FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
マグノリア消滅
にゃー、にゃー、にゃー
「違う!コイツも違う!!」
ガジルは、その日マグノリアで猫を捕まえては離してを繰り返していた。
そして、なぜか疲れきった顔で街中をフラついていた。
「
その頃同時刻、ギルドではルーシィがウェンディからドラゴンの親について話しを聞いていた。
「777年7月7日?」
「私やリートさん、ナツさんに滅竜魔法を教えたドラゴンは同じ日にいなくなってるんです」
「そういえば前にナツがガジルの竜も同じ日に姿を消したって言ってたかも」
「どういう事なの?」
「遠足の日だったのかしら?」
「ルーシィさんってたまに変なこと言いますよね?」
「ウ~ェ~ン~ディ~~!!」
バッ
「ひゃあ!!」
ルーシィと話しているウェンディに、マーラが後ろから抱き付いた。
「なになに?何の話し?」
「火竜イグニール、氷竜フランドーラ、鉄竜メタリカーナ、天竜グランディーネ、皆どこにいるんだろうって話しだよ」
「あ~ウェンディ達の親のドラゴンの話かぁ、そーゆー話しならリートさんもナツさんも今ギルドに居るし聞いてみる?」
マーラは柱にもたれ掛かって寝ているナツと、バンクにかき氷を取られて追いかけ回しているリートに視線を向けた。
「聞いても二人も分からないよ、今は情報を集めるしかないかな」
「大変だねぇ」
「シャルル~!!」
そうして、ルーシィ達が話しをしていると、ハッピーが魚にリボンを結んでシャルルの下へとやって来た。
「これ、オイラがとった魚なんだ。シャルルにあげようと思って」
「いらないわよ。私…魚嫌いなの」
「…そっか、じゃあ何が好き?オイラ今度「うるさい!!」」
「…」
ハッピーの好意が気に入らなかったのか、シャルルはハッピーに怒鳴りだす。
「私につきまとわないで」
「ちょっとシャルル!」
「今のはシャルルが悪いと思うよ!」
「何もあんな言い方しなくても、ねぇハッピー」
ハッピーは暗い顔をしてしまった。
「シャルル!ちょっとひどいんじゃないの!?」
「待ちなってシャルル!ハッピーに謝りなよ!」
(何が幸せよ…何も知らないくせに…)
ハッピーは、それでもシャルルを追いかけた。
「あ!待ってシャルル~!」
「なんかシャルルって、ハッピーに対して妙に冷たくない?」
「どうしたんだろ…」
「ハッピーも、よくめげないよね」
「恋をすると男性でも女性でも強くなるモノなのですわよ」
怒鳴り声を聞いたラリカが、ルーシィ達の下にやって来た。
「ラリカ」
「恋というのは諦めないものが勝ち取れるモノですのよ」
「って言ってるけど、ラリカは恋したことないんじゃないの?」
「お黙りなさい!!」
キシャー!!
それから数時間、外では雨が降り始め、それでもギルドに戻ってこないシャルルを探しにウェンディが走り回っていた。
「シャルルー!やっと見つけたっ!!!」
「ウェンディ…あんた、傘もささずに風邪引くわよ」
「シャルルもでしょ……シャルル、私たちギルドに入ったばかりなんだから、もっと皆と仲良くしなきゃダメだと思うの」
ウェンディの言葉を、シャルルは否定する。
「必要ないわよ。あんたとマーラがいれば私はいいの」
「もぉっ!!またそーゆー事ばっかり」
ザアアァァ
「!」
雨が降り続くなか、ウェンディ達のいる場所から誰かが歩いてくるのが見えた。
「誰?」
ウェンディの前にいるのは、妖精の尻尾のS級魔導士のミストガンだった。
「ウェンディ…」
「え…?その声」
ミストガンの声は、ウェンディ達にも聞き覚えがある声だった。
「まさか、君がこのギルドに来るとは」
ミストガンが顔に巻いていた布を取ると、ジェラールの顔が現れた。
「!!!ジェラール!!?」
「ど…どういう事!!?あんた確か捕まって…」
「それは、私とは別の人物だ」
「そんな!!!」
「どう見たってアンタジェラールじゃない!!!」
「私は妖精の尻尾のミストガン…7年前は、この世界の事をよく知らず、君にはジェラールと名乗ってしまった」
「え?…まさか…」
ウェンディは過去に助けてもらった人物が、捕まったジェラールではなく、ミストガンだったのだと理解する。
「あ…あぁ…」
「あなたが…7年前の…あの時のジェラール…」
「ずっと…会いたかったんだよ」
ウェンディは、恩人に会えてよほどうれしかったのだろう涙を流していた。
「会いに行けなくてすまなかった…だが、今は再会を喜ぶ時間はない」
「え?」
「今すぐこの街を離れるんだ」
「!!?」
ウェンディに忠告をした瞬間、ミストガンは地面に膝をついてしまい、ウェンディにはミストガンがひどく弱ってるように見えた。
「ジェラール!!!」
「私の任務は失敗した大きくなりすぎたアニマは…もはや私一人の力では抑えられない」
「間も無くこの街は消滅する」
「!?」
ミストガンの言っている事が、ウェンディには唐突すぎて理解できなかった。
「ど…どういう事?全然意味分からない」
「終わるんだ。消滅は既に確定している。せめて…君だけでも…」
「妖精の尻尾は!!?ギルドのみんなはどうなるの!!?」
「全員…死ぬということだ」
その頃、ギルドではルーシィ達が雨が止まないかと外を見ていた。
「雨、止まないなぁー」
「ね」
「ジュビアのせいじゃないと思う」
「誰もそんな事言ってねーよ」
「ジュビアはファントムにいた頃は毎日のように雨降らせてたもんな!オレは雨嫌いじゃねぇぞ?」
「お前が雨好きかどうかなんてどーでもいいわ」
「止まないならそれはそれで他にやれることを探せばいいですわよ」
「くかー」
「つーかいつまで寝てんだよナツ」
「顔に落書きしちまおーぜ」
ルーシィ、カナ、ジュビア、グレイ、バンク、リート、ラリカ、ナツ、エルフマンとその場にいた者達は集まって喋っていた。
バシャバシャ!!
ウェンディは、急いでギルドへと引き返す。
「ウェンディ!!!」
「みんなに知らせなきゃ!!!」
「行ってはいけない!!!君だけでも街を出るんだ!!」
「私だけなんてありえない…私はもう、妖精の尻尾の一員なんだから!!!」
そしてギルドでは、雨でやることもないメンバーが、思い思いに過ごしていた。
「暇だなぁ」
「ですわねぇ」
「リート暇なのか!!?じゃあ喧嘩しよう喧嘩!!楽しいぜぇ~」
「それを楽しく感じるのはお前かナツくらいだバカ」
「ちぇ~っ、いいじゃねぇかよぉ~」
「リ~トさん!!」
「?」
リートとバンクの下に、マーラがやって来てリートに話しかける。
「おうマーラか、どうした?何か用か?」
「うん!今度の土曜日ってリートさん空いてる?仕事にいきたいんだけどアタシまだ一人は不安で…いつもならウェンディを誘うんだけど、たまにはリートさんとかもどうかな?って思って」
「土曜日か…わかった。その日なら空けておくよ」
「ほんと!?やったー!もちろんラリカちゃんも一緒にだよ」
「あら、私も連れてってくださるんですの?ありがとうございますわ」
「お?なんだ仕事か?オレも行っていいか?」
マーラとリートの約束に、バンクも入ろうとする。
「?なんだ、おまえも来んのか」
「おう、たまには複数人で仕事すんのも面白そうだ」
「うん!いいよ!大勢の方が楽しそうだしね」
「マーラのお誘いですし、マーラのやりたいようにやればいいですわよ」
「ラリカちゃんやっさしー!!」
「お前は無駄に暴れるのだけはやめろよ?」
「保証しかねる!」
「おいマーラ、今からでも遅くねぇからコイツ連れてくのやめようぜ」
「アハハハ…」
「リート」
「?ミラ」
次の仕事の話しをしていると、ミラも、リートの下に来て話しかける。
「ちょっと教会に行ってくるわね」
「!…そっか…もうそんな時期か」
「うん、しばらくギルドを空けるけど、何かあったらよろしくね」
「わかった。エルフマンも行くんだろ?一緒とはいえ気を付けろよ?」
「うん、ありがとう」
そして、ミラはエルフマンを呼んで教会に向かう準備をする。
「エルフマン、行くわよ」
エルフマンはというと、ジェットとドロイに仕事について説教をしているところだった。
「姉ちゃんからも言ってやってくれ、コイツらこの前仕事でヘマしやがってよぉ。先にのびちまって、結局レビィ一人で仕事を片付けたんだとよ」
「ううっ…耳が痛ぇ」
「情けねぇ」
「ジェットもドロイも頑張ってるわよ」
「「ミラちゃ~ん」」
「それなりに」
「「ひでぇ!!」」
「ねぇリートさん、ミラさんとエルフマンさんは教会に何をしに行くの?」
マーラは、二人が教会に何をしに行くのか気になっていた。
「リサーナの墓参りだよ」
「リサーナ?」
「アイツらにはもう一人妹がいてな、リサーナってんだ」
「へぇーっでも墓参りってもしかして…」
「あぁ…2年前の仕事で事故にあってな…そのまま亡くなっちまったんだ」
「そっか…それは悲しいね…」
「確かにな…それでも、アイツらは今はリサーナの死を乗り越えて前を向いている。今はそれでいいじゃねぇか」
「…うん!そうだね!」
マーラは元気を取り戻し、仕事の話しに戻る。
「ねぇねぇ、リートさんとバンクさんはどんな仕事がしたい?」
「暴れられるやつ!」
「…は却下だアホ」
「アハハハ!!」
「おいリート、ちっとぉ」
「?」
リートが振り返ると、エルザとマカロフがリートを呼んでいた。
「わりぃ、その話し後でもいいか?」
「うん!大丈夫だよ」
「心配すんな!オレが最高の仕事を見つけてやるから安心してマスターの所に行ってこいよ」
「…ラリカ……任せた」
「任されましたわ」
「そんなに信用ないのオレ!?」
リートは、ラリカに一任するとマカロフの下へと向かう。
「例の100年クエストの件なんじゃがな、いろいろ検討したんじゃがな、やっぱり他へまわそうと思う。異論はないか?」
「妥当だと思います」
「まぁ、ギルダーツで無理となるとここに依頼書を置き続けるわけにもいきませんしね」
そして、外ではウェンディが危険を知らせにギルドに走って戻ろうとしていた。
そして、ウェンディが空を見上げると、空に大きな穴が開いていた。
「みんなー!!!大変なの!!!空が!!」
その瞬間、ギルドが空へと吸い込まれ始めた。
「!!?」
「何コレ!!みんな!!!」
ウェンディがギルドに近付こうとするが、何かに吹き飛ばされてしまう。
「きゃっ!!!」
そして、空はギルドを始め、マグノリアの建物や人を全て呑み込んでしまった。
辺り一面には何も残っておらず、ただ白い空間が広がり続けており、ウェンディだけが取り残された。
「ギルドが…消えた…街も…全部…」
「そんな…」
ウェンディは立ち上がり、辺りを見渡す。
「一体…何が起きたの!!!誰かいないの!!?」
「誰か…あれ?…何で私だけここにいるの?…街もギルドもみんな消えちゃったのに…なんで私だけ…」
ボコッ
「ひっ!」
ウェンディの近くで、白い地面がいきなり盛り上がった。
ボフッ
「な…何だぁ?」
「ナツさん!!!」
地面から現れたのは、ナツだった。
ボコッ
「「!?」」
ボフッ
「ブハッ!何だってんだよクソッ!!」
「リートさん!!」
そして、その近くでリートも地面から現れる。
「あれ?ここどこだ?」
「おかしいな?さっきまでギルドにいたハズなんだが…?」
(私以外にも残ってた…)
「何も…覚えてないんですか?」
「寝てたからな」
「覚えてはいるけど、いきなり視界がおかしくなったと思ったら何かここにいたって感じだしな」
「ここ…ギルドですよ…」
「「は?」」
「突然空に穴が開いて…ギルドも街も、みんな吸い込まれちゃったんです」
「「?」」
二人は、ウェンディの言ってることが全く理解できていなかった。
「本当なんです!!!残ったのは私たちだけみたいなんですよ!!!」
「ウェンディ…どっかに頭ぶつけたか?エライこっちゃー」
「ポーリュシカさんのところに連れてくか?」
「ちがーう!!」
「もしかして!!滅竜魔導士だけが残された!!!」
「そうよ」
ウェンディが察すると同時に、シャルルが戻ってきた。
「シャルル!!よかった、無事だったんだね」
「まあね」
「滅竜魔導士の持つ特殊な魔力が幸いしたようね、よかったわあなた達だけでも無事で」
「無事?」
「そりゃ聞き捨てならねぇなぁ!!他のみんなはどーでも………ってホントに消えちまったのか!!?」
「ん?でもちょっと待てよ?…シャルルが居るってことは…ラリカもその辺に」
リートは、地面をあさってラリカを探した。
「あっ…いたわ…つーかのびてる」
リートは、片手でラリカを引っ張りあげた。
「はっ!何ですの!?一体何が起こりましたの!?」
「街のみんなは消えたわ。正確にはアニマに吸い込まれた…」
シャルルは、事の説明をリート達にし始めた。
「アニマ?」
「さっきの空の穴よ。あれは向こう側の世界エドラスへの門」
「エドラス?」
「おまえ!!!さっきから何言ってんだよ!!!みんなはどこだよ!!!!」
ナツは、シャルルに突っ掛かる。
「ねぇ、シャルル…何か知ってるの?そういえば、何でシャルルやラリカは無事だったの?」
「ナ~ツ~!!」
シャルルが説明する前に、ハッピーがギルドに戻ってきた。
「ハッピー!!」
「ハッピーも無事だったようですわね」
「私は、向こう側の世界…エドラスから来たの」
「「「「「「え?」」」」」」
「そこのオスネコとチャネコもね」
「「!?」」
「ど…どういう事?」
「この街が消えたのは…私と、オスネコ…そしてチャネコのせいって事よ」
とりあえず、オリジナルS級試験では意外なキャラが活躍するとだけ報告しときます!