FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
べべべ別にサボってた訳じゃ、なななないですよ!ネタが浮かばなかっただけですよ。…あっ、どっちもダメじゃん…
「……」
地下で捕まっていたリートが、今後の動きについて考えていると、リートのいる牢に一人の足音が聞こえてきた。
カツカツカツ
「?」
「気分はどうだ?リート」
「…エルザ……」
リートの牢にやって来たのは、エドラスのエルザであり、リートは自分のもとにやって来たエルザを見ていた。
「何のようだ?」
「お前を勧誘しに来た」
「は?」
予想外の言葉に、リートは一瞬考えを止めた。
「貴様、私の部隊に来る気はないか?」
「…お前、何たくらんでんだ?」
「たくらむ?フフフ、ずいぶんと人聞きの悪い事を言うな、私は何もたくらんでなどいない」
「嘘つくんじゃねぇよ、仮にも王国に敵対しようとしたやつを勧誘だなんて、普通ありえねぇぞ」
「私はお前を…いや、エドラスのお前を気に入っているんだ」
「意味がわからねぇ、エドラスのオレを気に入ってるからってオレを勧誘する理由にはならねぇだろ」
「本来ならな、だが、こちらのリートは欠点があってな、喧嘩っ早い性格がどうにも治らん、しかしアースランドの貴様なら、その心配はないと思ったからこうして勧誘に来たというわけだ」
リートはニヤリと笑い、エルザの方に視線を戻す。
「せっかくの申し出だが、遠慮させてもらう。オレは妖精の尻尾のリートだ。例え世界が違えど、家族に手を出そうとしている所に入るつもりは微塵もねぇ」
「そうか、なら貴様とその仲間達は処刑する他ないな」
ギン!
ブワァ!
「!」
「アイツらにかすり傷一つでもつけたりしたら…オレは…お前ら王国軍を滅ぼすぞ」
リートの殺気にあてられ、後ずさったエルザだが、体制を戻して話しを続けた。
「まぁ、そう殺気立つな、なにも今すぐに処刑しようなんて思っていないさ。特にお前以外の滅竜魔導士の二人はな…」
「…ナツとウェンディに何をするつもりだ…」
「あの二人からは、竜鎖砲の為の魔力をいただく、その後の処遇はまだ決まっていない」
「さっきも聞いたが、竜鎖砲ってのは一体なんだ?テメェらはそれを動かして何をするつもりだ?」
「これは、軍上層部しか知らない極秘事項だ。これ以上は教えるわけにはいかんな、代わりに貴様らを連れてきたエクシードの本当の任務内容を教えてやろう」
「…興味ねぇよ」
「冥土の土産だ。聞いていけ」
エルザはリートをまっすぐに見つめて、ハッピー達の本当の任務内容を話した。
「………」
「フッ、ショックで声も出せんか。貴様は竜鎖砲の魔力回収に使われないが、滅竜魔導士である以上、他の使い道を言い渡されるだろう。それまでここで大人しくしていることだな。ハハハハハ!!!」
そう言って、エルザはリートのいる牢屋から立ち去って行った。
「…ハッピーや…ラリカが?…」
「オイラたちは…」「私たちは…」
「「妖精の尻尾の魔導士だぁぁぁぁぁ!!!」」
操り人形のような扱いに怒りを覚えたハッピーとラリカの叫びに、ニチヤとナディは呆然としていた。
「メン…」
「ニチヤさん…これは…」
ハッピーは、シャルルの腕をとりラリカと共に後ろを振り返り走り出した。
「行こう!!シャルル!!ラリカ!!」
「え?」
「ほら、ぼさっとしてないで走りますわよ!!」
「オイラ達でみんなを助けるんだ!!!」
「絶対助けるんだ!!!!!」
ハッピー達が走り去っていくのを、唖然として見ていたナディ達がようやく我に返ると、既にハッピー達との距離はかなりひらいていた。
「こ…これは…」
「堕天…」
「アースランドの汚れに毒されてしまったエクシードは堕天となる…」
「オオオオオオー!!メェーーーン!!!堕天が三人逃走!!!近衛騎士団!!!出撃ー!!!」
ニチヤの呼び声で、剣を持った屈強な体格をしたエクシード達が、ハッピー達に襲いかかる。
ヒュン!
「わっ!」
ヒュン!
「ひっ!」
ハッピーやラリカ達は、剣をかわしながら街へと逃げてきた。
「どいてどいてー!!!」
「ハイ、失礼しますわよー!!」
「うわっ!!何だ!!?」
「あいつら確か」
「待て待てぇ!!メェーン!!!」
逃げるハッピー達を、近衛騎士団は必死に追いかけてくる。
「あーもう!!しつこいですわね!!」
「あれに隠れよう!!」
ハッピーが指差す方には、藁の積まれた荷車が置いてあり、その藁の中にハッピー達は潜り込んだ。
イェァァァァ!!
「ぜぇ…はぁ…」
荷車を通過する屈強なネコ達、そして、その後ろから息を切らしてニチヤが追いかけてきたが、荷車の前でニチヤは転んで倒れてしまった。
「メェ~ン…ひぃ…疲れてなど…いない……私はまだ若い!…女王様の期待に応えねばぁ…」
ガタン
「ぐわぁ!」
ハッピー達を乗せた荷車は、ニチヤの上を乗り越えて坂を下っていく。
「「「うわぁぁぁ!!!」」」
荷車は徐々にスピードを上げて、気がつけばハッピー達が吹き飛ばされてしまいそうなほどのもうスピードにまでなっていた。
「あっ!」
シャルルは、暴れる荷車から手を離してしまい。荷車から落ちそうになってしまう。
「「シャルル!!」」
「ハッピー!!ラリカァ!!」
ガシッ!
何とかハッピーの手が飛ばされるシャルルの手を掴むことに成功した。
その瞬間
ガタン!
「「「はい?」」」
荷車は石に乗り上げて大きな振動を起こすと、今度はラリカが荷車から落ちてしまう。
「「ラリカー!!」」
「イヤァァァァ!!!」
ゴロゴロゴロゴロ
ラリカは、地面を転がって崖から落ちてしまった。
ズテーーン!!
「うううっ…イタタタタ…」
ラリカは何とか無事に生還し、立ち上がり自分の現状を確かめた。
「まったく…大変な目にあいましたわ」
ラリカは落ちた島から下を見下ろすと、そこには先程ハッピー達が乗っていた荷車と、その近くにハッピー達が倒れている姿が見えた。
「!ハッピー!!シャルル!!」
慌てて島から降りようとするラリカだが、自分が魔法を使えないことを思い出して踏みとどまる。
「おやおや、これは珍しい、お客人ですかな?」
「!?」
ラリカの後ろから声が聞こえ、振り返るとそこには、姿勢を正した。茶色く細身で長身のネコが立っていた。
「あの…あなたは?」
「メェーン!!私をひいて行った荷車!!この辺か?」
「!」
先程落ちた崖の上からは、ニチヤ達がハッピー達を探していた。
「くっ…」(いつまでもここにいるわけにはいきませんわ…)
ラリカがボロボロの体で、歩きだそうとすると、長身のネコがラリカの体を支えた。
「?」
「あなたは、堕天…と呼ばれていた方々の一人ですね?私はあなたを捕まえようだなんて思ってませんよ。でも、その傷では動くのも辛いでしょう?なので私の家に来なさい。大したものはありませんが、治療ぐらいならできますよ」
「…は…はいですわ」
ラリカは、長身のネコに案内されそのネコの家へとついていった。
「あら、お帰り!あなた…ってあら?」
家に入ると、黒い毛のネコが料理を作っていた。
「あらやだ…浮気?あなた妻の目の前で堂々と浮気だなんて、なかなか肝が座ってるじゃないのエウス」
「落ち着きなさいアマネ、私は今まで君以外と付き合った事など一度もありませんから安心しなさい。あと、名前で呼ぶのはやめてくれないか、君が私の名前を呼んだときは本気の時だ…」
「あらそう?でも、何でその子ボロボロなの?もしかしてあなたがやったの?…ごめんねぇ!この人が大変な迷惑を!!お詫びにこの人を一発ぶったたくなり、足蹴にするなり何なら今日の晩御飯に混ぜてくれてもいいわよ!!大丈夫!私も一緒に食べるから」
「話が進まないから、君はご飯を作って待っててくれないかな!?事情は後で説明するから!!」
(な…なんなんですの?この方々は…)
そして、ラリカはその家で治療を受け、休ませてもらっていた。
「あ…ありがとうございますわ」
「いやいや、こんなに可愛い子をボロボロのままどこかに行かせるのはこちらがやるせないのでね、まぁゆっくりしていくといいですよ」
「そうよ~あなたの家だと思って気楽に過ごしてね?」
気がつけば、先程の黒いネコのアマネもラリカ達の部屋にやって来ていた。
「君、お昼御飯は?」
「ハッ!」
「ハッって言った!?今、ハッって言った!?」
「大丈夫よ~今ちょうど出来たところよ。だからあなた達を呼びに来たの」
「…ならいいんですが…」
「さっ!あなたもいらっしゃい♪ご飯は大勢で食べた方が美味しいんだから」
「そうですね、何をするにもひとまず腹ごしらえです。うちの妻の手料理を是非食べていって下さい。味は保証しますよ」
「保証以上の結果を出して見せるわ!!」
「決意表明はいいけどどうするつもりだい?…」
「あなたにいつもより美味しいと言わせて見せるわ!!」
「ほう、ならいつもとは違う味付けなのかな?」
「いつも通りよ!!」
グッドサインで満面の笑みを、アマネはエウスに向けていた。
「じゃあ無理なのでは!!?」
「プッ…フフフ」
二人のやり取りが面白く、肩の力が抜けたのか、ラリカは笑いをこらえず吹き出した。
「あら?あなたやったわ!この子笑ってくれたわ!!」
「そうだね、さっきまで今にも泣きそうな顔をしていたから少し心配していたので、少し安心しました」
「…私、そんな顔をしていましたの?」
「えぇ、でも今はもう大丈夫、さぁ!ご飯にしましょう。早くしないとせっかくの料理が冷めてしまいますよ」
「冷めたらその分、あなたが全部食べてね」
「温め直すだけでよくないかな!?」
三人は、食事をしながらこれまでの事について話していた。
「そうか…人間の友達が人間の王国に捕まったと…」
「それが、自分達の意思とは無関係に強制でやらされていたと言うのは…確かに許せないわね」
「……」
「ほーらっ、またくらい顔をしてるわよ」
「!…も…申し訳ありませんわ」
ラリカは無理矢理にだが、笑顔をつくる。
「うん!やっぱりあなたは笑顔の方が素敵よ」
「そうですね、今は辛いこともあるかもしれない。けど、君はその分幸せになる権利がある。だから、どんなに辛くても決して諦めないで下さい。きっと報われますから私たちのように」
「…はいですわ!」
「あら?あなた、ナンパ?まさかこの子にナンパ?」
「私の名言をチャラにしないでくれないかな?」
食事を終えて、一息ついていたラリカに、エウスは自分達の辛かったことを語りかけた。
「私たちもね、あったんですよ。とても辛いことが…」
「え?」
「女王の命令でね、自分の子供を卵の時にアースランドへと送りつけられました。一度も顔すら見られなかった…」
「そんな…」
「私と妻、そして、近くに住んでいる夫妻の方達は強く女王に反発しましてね。しかし、それが仇となり追放され、今はここに住んでいるというわけなのですよ」
「じゃあ、もしかすると…そのお子さんはもう…」
「あ、いえ、ちゃんと生きていると分かりましたよ」
ガタン!
あっけらかんと答えるエウスに、ラリカは座っていた椅子から転げ落ちてしまった。
「ううっ…じゃあ、何でそんな寂しげに話すんですのよ」
「辛いことには変わりなかったですからね。一度は、死ぬことも考えたものです。しかし、私は妻のあの元気に救われた。今を生きようと子供に会えるのを信じて生きてやろうと思えたのです」
「会えるといいですわね」
「…会えましたよ」
「え?」
「ん?あぁいえ、何でもありません」
「はぁ…」
「はぁ~疲れたわぁ」
家事を一段落つけたアマネが、ラリカ達のもとへやってくると、エウスの隣に座り話しに加わった。
「あら?ずいぶん顔色がよくなったわねあなた。これならもう大丈夫かもね」
「?…大丈夫?」
「あなた、ずっと不安だったんでしょ?エドラスに来てからずっと」
「!」
「でも、今こうやって落ち着いてみて、心も穏やかになった。だから不安も和らげることができたのね」
「…」
「いつまでもしょげてちゃダメよ!あなたは強いもの、だから飛んで行きなさい。友達の所に」
「ええ、あなたは飛べる。自信を持ちなさい」
二人に背中を押されたラリカは、何かが吹っ切れたように心を入れ換えた。
「そうですわね。いつまでも不安になっててもしょうがないですものね」
「お二人とも、ありがとうございましたわ。私はもう大丈夫ですわ」
「そうですか、ならば行きなさい。君の枷はもうとっくに外れているハズだ」
ラリカは家を飛び出すと、島から飛び降りた。
(エドラスに来てから魔法が使えなくなったのは、私に不安があったから、でも大丈夫、今の私なら…飛べる!)
ラリカは翼を出すことに成功し、空を飛ぶ事ができた。
(ありがとうございましたわ。お二方)
「……行ってしまいましたね…」
「…そうね……ぐすっ」
「よく、自分が母親だと言わずに我慢しましたね。アマネ」
「だって…そんなことをしたら、今度は私たちがあの子の枷になっちゃうから」
「…大きくなっていましたね…私たちの子は」
「えぇ…ホント」
オリキャラのエウスとアマネ、エクシードにして出してみました。全然違うキャラになっちゃったなぁ