FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
そして試験当日、リート達は港へと足を運んでいた。
「まさか船で行くなんて…」
「しっかりしなさいな、だらしないですわよ」
リートは船で試験会場に行くことを知り、テンションが著しく下がっていた。
「ふっ、今からそんなでは先が思いやられるな」
「まったくだ、これならエルザの勝ちで決まりだな」
リートの下にエルザと、ワカバの二人がやって来た。
「エルザ、ワカバ」
「あら、珍しい組み合わせですわね」
「あぁ、今回はワカバの魔法が役に立つと思ってな、私から誘ったのだ」
「まだ試験内容も聞いてねぇのに、何でワカバが役に立つと思ったんだ?」
「私の人生における第六感がそう感じ取ったのだ!」
エルザは、胸を張って自慢していた。
「要するに…なんとなくですのね…」
「はっはっは!エルザに選んでもらったからには、ぜってぇにS級にしてやらねぇとな!任せときなって」
「そうはいかねぇぞ、ワカバ!」
「!」
ワカバが振り返ると、そこにはマカオとカナが立っていた。
「勝つのはオレたちでS級にはオレのペアのカナがなるぜ」
「なにぃ!?おめぇも選ばれたってのかよマカオ!」
「おう!ワカバがエルザに選ばれたって聞いてな!パートナーが決まってないカナにペアに入れてもらったぜ!」
「必死に頼み込むマカオの姿が目に浮かぶ…」
リートは、マカオがカナに頼み込んでいるところを想像する。それがリートには、あまりにも滑稽に思えてしまった。
「ほっとけ!!」
「私は…別に誰でもよかったから…」
「ひでぇ!!」
「全員揃ったようじゃのぉ」
リート達が集まると、ちょうどマカロフも港に到着した。
「「「「「「マスター!!」」」」」」
「では、全員揃った所で船に乗れぇぃ、試験内容は島に向かいながら説明する」
全員は船に乗り込み、船は問題なく出港した。
ザザァー…
「うっぷ…やば…これ…ホント…に……まずい」
「しっかりしなさいな、まったく」
「なっさけねぇなリート」
「うっせぇ…」
「全員聞けぇぇい!」
「「「「「「!」」」」」」
全員が振り返ると、マカロフが魔法ペンで空中に図を書いて立っていた。
「これから試験の内容を発表する!他言はせんように」
「まず!今向かっている島は、バーディング島という、鳥類モンスターの巣といわれておる極めて危険な島じゃ」
「バーディング島?」
「聞いたことありませんわね」
エルザとラリカは、聞き覚えのない島の名前に首をかしげる。
「ワシが今さっきつけたんじゃもん」
「名付け親マスターかよ!!」
「じゃが、そこが鳥類モンスターが大量にいるのは間違いない!そこで、お主らにはあるモンスターを狩って来てもらう!」
「あるモンスター?」
「それは、ダイヤモンドワイバーンというモンスターじゃ」
「ダイヤモンド…」
「ワイバーン?」
「そう!そのダイヤモンドワイバーンを狩り、最後に重さを計り一番重量のあったチームの勝ち、勝った1名をS級魔導士とする!ワイバーンは制限時間内なら、いくら取ってきてもかまわんぞ」
「なるほど、総重量勝負ということか、シンプルで分かりやすいぜ」
「もちろん、ただ狩るだけでは簡単すぎるからのぉ、島には現S級魔導士のラクサス、そして、仕事場所が近かったことからギルダーツを呼んでおいた。その二人がお主らを待ち構えておる。あやつらはお主達が狩ったダイヤモンドワイバーンを奪いに来るから気を付けろよ」
「はぁ!?」
「おいおい、冗談じゃねぇぞ!!アイツらに勝てるわけねぇじゃねぇか!!」
ラクサスとギルダーツがいると聞いて、ワカバとマカオの二人は動揺する。
「誰も勝てとは言うとらんじゃろ、要は獲物を守って自分の拠点に狩ってきたダイヤモンドワイバーンを置いてこればいいんじゃ。そうすれば、あやつらには手を出さんように言うてある」
「「けどよぉ~」」
「やめないか二人とも」
ワカバとマカオの愚痴を、エルザが止める。
「S級魔導士になるための試験なんだ。そう甘くはないに決まっているだろう」
「「うっ…」」
「そうですわよ、そんなに簡単に行けば苦労はいたしませんわ」
「どうでもいいから…そろそろ下ろして…」
リートは、顔色を悪くして完全にダウンしている。
「アナタは試験の内容を聞いてましたの!?」
((((リートだけには勝てそう…))))
リートとラリカ以外の全員の気持ちがこのときだけは一致した。
そして、試験内容を公開してから約10分、リート達を乗せた船はバーディング島に到着した。
「お主らの拠点はワシが昨日のうちに設置した。各拠点に代表の名前があるからそこを自分達の拠点とするように!頑張ってダイヤモンドワイバーンをそこまで持って行けぃ」
「ちょっと待てよマスター、拠点ってオレたちどこか聞いてねぇんだけど」
「制限時間は夕暮れまで!!では始めぇい!!!」
「拠点も探すのか!?」
マカロフの合図とともに、全員がそれぞれの思う方へと散らばっていった。
「これは…」
「一筋縄じゃいかなそうだな」
「カナ!!何がなんでも一番になるぞ!!」
「うん!!」
「リート!!拠点の場所とワイバーンの居場所はわかりますの?!!」
「いや、こーなりゃ手当たり次第にやってくしかねぇ!!死ぬ気でやるぞラリカ!!」
「アイツら動いたみたいだぜ、オッサン」
「あぁ、じゃオレたちも動くとするか」
リート達が動き出したと同時に、S級魔導士の二人が動き出す。
「さぁーて、ここからどーする?エルザ」
「まずは私たちの拠点の場所を把握するべきだ。ワイバーンよりも先に陣地を探すことにしよう」
「そーいう事なら任せな」
ワカバはパイプを吹かして煙を上げると、煙は空高く上がり望遠鏡のような形に変形し、除き穴の部分がワカバの目元まで下りてくる。
「スモークスコープ」
「流石だな、やはりワカバをパートナーに選んで正解だった」
「へへっ、だろ?マカオなんかよりもよっぽど役に立つぜ」
「今回の相手はマカオだけではない、油断するな」
「そんなマジにツッコまなくても」
ワカバはスモークマジックで辺りを見渡すと、一ヶ所だけ拠点が見えた。
「見えたぜ!!」
「本当か!!?」
「けど、ここからじゃオレたちの拠点かどうかわからねぇ、もっと近くに行かねぇと」
「場所が分かっただけでも充分だ。まずはそこに向かおう」
「おう!」
エルザとワカバの二人は、拠点が見えた方向へと走り出した。
「さてと、どーするよ?カナ」
「ちょっと待って、アタシ達の拠点の場所をカードで占ってみる。うまく行けばすぐに見つかるかもしれない」
「へへっ、そいつはいいな、よっしゃ!じゃあいっちょ頼むぜカナ」
カナは自分の持ってるカードを地面に広げて、拠点の場所を占う。
「でた!!アッチ!!」
「よっしゃ!そんじゃあ行こうぜ!!」
「うん!!」
カナの占いで出た方角に、二人は走り出した。
「どうだラリカ、何か見えたか?」
リートとラリカのペアは、ラリカに空から拠点の位置を探してもらっていた。
「さっきからずっと拠点らしきものは見えてますわよ?」
「そーゆーのはもっと早く言ってくんない!!?」
「聞かれませんでしたもの」
「聞かなきゃ教えてくんないのかお前は!!」
「でも、ここからじゃ名前までは見えませんわよ、もしかしたら別の誰かの拠点かもしれませんわ」
「どっちにしても調べる必要はあるだろ、とりあえずその拠点に向かおう」
「了解ですわ」
各チームは、それぞれ拠点となる場所へと向けて走り出した。
ザッザッザッ
まず拠点に到着したチームは、
「あった」
「おっしゃ!カナの占い通りだな」
カナとマカオのチームが、拠点に到着した。
「とりあえず名前を確認するぜ…」
マカオは拠点を見渡すと、カナという名前が彫られた部分を見つける。
「間違いねぇ、オレたちの拠点だ。流石だなカナ」
「うん、じゃあ…次はいよいよ…」
「ダイヤモンドワイバーン狩りだな」
「うん!行こう!!」
「むっ」
「げっ…」
エルザのチームとリートのチームは、同時に同じ拠点に到着した。
「お?リート!!それにラリカもいるじゃねぇか!!」
「あら?あなた方もここの拠点を見つけましたの?」
「あぁ、ワカバに見つけてもらってな、私たちの拠点かどうか確かめに来たんだ」
「目的はやっぱり同じか…となると、問題はこれが誰の拠点か…だな」
リートは拠点の周りを確かめ、名前を探す。
「…うそ…だろ…」
リートが見つけた場所は、エルザの拠点だった。
「やりぃ!オレたちの拠点見っけ!!」
「よし!では、私たちはダイヤモンドワイバーンを探すとしよう」
「おうよ!」
「くそっ…ここまで来てハズレって…」
どんどんと凹んでいくリートに、ラリカは一喝入れる。
「しっかりしなさいな!!まだ拠点を見つけられただけじゃありませんの!!充分挽回できますわよ!!」
「……」
「リート!!」
「っだぁぁぁ!!!こーなりゃ意地でもS級になってやる!!行くぞラリカ!!!」
「意外と元気ありますのね!!?」
その頃、マカロフは船を止めた場所で時間を潰していた。
「そろそろ、全員が拠点を見つけて動き出す頃かのぉ」
(今回の獲物ダイヤモンドワイバーン…S級試験で狩って来いと言われるほどじゃ、一筋縄ではいかんぞ)
あれだよね…世界線だけ見てるとトリコみたい…