FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
「はぁ…はぁ…終わった…」
リートはボロボロの状態でドラゴンフォースを解いて、倒れているゴルスに歩み寄る。
「!おい!リート!あぶねぇぞ!」
「大丈夫だよ、もう…コイツに戦う力は残ってねぇだろ」
リートはゴルスの下に行くと、ゴルスに話しかける。
「よぉ、気分はどうだ?」
ゆっくりと目を開き、ゴルスが喋り出す。
「正直…オレがテメェらに負けるとは思ってなかったぜぇ…ゲホッゴホッ」
「まぁ…そりゃそうだろうな、あれだけ自信ありげにオレたちを挑発してたんだし」
「だが…」
「?」
「負けたってのに、ここまで清々しい気分になったのは初めてだぁ」
「そうか」
「一つ聞かせろぉ」
「何だよ」
「さっきのテメェがやっていたあの変身…あれはテメェの意思でやったのかぁ?」
リートは軽く黙り混むと、重い口をゆっくりと開いた。
「いや、あれはオレの意思ではまだ自由に変身できる次元じゃねぇ…師匠との修行の時も一度だけなれたが、あくまで無意識だし、キッカケすら掴めていねぇ」
「クックックッ…そうか…そんな中途半端な変身に負けるようじゃぁオレもまだまだだったってことかぁ」
ゴルスはそれだけ聞くと満足したのか、リートから顔をそむける。
「なら、さっさと行けぇ、オレはもう…立つ気力すら残ってねぇんだぁ、こんなとこにいつまでもつっ立ってんじゃねぇぞぉ」
「わかってる」
リートは振り返り、城の外を目指した。
「行くぞ、ナツ…アマネの所に行ってやらねぇと」
「お…おう」
………
「アマネ…目を覚まして下さいまし…ほら、宝石も取り戻したんですのよ?貴女はコレがあればまだ生きられるのでしょう?」
アマネの遺体には、ハッピー、ラリカ、エルザ、バンク、ガジルと集まっていた。
「ねぇ、どーして返事をしてくれませんの?…アマネ…アマネぇ…」
ラリカの持っている宝石は、かなり黒ずんでおり、光がほとんど感じられなかった。
ザッザッザッ
そこへ、戦いを終えたリートとナツもやって来た。
「リートぉぉ…」
「ナツぅ…」
ラリカとハッピーは悲しみに耐えきれず、リートとナツに抱きついて涙を流す。
「わかってる…辛かったな、ラリカ」
「ハッピー…」
リートはラリカを抱えたまま、木にもたれているアマネの所に行くと、アマネと同じ視点になるようにしゃがみ、頭に手を置いて話しかける。
「悪かったな、オレたちが間に合わなかったばっかりに…オマエの人生を終わらせちまった…ほんと…ボディーガード失格だよ。オマエにクビにされた理由が、今ならよくわかる」
ぐすっ…
「すまない…すまない…アマネ…」
全員が悲しみにくれる中、もう一人誰かが近づいてくる足音が聞こえた。
カランカラン
「アマネ…お嬢様…」
「エウスさん…」
やって来たのは、意識を取り戻したエウスだった。
「冗談だろう?…小僧…そのアマネお嬢様は偽物なのだろう?…本物のお嬢様は、まだどこかで生きておるのだろう?」
エウスは肩を震わせながらリートの両肩に手を置き、涙ながらに訴える。
「…すいません……オレが不甲斐なかったばかりに…」
ぐっ…
エウスが拳を強く握り、歯を喰い縛り堪えていた。
「いや、今回は私にも非がある。すまなかった…」
そこへ遅れてだが、アクナとルーシィもやって来て、今回戦いに参加した全員が揃った。
「…手遅れか」
「そんな…」
リートがエウスの顔を見ると、ポタポタと涙がこぼれていたのが分かった。
全員が悲しみにくれていると、突如ラリカの持っていた宝石が光だす。
「!?なんですの!」
宝石の光が徐々に輝きを増し、辺り一面が真っ白に染まると、白い世界でリートとラリカ以外の人が見えなくなってしまった。
「何だよ…これ…ナツ!ハッピー!ルーシィ!アクナさん!」
「エルザー!バンクー!ガジルー!エウス様ー!皆どこにいますのー!」
『ここは私が作り出した世界です』
気が付くと二人の目の前には、アマネによく似た金髪の女性が立っていた。
「あんたは?」
『ごめんなさい、いきなりこんな所に連れてきてしまって、本来はきちんと挨拶すべきなんでしょうけど、生憎顔を合わせてお話しするにはこの方法しかなくて』
「いえ、それはいいんですけど、あなたは?」
『エウスにも本来は顔を見せておくべきだったんでしょうけど、そういうわけにもいかなくて』
「すいません、オレの声聞こえてます?あんたは誰かってさっきから聞いてるんですけど」
『え?ああ!ごめんなさい、私ったらつい自分の事ばかり』
「な…なんなんだ?この人」
「また、おかしな人が現れましたわね…」
『まぁ、私の事なんかどうでもいいのよ』
「さんざん焦らしたあげく結局答えねぇのかよ!」
『そんなことより』
女性はニヤニヤと笑いながら、リートのことを見ていた。
「な…何でしょう?」
『ううん、さすが、あの子が目を付けた人だなぁって思ってね』
「?」
『あの子の事、よろしくね♪まだ死んでないはずだから』
「はい?」
その言葉を最後に、女性は消えてしまい、リートも元の世界に戻ってきていた。
「さっきのは…」
「アマネ…お嬢様…申し訳ありません」
視線を戻すと、エウスがアマネを抱きしめ泣いている様子が目に入った。
「やっぱり…夢?」
「私もそう思いますけど…全く同じ夢を見るなんてあり得ますの?」
二人がそう考えていると、ラリカの持っていた宝石が先程は白く輝いていたのが、今度は七色に輝きだす。
「!」
「な…なに!?」
「!?なんだ!」
「なにがどうしたの!?」
「この光は!?」
「おぉ?」
「まぶしっ」
「!ラリカ!そいつをアマネの身体に押し当てろ!」
リートは、何かを察してラリカに指示をだす。
「え?え?」
「早く!光が消える前に!」
「わっ分かりましたわ!」
ラリカが慌ててアマネの胸に宝石を添えると、宝石はアマネの胸の中へと消えていった。
「これは…」
宝石がアマネの胸の中に入ると、暫くの沈黙が続いた後、ゆっくりとアマネが目を覚ます。
「うっ…うぅん…苦しぃ…」
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
アマネが目を覚ますと、真っ先にエウスが抱きついている事に気がつき、顔を真っ赤にする。
「何抱きついてるのよ!変態!」
バチィン!
「ぐほぉ!?」
「エウスさん!?」
ひっぱたいたのがエウスだと気がついていなかったのか、アマネは意識をはっきりとさせると驚いた顔でエウスを見やる。
「え?あ!エウス!?ごめん、てっきりどこかの変態が抱きついてきてたのかと」
「だとしても、もの凄いビンタだったが」
「「アマネー!」」
「おわぁ!」
ラリカとハッピーは嬉しさのあまり、アマネに飛び付いた。
「いったた…ごめんね、心配かけて」
それから、王国に帰って来た国王により、ジルクは残りの生涯を全て地下牢で過ごすこととなり、ゴルスは評議会に捕まった事が報告された。
そして数日後、全てが終わりリート達がいつも通り妖精の尻尾で過ごしているとミラが入り口からリート達の下へ駆け寄ってくる。
「リート、皆、珍しいお客さんが来てるわよ♪」
「客?オレたちに?」
「誰だろう」
「何だ何だ?」
「どーしたの?」
皆がミラの方に注目していると、後ろからアマネの姿が現れた。
「やっほ!皆、久しぶり」
「「アマネ!」」
「おぉー!久しぶりだなぁ!!」
「ハハ、今回もまた家出か?」
グレイが笑いながら問うと、アマネは首を横に振り答える。
「ううん、今回はちゃんと許可を貰ってるよ。エウスも一緒に来てるし」
「皆様お久しぶりでございます」
「おっさん!」
「元気そうで何よりですエウスさん」
「えぇ、エルザ様達もお元気そうで」
「ってことは今回は別の用か?何かの依頼?」
リートが、問いかけると、アマネは笑いながら否定する。
「違うわよ、お父様がお世話になった方々にしっかりとお礼がしたいが自分は忙しくて手が離せないから、変わりに行ってきてくれって言われたのよ」
「フッ、無事に仲直り出来たみたいだな」
「うん、今まで私は、お父様が私の事を嫌ってるって思ってたけど、あの戦いの後しっかりと話し合う機会があってね、今に至るって訳」
「そっか、良かったな」
「うん!あ、それと今回私が来たのにはもう一つ理由があってね」
アマネは軽い足取りでリートの隣に行くと、リートの頬に唇をつける。
「「「「「「「「!?」」」」」」」」
「ミラから貴方をいつか奪ってやるって宣言しに来たのもあるので、よろしくね♪」
「お…おおおおおおまえ!な…ななな何を!」
「リート…」
「ハッ!」
リートが慌ててミラを見ると、ミラの後ろから般若のような顔が見えたような気がした。
「小僧…貴様」
「エウス様も怒ってますわね」
「まぁ、お嬢様命だもんね~あの人は」
「…あばよっ!!」
リートは身の危険をいち早く感じとり、妖精の尻尾の出入り口から走り去る。
「リート!!待ちなさい!!」
「小僧!生きて帰れると思うなよ!」
「お?何だ?リートと喧嘩か?オレも混ぜろぉ!!」
ミラとエウスと…なぜかバンクが、リートを追いかけて行き、リートが必死で逃げ回る。
「ふっざけんなぁぁぁ!!!」
とりあえずオリジナル完結です。
次回は死亡ルート書きますのでよろしくです。
そして、せっかくなのでどちらのルートがよかったかアンケートも久しぶりに取ってみようかとも考えてます。