FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
リートがルーシィとラリカと共に仕事に行った翌日、ギルド内では、発表はまだかとざわざわと騒いでいた。
「何の騒ぎだ?」
「さぁな」
「マスターから重大発表があるんだって」
「なんかワクワクするね」
「興味ないわ」
「もー、またそーゆー事言って」
リリーやガジル、ウェンディやマーラ達もその場に集まり何事かと話していた。
ガツガツガツガツ
そして、ギルドにはいるが、カウンターで大量の飯を食べているバンクはまったく興味無さそうだった。
「あらバンク、あなたは無関心そうですわね」
「もがもごもももご、ももももごもご」
「口の中の物飲み込んでから喋ってくださいまし…」
「むぐっ…んぐんぐ」
ゴクン
「オレは入ったばかりだからな、多分関係ねぇだろうし興味ねぇよ」
「あら、案外そうとも言ってられないかも知れませんわよ」
「ん?なんでだ?」
ドゥルルルル
そして、ギルド内でドラムロールが流れると共に、舞台上にかかっていた幕がゆっくりと上がる。
そこには、マカロフと共に、現S級魔導士の四人が段上で並んでいた。
「マスター!待ってました!!」
「早く発表してくれー!」
「ウォホン、妖精の尻尾古くからのしきたりにより、これよりS級魔導士昇格試験、出場者を発表する!!!」
ウォォォォ!!!
「お前ら静かにしろ!」
「マスターの話しの途中だろーが」
リートとギルダーツの一喝で、ギルドのメンバーはマカロフの言葉に耳を傾ける。
「今年の試験会場は天狼島!!我がギルドの聖地じゃ」
ルーシィは近くにいたメンバーに、ふと疑問に思った事をたずねる。
「ねぇ、試験って何するの?」
「そりゃあ毎年違ぇけど」
「ハードな事に変わりねぇよ」
「なんせ合格者はS級魔導士になれるんだからね」
「各々の力!心!魂!ワシはこの一年見極めてきた。参加者は9名!!」
そして、選ばれた者達が順番に呼ばれていく。
「ナツ・ドラグニル!!!」
「おっしゃー!!」
「やったねナツ!!」
「グレイ・フルバスター!!!」
「やっとこの時がきた」
「ジュビア・ロクサー!!!」
「え?ジュビアが?」
「エルフマン!!!」
「漢たるもの、S級になるべし」
「頑張って!エルフ兄ちゃん」
「カナ・アルベローナ!!!」
「……」
「フリード・ジャスティン!!!」
「ラクサスの跡を継ぐのは…」
「レビィ・マクガーデン!!!」
「私とうとう!!」
「「レビィがキター!!!」」
「メスト・グライダー!!!」
「メストだ!!」
「昨年は惜しかったよなぁ」
「バンク・ガイアスタ!!!」
「ふぁ?ムグムグ…ゴクン、なぜオレ?」
「ほら、他人事じゃなくなりましたわよ」
選ばれた者達を、選ばれなかったメンバーが次々に話題に出す。
「ついにナツがきたか」
「グレイもだ」
「いいもんだなぁ」
「皆いい顔してるぜ」
「スッゲー!S級魔導士か、オレもいつか!!」
まだ、マカロフの話しは終わっておらず、続きを話す。
「今回はこの中から合格者を一名だけとする!!試験は一週間後、各自体調を整えておけぇい」
「一人だけキナ?」
「本命はフリードか?」
「メストでしょ?」
「ナツやバンク、グレイもいるぞ」
今回の参加者の名前を聞き、ガジルはショックを受けていた。
「な…なぜオレは入ってねぇんだ…ジュビアとバンクは入ってるってのに」
「お前のギルドでの立ち位置は聞いたぞ、信用されてないようだな」
リリーからの冷たい一言に、ガジルは強く否定しようとする。
「い…いやぁ違う!言えねぇけどそりゃぁ無ぇ」
しかし、ガジルが全て話せない分どうしても完全に否定することはできなかった。
「言いたくても言えねぇんだよぉ!!」
「エルザにだ」
「フフーン、まだ早い」
「クソー!!!」
「お前からマスターに言ったのか?エルザ」
リートの質問に、エルザはニヤリと笑いながら答える。
「あぁ、ファントムの一件もあり、全員からの信用を得るにはまだかかりそうだったからな。私からマスターに抗議しておいた」
「…何気に一番ゆるしてねぇのお前じゃね?」
「まったくもう…相変わらず騒がしぃ…!!?」
途中まで何かを喋ろうとしていたシャルルだったが、ここ最近で少しずつ使えるようになってきた未来を見る力により、不吉な光景を予知してしまう。
「?どうかしたシャルル」
「なになに?どしたの?」
ウェンディとマーラの二人が、雰囲気の変わったシャルルを見る。
「べ…別に…」
「初めての者も居るからのぉ、ルールを説明しておく」
そこでミラが、今回の試験のルールを説明し始めた。
「選ばれた9人の皆は、準備期間の内にパートナーを一人決めておいてください」
そして、次にエルザがルール説明を続ける。
「パートナーの条件は2つ、一つ妖精の尻尾のメンバーであること、二つS級魔導士はパートナーにできない」
「ほーぅ」
「つまり、エルザやリート、ミラジェーンやギルダーツとはチームを組めないということか」
「エルザさんやリートさんと一緒なら最強過ぎるもんね」
エルザの説明の後、リートがそれに続いて更に説明をする。
「そして、今回は天狼島ってこともあり充分に広いため、ラリカに試験の中継を任せてある。何かのトラブル、リタイアしたり、場合によっては時間による試験も充分にあり得るため、その報告係として天狼島周辺を見張ってもらうこととなっているからよろしく頼むぞ」
「ん?お前もいくのか?」
「そうですわよ」
「試験内容の詳細は天狼島についてから発表するが、今回もエルザとリートが貴様らの道を塞ぐ」
ええぇぇぇぇ!!!
「今回は、私もみんなの邪魔する係りやりまーす」
ミラが満面の笑みで手を上げた。
「も…もしかして、エルザやリートやミラさんを倒さなければ、S級にはなれないわけ!?」
「まぁ、それなりに手を抜いてくれるらしいけど…」
「ハードって意味、分かっただろ?」
「もしうまく行けば、暗がりに紛れ込んでリートに…なんて、キャーーー!!」
「マスター!!オレ、今過去一番に恐怖を感じてる!!!」
ミラの何かをたくらみ照れる顔を見たリートは、顔色を青ざめさせてマカロフに助けを求める。
「うーむ、まぁそこは勝手になんとかしてくれい」
「この状況で子を見捨てる親がいますかね!!?」
「ブーブー言うな、S級魔導士になるヤツは皆通ってきた道だ」
騒ぐ皆をギルダーツが止める。
「オレは女性に襲われる経験はしたことねぇんだけど!!?」
「ちょ…ちょっと待てよ」
「まさか…」
「ギルダーツも参加するのか!!?」
ナツは嬉しそうにしていた。
「嬉しがるな!!!」
「選出された9名とそのパートナーは、一週間後にハルジオン港に集合じゃ。以上!!!」
そして、マカロフの発表が終わり全員が解散した後、ナツ、ルーシィ、グレイ、ハッピー、ジュビア、シャルル、マーラ、ウェンディ、エルフマン、リサーナと、集まっていた。
「今年はえらくハードルが高ぇな」
「意外ね、アンタ達皆初挑戦なんて」
「オレは燃えてきた!絶対S級になってやるぁぁぁ!!!」
「うぉぉぉ!!漢エルフマン、S級への道が遠ざかるぅ!!」
「みんな大変そうだねぇ、アタシやウェンディはもう完全に他人事だけど」
「そ、そんなこと無いよ!!」
「みんな頑張ってね」
ルーシィが、ふと端を見ると、フリードとビックスローがチームを組んでいるのが見えた。
「フリードのパートナーってやっぱりビックスローなのね…つ、強そうなチームね…アハハハ」
「うわっ、下から目線」
「ルーシィさん参加しないのに不安気だね」
「そー言えばみんな、もうパートナーは決まってるの?」
その質問に真っ先に答えたのは、ナツだった。
「オレはもちろんハッピーだ!な?」
「あい」
「ハッピーはズルいだろ!!もし、試験内容がレースだったら空飛べるなんて勝負にならねぇ!!」
ハッピーの参加にエルフマンは否定的だったが、リサーナやマーラ、グレイは逆にそうでもなさそうだった。
「別にいいんじゃない?」
「うん、ルールにはのっとってるもんね」
「オレも別に構わねぇよ。戦闘になったら困るだけだしな」
「酷いこと言うねグレイ」
そして、ハッピーは拳を強く握り掲げる。
「オイラは絶対ナツをS級魔導士にするんだ!!」
「こればかりは、仲間といえど絶対ぇ譲れねぇ」
「ってなわけで!」
「こーしちゃいられねぇ!!修行だーーー!!!」
「あい!!」
ナツとハッピーの二人は、一目散に外へと出ていった。
その様子を、黙って優しげな目でリサーナは見ていたのだった。
「ふーん、私がいない2年の間に、ナツがS級試験を受けるようになってるとはねぇ」
そして、家に戻ってきたナツとハッピーは、早速修行に取りかかろうとする。
「ぬぉぉぉ!!!修行すんぞこらぁ!!!」
「こらーー!!!」
「…つってもよぉ、修行って何から始めればいいんだ?」
「雪も降ってきたし、アレしかないよ」
「うぉーし!アレかぁ…ってぇ!!」
ナツが張り切ってる内に、ハッピーはナツを木に縛り付け動けなくしたあと、目の前の崖の上に岩を用意する。
「特訓その1!!!岩を身体で受け止めて防御力を底上げします!!!」
「ちょっと待てぇぇ!!!」
そこからドンドンと特訓は進み続ける。
「ってなわけで、特訓その15!!!足腰をパワーアップさせます」
ハッピーの案で、ナツは巨大な岩を背負わされ、うさぎ跳びを強要される。
その様子を、近くの木陰から見守るようにリートがみていた。
「よう、リート」
「!ギルダーツ」
そこへギルダーツも、ナツの様子を見にやってくる。
「お前も様子を見に来てたのかリート」
「まぁな」
「そーいやお前らは、二人でS級になって親のドラゴンを探す約束をしてたんだっけか」
「あぁ、S級になれば危険な仕事もつくが、イグニールのおじさんとフランドーラを探すのに使える場所や行ける世界が広がる。だからオレ達は必ずS級になってフランドーラ達を探そうって言ってたんだけどな」
「なら、今回はオメェもこの試験にかける想いは人一倍ってことか」
「まぁな、あっ、だからってアイツをS級にしたいから手を抜くなんて野暮はしねぇつもりだぜ?そんなことしてS級になってもアイツのためにはならねぇし、アイツ自身がそれを許さねぇだろうからな」
「あぁ、分かってるよ。お前はそんな野暮なことはしねぇヤツだ。昔からな」
「ギルダーツ…」
「さて、そろそろ行くぞ、オレ達は一足先に天狼島に行かねぇといけねぇからな」
ギルダーツとリートは、港へと足を向けて歩き出す。
「おう…ってやっぱ船で行くのか?」
「あたりめぇだろ、他に何があるってんだよ」
「はぁ~…」
「その乗り物に弱ぇのまだ克服してなかったのかよ」
「無理、一生、絶対、不可能」
「ガッハッハ!!さっさと馴れろよっ」
バシッ!
「痛って!!マジ痛って」
ギルダーツに背中を叩かれたリートは涙目でギルダーツを見ながらギルダーツと共に港へと歩んでいった。
そー言えば、AI機能を使ってアクナとバンクの絵を作ってみました。
ただ、アクナさん何か若々しいし…バンクはバンダナないしで、ちょっとおかしいかもですが、大体イメージに一番近いキャラを選んだので今後はそんなキャラだと思って見てください。
挿絵は目次にあります