FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
「何なのこのネコ!ってかエクシード?」
「パンサー・リリーだ」
リリーが連れてきていた人物は、エドラスにいたリサーナだった。
「何だテメェ!オレの猫にケチつけようってのかアァン!?」
リサーナの事を知らないガジルは、食って掛かる勢いで威圧していたが、他の人物達はそうではなかった。
「嘘…だろ」
「そんな…まさか!?」
「リサーナ!?」
「なんで…」
「もしかして、エドラスのリサーナが
「こっちに来ちゃったわけ!?」
「魔力がないハズですのにそんなことあり得ますの!?」
「どうしよう!」
リサーナは、ナツの顔を見るといきなり黙り込んだ。
「…」
ガバッ!
「ナツーー!!」
「ドワァー!」
リサーナはナツに飛び付き、ナツは反動で後ろに倒れてしまった。
「また、会えた…本物のナツに」
そして次は、ハッピーとラリカをリサーナは一気に抱き締めて頬を擦り合わせる。
「ハッピー、ラリカ~私よ~リサーナよ」
「グレイとエルザにリートも久しぶりだね。あ~懐かしいなぁ!その子達はギルドの新しいメンバーかしら?小さいウェンディと…もしかしてルーシィ?」
明らかにエドラスの人間らしからぬ発言に、リート達は戸惑っていた。
「ちょっと待て…お前…まさか、こっちのリサーナ…?」
「…うん」
「うそ!?」
「えぇ!!」
「生き返ったのかーー!!」
「ウワーイ!!!」
「待て待て待て待て!!ちょっと待て!」
ぐいっ
リートが慌てて、リサーナに飛び付こうとするナツとハッピーの首を掴んで止める。
「ぐもぉ!」
「この世界のお前は二年前に死んだハズだろ?なんで今ここにいる!?エドラスで生き続けてたっていうのかよ」
リートの問いに、リサーナは静かに答えた。
「…私、死んでなんかなかったの」
リサーナの説明によると、2年前、エルフマンの暴走により死にかけだったリサーナはそこにあったアニマに吸い込まれ、気がつけばエドラスへと飛ばされていたという。
そこで、エドラスの妖精の尻尾に行き着いたリサーナだったが、アースランドとは違う光景に困惑していた。
エドラスの妖精の尻尾では、リサーナはすでに死んだ人間となっていた。そして、リサーナは自身を記憶喪失ということにして2年間エドラスのリサーナのフリをして、エドラスで過ごしていたという。
「その時はよく分からなかったけど、今にして思えば、エドラスのリサーナが死んだ事によって、世界に足りない分を補完するために、アニマが私を吸収したのかもしれない
最初は戸惑ったけど、エドラスの事を少しずつ学んで、みんなに合わせながら…段々、エドラスの生活にも慣れてきた。そして二年が過ぎて…六日前、アースランドのナツとリート、ハッピーとラリカがやって来た」
「…あの時か」
「何であの時本当の事を言わなかったんだよ!!!」
「言えるわけねぇよな」
「!」
ナツの言葉に、リートがリサーナの気持ちを汲み取って話した。
「エドラスのリサーナは死んでたんだろ?そして、悲しんでいたギルドにいきなりオレ達の世界のリサーナが現れて、みんなが喜んでいた。そんな状況で私は実は別人ですなんて言えるか?ナツ、お前がリサーナの立場だったら軽々しく言えるか?エドラスの自分が死んでいて、そんなタイミングでほとんど瓜二つのお前がそいつらの前に現れたとしたらよ」
「…」
「そう、言えなかったの。私はエドラスのミラ姉達を悲しませたくなかった…ナツたちに会えたのは本当に嬉しかったけど…でも…」
リサーナは、エドラスで生きていこうと既に決心していた。
だが、アニマの逆展開により体内に魔力を宿していたリサーナも当然吸い込まれそうになり、そこでエドラスのミラとエルフマンに全て気づいていたことを告白された。
『気がついていながら言い出せなかった…ゴメンな』
『あなたは死んだリサーナと同じ優しい子よ。だからこれ以上、本当のお兄ちゃんとお姉ちゃんを悲しませちゃダメ。元の世界に帰るのよ。アースランドの私たちによろしくね』
「そして、私はここに帰ってきた…」
リート達は黙ってリサーナの話しを訊いていたが、いきなりリートが振り返る。
「んじゃ、行くか」
「え?」
「行くって…ギルドにか?」
「いんや、その前に行くところがあるだろ」
「行くところ?」
「ミラとエルフマンのところ」
ザァァァァ
ここはアースランドのカルディア大聖堂、ここに死んだと思われていたリサーナな墓が立てられており、現在ミラとエルフマンはリサーナの墓参りをしていた。
「姉ちゃん、そろそろ行こう」
「もう少し…」
バチャバチャ
「ミラ姉~!!!エルフ兄ちゃーん!!!」
「え!」
「!」
ミラとエルフマンが後ろを振り返ると、そこには、もうリサーナが二人の近くにやって来ていた。
リサーナは喜びで涙を目に浮かべながら、ミラとエルフマンに駆け寄る。
「…ウソ」
「おぉぉぉぉ…」
「リサーナ」
リサーナはミラに抱きつき、ずっと言いたかった言葉を言う。
「ただいま」
「お帰りなさい」
そして、妖精の尻尾に帰ったリート達はリサーナを中へと招き入れる。
「ほらっ、入ってみろよ。結構変わったんだぜこのギルド」
「…うん、まず外から見ただけでも十分違うよね」
リサーナが中へ入ると、ギルドのメンバーが騒ぎ出す。
ざわざわ
「ま…マジかよ」
「オメェ…生きてたんか」
「…うん」
ズダダダダダダ
「ひっ!?」
「「「「「リサーナーーー!!!!」」」」」
リサーナをよく知るメンバー達が、一斉にリサーナに飛び付こうとするが、そこはエルフマンが殴り飛ばした。
「汚ねぇ手で触るな!!」
「オレらと同じリアクション…」
「ですね」
「オレらって、まさか、リートもやったの?」
ミラがリートに睨みを効かせる。
「やってねぇよ!?」
「大丈夫ですわよミラ、リートはリサーナにはやってませんわ…リサーナには」
「他の奴にはやったみたいな言い方しないでくれねぇ!?」
「よかった。ギルドがちゃんと元のままで」
「アニマの事も全く知らねぇようだしな」
「とにかく、無事でなによりだ」
「いかれてるぜ」
「これが魔導士ギルド…」
「リサーナ」
「マスター!!」
リサーナの元へ歩み寄るマカロフ、そしてリサーナもマカロフの顔を見る。
「信じておった」
「え?」
「ギルドで育った者は、みなギルドの子じゃ。子の心配をしない親がどこにいる…そして、子を信じない親がどこにいる。事情は後でゆっくり話してくれればよい。リート達もな」
「もちろんです」
マカロフは笑顔でリサーナを迎え入れる。
「とにかく、よー帰ってきた」
「マスター…帰ってきたんだよね…私、帰ってきたんだよね」
「そーじゃよ。ここはいつでもお前の家じゃ…お帰り、リサーナ」
マカロフの言葉に続き、ギルドのメンバーが全員でリサーナを迎え入れた。
お帰りーー!リサーナ!!!
ドゴォ!
「ただいまー!」
「ぐもぉ!?」
マカロフはリサーナに抱きつかれるが、後ろの椅子に後頭部をぶつける。
「ひぃー!マスターー!」
「あらぁ~これはしばらく動けませんわね」
「完全に他人事かよ」
そこからは、リサーナの帰りを祝して、妖精の尻尾でパーティーが開かれていた。
乾杯ー!
ワーワー!
「火竜!!氷竜!!小娘ぇ!!テメェらのネコ共とオレのリリィを勝負させろぉ!!」
ガジルがナツ、リート、ウェンディにエクシード同士での喧嘩を求め始めてきた。
その頃、ラリカはちょうどミラに遊ばないかと誘われていた。
「ねぇラリカ、近い内に、家に遊びに来ない?」
「…そうですわね、ちょうど予定もないですし」
「「のぞむところだぁ!!!!」」
「のぞまないでよ…」
「と思ったのですけど、リートを拷問の実験台にする予定が今出来ましたわ」
「と言いたいとこだけど、ラリカの意見も聞かずに戦わすのはどうかと思い却下することに決めたので、実験台だけはマジで勘弁してください!!!」
「串刺し、八つ裂き、釜茹で、丸焼き、お好きなのを選んでいいですわよ」
「バッドエンド一択じゃん!!!」
「フフフッ」
ミラとラリカの会話が聞こえていたリートは、即座に掌を返し早口で断り、その様子を見ていたミラは思わず笑っていた。
次回はオリジナル行きます!書き終えてるから1日2回くらいは投稿するかもです