FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
「そこの猫二匹を捕らえろ!!さっさとしないか!!」
城内では、ラリカとハッピーが翼で飛び回り、王国兵達を翻弄させていた。
「ラリカ!!オイラが囮になるから、アマネを連れて逃げて!!」
「了解ですわ!!アマネ、立てますの?」
「う…うん…でも、ハッピーは?」
「大丈夫ですわよ、今はあなたが逃げ出せることの方が先決ですわ」
ラリカ達が窓から逃げようとすると、城の下の階で大きな音と共に、激しい揺れが起こった。
「な…なんだ!!」
「…クックックックッ、オレを城内に吹き飛ばし、戦うついでにお嬢様を救おうってかぁ?随分と都合のいい考えじゃねぇかぁ」
儀式を行っていた下の部屋は、ゴルスが吹き飛ばされた場所だった。
「きゃっ!!」
「うわわわっ!?」
「な…なんですの!?」
あまりにも激しい揺れに、ラリカ達は飛び上がることができずに立ち止まってしまう。
揺れがおさまり、ハッピー達が顔を上げると、王国兵達がハッピー達を取り囲んでいた。
「まったく、無駄な時間をとらせてくれたね、そいつらを縛り上げろ」
「ハッ!」
王国兵が、ハッピーとラリカをロープで縛り上げた。
「やめて!!その子達に乱暴しないで!!」
「心配するな、そいつら二匹には最もいい特等席で、宝石が僕の物になるところを見せてあげるだけさ」
「やめろー!!オマエ!!それ以上アマネに手を出したら承知しないぞ!!」
「今すぐこの紐をほどきなさいな!!」
「やかましい猫達だ、おい、さっさと続きを始めろ」
魔導師が、また規定の位置に戻ると、王国兵の一人がアマネの髪を掴み、中心へと連れていった。
「痛い!!」
「アマネ!!」
「レディの髪なんですのよ!!もっと優しくしなさいな!!」
「やれ」
魔導師達の詠唱が始まり、またもアマネが苦しみ出す。
「ああぁぁぁぁ!!!」
「「アマネー!!!」」
タイムリミットまで、あと10分
………
ドカァーーン!!
ゴルスが居る部屋の扉をナツとリートの二人が蹴破り、勢いよく入ってくる。
「着いた!!」
「アイツはどこだ!!!」
「よぉ、遅かったなぁ」
ゴルスは、城内にある、金箔などを食べて待ち構えていた。
「厄介だな…ここには奴が食べられる金があるのかよ」
「ずりぃぞ!!オレも火を食いてぇ!!」
「知るかよぉ、欲しけりゃテメェで探せぇ」
ゴルスは食べていた金を手放すと、ゆっくり立ち上がる。
「ふぅー、ごっつぉーさんっとぉ」
「さぁてぇ」
ゴルスは片手を二人に向け、巨大な金の塊を放つ。
「金剛弾」
「「!」」
二人は金の塊がぶつかる前に飛び退いて、攻撃をかわした。
「やっぱり体力が回復してやがるな」
「どっかに火があればオレも食えるのに」
「城内…火…そうだ!!」
リートはゴルスの背後にまわって、ゴルスをなぐり飛ばす。
「ぐふぅっ」
「よっしゃぁ!!」
「ナツ!!このまま戦い続けながら城内を周るぞ!!」
「どー言うことだよ」
「調理場を探す」
ガラガラガラ
「調理場だぁ?…成る程、そーいうことかぁ」
倒れていたゴルスが起き上がり、リートの目的を理解する。
「いいぜぇ、好きに探しなぁ、ただし、オレとの戦いを続けながらできたらの話しだがなぁ」
「やってやる、絶対にオマエを倒してアマネを救いだしてみせる」
「へへっ、燃えてきたぞ」
ナツは足に炎を溜めて、突進する。
「火竜の剣角ぅ!!!」
「ぐううっ…」
ズザザァァー
ゴルスは突進してきたナツを受け止め、外に放り投げる。
「まずは一人脱落だぁ」
「まだだ!!」
「!」
ゴルスが視線を変えると、ナツの足に、氷の鎖が繋がっていた。
「一本釣りぃぃ!!」
「もうちょっとマシな技名にしとけぇ」
「ほっとけ!!」
リートがナツを引っ張り、城内に戻そうとすると、ナツはその勢いを利用し、向きを変えて縛られていない足に炎を纏った。
「火竜の…鉤爪!!」
「おっとぉ」
ゴルスはナツの攻撃をかわし、金を纏った腕でなぐり飛ばす。
「飛んでけぇ」
ドゴォ!
「ぐぼぁ」
ナツは、壁まで飛ばされるが、それを見てチャンスと思ったリートが、殴り飛ばされるナツを受け止めて走り出した。
「!」
「走れ!ナツ!」
「おう!!」
「チィ、そのまま調理場を探そうってかぁ?簡単にさせるわけねぇだろぉがよぉ」
ゴルスも二人の後を追いかけて走っていった。
………
「なぁ、ガジル」
「あ?」
「城内に入ったはいいけどよ、ここどこよ?」
「オレに聞くなよ!!」
バンクとガジルが城内に潜入するところまでは成功していたが、二人は道に迷っているところだった。
「オマエの鼻でなんとかアマネってやつ見つけらんねーの?」
「アマネってやつと会ったことがねぇのに匂いなんかわかるわけねーだろ、けど、さっきから火竜と氷竜の匂いならしているぜ」
「お?じゃあアイツらと合流できれば何とかなるのか?」
「行ってみるか」
「だな」
………
「ナツ!!そこだ!!」
「おっしゃぁー!!」
ドカァーーン!!
ナツが扉を壊した場所は、二人の目的地でもあった調理場だった。
「見つけた!!」
「残念、ちぃっとばかし間に合わなかったなぁ」
「「!」」
ナツとリートに向かって金の触手が二人を貫こうと襲いかかってくる。
ガシィ!
「ぐっ…」
「ぬおおっ!?」
二人の腹に触手が突き刺さる瞬間、二人は、なんとか両手で防ぎ、致命傷を避けることができた。
「あ…あぶねぇ」
「ギリギリアウトだったなぁ、さすがのオレもちょっと焦ったぜぇ」
「そのまま焦って手元狂わせてくれれば、楽に炎と氷を補充させてもらえたんだがな」
「残念、オレもそれなりに依頼をこなしてんだ、そう簡単には失敗しねぇよぉ」
「みてぇだ…な!!」
リートは触手を払いのけて、ゴルスに突っ込んでいく。
「おぉ?なんだ氷探しはしねぇのかぁ?」
「テメェをここから遠ざけるの優先だ!!」
「判断としては悪くねぇなぁ」
リートとゴルスが戦いだし、リートはナツに視線を向ける。
「オレがこいつを止めてる間にオマエはさっさと火を食っちまえ!!」
「お…おう!わかった!」
「させるかよぉ」
ゴルスはリートの胸ぐらを掴み、片手でナツへと向かって放り投げた。
「!?」
ドコォン!!
「あぶねぇあぶねぇ、けど、オレをあまり嘗めるんじゃねぇぞぉ」
「げほっげほっ、ナツ…あそこのコンロに火が着いたとしてこの距離から炎を食うこと、出来るか?」
「お…おぉ、なんとか出来ると思うぞ」
「じゃあ…たんと食えよ!!!」
リートは掌から氷の礫をコンロに向けて放った。
ドコン!!
氷の礫がコンロを貫き、コンロが爆発して火が出てきた。
「火!」
「なに!?」
「さぁ、腹一杯食え」
ナツは、その場から一気に炎を吸って食べ始めた。
「もがもがもぐ」
「っちぃ、面倒な事しやがってぇ」
ゴルスがナツに襲いかかろうとすると、リートがそれを阻止しようと立ちふさがる。
「させるかよ!!」
「邪魔だなぁオイ」
ゴルスは大きく息を吸い込み、ブレスの構えをとる。
「金竜のぉ」
「!氷竜の!」
「「咆哮!!!!」」
二人のブレスが同時にぶつかり、大爆発が起こり、リートのみが吹き飛ばされる。
「ぐっ…」
「うおおっ!」
ズドォォン!
「チィ、無駄に時間をとらせやがってぇ」
「ごちそーさま」
「!?」
ゴルスがナツに視線を向けると、ナツは爆発で起きた炎を食べ尽くしていた。
「食ったら力が沸いてきた」
「力が沸いてきただとぉ?じゃあどれ程強くなってんのか見せてもらおうじゃねぇかぁ」
ゴルスは、金の塊をナツに向けて放った。
「ほらぁ、見せてみろぉ、金剛弾」
ズドン!!
ナツは、自分に向かってきた金の塊を両手で受け止めた。
「ふんぬぅぅぅ」
「!」
「こんのぉぉ…オラァ!!」
ナツは、金の塊をゴルスに向けて投げ返した。
「ほぉ~」
ゴルスは金を真上に蹴り上げ、金は天井を突き抜けて飛んでいった。
「確かに強くなってるみてぇだなぁ、なら、次は肉弾戦といこうかぁ」
ゴルスはナツのもとに一瞬で近づき、拳を構える。
「!?」
「ほらぁ、防いでみろぉ」
ドゴォ
「ぐぼぁ」
ゴルスの拳は、ナツの腹に入り、ナツがよろめいてる間に、今度は回し蹴りがナツの顔に決まる。
「ぶほぉぁっ」
「ほらぁ、どぉしたぁ?」
壁に吹き飛んだナツに追い討ちをかけようとゴルスが飛び出すと、先程ブレスで吹き飛んだリートが二人の間に入り込む。
「!」
「こんのぉ!」
ズドン!
リートはゴルスの頭を思いっきり殴り、床に叩きつける。
「無事か!ナツ!」
「おう」
ナツも立ち上がり、二人はゴルスに視線を変えて構えをとる。
(どーいうことだぁ?なぜ氷竜のやつも力が戻ってやがる?)
ゴルスは辺りを見渡すと、冷凍室の扉に穴が空いていた。
「成る程ぉ、テメェがさっきぶっ飛んだ場所は運良く冷凍室だったって訳かぁ」
「あぁ、おかげで、氷も冷気もたっぷりと堪能させてもらったぜ」
ゴルスは、頭を掻いてため息をこぼす。
「めんどくせぇなぁ、まぁいい、過ぎたことをとやかく言うつもりはねぇ、どのみちテメェら二人をぶっ潰す事に変わりはねぇからなぁ」
「やってみろよ、さっきまでのオレたちとは違うぜ」
ナツとリートの二人は同時に飛び出し、ゴルスに向かって拳を突き出す。
「「おおおぉらぁ!!!」」
ガシィッ
「「!」」
「そんな単純な攻撃が今さら入るわけねぇだろぉ」
ゴルスは二人を真上に投げ飛ばす。
「くっ…」
リートは氷の柱を作りだし、空中でゴルスに向かって伸ばした。
「氷竜の凍柱!!!」
「くらわねぇっつってんだろぉ」
ゴルスは金の触手で氷の柱を貫き、リートの腹に触手を突き刺す。
「リート!!」
リートは氷を腹に纏い、なんとか防いでいたが、勢いは止まらず天井を貫いていく。
ズドン!ズドン!ズドン!
「リート!!!」
「あぁぁぁぁ!!!」
「アマネ!!」
リート達が戦っている中、アマネの身体から宝石がほとんど見えている状態になっており、儀式が終わりに近づいていることがわかった。
「ジルク王子、儀式は間もなく終了いたします。あとはあなた様の手でも宝石を引き抜けるかと」
「そうか、わかった」
ジルクはアマネの下に歩みより、宝石に手を伸ばす。
「「やめろぉー!!!」」
ズドォォン!
その瞬間、儀式をしていた部屋の真下からリートが、金の触手を防ぎながら飛び出してきた。
「「リート!!」」
「っぶはぁ!!ヤロォえげつねぇ事しやがって!!」
リートが床に着地すると同時に、ナツも下から飛び上がってきた。
「無事か!リート!!」
「ナツ!!」
「ナツゥ!!」
二人が現れたことで、ハッピーとラリカは喜びで涙を流す。
「随分と上まで押し上げられちまったな」
「どこだここ?」
ナツが辺りを見渡すと、ある光景が目に入った。
「!?」
「リート…」
「?どーしたよナツ」
リートがナツのみている方向を見ると、アマネが倒れている所を発見した。
「!?アマネ!!!」
二人は慌ててアマネに駆け寄るが、アマネは息をしていなかった。
「死んでる…」
「ウソ…だろ…」
「ごめん…ナツゥ」
「リート…アマネが…アマネが…」
ハッピーとラリカが二人に謝ると、二人はアマネをかついで、急いで二匹に駆け寄った。
「儀式は?…」
「止められませんでしたわ…ごめんなさいですわ」
「いててて…なんなんだ一体」
二人の逆方向から声が聞こ、振り向くとジルクが宝石を持って起き上がっていた。
「王子!」
「無事ですか!王子!」
王国兵がジルクの周りに、集まる。
「その紋章…妖精の尻尾か…少し遅かったね!儀式は今終わったのさ!!!」
二人は顔をうつぶかせて黙っていた。
「見たまえ!!この宝石を!!この美しさを!!これこそボクにふさわしい!!アハハハハハハハ!!!」
「…まれ……」
「君たちもそう思うだろう?えぇ?」
「「だまれぇぇぇ!!!」」
ドゴォォン!
ナツとリートは、怒りに任せてジルクを殴り飛ばした。
「お前らは…絶対に許さねぇ!!!」
「ぶっ潰してやる!!!」
儀式が完了し、次回辺りで、宝石の使い道を露にする予定です!ここからまたすげぇの出します。