FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
「断刀 王牙、この刀は世界中の様々な鉱物を組み合わせて作られた、世界一硬いと言われる刀だ」
「成る程、シンプルだが強い、それが貴様の切り札と言うわけか」
「そうだ、この刀でお主らを葬ってやる」
ヒュッ
エウスがウェイブとの距離を詰め、掌底を腹にくらわせる。
「お断りします」
ドスン!
シュウゥゥゥ
「!?」
ウェイブはエウスの攻撃を刀で防ぎ、耐えきっていた。
「その程度か?」
ヒュッ
「うっ!」
エウスにウェイブが横一閃に刀を振り、胴体を斬ろうとしたところを、エウスはギリギリで身体を後退させて回避する。
「エウスさん!!」
エウスは一度距離をとると、懐からナイフとフォークを取り出し、ウェイブの周りに放り投げる。
「曲がりなさい!!」
ナイフとフォークが一斉にウェイブに向かって軌道を変えて向かっていく。
「くだらぬ」
ガキィン
ウェイブが刀を一振りすると、ナイフとフォークはウェイブにあたることなく、勢いを無くして、地面に落ちた。
「エルザ様!!今です!!同時に!!」
エウスの合図で、二人は同時に前に出ながら、剣をウェイブに向けて振り続ける。
「はあぁぁぁ!!!」
「おぉぉぉぉ!!!」
ガキィ、キィン、キィン、キィン
「流石だ」
ウェイブは、二人の連激を刀一本で防ぎきっていた。
「だが」
ユラァ~
「「!?」」
二人の攻撃の隙間を抜け、ウェイブは歩みで二人の間をすり抜ける。
「その程度では、それがしを倒すことは不可能」
チン
スパァン!!
「「ぐあぁっ!!」」
ウェイブが刀を鞘に納めると同時に、二人の身体が切り裂かれ血が吹き出す。
(この男…この戦いの間に私とエルザ様を越える実力をつけたと言うのか…)
(申し訳ありません…アマネ…お嬢…様……)
ドサッ
「フン、やはり、それがしに勝つことは不可能」
はぁ…はぁ…
「!?」
ウェイブが振り返ると、そこには満身創痍で立っているのがやっとのエルザの姿があった。
「私は…こんなところで倒れるわけにはいかん、信じてくれた仲間の為にも」
「まだ動けるというのか…お主のどこに、それほどの体力が…」
(おそらく…刀を振れるのはあと一回…それ以上は…私の身体がもたないだろう…)
エルザは刀と腰を低く下ろし、構えをとる。
「大した女だ、今にも死にそうなその身体で、それほどの気迫を見せるとは…ならば剣士として、それがしもそれ相応の戦いをさせてもらおう」
ウェイブは上段の構えで、エルザを迎え撃つことにした。
「それがしの最強の技にてお主を倒させてもらう」
「私は負けない、例えどれだけ強い敵であっても…」
エルザは、ウェイブに向かって飛び出した。
「負ける訳にはいかん!!!!」
「それはそれがしとて同じ事!!!」
エルザは足を止めることなく、ウェイブに向かって突き進み、ウェイブもそれを待ち構える。
「「はあぁぁぁぁぁ!!!!!」」
ズバァン!!
エルザとウェイブがぶつかった時、エルザは左斬上で刀を振り切り、ウェイブは上段から刀を振り下ろしていた。
「…」
「…」
ガクッ
少しの沈黙が続いた後、エルザは膝をついてしまった。
ニヤッ
「お主の…勝ちだ…」
ウェイブが笑い、そう言うと身体から血を吹き出して仰向けに倒れた。
「これ程の戦いは…いつぶりだろうか…一人の剣士として…ここまで戦いを楽しんだのは…負けたのに、妙に清々しい気分だ…」
エルザはゆっくりと、倒れているウェイブに歩み寄る。
「お前は、なぜゴルスという男に従っていた」
「…なぜだろうか、あの御方の部下としてついた時は、あの方の剣となり、暴走を止める鞘にもなりたい…そう思っていた…」
「…しかし、この戦いで敗北した今、その願いも叶うことはなかろう…」
「そんな事はないだろう」
「!」
ウェイブは驚いた顔でエルザを見ると、エルザは笑っていた。
「お前は従う相手を間違えただけだ、次は正しい者の剣として役にたてばいい」
「フッ…それが出来れば、それがしも苦労は」
「ギルドに入ればいい」
「!!?」
「いつか、どこかのギルドに入り、自分の守りたい者を自分で見つければいい、きっと楽しいぞ」
「ギルド…か」
(それも…悪くないかも知れぬな)
「お主に…ひとつだけ頼みたいことがある…聞いてくれぬか?」
「なんだ?」
ウェイブは持っていた王牙を、エルザに差し出した。
「この刀を…受け取ってほしい」
「しかし、それはお前の」
「もう一度、やり直すのだ…」
「!」
「お主の言うとおり、もう一度初めからやり直してみようと思う…その為には、それがしの、今一番の愛刀であるこの刀を、持っていては意味がない、だから…今のゴルス殿との繋がりを裁ち切るためにも、それがしを倒したお主に受け取って貰いたい…王牙もそれが本望だろう」
エルザは少しだけ目を瞑り考えると、ウェイブの差し出した王牙を受け取った。
「わかった、この刀は、私が預かろう」
「王牙を頼んだ…エルザ殿」
ウェイブはそう言って意識を手放した。
「次に会った時は、いい好敵手として戦いたいものだな」
エルザは、そう言い残し、エウスの下へと歩いて行く。
「エウスさん!」
「うっ…ううっ…」
(よかった…まだ息はある)
エルザはエウスを担いで、傷の手当てが出来る場所を探しに行った。
(すまない、私達が動けるようになるまでの少しの間は頼んだぞ。ナツ、リート)
………
「…」
アマネは、窓の外から見える景色を、寂しげにただ黙って見つめていた。
(無事よね?リート…エウス)
バタン!
カツカツカツ
「アマネ、儀式の準備ができたよ。さぁ、一緒に来るんだ。それとも、今からでも結婚式に変えるかい?」
アマネの部屋にずかずかと入ってきたジルクが、アマネの手をとろうと腕を伸ばす。
パシン
「!?」
「触らないで、何でアタシがアンタの言うことなんか聞かなきゃいけないのよ、結婚も、この部屋から出るのも絶対に嫌」
「クックックッ相変わらず気の強い小娘だなぁ、しかし、こうなると困った。やはりアマネに言うことを聞かせるには、あの執事か青髪の男のどちらかの死体を持ってくるしかないか」
「!?待って!」
アマネの顔色は一瞬で変わり、椅子から立ち上がってジルクに叫ぶ。
「仕方ない、ゴルスに行かせてどちらかの首を取ってきて貰うとしよう」
「待ってって言ってるでしょ!!」
ジルクは、薄ら笑いを浮かべてアマネを見る。
「おや?どうしたのかな?アマネ」
「わかったわよ…この部屋から一緒に出るから…リートにも、エウスにも…そしてフェアリーテイルのみんなにも手を出すのだけはやめて」
「それは君の態度次第さ、さぁ行こうか」
アマネは黙ってジルクについていった。
(誰か…助けて)
………
「くっそー、アイツ硬過ぎるぞリート」
「オレに言うなよ、それに、対策ならアクナさんに教えてもらったろ?」
ナツとリートの二人は、未だにゴルスを相手に苦戦を強いられていた。
「さっきからやってっけどオレもオマエもほとんど上手くいってねーじゃねぇか!!10回に1回くらいしか成功してねーぞ!!」
「わかってんよそんな事は!!けど、これしか手がねーんだ、踏ん張れナツ」
「作戦会議は終わったかぁ?なら、オレもそろそろ本気でやってもいいんだよなぁ?」
ゴルスは、身体に黄金を纏い始めた。
「あの時のリベンジだ…気合い入れるぞ!!ナツ!!」
「なんかよくわかんねーけど、燃えてきたぞ」
「さぁ、今度こそ殺してやるよぉ氷竜…」
「モード
ゴルスは金を身体に纏い、変身を終えると、鋭い目付きで二人を見る。
「かはぁぁ~」
「行くぞ!!」
「おう!!」
エルザにオリジナル武器を与えてみました。
これが今後使わせられる話しを作れるのだろうか…主に…まぁ、最悪の場合、今後の別のオリジナル物語の時に出してもいいかもしれない。
ウェイブも、もしかしたらどこかで登場させるかも?