FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」   作:タイキック新

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今回は試験前日にあった些細なお話しです。まぁ本編に関係するかはわかりません


先行く者達

「うっぷ…」

 

今回のS級魔導士昇格試験にて選抜者を邪魔する係となった現S級魔導士達は、マカロフの指示で一足先に船に乗り天狼島へと向かっていた。

そして、リートは当然乗り物なので船酔いを起こし、船の後方で船から顔を出してダウンしていた。

 

「大丈夫?リート」

 

「すまんミラ…うぇっ…背中…さすって…」

 

「はいはい」

 

さすさす

 

「オロロロロロ」

 

「あらあら、遂に吐いちゃったのね」

 

「アイツの乗り物に弱い所はいつまでたっても治らねぇな」

 

「ナツといいリートといい、鍛え方が足りんのだ」

 

「鍛えて…どうにかなると思うなよ…お前r…うっ!オロロロロロ」

 

「はいはい、今はリートは安静にしてましょ、ね?」

 

「イエスマム…」

 

そして、ようやく船は天狼島へとたどり着き、リートは完全復活して大喜びしていた。

 

「着いたーーー!!!」

 

「あらあら、元気になっちゃって」

 

「さてと、これからだがマスターにもらった指示書通りに動かないといけねぇ…と言いたいところだが、試験は明日だからな今日のところはここで一泊する。明日の朝起きたら指示通りに動くぞオメェら」

 

「指示書は誰が持ってんだよ」

 

「安心しろ、私が預かっている」

 

エルザは手に持っていた指示書をリートに見せると、リートはほっと息をつく。

 

「そうか、なら安心だな、なら今日はここで野宿か?」

 

「そうなるな、とりあえず飯と寝床の準備だ。確か船に釣竿とテントがあったハズだが…ミラ持ってきてくれ」

 

「はーい」

 

ギルダーツの指示で、ミラは船から釣竿4本とテント3つを持ってきた。

 

「テントが一人分足りねぇ…」

 

「そう?足りないのは仕方ないわね、それは後で考えましょ」

 

「足りなかったんだよな?ホントに足りなかったんだよな?なぁ」

 

「諦めろリート」

 

エルザがリートの肩に手を置き、言葉をかけた。

 

そしてエルザは、ズタボロの折りたたまれたテントをリートに見せつける。

 

「今見てきたが残っていたのはこれだけだった」

 

「ミラさん!!?」

 

「あら、ここって何かいるのかしら?こわ~い、今夜は私がリートを守ってあげるわね」

 

「すいません、確信犯っぽいのが何か言ってるんですけど」

 

「ま、テントは後で考えるか。とりあえずリートとオレは釣りに行ってくる。エルザとミラは薪でも集めておいてくれ、ホレ行くぞリート」

 

ガシッ

 

ギルダーツは、リートの首根っこを掴み、島の奥へと釣竿を持って入っていく。

 

「待って!オレは今日貞操の危機かも知れねぇんだ!そこら辺しっかりと話し合っておかねぇと!」

 

「お、遂に男として卒業か?やるじゃねぇかリート」

 

「テメェ他人事だと思って適当に流しやがって!!!」

 

ズルズル

 

「いやぁぁぁぁ!!!!」

 

ズルズル

 

しくしく

 

「おっ、ここならよさそうだな」

 

ドサッ

 

ギルダーツは良さげな釣り場を見つけるとそこに座り込み、釣糸を垂らしてもう一本の釣竿をリートに渡す。

 

「まぁ、細けぇことは後回しだ。今は釣りを楽しもうじゃねぇか、釣りはいいぞぉ、まさに男のロマンだ!!」

 

「……」

 

納得のいってなさそうなリートだが、ギルダーツから釣竿を受けとると、黙って釣糸を垂らした。

 

「なぁリートよ。何でお前はミラとの関係を嫌がんだ?アイツの事好きじゃねぇのか?」

 

「…逆だよ、アイツの事は好きだし愛してる。それはもちろんミラにも言ったことある」

 

「じゃあ何が不満なんだよ」

 

「不満じゃなくて、不安なんだよ」

 

「不安?何がだよ」

 

「仮に今、オレとミラの間に子供が出来たとして、二人を幸せにしてやれるとは限らねぇ、下手をしたら二人とも不幸にしちまうかも知れねぇ、それが怖ぇんだよ。

確かに子供が出来るってのは幸せな事かもしれねぇ、けどオレはそのせいで不幸になってきた人達も仕事で何人も見てきた。

そんな経験はミラや子供にさせたくねぇ、アイツがまた不幸になるのは耐えられねぇんだよ。

だからオレは、アイツとその子供を幸せにできる確信が持てるまで手を出さねぇって決めてんだ」

 

「…はぁ~」

 

ギルダーツは、大きめのため息を吐いた。

 

「人の心配事聞いといて、ため息はひどくね?」

 

「お前は少し考えすぎなんじゃねぇか?」

 

「え?」

 

「お前の心配も分からなくはねぇ、けどな、お前にもミラにも仲間がいるだろ。不安があるなら仲間を頼れ、失敗したら仲間が止める。それだけじゃねぇか」

 

リートは、目を丸くしてギルダーツを見た。

 

「だから重く考えんな、もっと肩の力を抜けよ」

 

「…で?アンタはそれで何人女をつくった?」

 

「サラ、ナオミ、クレア、イライザ、フィーナ、マリー…あっ」

 

「今ので信憑性はなくなったな」

 

ギルダーツは頭をガシガシと掻くと、真剣な顔に戻る。

 

「けどなリート、気がつかねぇうちに大切なヤツがいなくなるってこともあるんだぜ。それだけは覚えておきな」

 

「…あぁ、それも分かってる」

 

そして夜、誰がどのテントを使うか話し合いになるハズだったのだが…

 

「じゃ、みんな、おやすみなさい」

 

ズルズルズル

 

「待て待て待て、なぜオレを引きずって行くんだ」

 

ミラがリートの腕を組んでテントに向かって歩き出すのを、リートが止めた。

 

「?」

 

「何を言ってるか分からないって顔するんじゃありません」

 

「ごめんなさいリート、何を言ってるか分からないわ」

 

「口に出して言えって言ったわけじゃないよ!!?」

 

「大丈夫よ何もしないわ、あなたはただ仰向けになって大人しくしててくれれば朝には全て終わってるから」

 

「事後じゃん!!!」

 

「でも、後の二人はもうテントに入ったわよ」

 

「は!?」

 

リートが振り返ると、既にエルザもギルダーツもテントに入ろうとしていた。

 

「じゃあオレぁ寝るぜ」

 

「お前達、明日は試験なんだ。楽しむのはいいがほどほどにな」

 

「公認しないでちょっとはミラを止めろよお前ら!!!」

 

「さ!行きましょ♪」

 

「イヤァァァ!!!!」




リートがミラに手を出さない心境でした。
まぁ今のところは何もありません…えぇ、今のところは
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