FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
リート達が戦いを始める頃、城ではアマネの宝石を取り出す準備により、30人程の魔導士が集められ、魔方陣を描き、着々と準備が進んでいた。
「オイ、アマネは大人しく牢に入っているんだろうね?」
「はい、あれから一言も発せずに牢の中で静かにしております」
「ならいいんだ、それにしても、ゴルス達は何処に行ったんだ…まったく、自由奔放なやつらだ」
………
エルザとエウスの二人は、ウェイブと戦いながら焦りを感じていた。
(くっ…早くせんとアマネが死んでしまうかもしれないというのに…ここまで足止めされるとは…)
ウェイブの魔法は、刀のみの換装、言葉にするとエルザの下位互換に聞こえるが、実際はウェイブの換装する刀がそれぞれ別の能力を持っており、エルザとエウスはそれに苦戦していた。
「エルザ様、何か手はありませんか?早くしませんとお嬢様の命が…」
「あぁ、分かっている、しかし…こうも攻撃が当たらんとなると中々に厄介だ」
「厄介なのはそれがしの方だ。あれほど斬激を放っているのに未だに生き延びているとは、お主らはそれがしの予想をはるかに越えている」
ウェイブが刀を換装し、左手に一本装備する。
「影刀 修羅」
ヒュッ
ウェイブはエルザとの間合いを一気に詰め、修羅という刀を抜き、エルザの首をめがけて刀をふる。
「くっ!!」
エルザも修羅と自分の首の間に刀を入れ込み、防御の構えをとる。
「無駄だ」
フッ
「!!?」
エルザの刀をすり抜け、ウェイブはエルザの首を切ろうとする。
「お主は…今死んだ」
キィン!!
「!!」
エルザの真後ろにエウスが立っており、細剣でエルザの首が薄皮一枚切られたと同時にウェイブの剣をガードする。
「終わらせません、この方は死なせません」
エルザはウェイブの刀が止まると同時に、エルザも換装を行う。
「妖刀 紅桜!!」
「はぁ!!!」
「!!」
紅桜でウェイブの腹を横に切り裂こうとしたエルザだが、ギリギリのところでウェイブに避けられる。
ブォン!!
「くっ…外したか」
「急いでいるというのに、面倒な…」
「それがしを相手によく戦っているものだ…しかし、勝つのはそれがしだ」
ウェイブは修羅をしまいこみ、新たな二本の刀を換装する。
「香刀 演舞」
「白刀 映斬」
エルザの次はエウスにと、ウェイブは標的を変えて斬りかかる。
「甘い!!」
ガキィィン!!
演舞を振るうウェイブだが、エウスはそれをあっさりと防ぐ。
ふわぁぁ~
「うっ…」
演舞から何かの匂いが漂い、エウスはその匂いをアッサリと嗅いでしまう。
「これは…」
「麻痺毒…しばらくは身体が動かなかろう」
「貴様!!!」
エルザがウェイブの後ろから斬りかかるが、ウェイブはしゃがんでそれをかわす。
視線をエルザへと向け、映斬をエルザに向けて振るう。
エルザは、またもガードの構えをとるが、映斬の斬劇は刀同士がぶつかると同時に消える。
「なっ!!?」
ヒュッ スパッ!!
「ガッ…」
そして、斬激が消え、エルザの気が抜けた一瞬の隙に、先程と同じ軌道でウェイブが映斬をふると、今度は斬激は消えずに、エルザの身体を切りつけた。
「影刀 香刀 白刀 それぞれに特殊な能力が備わった刀…お主らでは捌ききれぬであろう」
「影刀…刀身を消すことができ、香刀は、麻痺毒香りを出し、白刀は、偽物の斬激を見せることができる…といったところか…」
「正解だ、よくわかったな」
エルザは、袴の裾を破き、腹に巻き付けて止血しながら刀の能力を当てて見せた。
「原理がわかったところで、破られなければ意味はないがな」
「ならば、可能な限りは力ずくで打ち消すのみです」
「!!」
ヒュッ!!
ウェイブの後ろから、立ち上がって待ち構えていたエウスが、剣をふるがウェイブはそれをかわす。
「今のはかなりあせったぞ、そして香刀の能力を受けてまだ動けるとは…さすがに驚いた」
「…執事ですので」
「エウスさん!!」
エウスの隣にエルザが並び、二人でウェイブに剣を向ける。
「同時に行きますよエルザ様、少しでも剣の軌道がぶれると一瞬でやられかねませんが、可能でございますかな?」
「もちろんだ。いつでもいけるさ」
ウェイブも新たに刀を換装する。
「断刀 王牙 この刀でお主らに敗北を教えよう」
「行きます!!」
「あぁ!!」
「来い…」
………
一方、アクナとルーシィが戦っている男、フェイズも換装の魔法を使い、換装しているのは、銃とそれに使う為の弾を換装していた。
「くっ…この女…強い!!」
フェイズは銃を換装しながら必死に戦うが、アクナにはほとんど通用していなかった。
「オラァ!!どーした!!こんなもんかテメェは!!!」
「あたし…いる意味あるのかしら?」
ガシャン
「残像弾」
ドン!!
フェイズの射った弾がアクナに命中する。
「こんなショボイ攻撃がアタシに効くか」
アクナはフェイズと距離を詰め、フェイズの顔に拳を突き出す。
ふぁぁぁ
「なに!!?」
しかし、アクナが殴ったフェイズの身体は一瞬で消えてなくなり少し離れた場所からアクナをライフルで狙うフェイズの姿があった。
「死ね」
「危ない!!」
ルーシィは慌てて鍵を取り出して、星霊を呼び出す。
「開け!!人馬宮の扉!!サジタリウス!!」
ルーシィの鍵からサジタリウスが出てくると、ルーシィに向かって敬礼をする。
「お呼びでありますかな?もしもし」
「アイツの弾を相殺してちょうだい!!」
「了解でありますからして、もしもし」
サジタリウスが弓を構えると同時にフェイズがアクナに発砲する。
その瞬間、サジタリウスも矢を放ち、フェイズの弾を相殺した。
「なっ!!?」
「へぇ、やるじゃねぇか」
「サジタリウス!!次は本体よ!!」
「了解でありますからして、もしもし」
サジタリウスは、今度はフェイズに向けて矢を構える。
「ちっ…換装」
フェイズは銃を換装し、ガトリングガンを取り出すと、サジタリウスの方へと向ける。
「特殊弾!!連射!!」
「それがしも連射はできますからして、もしもし」
ズガガガガガガガ
フェイズとサジタリウスの弾と弓のぶつかり合いは、始めの数秒はお互いに拮抗していたが、撃ち込むスピードに違いが現れたのか、サジタリウスが数で圧し負ける。
ズドン
「サジタリウス!!」
サジタリウスに向かって放たれた弾を、アクナが代わりに受けてしまう。
「アクナ…さん?」
「無事かい?アンタら」
「助けていただき、感謝しますからして…」
「う…うん…でもアクナさんはアイツの弾を…」
「はっ!!こんなもん、屁でもねぇよ」
ドクン
「!!」
突如、アクナは弾を撃ち込まれた場所に異変を感じ取った。
「特殊弾…効果はコントロールだ…」
「て…テメェ…」
アクナの身体は勝手に動きだし、ルーシィ達を襲いはじめた。
ズドン!!
「きゃあぁ!!!」
アクナはルーシィを狙って殴りかかるが、ルーシィはギリギリで横に飛んで回避する。
「あ…がっ…」
「サジタリウス!!」
しかし、アクナの突きは、サジタリウスの身体を突き抜けていた。
「これは…少しばかり、休憩が必要でありますからして…もしもし…」
サジタリウスは光の粒子となり、星霊界へと帰っていった。
「ハハハハ!!!これは我も想像してなかった展開!!!さぁやれ!!アクナよ!!その女も捻り潰せ!!」
「……」
アクナは黙ったまま、フェイズの指示に従い、ルーシィに殴りかかる。
「ひゃあぁ!!」
ドゴォン
「きゃあぁ!!」
「……」
「アクナさん!!目を覚まして!!!」
しかし、アクナが返事をすることはなかった。
「ど…どうしよう……」
ルーシィ大ピンチ…やり過ぎたかも…