FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
「さて、誰から先に殺されたいんだ?」
刃鬼は、一人づつ指を指して聞いていく。
「貴様か?それとも貴様か?いや、貴様が最初でもいいな」
ダン!
刃鬼の話しも聞かず飛び出してくる人物が一人、ナツだ。
ナツは拳を炎で纏いながら刃鬼に向かっていく。
「オレが相手だぁぁぁ!!!」
「ナツか…貴様は一番よく知っているぞ」
刃鬼は、掌に黒い冷気と青い冷気を混ぜて作り出し、向かってくるナツの顔に押し当てる。
「滅神竜…蒼閻」
ドォン!!
「ぐぼぁぁ!!!」
「「ナツ!!!」」
「「ナツさん!!!」」
空高く打ち上げられたナツ、刃鬼はそれを追って自身も空高く飛び上がる。
「貴様が真っ先に飛び出してくることもな」
ズドン!
「ぐぅぉぉぉ!!!」
打ち上げられるナツに追い付いた刃鬼は、強力な蹴りでナツを地面に叩きつける。
「大丈夫!!?ナツ!!!」
「ぐっ…ちくしょう…」
「皆そこから離れて!!!」
ナツに視線を向けていた刃鬼だったが、声のした方を振り向くと、カナが腕を前に出して構えをとっていた。
「ほう、妖精の輝きをもう一度撃つか…」
「リート…アンタ…どーしちまったのさ」
「言っただろう、オレは刃鬼だと、リートの意識は今オレの体の中にある」
刃鬼はニヤリと笑ってカナに話した。
「いいことを教えてやろうカナ、オレの意識とリートの意識を入れ換えさせたくば、オレの魔力を枯らすか今のオレを倒す、もしくはオレ自身が入れ替わろうと念じることでリートの意識は戻ってくる…つまり、貴様らが本気でかかってこればリートが戻ってくる可能性もゼロではないということだ」
「…それを聞いて安心したよ。なら全力でぶっぱなしても良いってことだね!!」
「あぁ、もちろんだ」
カナは魔力を込め始めた。
「全員!ここから離れて!!!」
カナの呼び掛けで、その場にいた全員が走り出した。
「ホントにアイツの言うこと信じていいの!!?」
「今はそれしかないよ!!」
「でも、もしそれでリートさんが死んだりしたら…」
「アイツはあんなもんで死んだりなんかしねぇ!!とにかく走れ!!!」
「集え!!妖精に導かれし光の川よ!!!照らせ!!!邪なる牙を滅する為に!!!」
カナは、今度こそ全身全霊の力で、妖精の輝きを刃鬼に向けて撃った。
「妖精の輝き!!!!」
キィィィィン
ズドォォォン!!!
「ぐおぉぉぉぉ!!」
「うわぁ!!」
「「「きゃぁぁぁ!!」」」
「何て力…さっき以上の強さじゃない」
シュゥゥゥゥゥ
「はぁ…はぁ」
「やはりこんなものか」
「!」
煙が晴れると、そこには薄い氷を全身に纏った刃鬼の姿があった。
「そんな…全力でやったのに」
「確かに威力はすさまじかったぞ、さすがのオレも一瞬ヒヤリとさせられた。
だが、やはりあの男が言っていたように、魔法そのものが素晴らしくても、使い手がごみだと所詮こんなものなのだ。カナ、貴様がまだ弱いのだ」
「やっぱり…私の力じゃ…」
「ククククッ…そう気を落とすな、魔法自体は素晴らしかったぞ、そう、オレに防御をさせるほどにな」
そして、刃鬼は片手を上げてカナに向かって振り下ろそうとする。
「死ね」
「滅竜奥義!!!」
「!」
「紅蓮爆炎刃!!!」
カナに止めをさそうとする刃鬼に向けて、ナツは前に飛び出し滅竜奥義を撃った。
ゴォォォォ!!!
「ナツ…」
「何してやがる!!さっさと逃げろ!!!」
「!わかってる!!」
カナは、その場から離れるように走り出した。
「いいぞぉ、逃げろ逃げろ、おいかけっこもまた一興だ」
爆炎の中から聞こえる刃鬼の声、それはナツの滅竜奥義が全く効いてないことを表していた。
「くそっ!これでもダメか」
「ナツ、忘れたか?リートの冷気は貴様の炎でさえも何度も凍らせてきたことを」
「お前は…リートじゃねぇだろ、さっさとリートを返しやがれ」
「この体はリートそのものだ。アイツに出来てオレに出来ん道理がない」
刃鬼はまた魔力を込めだした。
刃鬼の体に悪魔の紋章が浮かび上がり、刃鬼は腕を上げて無数の長針を作り出す。
「モード滅悪竜、滅悪竜…魔輝」
刃鬼は、逃げているカナ達に向けて針を飛ばした。
「やめろぉぉぉぉ!!!」
「ハハハハハ!!!!」
バキィン!!!
「!」
パラパラ
刃鬼の飛ばした針は、カナ達に当たることはなく、カナ達の前に飛び出したギルダーツが一瞬で全ての針を砕き落とした。
「ギル…ダーツ…」
(お父…さん)
「フッ…来たか」
「ようリート…オメェ…どーゆーつもりだ」
何とかギルダーツを出せた…