FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
空を飛ぶきっかけをくれたエクシード夫婦の二人に感謝しながら、王都へと向かうラリカの後ろから、ラリカを呼ぶ声が聞こえ、ラリカは思わず振り向いた。
「ラリカ~!!」
「?…ハッピー!!シャルル!!無事でしたのね!!」
「うん、ラリカも無事みたいでよかったわ」
「お二方、魔法を…ということはあなた達も原因が…」
「うん、私たちは、このエドラスで唯一魔力を持つもの、魔法が使えなかったのは心が不安定だったからってことに気づけたのよ」
「あい!おじさん達のお陰でね!」
「おじさん?…まぁ、いい人達に救われたみたいでよかったですわ」
「話しは終わりよ、今はウェンディ達を助ける為に急ぎましょ」
「あい!」「了解ですわ!」
三人は、肩を並べて全速力で王都へと飛んでいく。
その頃の王都では、国王を交えた魔戦部隊の隊長達が会議を行っていた。
「ぐしゅしゅしゅ、やはり言い伝え通り、アースランドの魔導士は、みな体内に魔力を持っていることがわかりましたぞ」
「ん~、まるでエクシードのようだなぁ」
「しかし、その魔力の量はエクシードの比になりません」
バイロの言葉に、全員が耳を傾けていた。
「では、あのルーシィという娘も、体内に魔力を持っているの?」
「でしゅなぁ」
「だったら、殺すのはスッゲー惜しいだろ」
「それはならん!!」
ヒューズの言葉を、アッサリと却下する国王、そして今度は国王に全員が耳を傾ける。
「エクシードのクイーンシャゴットより、抹殺せよとの命令が出ている」
「クイーンの命令ですか?」
「ん~、我々は、エクシードには逆らえん」
「んあー!!スッゲーもったいねぇよチクショー!!」
「それに、我々の技術力では、人体から魔力を抽出するのは、まだ不可能」
「では、滅竜魔導士の二人はどうする?」
「あれは人であり、人ではありません。実験が成功すれば半永久的の魔力が手に入るでしょう」
「おおっ!スッゲー!」
「スッゲーですね!」
「いいぞバイロ、すぐに始めろ」
「はっ!」
「万が一に備え、アースランドの魔水晶の魔力抽出も早々にやれ」
「わかりましゅた」
「一つよろしいですか?陛下」
これまでずっと黙っていたエルザが、国王に口を開いた。
「なんだエルザ」
「アースランドのリートはいかがいたしましょう。今のところ、クイーンシャゴットからも決定的な命令は下っておりませんが」
「やつは、この世界のリートと同じと考えると、まだ使い道はある。抹殺はせんが、それ以外は貴様に任せよう」
「ありがとうございます」
そして会議は終了し、会議室から隊長たちが出てきた。
「!隊長!!」
エドリートが、エドエルザに嬉しそうに駆け寄ってきた。
「会議、お疲れ様です。こちら、喉が乾かれているかと思い水をお持ちしました」
「ああ、すまんな」
エドエルザはエドリートから、水の入ったコップを受けとると、一気に飲み干した。
「なぁ、リート、オレ達の分はないのかよぉ」
「あるわけねぇだろクソヒューズ、欲しけりゃ自分で川からでも汲んでこい。なんでテメェらごときの為にオレが水を用意しなきゃならねぇんだ」
「うわっ!ヒッデー!スッゲーひでぇなお前」
「言ってろボケナス」
「ん~、いつにも増して、毒舌がキレてるねリート、そんなにアースランドの自分が弱かったのが気に入らなかったのかい?」
「さぁな、けど何かムカつくんだよあの野郎が」
「そんなことはどうでもいい、行くぞリート」
エルザは、興味の無さそうに前を歩いていった。
「?あの、隊長…行くって…どこにですか?妖精どもを狩りにでも行くんですか?」
「アースランドのルーシィのところだ」
「ハッピーとラリカ…そしてシャルルは、エクシードっていわれる種族だったんだ…この世界において、天使のような存在。その女王シャゴットが神、神の言葉は絶対で、人間を管理するのが仕事…その口が死を宣告すれば、その人間は死ななければならない……バッカバカしい!!どんだけ理不尽な掟よ」
牢屋の中で、この世界について考えているルーシィのもとに、エドラスのエルザとリートがやって来た。
「ほう、よく調べているな、この世界の事を」
「うちのバカヒューズよりよっぽど頭がキレますね。この女」
「!エルザ!!リート!!みんなは無事なの?」
「あぁ、全員無事だ」
エルザが無事と伝えると、ルーシィはホッと息をつく。
「はぁ…よかったぁ」
「テメェ、状況わかってんのか?今はお前が一番危険だってのに、仲間の心配してる余裕なんかねぇだろ」
「うん、そうだね…顔も、声も、アタシの知ってる二人と一緒だから、つい…気が緩んじゃって」
「アースランドの私とリート…か」
「リートは知ってるかもだけど、二人ともアタシ達の世界じゃ妖精の尻尾の一員なのよ」
「何!?」
「オレはともかく…隊長まで…?」
「リートもエルザも、強くて、かっこよくて、ちょっと怖いけど皆からすごく頼られてて…でもね、リートは皆のためになるならとても優しくなれるし、とっても可愛い恋人もいるし、エルザも甘いものが好きだったり、可愛い服が好きだったりスッゴく女の子っぽいの!!」
ルーシィは、とても嬉しそうに自分の世界の二人の事を話す。
「リート」
「はい」
「?きゃあ!!」
エルザの指示で、リートがルーシィの髪を掴んで牢の外に連れ出した。
「んあ…あ…くっ…」
「もう喋るな、悪いが私はお前の知ってるエルザじゃない」
「オレもだ、あんな雑魚と一緒にするんじゃねぇよ。このアマが」
ドサッ!
「きゃあ!!」
城の窓際に無造作に投げ捨てられたルーシィは、二人を見上げる。
「お願い!!力を貸して!!アタシは仲間を助けたいだけなの!!あなた達は確かに別の人かもしれない、でも、根の部分は同じ気がするんだ!!!あなた達は、人の不幸を笑える人間じゃな…「黙れ!!!」」
「ひやぁ!!」
エルザの叫びと共に、リートが槍をルーシィの手枷に引っかけ、窓の外に宙吊りにする。
「口うるさい女だ。そんなに死に急ぎてぇのか…ア"?」
「ちょ…ちょっとぉ」
「お前はここで死ぬんだ」
「エルザもリートも、無抵抗な人にそんなことはしない!!!!二人とも優しいんだ!!!そんな事するもんか!!!!」
ルーシィの必死な抵抗を、二人は鼻で笑った。
「フフッおめでたいやつだな。私は人の不幸など大好物だ。妖精狩りの異名通り、妖精の尻尾の魔導士を何人も殺し、ここにいるリートも、ギルド落としの異名通りに何人も殺させてきた」
「隊長が望むなら、オレは人殺しだろうとなんだろうと平気でやるぜ?それが、オレの望みだから」
「くうぅっ…」
ルーシィは、ショックで涙を浮かべる。
「エルザの顔で…リートの声で…二人の姿で…そんな事言うな!!」
「じゃあなルーシィ…やれ、リート」
「はい…あばよ」
ぐわっ!
リートは何の躊躇いもなく、ルーシィを城から落とした。
「きゃぁぁぁぁ!!!!!」
「ルーシィ!!!」
城から落ちるルーシィの耳に、聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ハッピー!!ラリカ!!シャルル!!」
それは、魔法で空を飛ぶハッピー達だった。
「エクシード?」
「なぜこんなところに…」
それを、城の中から見ていた二人が驚いていた。
「もう大丈夫だよ!!!オイラが助けに来たから!!!!」
ドカッ
「ふぎゅっ!!」
落ちるルーシィを助けようとしたハッピーだが、勢いをつけすぎて壁に衝突し、ルーシィはラリカとシャルルにキャッチしてもらい助かった。
「ありがとぉ」
「急いで飛んできたらあなたが城から落ちてるんですもの、ビックリしましたわ」
「あれ?あんた達、羽」
「心の問題だったみたい」
そこへ、先程壁にぶつかったハッピーが戻ってきた。
「えへへ、久しぶりで勢いつけすぎちゃった」
三人はそのままルーシィをつかんだまま、エルザとリートのいるところまで飛んできた。
「…これは……いったい…」
「…なぜ…エクシードが、その女を…」
「その女は、女王様の命令で、抹殺せよと」
「命令撤回よ」
「お待ち下さい、いくらエクシードでも、女王様の命令を覆す権限はないはずです。なぜあなた方がそんなことを…」
リートの疑問に、シャルルが答える。
「頭が高いぞ、人間」
「「!」」
「私を誰と心得る。私は、クイーンシャゴットの娘、エクスタリアの王女…シャルルであるぞ」
「「「「「!!?」」」」」
エルザとリートの二人は、急いでシャルルの前で膝をついた。
「「はっ!申し訳ありません!!」」
そして、隣にいたハッピー達は呆気にとられた顔をしていた。
「ウェン…三人の滅竜魔導士はどこ?」
「西塔の地下にふたり、その一つ上の階にもう一人」
「今すぐ解放しなさい」
シャルルの言葉に、二人は困惑する。
「それだけは、私とこの部下の権限では何ともなりません」
「いいからやりなさい!!!」
「ならば、僕がやります!!なので、どうか」
リートが動こうとした瞬間、城の奥から第一軍隊長のパンサー・リリーが走ってきた。
「エルザ!!リート!!その三人のエクシードは堕天だ!!!エクスタリアを追放された者どもだ!!!」
「!!何!!?」
「何あいつ!!?アンタの仲間!!?」
「違うと思う!!あんなゴツいやつ、エクシードにいなかったよ!!!」
「逃げるわよ!!」
シャルルは、ルーシィ達にそういうと、急いで逃げ出した。
「逃げるんですの!?」
「ちょっとアンタ、姫じゃないの!!?」
そのまま逃げ出した四人を、怒りの目で見るエルザとリート
「ぐうぅっ…おのれぇ」
「やろぉ…隊長を愚弄しやがって」
さて、続きを書こう…あ~疲れる。オリジナル書いてる方がよっぽど早く進むわ