FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
「これは、咎の炎…そして、罪の冷気…」
ジェラールは左右の掌に、金色の炎と銀色の冷気を出して、ナツとリートに差し出す。
「許しなんていらない、今は君たちに力を与えたい…オレは君たちを信じてる」
「エルザが信じる男達を、オレは信じる」
その言葉を聞いた二人は、ナツはジェラールの右手を、リートは左手を握り、それぞれ炎と冷気を受け取った。
ガフガフガフ
「頼んだぞ」
「「ごちそー様」」
「確かに受け取ったぞ、ジェラール」
「お前が信じたオレたち双竜の力を見せてやる」
「咎の炎…そして、罪の冷気か、それを喰っちまったら貴様らも同罪か」
ゼロは、未だ余裕の表情で二人を見ていた。
「罪には慣れてんだ。妖精の尻尾の魔導士は」
「それを受け入れる覚悟もある」
「本当の罪は…眼をそらす事」
ナツは、足に力を込める。
「誰も信じられなくなる事だぁ!!!!」
ナツの全力の火竜の剣角が、ゼロに炸裂する。
「ぐはぁ!!」
がっ
ゼロに体当たりしたナツは、そのままゼロの服を掴んで後ろに放り投げる。
ドガッ
更にゼロの真上から、リートが氷の柱をゼロに向けて放つ。
ズドォォン!
ズガガガガ!
「!」
ゼロにぶつけた氷の柱が削られる音が聞こえ、ナツとリートは即座に身構える。
ズガン!
氷の柱から、ゼロのレーザーが二人に向かって一直線に迫ってくる。
バシン!
二人は同時にレーザーを弾き飛ばし、割れた氷の柱の中からキズだらけになりながら表情を歪ませたゼロが姿を表す。
そして、ナツからは金色の炎が、リートからは銀色の冷気が身体から溢れだし、リートは白髪に、更に腕に煙の模様が浮かび上がる。
「こ…この光…ドラゴンフォース!!!?」
ナツとリートは、自分の身体をジッと見る。
「この力…エーテリオンを喰った時と似てる…」
「これだ…オレが何回もなろうとしてなれなかった力……あの時と同じ力…」
「スゲェ、自分の力が2倍にも3倍にもなったみてぇだ」
(この力を身体で覚えろ…今完璧に自分のモノにしろ)
リートは目を瞑り、今の感覚を取り込もうとする。
「目ぇ瞑ってる余裕なんかねぇぞ小僧ぉぉぉ!!!」
ゼロは、一切の躊躇いもなくリートに向かって襲いかかる。
(カウンター?…いや、アイツが止める)
直感で後の展開を予想したリートは、まだ動かずに黙って立っていた。
すると、ゼロのパンチをリートとゼロの間に割って入ったナツが止め、そのままゼロの顎にアッパーをくらわせる。
「ぐううっ…」
ガシッ!
「!」
「調子にのるんじゃねぇぇぇ!!!」
ゼロがアッパーで突き上げられたナツの拳を掴むと、空中で振り回し、ナツを後方へ投げつける。
ズガァン!!
なった投げ飛ばしたゼロは、身体の向きを変え、リートの顔を掴もうと手を伸ばす。
カッ!
ゼロに捕まれる瞬間、リートは瞑っていた目を開き、片手でゼロの腕を弾き、鳩尾に強烈な肘打ちを決める。
「がはぁっ!」
肘打ちに怯んだゼロを、リートは回し蹴りで蹴り飛ばす。
「火竜の…」
「!?」
吹き飛ばされるゼロの後ろでは、ナツが拳を構えて待ち構えていた。
「鉄拳!!!」
ドゴォ!!
ナツの攻撃が、見事にゼロの顔にクリーンヒットし、ゼロはまた別方向に殴り飛ばされる。
ズザザザァァ
ゼロが足を踏ん張らせて、体制を立て直すと、ナツとリートの二人が迫ってきていた。
「くっそがぁぁぁ!!!」
「ダークグラビティ!!!」
ゼロは、迫ってくる二人を、魔法へ床に叩きつけた。
すると、二人の足元の床が抜け、まっ逆さまに落ちていった。
「「ぐああああぁ!!!」」
その頃、他のメンバーも続々と持ち場の魔水晶に到着していく。
そして、ルーシィも自分の持ち場に向かうが、あまりにもフラフラで、ハッピーとラリカが心配してついてきてくれていた。
「ルーシィ大丈夫?」
「もう立ってすらいられてないじゃありませんの」
二人が心配そうにしていると、今にも消えそうな声でルーシィは喋る。
「見栄とかはってる場合じゃないのに…「できない」って言えなかった…もう、魔力がまったくないの」
気がつけば、ルーシィの目から涙が出ていた。
「それでも、ウェンディとマーラのギルドを守りたい。うつむいていたくない…だからアタシは、最後まであきらめない」
『時にはその想いが力になるんだよ』
ルーシィ達の後ろから声が聞こえ振り返ると、そこには星霊のジェミニがやって来ていた。
『『君の想いは僕たちを動かした』』
「ジェミニ!!?」
ピーリ ピーリ
ジェミニは、ルーシィの姿に変身する。
「僕たちが君の意思になる。5分後にここを壊せばいいんだね?」
「あ…あぶねぇ」
ゼロの魔法でまっ逆さまに落ちた二人は、何とかギリギリニルヴァーナから落ちずにすんでいた。
上を見上げると、ゼロが二人のもとまで迫ってきているのがわかった。
「ぐっ…」
二人が立ち上がると、ゼロはレーザーを鞭のように振り回し攻撃を仕掛ける。
それをかわした二人は、横並びになるとリートは自分の手を握り、ナツを投げ飛ばす体制に入る。
「乗れ!!」
「!」
リートの手の上に乗ったナツは、そのままリートにゼロに向けて投げ飛ばしてもらう。
「いって……こぉぉぉい!!!」
「火竜の…剣角ぅぅぅ!!!」
ズドォォン!
「がはぁっ!」
ナツの火竜の剣角が決まり、ゼロにダメージを与えたが、ゼロは空中で体制を変え、ナツに魔力の弾をぶつける。
ドン!
「がっ…」
「フン!」
ゼロがもう一度レーザーを鞭のように操りナツに攻撃しようとすると、レーザーが一瞬で凍りつき粉々に砕け散った。
「!!?」
ゼロが下を見るとゼロの方に掌を向けて睨み付けているリートの姿があった。
「ちっ」
ナツとゼロが同時に下に降りると、ナツ、リート、そして、ゼロの三人が同時に拳をぶつけ合う。
タイムリミットまで残り3分、魔水晶を壊そうと全員が魔力を込め始めた。
グレイや、エルザが、
「あと3分」
「ナツ…リート…」
一夜や、ウェンディ達が、
「つ…着いたぁ~!!見せてやるぞ、我が力の香りを」
「力を…もっと天の力を」
(花火の玉をイメージ…特大サイズの玉に魔力を全力で注ぎ続けて維持…)
ナツとリートは、徐々にゼロに圧され始めていた。
ドガッ!
ゼロのパンチで二人は吹き飛ばされ、ついに床に倒れてしまった。
「オレは六魔将軍のマスターゼロ、どこか一ギルドのたかが兵隊とは格が違う」
「う…ぐっ…」
「ガフッ…」
「テメェらごときゴミが二人で相手できる訳がねーだろうが」
「ハァハァー…ハァ…ハァ…」
「ぜぇ…ハァ…ぜぇ…」
二人はボロボロの身体で、ゆっくりと立ち上がる。
「二人じゃ…ねぇ……」
「ん?」
「伝わって…くるんだ」
「みんなの声…」
「みんなの気持ち…」
「オレら二人だけの力じゃねぇ…」
「みんなの想いが…オレたち二人を支えて」
「オレたちを!!」
「今ここに!!」
「立たせている!!!」
二人は立ち上がると、身体中から魔力を放出させる。
「「仲間の力が、オレたちの体中をめぐっているんだ!!!!」」
「粉々にするには惜しい男達だがもうよい、楽しかったよ」
ゼロが腕をゆっくりと上下に回し、魔法の構えをとる。
「貴様らに最高の無をくれてやろう。我が最大魔法をな」
それを見た二人は、全力で対抗しようと魔力を込める。
「「滅竜奥義!!!!」」
「ジェネシス・ゼロ!!!!」
「紅蓮爆炎刃!!!!」「氷刀飛燕斬!!!!」
「おおおおおおぉぉぉ!!!!」「あああああああぁぁぁ!!!!」
「消えよ、無の彼方へ」
今回、罪の冷気を名付けた理由ですが…他に思い付かなかったんです!許してつかぁーさい!
オリジナル読みたいのに投票オナシャス!
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