FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
「ドランバルトさん、大丈夫かなぁ?」
「ほっとけばいいのよ。あーゆーのは」
「シャルルつめたぁ~い…」
雨の降る中、ナツ達はドランバルトと別れた後、意識のないマカロフを連れて拠点へと走っていた。
「アタシはカナが心配、どこではぐれたんだろ」
「キャンプにいるといいけどね」
そして、ナツは人影を見つけて足を止める。
「誰かいるぞ」
そこにいた人物の魔力を感じとり、ナツ達は衝撃を受ける。
「何!この魔力…」
そこにいたのは、悪魔の心臓の最高クラスの敵であるブルーノートだった。
「何でアイツの周りだけ、雨が激しいの!!?」
「なんか…とてつもなくヤバそうだよ」
「肌がビリビリする」
「誰だテメェは」
「飛べるかなァ…」
ブルーノートはナツ達をジッと見ていた。
「いや、まだ飛べねぇなぁ」
そう言ったブルーノートは、片手を前に出してゆっくりと振り下ろす。
「落ちろ」
ゴガッ!!
「うわっ!」
「キャッ!」
「わあっ!!」
ブルーノートが腕を振り下ろした瞬間、ナツ達を巻き込み半径10メートル程の地面が一気に凹み、ナツ達も何かに地面に押し付けられる。
「う…動けない…」
「重力!?」
ブルーノートは、澄ました顔でナツ達を見下ろしていた。
「オレはよう、妖精の尻尾にもゼレフにも興味がねぇんだ。だけど、ひとつだけ欲しいものがここにあるんだ。」
「妖精の尻尾初代マスター、メイビス・ヴァーミリオンの墓はどこだ?」
ところ同じく、キャンプ地に向かうリートは、
「もう少し…後少しでキャンプにつく…」
『おい、リートよ』
「なんだ、今お前に構ってる暇なんかね…!?」
リートの視線の先には、空気のようなものに押し潰されるナツ達と、その中心で立っているブルーノートの姿が目に入った。
そして、その周りは蜘蛛の巣状のヒビが入り明らかに地面が凹んでいた。
『敵だぞ』
「…見りゃわかる」
スタッ
リートはブルーノートがいる地面に降り立つ。
「「「「リート(さん)!!!」」」」
「また1人、妖精が来たか。お前はオレを飛ばせてくれるのか?」
「飛ぶ?意味が分からねぇこと言ってんじゃねぇ。テメェら悪魔の心臓は、どれだけオレ達をコケにするつもりだ」
リートは両手を氷で纏う。
「ここからはオレが相手をする。かかってこい」
「気を付けろリート!!!アイツは…」
「大丈夫だ。勝算はちゃんとある」
「あまり頭にのるなよ?オレは七眷属ごときとは格が違うぞ」
ブルーノートは片手を前に出し、リートの方へと向ける。
「!」
ヒュバッ
ズン!!
「なに?」
ブルーノートはリートの居た場所に負荷をかけたが、それよりも早く危険を察知したリートが一瞬早くその場から移動する。
「あっぶね」
『あれに押し潰されれば、お前も動けまい』
「黙ってろ、今は気を抜くわけには」
グン!
「!」
刃鬼との会話に一瞬気を取られたリートは、ブルーノートの魔法により、体をブルーノートの元に引っ張られる。
「ぐううぅっ」
ドガン!
「ガッ…」
リートは自分が引っ張られるのを利用して、ブルーノートとの間合いに入った瞬間、ブルーノートに頭突きを入れる。
「まだまだぁ!!」
ドゴォ!
「ぐぁぁっ!!」
頭突きをブルーノートに食らわせたリートは、そのまま空中で体を捻らせて回し蹴りを当てる。
「氷竜の凍柱!!!」
リートは吹き飛ばされるブルーノートへ向けて、氷の柱を伸ばす。
ズオオォ
「ぐっ…落ちろぉ!!!」
ズドォン!!
「なに!?」
ズズゥゥン
「ぐっ!しまっ…」
ブルーノートは氷の柱を重力で下に落とすと一緒に、リートの体も地面に押し付ける。
「はぁはぁ…ハハハハ!!!捕まえたぞ!!」
「リート!!」
「リートさん危ない!!!」
「くそっ…動けっ動けぇぇぇ!!!」
「ぐっ…くそっ」
「さぁ、テメェも終わりの時間だ」
「おまえかぁぁ!!!」
リートにとどめを誘うとしたブルーノートだったが、その前にカナがルーシィの元へと戻ってきた。
「カナ…」
「カナさん!!」
「無事だったのね!!」
「あい!!」
「カナのやつ…何する気だ」
「これ以上仲間を傷つけんじゃないよ!!!」
カナはブルーノートへと飛び出し、腕に光を溜める。
「
「光!?」
「なんだあの魔法!!」
「あれは!!」
「まさか」
ブルーノートは、顔色を変えてカナを魔法で押し潰す。
「アァァ!!」
「テメェの持ってるその魔法は」
「まさか!
カナは立ち上がり、ルーシィに視線を向ける。
「ルーシィ、置いてっちゃってごめんね。弁解の余地もないよ…本当に…ごめん、だけど今は私を信じて、アイツにこの魔法が当たりさえすれば確実に倒せる」
「すごい!!!お墓で手に入れたの!!?」
「墓に行ったってことは…おい、まさか試験は」
ナツは、試験の結果を察して苦い顔でカナを見る。
「今はそれどころじゃねぇだろ」
「うん、その話は一旦置いといて、ナツ、リート、アイツを倒すために協力して」
「勝算はどのくらいだ?」
「当たれば…勝てる!!だから、私が魔力を溜める間、アイツを引き付けて」
リートは、ニヤリと笑って立ち上がった。
「OK、それなら十分だ」
「フン!」
ズォォ!
リートの返答と同時に、ブルーノートが魔法でリート達を吹き飛ばす。
「キャァ!!」
「ワァ!!」
「ぐわっ!!」
「ぐっ…」
そして、吹き飛ばした位置でブルーノートは重力で全員を押し潰した。
「オレの重力下で動ける者などいねぇのさ、まさか探してた魔法が向こうからノコノコとやって来るとはなぁ。その魔法はオレが頂く」
「この魔法は、ギルドの者しか使えない!!お前らには使えないんだ!!!」
睨み付けてくるカナを、ブルーノートはただ真顔で見下ろし続ける。
「魔の根源をたどれば、それはたった一つの魔法から始まったとされている。いかなる魔法も元はたった一つの魔法だった」
ブルーノートは、重力でカナを持ち上げ首を締める。
「魔道の深淵に近づくものは、いかなる魔法も使いこなすことができる」
そして、ブルーノートの魔法により、カナからメキメキと締め上げる音が聞こえてきた。
「ぐぁぁぁ!!!」
「逆に聞くが小娘、テメェの方こそ妖精の輝きを使えるのかね?」
「あた…り…まえ…だ」
「太陽と月と星の光を集め濃縮させる超高難度魔法、テメェごときに使えるわけねぇだろうが」
ブルーノートは、カナをよりきつく締め上げる。
「ぐぁぁぁ!!!」
「安心しろその魔法はオレが使ってやる」
ズドン!
「!」
「ぐおおっ!?」
カナを締め上げるブルーノートが、誰かに吹き飛ばされた。
「……」
「テメェ」
「リート!!」
「邪魔するなぁ!!!」
ブルーノートは、片手をリートに向けて突き出す。
ズズゥゥン
「……」
だが、リートが地面に押し付けられる事はなく、黙ったままたっていた。
「…リート?」
「カナ!今の内に!!」
「!そうか!」
黙り込むリートが気になるカナだったが、ルーシィの呼び掛けで魔力を溜める。
「集え!!妖精に導かれし光の川よ!!!照らせ!!!邪なる牙を滅する為に!!!」
「バカな!!!」
「
妖精の輝きを放つカナ、そして放った光はブルーノートを中心に集まり出す。
「ぐおぁぁぁ!!!」
「消えろォォォォ!!!!」
「オォォォォォ!!!」
「落ちろぉ!!!」
ドン!!!!
カナの放った妖精の輝きを、ブルーノートは重力で押し潰した。
力の衝撃で、辺り一面が吹き飛ぶ。
「そんな…」
「この程度で妖精の輝きだと?笑わせんな」
ドサッ
魔法の反動で尻餅をつくカナ、もうカナに魔法を撃つ力は残っていなかった。
「いくら強力な魔法でも、術者がゴミだとこんなものか」
ブルーノートは、カナに歩み寄る。
「クククっ…」
その時、リートはうつ向きながら笑っていた。
「知ってるかね?殺した後でも魔法を取り出せるって」
「オレは今日も飛べなかった。お前は地獄に落ちろ」
「ハハハハハ!!!!」
「…何がおかしい」
大声で笑うリート、その様子にブルーノートは手を止めてリートを睨み付ける。
「クククっ…いやぁ強力な魔法でも術者がゴミだと力も出んか、確かにそうだ」
「リー…ト?」
「何?どうしたのリートは」
「リートさんが何かおかしい」
明らかに様子がおかしいリートに、妖精の尻尾のメンバー達は戸惑っていた。
「ならば、本物の強力な魔法を見せてやろう小僧」
そう言ってブルーノートに視点をむけるリートの額からは、二本の小さな角が見えていた。
「ほう、貴様がオレを飛ばさせてくれるのか?」
「あぁ飛ばせてやろう、この
リートは全身から、黒と青の二色の冷気を放出した。
「モード滅神竜」
「改めて紹介しよう、オレの名は刃鬼だ。
さぁ来い、貴様の全てをオレに見せてみろ」
その様子を見ていたナツは、一言だけ呟いた。
「…アイツ…誰だ」
出したかった展開と思ったより違うぞぉ…まぁ何とかしましょう