FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
ピチョン…ピチョン…
「ずいぶんと時間がかかってるみてぇだな、まぁ、しっかりと作戦は立ててるみたいで一安心ってところだな」
ジュビアとリサーナをブレスで吹き飛ばしてから数分、未だに顔を見せない二人に、リートは周囲を警戒しつつも二人が作戦をたてていることに少しばかりの安堵を覚えた。
そして、リートの足元を一匹の小魚が通る。
「だが、通用するかどうかは…」
バシャア!!!
リートが独り言を終える前に、先程まで小魚だった生物がリサーナへと変わり、水から飛び出してきた。
「えいやぁぁ!!!」
テイクオーバーで、巨大ウサギに変身したリサーナは、そのままリートに体当たりを仕掛ける。
バッ!
リートは体当たりをしてくるリサーナの頭に手を置き、飛び上がる。
「別問題だよな」
「やばっ」
パキパキ
「え?…えぇぇ!?」
気がつけばリサーナは足元を凍らされて、動きを止められていた。
「まず一人、あとは本命の…」
バシャァ!!!
「
「!」
「やった!」
水面からいきなり現れたジュビアに、一瞬だが、意表を突かれたリートは、ジュビアが作り出した水の球体に包まれてしまう。
「うまくいきました、作戦成功です!!」
「やったね!ジュビア!!」
ピキピキ
「「!」」
バキィン!!
しかし、リートを拘束できたのはわずか一瞬だけで、水の球体は即座に凍りつきそのまま割れて、中からリートが出てきた。
「ふぅ、まさか時間差でジュビアも水面から現れるとはな、てっきり同時に出てくると思ってたから驚いたぞ」
「そんな…」
「アレでも捕まえられたのが一瞬だけだなんて…」
「いや、今の作戦は悪くなかったぞ。けど相性が悪かったな」
リートは、身体をほぐしながらジュビアに話しかける。
「ジュビア」
「は、はい」
「お前の魔法と氷使いのオレやグレイとは味方として戦う分には相性はいいと思うぞ、だが、敵になった瞬間、お前の水を凍らせられるオレ達とは相性は逆転して最悪になっちまう。グレイにばっかりかまけるのは構わねぇが、そこら辺もよく理解しとけよ?」
「私とグレイ様との相性がいい!!?」
シュゥゥゥ
自分がグレイとの相性がいいと聞いたジュビアは、顔を真っ赤にして照れてしまった。
「訊いてるか…?」
「は…はい!私はやっぱりグレイ様にアタックし続けることに決めました!!」
「趣旨変わってんじゃねぇか!!!」
「こっちのジュビアって、グレイにぞっこんなんだね…」
足元を凍らされて動けないリサーナは、肩を落としてジュビアを見やる。
「それと、リサーナ」
「え?私?」
「お前はさっきも言ったが攻撃が直線的過ぎだ。フェイントとかかけると当たりやすくなるだろうぜ」
「うっ…」
「ま、どうせ今は動けねぇんだ。その氷が割れたら二人がかりでまた挑んで来な。安心しろ。その氷が割れてもお前の足が一緒に砕ける…なんてことが無いように手加減してあるからよ」
「一緒に砕けるって…何気に怖いよ」
リートは拳に氷を纏って構えをとった。
「さて、ここからはリサーナが動けるまでは一対一で、時間もあまりない、悪いがオレも魔力を今以上に解放するぞ、次からのオレはお前達をもう視界から外す何てことはしねぇ、倒れたら負け、そこで終わりだ。気合いを入れ直せよ?」
「さっきまでしていなかった、氷を纏って構えをとるスタイル…リートが訓練や修行から戦闘に切り替えた時の行動だよ。さっき以上に魔法も使い出すと思うから、気をつけてジュビア」
「はい、もちろんです」
「よしっ…行くぞ!」
ヒュン!
リートが速攻でジュビアに、攻撃を仕掛けた。
「くっ…」
ジュビアも警戒し、即座に身体を水に変えられるように構えた。
トントントントン
「?…当たっていない?」
リートは全ての攻撃を寸手のところで止めており、ジュビアもその行動に困惑していた。
「お前が水になることなんてわかりきってるんだ。簡単にはさせねぇ…よ!!」
リートは寸止めを止めて、強烈なパンチをジュビアの腹に入れる。
「かはぁっ!」
「ジュビア!!!」
バシャン!バシャン!
「水になれない…どうして…!」
ジュビアが殴られた箇所を見ると、殴られた部分が凍りついていた。
「凍ったままじゃ水にはなれねぇだろ?あとはそこを狙うだけだ」
「くっ…」(これじゃあ水に変身できない)
「次行くぞ!」
「え!?」
バシャァ!
ビキビキビキビキ
リートが水面に手をつけると、水面に氷が広がる。
「次は行動を制限」
「うそっ!」
「そして!」
リートは大きく飛び上がり、ジュビアの後ろに回り込んだ。
「ラスト」
「しまっ…」
「ハッ!」
ドン!!
リートはジュビアの背中に、もう一度冷気をぶつけてジュビアを洞窟の壁に向けて吹き飛ばした。
「キャァァァ!!!」
ドゴォ!!
ドサッ
「気を失ったか」
ジュビアは、そのまま岩の上に落ちてピクリとも動かなくなった。
「ちょっ…早すぎない!?まだ私足が抜けてないんだけど!?」
リサーナは、ジュビアが負けたことに焦りを感じて急いで足を引き抜こうとする。
「諦めろ。お前達の負けだよ」
リートは、リサーナの額にデコピンの要領で指を添える。
「え!?私の終わり方ってデコピンなの!?」
「よーしっ、歯ぁ食いしばれぇ」
「こわっ!」
ピン!
リートのデコピンで、リサーナも気を失ってしまった。
「きゅぅぅぅ…」
「よしっ、終わりっ!」
ジュビア→壁に叩きつけられ敗北
リサーナ→デコピンで敗北
やっといてなんやけど、デコピンて…