」
「こーゆーのを攻撃ってんだ、よく覚えとけぇ」
ゴルスはエウスの顎を蹴り上げ、そのまま回し蹴りでエウスを吹き飛ばした。
大木まで吹き飛ばされたエウスの体は既にボロボロでいつ死んでもおかしくない状況にまで追い詰められていた。
「がはぁっ…ごほっごほっ」
「っち、これだけ執事を追い込んでもお嬢様ってのが出てこねぇところを考えると、こりゃここには居ねぇなぁ、はぁーあ、せっかくお嬢様を見つけて仕事をひとつ片付けられると思ったんだがなぁ」
ゴソゴソ
ゴルスは、ポケットから小さめの魔水晶を取り出すと、魔水晶が光りだす。
「あー、こちらゴルス、王子様よぉ、ここにはアマネお嬢様は居ねぇみてーだぜぇ」
『そうか、ならば屋敷の者から情報を得てきてくれ、なんなら見せしめに1人殺しても構わない、何としてもアマネの情報を持ち帰るんだ。勿論報酬の
「へいへい~」
魔水晶をポケットにしまったゴルスは、苦虫を潰したような顔になる。
「まったく、人使いの荒い王子だ…おい!!お前らぁ!!」
「「「はい!ここに」」」
ゴルスの後ろに、三人の男達が現れる。
「ったく、相変わらず何処からでも現れるなテメェらはよぉ、忍者かってのぉ」
「「「ゴルス様がお呼びすればどんな場所からでも駆けつけてご覧にいれます」」」
「ったく…見事にハモりやがって、まぁいい、お前ら…さっきの話しは聞いていたなぁ?」
「もちろんです」
「我々も情報を得てこいと申されるので?」
「よくわかってんじゃねーかぁ、ならさっさと行って屋敷の中の連中を拷問でも何でもしてアマネお嬢様の居場所を聞き出してこーぃ、なるべく王子の機嫌が損なわねー内に戻るから早くやってこいよぉ」
「「「はっ!」」」
三人は屋敷へと入っていき、ゴルスだけがエウスのいる場所に残った。
「さてとぉ、テメェにはオレが尋問してやるよぉ、感謝しなぁ」
「ごふっ…やめろ……殺す……なら…私だけだ……中の者た…ちは……関係ない……」
「それを決めるのはオレたちだぁ、テメェじゃねぇ」
(お嬢様………今来ては行けません…頼む…お嬢様が帰ってくる前に早く去っていってくれ)
エウスピンチ、アマネ…今帰ったら間違いなく巻き込まれますな、まぁ主次第ですが