FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
そこまで行くのに結構かかった…
「はぁはぁ、早く…みんなに知らせないと…」
ガジルとバンクから別行動を取り、急いで敵襲を知らせようと、レビィはラリカを探しながらキャンプ地へと走っていた。
「ラリカを見つけられなくても、キャンプになら誰かいるはず…誰でもいいから…早く…知らせないと…ガジルとバンクが死んじゃう」
ズザァ!
「キャア!!」
レビィは急ぐあまり足を滑らせ、急な斜面を転がり落ちていく。
「キャァァァ!!!」
斜面を転がり落ちたレビィは、打ち所が悪かったのか気を失ってしまった。
「…ビィ…レビィ…レビィ!」
「…はっ!」
次にレビィが目を覚ましたときには、ラリカが顔面蒼白でレビィを起こしていた。
「よかった!死んでるかと思いましたわよ全く!こんなところで危ないですわよ?」
「そうだ!ラリカ!!大変なの!実は」
「何をやってるんだ?お前達」
「どうかしたんですか?」
「え?何々?何かあったの?」
そこにエルザと、ジュビア、そしてマーラの三人も合流し、レビィが一通りの事情を説明した。
「何!?敵襲だと!!?」
「相手は闇ギルドの悪魔の心臓ですか」
「なんか…六魔よりヤバそうなんですけど…ハッ!急いでウェンディを探して事情を説明しないと!!」
マーラは、ダッシュでウェンディを探しに行ってしまう。
「待てマーラ!!今一人になるのは危険だ!!!」
しかし、マーラはエルザの話しを無視して森の中へと消えていった。
「くそっ!私はマーラを追いかける!ラリカ、お前確か信号弾をもっていただろう。それを打ち上げてギルドのメンバーに敵襲を知らせるんだ!!」
「わかりましたわ!!」
ラリカは急いで赤い信号弾を上げた。
ヒュ~…ドン!
そして、それを見たリート達はテントから信号弾を確認した。
「赤い信号弾…敵襲の合図だ!!」
「て…敵襲!!?」
「どうする?リート」
ミラがリートに訪ねると、リートはコートを着て立ち上がる。
「オレは信号弾の上がった場所を確認してくる。お前とリサーナはもしもの時の為にここにいてくれ。誰かが助けを求めて戻ってくるかもしれないからな、頼んだぞ」
「うん!わかった!」
「気をつけてね、リート」
「おう、んじゃ…ちょっくら行ってくるわ」
リートは、そのまま森へと入って行った。
「信号弾の上がった場所はあの辺り…か、結構距離があるな」
リートは急いで信号弾の上がった場所へと走るが、距離が遠いため中々たどり着くことができない。
そこに…
ドォォォン!!!
「!なんだ!?」
海の方から巨大な爆発音が聞こえ、リートは足を止めた。
「…」(このまま信号弾の上がった場所に行くか…今の爆発を確認しに行くか…どうする…)
「…だぁぁ!!くそっ!次から次へと!!」
リートは、方向を変えて海へと走り出す。
「信号弾はあくまでも敵を確認したという報告だ…だが、爆発音となると、誰かが戦闘してる可能性が高い、ここは爆発の方を優先か」
だが、急いでる間にリートの視界に巨大な火柱が見えた。
「なんだ?…ナツ…じゃねぇな…炎の雰囲気がなんとなく違う…急がねぇと」
そのまま海に急ぐリートの真上を、何かが通りすぎた。
「ヤギ?…何でヤギ?…ってかあのヤギ空飛んでなかったか!?ヤギって空飛べたのか…」
そんなどーでもいいことに興奮していたリートだったが、そのヤギが空から落とした玉のようなものに異変を感じる。
「あの玉…何かいろんな魔力を感じるような…」
バリン!
「なっ!!?」
玉の中から現れたのは、大量の人間であった。
「人!?」
「オラァ!」
「!」
バッ!
ドゴォ!!
リートの真上から降ってきた一人がリート目掛けて剣を振り下ろし、身の危険を察知したリートは、それを紙一重で回避する。
「なるほど、敵襲ってのはお前らの事か」
「殺せぇ!!!妖精は全員狩りつくせぇ!!!」
空から降りてきた人達は、さまざまな武器を持ってリートに襲いかかる。
「なんだと…」
ギン!
ブォワァァ!!!
リートが殺気を放つと、その場にいた全員が足をすくませ、体を震わせていた。
「テメェらここが何処かわかってんだろうな?妖精の尻尾の聖地、天狼島だぞ。悪魔の心臓程度のそこらの闇ギルドが軽々しく足を踏み入れていい場所じゃねぇんだよ」
「貴様…なぜそれを」
「これ見よがしに紋章見せてりゃ嫌でも目にはいるっての、別にテメェらが何処の誰で、何をする気かなんて興味ねぇ…だがな」
リートは、その場にいる全員に睨みを効かせる。
「ウチのギルドを標的にした時点で、全員オレの敵だ。オレ達の命とる覚悟があるなら、当然テメェの命とられる覚悟もあるんだろうな?容赦はしねーぞ」
「うっ…」
「退け、お前達」
悪魔の心臓のメンバーが密集してる奥からやって来たのは、煉獄の七眷属と呼ばれる悪魔の心臓でもトップクラスの実力者の一人、アズマだった。
「あ…アズマさん」
「お前達では相手にならん、オレに任せるといいね」
(こいつ…強ぇな…ここのやつらとはレベルそのものが違う)
「貴様、氷竜のリートのようだね?」
「だったら何だ」
「先程の戦いは子供と猫で消化不足だったのだ。今度は楽しめるといいのだがね」
「!テメッ!うちのギルドのやつに何かしたのか!!!」
シュルルル
「!」
バッ!
アズマの周りから木の根がリートを捕まえようと襲いかかってくるが、リートもそんな簡単には捕まらない。
「そんな単調な攻撃に捕まるわけねぇだろ」
「あぁ、わかっているのだよ」
「!?」
木の根をかわして距離を取ろうとするリートの背後に、既にアズマが回り込んでいた。
ドゴォ!
「ぐわぁっ!」
「…っち!」
ぐるん!
ダン!
アズマに背中を蹴られたリートだったが、空中で一回転し、大木に足をつけ踏ん張りを効かせる。
ドン!
そして、大木を蹴りアズマに拳を構えて突っ込んでいった。
「氷竜の…」
「ほう」
「硬拳!!」
バシィ!
「!」
リートの拳を受け止めたアズマ、そのままアズマは木の根でリートの手足を捕まえる。
ガシッ!
「くそっ!」
「チェイン・バースト!!!」
「しまっ!」
リートの手足を樹木で拘束させた状態から爆発を起こしたアズマ、リートはそれの攻撃をもろに受けてしまう。
ドカァァァン!!!
ブワァッ
爆煙の中から飛び出したリートは、地面に降りたつ。
「ほう、中々強いようだね。さすがは氷竜だ」
「プッ!」
リートは口にたまった血を吐き、アズマを睨み付ける。
「ならこれはどうかね」
キラキラ
「今度はなんだ…」
リートの周りに、光る何かが現れる。
「木の実?」
「ブレビー」
「まさか!」
ドカァン!
リートの予想通り、木の実は爆発し、リートを襲った。
「あまりつまらない戦いにしてほしくないのだがね」
「まだ終わってねぇ!!!」
「!」
爆煙の中から今度はアズマに向かって飛び出すリート、体には何重にも層をした氷を纏っており、爆発を防ぎきっていた。
「なんと!面白い!」
「今度はさっきの数倍だ!!」
リートは、そのまま拳に氷を何重にも纏う。
「氷竜の剛拳!!!」
ドゴォ!!
「ぐおおおっ!」
リートの氷で巨大化した拳はアズマに直撃し、アズマはそのまま吹き飛んでいく。
「と、氷竜の弾落!!!」
ズドォン!!
吹き飛んでいくアズマに狙いを定め、その真上から巨大な氷を叩き落とした。
ズゴゴゴ
「!」
氷を落とした場所から音が聞こえ、その場所をよく見るとアズマが額から血を流し氷を持ち上げていた。
「これだ…この感覚、最高だね!!」
アズマは持ち上げていた氷をリートに向けて投げ飛ばす。
「馬鹿力かよ」
リートは自分に氷がぶつかる前に、粉々に分解した。
「油断大敵なのだよ!!!」
「!?」
粉々にした氷の視覚から、アズマが現れ拳を構えていた。
「なっ!」
「もらった!!」
ドカッ!!
アズマはリートを殴り飛ばすと、もう一度リートの周りに木の実を集結させる。
「ブレビー」
キィィィン
ドコォン!ドン!ドン!ドコォォ!
次々と木の実が爆発し、爆発の連鎖がリートを襲った。
「がっ…」
ドサッ
「もう終わりなのかね?…つまらない」
アズマは気を失ったリートを見て、そのまま立ち去っていってしまった。
(くそっ…体が動かねぇ…意識が…朦朧と…して…きた…)
そして、気を失ったリートが次に見た光景は、真っ白な世界だった。
「どこだ?…ここ」
その場にいるのはリートのみ…と思われたが、
「お久しぶりですね、リート」
「!」
振り返ると、リートの後ろで金髪の少女が立っていた。
「誰?」
ガーン!
少女は、ショックを受けたような顔で今にも泣きそうになっていた。
「そうですよね。覚えてるわけありませんよね…泣いてないですよ。泣いて…ぐすっ、なんか…ないです…ぐすっ」
「えーっと…何か…ごめん」
少女は腕で涙を拭うと、もう一度リートの顔を見た。
「今の私は思念体です。この天狼島だからこそようやく貴方にこうして会えたのです」
「はぁ…えっと、それはどうも」
「私はメイビス、貴方のお姉さんだと思ってください!まぁ義理ですけど」
メイビスはリートに近づくと、ギュッと体を抱き締める。
「はぁ~、懐かしい感覚」
(なんかヤバそうな雰囲気がする!!!)
リートから離れたメイビスは、指先をリートの胸に当てる。
「貴方をここに呼んだのは、ある目的があったからです」
「目的?」
「そう、フランドーラとの約束でしてね、フランドーラ…氷のドラゴンにしか使えない魔法、異結魔法を解きに来たのです」
「フランドーラを知ってるのか!!!?」
「貴方にはいずれ全てを話します。けれど、今できるのはこれだけ」
キィィィ
メイビスの指先が光ると、リートの胸も白く輝き出す。
「これは…」
「異結魔法…それは体の中で害のある存在を自動で氷結させ冷気として体の外に吐き出させる魔法、その魔法で私が貴方に預けた力を害が少なくなるまで掛け続けてもらっていました」
「オレに預けた…力?」
「そう、あなたにはある種族を倒してもらいたいのです。その為にはフランドーラの子供であるあなたが一番適任でした」
「全ての種族の絶対的な力となる魔法…
とうとうここに来てタイトル詐欺になっちゃった…