FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
前日の一騒動から翌日、先に天狼島についていたリート達は参加者が来る前に目を覚ましていた。
朝一番はエルザで、既に日の光を浴びて元気そうだ。
「おう、早ぇじゃねぇかエルザ」
その次に、ギルダーツがテントから現れる。
「あぁ、ギルダーツ、おはよう」
バサッ
そして次に、ミラとリートのいたテントも開きリートが現れるが…
「リートも、おは…大丈夫か?隈がすごいが」
「いっ…すいもできなかった」
「お前達…ホントに昨日やったのか?」
「しねぇよ、それを回避するために必死だったんだよ!!!」
「あら皆、おはよう」
そして最後に、リートの後ろから元気そうにミラが現れた。
「ミラ…お前は昨日リートに何をしたんだ?」
「ふふっ、気持ちよかったわぁ」
「!?」
「リートの抱き枕♪」
「だ…抱き枕?」
「一晩中抱きつかれてた…」
「なんだ、やったわけじゃねぇのか」
「しねぇっつってんだろーが!!!」
「私はそれでもよかったんだけどね」
「ミラさん!!?」
「とりあえず、さっさと用意しちまうぞ」
「この騒動はもうスルーなの!?」
それからリート達は今回の試験を受けるメンバーを迎え入れる為に、マカロフの指示書通りに準備する。
「といっても、この看板をそれぞれの移動先に取り付けて、後はここから煙を上げて、アイツらを待ち受けるだけなんだがな」
ギルダーツは、手元にあったA~Iまでの書かれた看板に手を置く。
「それだけか」
「あぁ、オレ達と同じルートに来た奴らとそれぞれ戦って一次試験の合否を決めるんだとよ」
「一次試験ってことは、二次試験もあるのかよ」
「らしいな、ま、だがオレ達は一次だけやるって話だぜ」
看板の設置も取り付け終わり、後はどこに誰が入るかとなった訳だが。
「うーんどこにするべきか」
「そこまで悩むことでもないだろう、誰が来るかなど今は分からないのだからな」
「そうなんだけどよぉ」
「リート」
「ん?」
どこに入るか悩んでいたリートの元に、ギルダーツがやってくる。
「勘でいい、ナツならお前はどこを選ぶと思う?」
「ナツ?」
リートは看板を見やると、Eの看板を指差す。
「多分、あそこだと思うぜ」
「Eか」
「アイツなら『エルザのEだからエルザがいる!!!』とか言って真っ先にここに入っていきそうだ」
「そうか、ならオレはそこに行かせてもらうぜ」
ギルダーツは、Eの看板を立てた洞窟に足を踏み入れる。
「あ、おい!…ギルダーツのやつ、そんなにナツと戦いてぇのかな?」
「ねぇリート、私はあそこに行ってくるわね」
そして、ミラも自分で選んだ道へと進んで行った。
「おう!気を付けろよ」
「うん!」
「さてと、後はエルザとオレ…ってエルザもういねぇし!!?」
リートが辺りを見渡すと、残るは自分だけとなっていた。
「はぁ、まぁここでいいか」
そしてリートも、目についた洞窟へと入っていった。
「さーて、誰が来ることやら」
そして、試験参加者のバンクサイドでは、港へと次々に参加者が集まってきていた。
そして9組の魔導士達を乗せた船が、今出港した。
「暑い…冬だってのになんなのコレ~アタシ溶けちゃうかも」
海の上は、冬だというのにカンカンに太陽が照っており、まさに夏と変わらない気温になっていた。
「アイスになってハッピーに食べられちゃうんだ」
「不味そうだね」
「ルーちゃんだらしないよ…その格好」
「この辺は、海流の影響で年中この気候なんだとさぁ」
「アヅイよぉ~ウェンディだずげで~」
「私もダウン中だよ~」
船の上では暑さにやられる者、そうでない者と別れており、基本的には皆自由にしていた。
「大したことねーよ、こんな暑さ」
「デッケェ船だよなぁ~誰か探検しねぇ?!!」
「ケッ、ガキかよ」
「あぁん?なんだよS級になれない僻みか?ガジルさんよぉ」
「あぁ!?今ここでテメェをぶちのめして候補者を一人減らしてもいいんだぜ?クソバンク」
「上等だ!!いつでもかかってこいコノヤロー」
バンクとガジルが喧嘩を始めようとする。
「暑いのに喧嘩を止める体力使わせないで!」
それをマーラが何とかとめる。
「気持ちわりぃ~」
そして、当然ナツは完全に船酔いになっていた。
「ナツ…こっちに来ないでくれるかな?」
今にも吐きそうなナツを、ロキが寄せ付けないようにと止めていた。
「ウェンディがトロイアを掛けてくれねぇんだよぉ~うっ!オロロロロ」
船酔いの限界で、ナツは海に向かって吐いていた。
「しょうがないよ、メストのパートナーだし」
「すみませんナツさん」
「やだやだ、皆して馴れ合っちゃって、これから敵になるっていうのにさぁ」
「暑いぃ~漢だぁ」
「意味わかんないから」
「暑い~アイス…食べたぁい」
「オイラを食べないでよねぇ」
「アイスになったハッピーなんて、想像するのも…」
ルーシィが、ふと後ろを見ると、船は既に天狼島のすぐそこにまで来ていた。
「見えてきたね」
「アレが」
「大きな樹みたいだね~」
「着いたのか」
「アレが天狼島?」
「すげぇ形してんなぁ」
「島の上に…島?」
「ここからでも、島の辺りの空気に魔力を感じますよ」
「おっもしろそうな島だな!!」
「うっぷ…」
「ナツ、もうすぐだよ」
ナツとハッピー以外は全員、天狼島へと目を向けていた。
「あの島にはかつて、妖精がいたと言われていた」
いつの間にか、船の上にマカロフとラリカが現れていた。
「マスター、ラリカ」
「そして、妖精の尻尾初代マスター、メイビス・ヴァーミリオンの眠る地」
「なんだよ、その服!!」
グレイがツッコミを入れたマカロフの服は、半ズボンにアロハシャツという気の抜けそうな服装であった。
「だって暑いんだもん」
「服着てない人が言う?」
「グレイがツッコむのはお門違いですわよ」
「これより、一次試験の内容を発表する。ラリカ!!」
「はいですわ」
ラリカは翼で飛び上がり、島の手前から煙が上がってるところを指差す。
「あそこから上がっている煙、皆様にはまずあそこに向かってもらいますわ」
「そこには9つの通路があり、1つの通路には一組しか入ることしかできん。そして通路の先は、こうなっておる」
「これですわよ」
ラリカは手に持っていた地図を広げて、メンバーに大きく見せる。
その地図には、それぞれルートと、『闘』『静』リート達写真とその顔の上に『激闘』と書かれていた。
「ここを突破できたチームのみが一次試験合格じゃ」
「闘?」
「エルザやリートの顔に、激闘って書いてあるぞ!!」
「それって」
「静ってのもある」
「闘のルートは、この9組の内、二組がぶつかることになりますわ、そして勝った一組しか通れませんの」
「激闘は、現S級魔導士を倒せなければ進めぬ最難関ルート」
「静は、誰とも当たらず一次試験を突破できる。いわばラッキールートですわ」
「一次試験の目的は武力!!そして、運!!!」
「理論的には最大7組、最低3組が合格できることになりますわよ」
地図を見たメンバーの反応は、それぞれ違い、気合いの入るもの、その逆に不安になる者とバラバラだった。
「運ならいけるかも!」
「静を当てる確率は1/9しかないのよ」
「ヌウゥ、無理だ!!エルザやギルダーツのいる道は突破できねぇ!!」
「何弱気になってるのよ!!」
「おっもしろそうだ!!リートとの闘いもいいけど、今回はS級魔導士の誰とでも戦える可能性があるのか!!!」
「既に激闘選ぶ気満々だよこの人!!?」
「最悪の場合は、3組しか突破できないのかぁ」
「おもしれぇ、どいつもコイツもボコボコにしてやるぜ」
「さぁ!始めぇい!!!試験開始じゃあ!!!」
「!」
ぐいっ!
「ぐえっ!」
試験開始の合図と共に、バンクが靴を黄色に変えて、マーラを抱え船から飛び出した。
「うぇぇっ、苦しかった…何するの!!?」
「ギリギリセーフ」
「え?」
マーラが船に視線を戻すと、他のメンバーはフリードの術式に捕まり動けなくなっていた。
「あれは…術式!?」
「あのキザ男くんが術式書いてるのに気づいたからな、急いで船から飛び出したって訳だ。もう試験は始まってる。気を付けろよ」
「は、はい!」
(意外と頼りになるんだなぁバンクさんって)
「あ、それともう1つ」
「え?」
「すまん、オレ空は飛べねぇ」
「は?」
空中にいたバンクとマーラは、そのまま海へと落ちていく。
「はいぃぃぃ!!?」
ドッパァン!!!
「っぷはぁ!!バンクさん!!!もっと女の子はデリケートに扱ってください!!!」
「ナハハ!!悪ぃ悪ぃ、とにかく、ここからは泳いで行くぞ」
「ぶぅー…はーい」
ここからが本番です。主も気合い入れて書いてかないと