FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」   作:タイキック新

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ここで一つ言わせてください。リートが稀に敵に対して言う、「なろ」って台詞ですが、この野郎→こんにゃろ→んにゃろ→んなろ→なろ と言う風に、もとの意味はこの野郎って意味となってます…皆さん分かってくれてましたよね…?


弱点

「おいでエルザ、君の本気を見せてくれ」

 

ミッドナイトに挑発されるエルザだが、まだ動く気配はなかった。

 

「…といっても、ボクに攻撃は当たらないけどね」

 

(そうだ…奴の屈折は、いかなる攻撃も曲げてしまう)

 

ジェラールは心の中で、なかば諦め掛けていた。

 

そして、エルザがミッドナイトに攻撃するために、地面を蹴って、ミッドナイトの目の前に迫る。

 

「!!!」

 

(速い!!!)

 

「いくら素早く動けても、ボクの屈折(リフレクター)は破れないよ」

 

エルザは右手に持った薙刀を全力で横一閃に振るう。

 

カクン

 

しかし、薙刀の軌道も変えられ、ミッドナイトに当たることはない。

 

「ホラ」

 

その瞬間、エルザは空いた左手でミッドナイトの胸に掌底を打ち込む。

 

ドッ

 

ゴォォン!!

 

エルザの掌底により吹き飛ばされたミッドナイトは、訳もわからず目を丸くしていた。

 

「なに」

 

「貴様の魔法には二つの弱点がある」

 

(二つの弱点…だと……?こんなわずかな時間の中で…)

 

エルザは、ミッドナイトの弱点を淡々と話し始めた。

 

「一つ目は、魔法や武具を曲げることは出来ても、人間の体は曲げることができないという事だ。もしも可能ならば、私の鎧ではなく体をねらった方が早い」

 

「フン」

 

立ち上がったミッドナイトは、エルザの衣を鎧同様に操り、エルザを締め上げる。

 

「そうだとしても、本気を出せば衣服で君を絞め殺せるんだよ」

 

みしみしみしみし

 

「二つ目はこれだ」

 

キィィィン

 

「!!!」

 

ミッドナイトの真上に何本もの剣を換装させたエルザは、ミッドナイトに向けて降り注がせる。

 

ズガガガガガ

 

「なっ!?ぐはぁァ!!!」

 

 

「私の鎧をねじ曲げてる間、貴様は剣をよけてかわした」

 

「!!!」

 

「なぜ剣の軌道を曲げてかわさなかったのか、つまりは曲げられる空間は常に一ヶ所ということだ。自分の周囲か、敵の周囲のどちらか一ヶ所だけ、私に魔法をかけてる間は、自分の周囲に屈折を展開できない」

 

「ぬぅ」

 

ミッドナイトはエルザの攻撃により、苦痛の表情を浮かべていた。

 

そして、エルザの洞察力に、ジェラールも目を見開き驚いていた。

 

(なんという洞察力…)

 

「そして、この悠遠の衣は、伸縮自在の鎧。その魔法は効かん」

 

エルザは締め上げる衣を、力ずくで引き剥がす。

 

「ん?この鎧を含めると、弱点は3つだな」

 

弱点を突かれ、形勢逆転されたミッドナイトは、地面に膝をつき、崩れ落ちた。

 

「くそォ…あと少しだったのに…」

 

 

「勝負はついた」

 

しかし、ミッドナイトの目はまだ諦めていなかった。

 

「あと少し早く死んでたら…恐怖を見ずにすんだのにね」

 

ゴォーン ゴォーン

 

エルザ達の耳に、鐘の音が聞こえる。それは午前0時、ちょうど真夜中を示す合図だった。

 

「真夜中にボクの歪みは極限状態になるんだ!!!」

 

立ち上がったミッドナイトは、みるみると巨大化してゆく。

 

「なんだ!!?」

 

あああああああぁぁぁ!!!

 

 

巨大化し終えたミッドナイトの姿は、エルザの三倍はあるかと思えるほどの大きさにまでなっていた。

 

「ハハハハハハハッ!!!」

 

「もう、どうなっても知らないよ」

 

ミッドナイトは右手に魔力を込めて、エルザに殴りかかる。

 

「うるァ!!!!!」

 

ミッドナイトがエルザに攻撃した瞬間、右手に込めた魔力が大爆発を起こした。

 

ドゴォォン!!!!!!

 

爆発により、地面が大きく揺れ、エルザとジェラールは体制を崩してしまった。

 

「あう」

 

「ぐあっ」

 

ヒュッ

 

そして、体制を崩した二人に、ミッドナイトが掌から伸ばした触手が二人の腹を貫いた。

 

ズサッ

 

「ジェラール!!!!」

 

ズッ

 

「ぐはっ」

 

 

「おっと、簡単には死なないでよ。ここからが楽しいんだ」

 

 

「エルザーーー!!!!」

 

「ああ…がふっ」

 

 

「ハハハハハハハハハ!!!!!」

 

 

 

 

ザン!!!

 

 

ミッドナイトが高笑いを上げ、絶体絶命と思われた次の瞬間には、エルザが薙刀でミッドナイトを斬っていた。

 

そして、ミッドナイトの姿、エルザやジェラールの腹に空いた穴は、全て元に戻っていた。

 

「は?」

 

「!!?」

 

ミッドナイトとジェラールは、状況を未だに理解できておらず、困惑している。

 

(な…何が起きたんだ!?オレは確か体を貫かれて…エルザ……)

 

「ボ…ボクの幻覚が効かない…のか…」

 

(幻覚!!?あれが!!)

 

「残念だが目から受ける魔法は、私には効かない」

 

そういうエルザの目は、左目を閉じ、義眼である右目だけで、ミッドナイトの事を見ていた。

 

「そ…そんな…ボクは最強なん…だ……父上をも越える…最強の…六魔…誰にも負けない最強の…魔導士」

 

 

「人の苦しみを笑えるようでは、その高みへはまだまだ遠いな」

 

エルザの言葉を聞きながら、ミッドナイトはゆっくりと倒れていく。

 

(ううっ…ボクの祈り……ただ眠りたかっただけなんだ…静かな所で…)

 

「誰にも負けたくなければ、まずは己の弱さを知ることだ。そして常に…優しくあれ」

 

 

 

エルザの勝利が確定し、六魔が全て倒された。

 

 

「このっ」

 

ヒョイ

 

ゴキィン

 

「んがっ!!」

 

その頃のナツ達は、ブレインの持っていた杖が大暴れし、なんとか押さえようと奮闘していた。

 

「ナツ!」

 

バコォ

 

「ぐはぁ!」

 

ナツが吹き飛ばされたことに、一瞬意識をそらしたグレイを、杖が先端で殴り飛ばす。

 

「ナツ!!グレイ!!」

 

「何やってんだアイツら…」

 

ナツとグレイに意識が向いているルーシィは、スカートの中に肌寒さを感じる。

 

「!?」

 

「ほぅ」

 

「きゃああぁ!!!」

 

ルーシィが振り返ると、ブレインの杖がルーシィのスカートの中を覗いていた。

 

「変態!!!」

 

ルーシィは杖に攻撃するが、杖はアッサリとかわす。

 

「んな短いスカート履いてんだからもっと警戒しろよ…」

 

「小娘の下着など、見ても萎えるわ」

 

「ヒドイ!!」

 

「じゃあ何で覗いた…?」

 

「というかリートも戦いなさいな!!」

 

 

「こいつ」

 

「棒切れのくせに」

 

「やらしい奴」

 

 

「む」

 

ナツ達を小馬鹿にしながら戦っていると、ブレインの杖は顔色を変えた。

 

「六魔が…全滅!!?」

 

杖の慌てふためき様に、リート達もただ事では無いことを察する。

 

「いかん!!!いかんぞ!!!!」

 

「何だ?」

 

「一体何事ですの?」

 

「あの方が…来る!!!!」

 

「あの方?」

 

「あわわわ」

 

「何だってんだよ」

 

杖は、自分が慌てている理由を怯えながらも話し始めた。

 

「ブレインにはもう一つの人格がある…知識を好み、(ブレイン)のコードネームを持つ表の顔と破壊を好み(ゼロ)のコードネームを持つ裏の顔」

 

「ゼロ?」

 

「あまりにも凶悪で強大な魔力の為、ブレイン自身が、その存在を6つの鍵で封じた…」

 

「それが六魔将軍!?」

 

「六魔って…そーゆーことかよ」

 

「生体リンク魔法により、六つの魔が崩れるとき…(ゼロ)の人格は再び蘇る」

 

説明を終えると同時に、杖の背後から異様な寒気を感じる。

 

ゾワッ

 

杖が振り返った先には、一人の人間の影が現れた。

 

「お…おかえりなさい!!!!マスター・ゼロ!!!!」

 

「マスター?」

 

リートが視線を変えると、異常なほどの殺気がリートに向かって飛んでくる。

 

「!!」

 

「リート?」

 

(何だよ…これ…震えが…止まらねぇ…)

 

「ずいぶん面白ぇ事になってるなクロドア、あのミッドナイトまでやられたのか?」

 

「はっ!!!も…申し訳ありません!!!!」

 

「それにしても、久しいなぁこの感じ。この肉体、この声、この魔力、全てが懐かしい」

 

「後はオレがやる、下がってろクロドア」

 

「ははーっ!!」

 

クロドアと呼ばれたブレインの杖は、地面に頭をつけたまま後ろに引き下がる。

 

全員が、ゼロの不気味な魔力に警戒を強める。

 

「小僧ども、ずいぶんとウチのギルドを食い散らかしてくれたなぁ、マスターとしてオレがケジメをとらしてもらうぜ」

 

「こいつが…ゼロ!!?」

 

「燃えてきたろ?ナツ」

 

「こんな気持ち悪ぃ魔力初めてだ」

 

(落ち着け…今ここで、今までの全てを奴にぶつければ…きっと…)

 

「そうだな、まずはこの体を痛め付けてくれた小僧から消してやる」

 

リートは自分に殺気を向けられたのを確信し、先制攻撃を仕掛ける。

 

「氷竜の咆哮!!!」

 

ズドォォン!!

 

「やった!!」

 

ブワァ!!

 

「!!」

 

リートのブレスはゼロに直撃したハズだが、ゼロにダメージはなく、土煙の中から高速でリートに向かって突っ込んできた。

 

「くだらねぇんだよ!!!」

 

ゼロがリートの目の前まで迫って来ると、リートの顔面を殴り飛ばす。

 

ドゴォ!!

 

「リート!!」

 

「ぐっ…くっ…」

 

リートはゆっくりと立ち上がり、頭から血を流した状態で、ゼロと対峙する。

 

「リート!!」

 

「お前もうボロボロじゃねーか!!!」

 

「はぁ…はぁ…うるせぇ…お前ら……手ぇ…出すなよ?」

 

「ほう、オレの一撃を受けて立ち上がったか、面白ぇ…おい小僧、テメェ六魔将軍に入る気はねぇか?テメェなら新生六魔将軍になるのに必要な強さを持ってるぜ?テメェが六魔になるってんならテメェだけは生かしておいてやるぜ?」

 

リートは額の血を袖で拭いとると、ゼロを睨み付ける。

 

「ふざけんな、妖精の尻尾は、オレの家族で、オレの家だ。家族は2つや3つもいらねぇし、ましてや変更なんてあり得ねぇ…そして…」

 

「そんな家族を傷つけるようなクソギルドは、死んでもお断りだ」

 

ゼロはニヤリと笑ってリートを見る。

 

「そうか、なら消してやるよ、跡形もなくな!!」

 

「それもお断りだボケ!!!」

 

リートは目の前に氷の鏡を造り、その中に入り込む。

 

 

「氷竜の双鏡!!!」

 

リートはゼロの後ろから現れ、ゼロに殴りかかる。

 

ガシッ

 

「!?」

 

「そんなカスみてぇな技でオレを倒せると思ったら大間違いだぜ」

 

ゼロは、リートの顔を鷲掴みにしギリギリと力を込める。

 

「がぁっ…あっ…」

 

「リートー!!!!」

 

常闇追複曲(ダークカノン)

 

ドゴォォン!!

 

リートはゼロ距離で撃たれた常闇追複曲により、意識を失ってしまう。

 

ブォン

 

意識を失ったリートをジュラが倒れている場所目掛けて、ゼロは放り投げる。

 

ズザァァ

 

「二人まとめて消してやる」

 

 

ゼロが、リートとジュラに攻撃しようとしていることに驚いたグレイは、リート達の前に立つ。

 

「動けねぇ相手に攻撃すんのかよテメェは!!!!」

 

「動けるかどうかは大した問題じゃない、形あるものを壊すのが面白ぇんだろうが!!!!」

 

ゼロは、なんの躊躇いもなく、リート達に向けて技を放った。

 

(シールド)!!!」

 

グレイが、攻撃が直撃する前に、氷の盾で技を防ぐが、徐々にグレイの氷が割られていく。

 

「オレの盾が!!?こんな簡単に…」

 

最終的に、グレイの氷はアッサリと割られ、グレイはゼロの魔法で吹き飛ばされる。

 

「ぐあああっ!!!」

 

 

ゴオオオッ

 

グレイが吹き飛ばされたと同じタイミングで、ナツがゼロの懐に入り拳に炎を纏い構えていた。

 

しかし、ナツが拳を腹に繰り出すと、ゼロは体を回転させて拳をかわし、その流れでナツを裏拳で吹き飛ばす。

 

「そんな…」

 

ルーシィ、ラリカ、ハッピーは、恐怖で足が動かずただ震えていた。

 

(体が…動かない…怖い)

 

すっ

 

ゼロがルーシィ達目掛けて掌を上に上げると、ルーシィの足元からゼロの魔法が飛び出してくる。

 

「「きゃあああっ!!!」」

 

「わあああっ!!!」

 

 

 

そして、リート達全員は意識を失ってしまった。

 

「さ…さすがマスター・ゼロ!!!!お見事!!!!あの厄介なガキどもをこうもアッサリと」

 

「まだ死んでねぇな」

 

「へ?」

 

「まだ死んでねぇよなァガキどもォ!!!!だって形があるじゃねぇーか!!!!」

 

その後も、ゼロはリート達をボコボコにし始めた。

 

「ガハハハハハッ!!!!!」

 

 




以前アクナがミッドナイトと戦ったらどうなるのか?ってコメントでありましたが

今回書いてて、よくよく考えたら、人体を曲げられないなら、アクナは魔法を使わず体術のみで戦ったら普通に圧勝じゃね?幻覚とかも気合いで解きそうだし、そもそも体術が化け物並みだし…って思ってしまったんですよねぇ、わりかしそれでいけるんじゃね?

オリジナル読みたいのに投票オナシャス!

  • リートS級魔導士になった日
  • リートの単独での依頼
  • アクナの過去
  • リートに弟子入り志願する少年
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