FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」   作:タイキック新

145 / 218
皆さん助けてください、主は今あることで困ってます。詳細は活動報告に載せましたが、是非とも助けてほしいですorz


王都へ

エドラスの魔戦部隊から何とか逃げ切ったリート達は、自分がエドラスとは違う世界から来たという事と、自分やナツがアースランドでの妖精の尻尾のメンバーである事、そして、ここに来た目的などをエドラスの妖精の尻尾に話していた。

 

「つーと、なにか?お前らはアースランドとかいうもう一つの世界から」

 

「仲間を救うためにエドラスに来たってのか?」

 

「そうだ」

 

「そっちの世界にも妖精の尻尾があって、そっちじゃエルザとリートが味方だって?」

 

「ざっくり言うとね」

 

エドラスの妖精の尻尾にある程度事情は話したが、それでも半信半疑に聞かれているようだった。

 

「どうにも信じがたい話しですけど」

 

「うーん、でも確かに、現にここにリートがいるし、このナツはオレたちが知っているナツじゃねーしな」

 

「似てるのは顔だけよね」

 

「言えてる」

 

ハハハハハ!!

 

どうやら、エドラスの皆には信じてもらえたらしい。

そして、ずっと縛られてたリートもようやく縄をほどいてもらえた。

 

「悪いな、ほどいて貰っちまって」

 

「ううん、こっちこそごめんね。悪い人じゃないのにこんなことしちゃって」

 

「いや、事情が事情だからな、別に謝ることじゃないさ」

 

そして、エドラスのウェンディが、アースランドの自分の姿に驚いていた。

 

「この娘が、そっちの世界の私!!?」

 

「あ、どうも」

 

「ぷっ、小っちゃくなったなぁウェンディ」

 

「つー訳で、王都への行き方を教えてほしいんだ」

 

「頼む」

 

「私たちの仲間がこの世界の王に吸収されちゃったんです。早く助けにいかないと皆が魔力に…形のないものになっちゃう!!」

 

ざわざわ

 

「ちっちゃい私には悪いけどさ、止めといた方が身の為よ」

 

エドラスのウェンディが、アースランドのウェンディ達に忠告する。

 

「え?」

 

「エドラスの王に歯向かった者の命はないわ…それほど、強大な王国なの」

 

ウェンディに続いて、バンクが現エドラスの状況を説明する。

 

「この世界じゃ魔力は有限、限りあるものなのです。言い換えればいずれ無くなってしまうもの…それを危惧したエドラス王は魔法を独占しようと考えました。結果、全ての魔導士ギルドに解散命令が出され、初めはどのギルドも抵抗しましたが、王国の魔戦部隊に敵わず、ほとんどのギルドはやむなく解散せざるをえなくなりました。残るギルドも後はこの妖精の尻尾のみ、そして、僕たちも抵抗した結果多くの犠牲者を出してしまいました」

 

「ちくしょう…」

 

ギルドのメンバー達は、暗い顔で悔しがっていた。

 

「逃げるのが精一杯なんだよぉ」

 

「だから近づかねぇ方がいい。元の世界とやらに戻りな」

 

「悪いが、それを聞いても、はいわかりましたって言う訳にはいかねーんだ」

 

「頼む、道を教えてくれ」

 

リートとナツは散々忠告されても、諦める気はなかった。

 

「オレは仲間を助けるんだ。絶対にな」

 

 

その頃、王国の城ではエルザとシュガー・ボーイ、そしてその後ろにリートがついて歩いていた。

 

そして、エルザとシュガー・ボーイの隣にはもう1人の人物が、

 

「スッゲーよー!!スゲーよ!!見たかエルザ?あのデケェ魔水晶」

 

この男、王国軍第三魔戦部隊隊長のヒューズだ。

第四魔戦部隊隊長のシュガー・ボーイ、第三魔戦部隊隊長のヒューズ、第二魔戦部隊隊長のエルザが揃った。

 

「来るとき見たよヒューズ、綺麗なもんだな」

 

「あれは何万ものアースランドの人間の魔力なんだぜ」

 

「バカヒューズが、それくらい隊長が知らねぇわけねーだろーが、正確には魔導士の約百人分とその他大勢の生命ってその足りねぇ脳みそにねじ込んどけ」

 

「あー!リート!お前、今の台詞スッゲームカつくぞ!!」

 

「あ?やんのかよ?いいぜ、この場でテメェを八つ裂きにしてやるよ」

 

「やめろお前達」

 

リートは背中の槍から手を離し、エルザに頭を下げる。

 

「はい、出すぎた真似をしてしまい申し訳ありません。隊長」

 

「ちぇ~っせっかくオレのスッゲー魔法を見せてやろうと思ったのによ」

 

「やめておけ、それにお前ではリートには勝てんぞ」

 

「そんなのやってみなきゃわかんねーじゃんよ!!」

 

「ん~そのくらいにしておきたまえ、ヒューズ、リートが陛下とエルザ以外に下手に出ないことは今に始まったことじゃないだろ?」

 

「エルザしゃん、そしてリートしゃん妖精の尻尾はまだやれんのでしゅかな?」

 

4人の下に現れた小柄な老人が、エルザとリートの二人に話しかける。

 

「バイロ」

 

「っち、嫌味かクソジジイ」

 

「ぐしゅしゅしゅ、妖精狩りとギルド落としの名が廃りましゅなぁ」

 

「テメェ、オレだけならまだしも…隊長まで愚弄しやがって」

 

「やめろと言っているだろリート、第二魔戦部隊の副隊長なら少しはその喧嘩っぱやい性格をどうにかしろ」

 

「しかし…いえ、申し訳ありませんでした」

 

リートが引き下がると、バイロが話を続ける。

 

「残るギルドはもはや妖精の尻尾のみ、確かに一番逃げ足の早いギルドでしゅがね、陛下はそろそろ結果を求めておいでだ」

 

その言葉に、シュガーとヒューズが間に入る。

 

「そう慌てんな、女神と騎士(ナイト)が妖精を狩りつくす日は近い」

 

「そうだよ、エルザの剣はスゲーっつーかスッゲェんだよ」

 

「…テメェに言われずとも、陛下と隊長の為にも近いうちに必ず妖精を落としてやるよ」

 

「ぐしゅしゅしゅ」

 

「その不気味な笑いを止めろ、バイロ」

 

「!!」

 

バイロの後ろからまた、新たに1人の人物が現れた。第1魔戦部隊隊長、パンサーリリーだ。

 

「パンサー・リリー」

 

「なんだ、やっぱりテメェも来たのかよクソネコ」

 

「うるせぇのは好きじゃねぇ、ヒューズお前もだ」

 

「オレもかヨ、てめ…自分が一番スッゲェとか思ってんべ、ぜってー」

 

「そりゃテメェなんかよりはスゲェだろうよ、バカヒューズが」

 

「あぁー!リート!!お前また副隊長の癖に隊長のオレをバカにしたべ!!」

 

「勘違いすんな、第一だろうが第三だろうが、未来永劫、オレが従うのはオレに剣を教えてくれたエルザ隊長と、この国の王である陛下だけだ。あとのやつは隊長だろうがなんだろうがオレより下だ。バカにするのも当然だろーが」

 

また喧嘩しそうになる二人を見て、エルザはため息を吐く。

 

「はぁ」

 

「ん~君もなかなか大変だねエルザ」

 

「実力は確かなんだがな、どうにもこの性格はいまだに治りそうにない」

 

「リート、お前も少しは口を閉じろ」

 

リリーの注意に、リートは苛立ちリリーを睨み付ける。

 

「あ?テメェ誰に向かって指図してんだ。全身の毛むしりとるぞ、脳筋ネコが」

 

「ん~機嫌悪いねリリー」

 

「フン」

 

リリーはそのまま、エルザ達の間を抜けて歩いていった。

 

「最近の軍備強化が不満らしいな」

 

「軍人なら喜ぶべきところなのになぁ」

 

「関係ねぇ、あの野郎オレに敵意を向けるとはいい度胸だ。いつか第一魔戦部隊隊長の座を引きずり下ろしてエルザ隊長と入れ換えてやる」

 

「ん~君はホントにエルザLOVEだねぇリート」

 

「別に愛してるとかじゃねぇ、ただ隊長に剣を教わった時から忠誠を誓い、いつか隊長を最強にして差し上げたい…そう思ってるだけだ。他意はねぇ」

 

「しかし…陛下はなぜ今更軍備強化をなさったのかオレにはよくわからねぇ、陛下の判断である以上喜んで引き受けるが」

 

「確かに、我が国はほぼ世界を統一した。これ以上軍備を強化する理由が見当たらないのも事実…」

 

「ん~まだ反抗勢力が少しは残ってるからじゃねーのか」

 

「そんなクズ共は、オレとエルザ隊長がやっちまえば十分だろ」

 

「わかんねっ!!!スッゲェ難しい話ししてるだろ!?全然わかんね!!」

 

「なら、わざわざオレたちの会話に混ざってくんなバカヒューズ」

 

そして、妖精の尻尾から王都への道を教えてもらったリート達は、歩いて王都に向かっていた。

 

ウゲロ ウゲロ

 

「よーしっ、動くなよぉ」

 

ナツは砂漠にいた蛙のような小さい生き物を捕まえようとしていた。

 

「どりゃー!!」

 

スカッ

 

ウゲロー

 

ナツが蛙を捕まえようとし、蛙はそれから逃げ続け、その光景がずっと続いていた。

 

「何やってんのよアンタ…」

 

「まぁ…ナツだし…」

 

「いつも通りと言えばいつも通りですわね…」

 

「王都まではまだまだかかるのかなぁ」

 

「さっき出発したばかりじゃない」

 

「5日は歩くって言ってたよね」

 

シャルルは、少し疲れた顔をしていた。

 

「なんか、翼の調子も悪いし、歩いていくしかないわね」

 

「まぁ魔法が使えねぇんじゃ仕方ねーよな」

 

「オイラ達、ホントに魔法使えなくなっちゃったの?」

 

「さぁ?どーでしょう」

 

「わからない、先が思いやられるわ」

 

 

「ハッピー手伝ってくれ、見たことねー蛙だぞコレ、ルーシィへのお土産にしようぜー」

 

「オイラ喜ばないと思うよ」

 

ナツが必死に蛙を捕まえようとしていると、巨大な何かにぶつかった。

 

ボヨン

 

「んがっ!!?」

 

そこには、ナツが捕まえようとしていたのよりも遥かに巨大な蛙がいた。

 

「どわーーー!!!」

 

「デカーーー!!!」

 

「いや、蛙かコレ!!?」

 

「なんで建物並みに巨大な蛙がいるんですのよぉぉぉ!!!」

 

ウゲロー!!!

 

「ナツ!!襲い掛かってくるよー!!」

 

「よーしっ」

 

ナツは拳を構えて、魔力を込めようとする。

 

「オイ!!?」

 

「火竜の…あっ…」

 

ナツは、魔法を使えないことを思い出した。

 

「忘れてたぁ!!魔法は使えねーんだぁ!!」

 

「お前ホンットに頼むから学習してくれ!!!」

 

「何回このやり取り見るんですのよぉ!!!」

 

ナツ達は、必死に蛙から走って逃げていた。

 

ウェンディとリートが何とか魔法を使おうと試みるが、やはり魔法は使えなかった。

 

「やっぱり、私の魔法も使えません!!」

 

「同じく!!無理!!」

 

「くっ…こーなったら!!」

 

ナツは蛙に向かって振り返ると、拳を握って殴りかかる。

 

「魔法なんて使えなくてもやってやらぁ!!」

 

ボヨン

 

ナツの拳は、蛙の腹にアッサリと跳ね返され、それと同時にナツ本人も吹き飛ばされる。

 

「どあーーー!!」

 

空中に飛んだナツを、蛙が捕まえようとしていた。

 

「「「「「あああぁぁぁ!!?」」」」」

 

「どぉぉぉりゃぁぁぁ!!!」

 

バチィィィン!!!

 

ウゲローーー!!!

 

蛙の後ろから、魔法の鞭を持ったルーシィが現れ、蛙の体に思いっきり鞭を叩きつけた。

 

「怖いルーシィ!!」

 

「怖いルーシィさん!!」

 

「いちいち怖いとかつけんなっ!!」

 

蛙はルーシィの一撃が効いたのか、そそくさと逃げていってしまった。

 

「フン、大したことないやつだな」

 

「でも、なんでアンタが?」

 

「…」

 

ルーシィは照れくさそうに顔を背けると、ナツと目が合い顔色を赤くさせた。

 

「し…心配してる訳じゃねーからな」

 

「なんにしても助かった。サンキュールーシィ」

 

「何だかんだ言っても、やっぱルーシィだなぁお前」

 

ナツは、ルーシィの肩に手をおいて笑っていた。

 

「どんなまとめ方だよ!!」

 

「そーゆーツッコミとか」

 

「お前の中のルーシィってツッコミだけなの……?」

 

ナツとハッピーの二人は、ヒソヒソと二人だけで話し始めた。

 

「ルーシィにこんな怖いルーシィ見せたいね」

 

「どんな顔すんだろーなぁ本物は」

 

「アタシは偽物かい!!」

 

ズドォ!!

 

ルーシィは、ナツとハッピーの顔面に蹴りを入れる。

 

「「ぐぼぉ!!」」

 

蹴りをいれた後、ルーシィの技のオンパレードが始まった。

 

「技の12ボキバキブリッジ!!おらぁ!おーらぁ!!」

 

「やっぱり怖い…」

 

「あんまり怖い怖い言わねー方がいいかもな」

 

「コレが5日も続くのかしら…先が思いやられるわ。まったくもう」

 

 




怖いルーシィさんの全ての技のレパートリーに少しだけ興味があるんですよねぇ…そして、全部ナツにくらっていただきたいw

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。