FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
ドカッ、バキッ、ドゴォ!!
「ぐぉぉっ…」
「どうした?さっきまでの威勢はどこに行ったんだ?ギルダーツよ」
力の出ないギルダーツを、刃鬼は笑いながらいたぶり続ける。
「つまらんな、コレでは戦いにすらならんではないか。とりあえず、面倒なことにならんよう、貴様のその義手と義足はとっておかねばならんな」
刃鬼は、新たに自身の体に魔力を込める。
「モード滅物竜」
トッ
バシュゥ
「!」
刃鬼がギルダーツの義手に触れると、ギルダーツの義手が一瞬で消えてしまった。
だが、刃鬼はまだ満足していなかった。
「次は…足か」
トン
「なっ!?」
次に刃鬼はギルダーツの義足をつま先で軽く蹴ると、いとも容易く義足が消し飛んだ。
「さて、これで貴様はもう何も出来まいコレでも足掻くというなら好きなだけ足掻いてみろ」
刃鬼は余裕の笑みでギルダーツを見下ろした。
「はぁ…はぁ…リート…聞こえてるか…?」
「?何だいきなり、今のリートに語りかけようとしても無駄だぞ、アイツはオレの意識の内側に飲まれている。貴様の声が届くはずもなかろう」
「いや、リートはそんなタマじゃねぇ…アイツなら必ず聞こえてる」
ギルダーツは地面に倒れながらも、刃鬼の目を見てリートに語りかけ続ける。
「戻ってこい…リート」
「くどいな、何度も言わせるな、奴は…」
ズキン!
「!ぐおぉぉぉ!!!…な…何だ!!」
語りかけても無駄と主張していた刃鬼だったが、突如頭痛に襲われ、もがき苦しみだした。
『テメェ…随分とオレの仲間をいたぶってくれたじゃねぇか』
「貴様…意識が…」
刃鬼の意識に直接体内から語りかけてくるリート、その声は明らかに怒りで声音が変わっていた。
『いつまでもテメェの自由にできると思うなよ。その体はオレのものだ』
「ふざっ…けるな!!悪魔の心臓のガキから助けてやった恩を忘れたか!!!」
「?何だアイツ…いきなり苦しみ出しやがった 」
リートの声が聞こえていないギルダーツにとって、刃鬼の行動は異様なものに感じていた。
『確かに借りはある。だがな、それとこれとは話しが違ぇんだよ。家族を護る為にテメェに一時的に体を貸したが、その護るべき家族が殺られそうになってるのを見て黙ってられる訳ねぇだろうが』
「はぁ…はぁ…つくづく呆れたバカだな貴様は…オレが意識を奪って何もせん訳がなかろう…貴様の判断ミス…だ…」
『あぁ、だから自分のケツぐらい自分で拭わねぇとな、だが、今オレに出来る事はお前の動きを制限する事だけだ。だからこそ、家族の力を借りてテメェを倒す』
「ハッ!ならその前に貴様の大事な家族とやらには死んでもらうとしよう!!!」
刃鬼は、痛む頭を抑えながらもギルダーツに向けて突っ込んでいく。
「死ね!!!」
ガシッ
「な!?」
刃鬼は地面に横たわるギルダーツに拳を振り下ろすが、その拳はギルダーツ本人によって受け止められた。
「貴様力が…いや、だが義手も義足も無い体では立ち上がれんハズ!!」
「手足ならあるさ…オレの大事な仲間が授けてくれた。最高の手足が…」
ギルダーツはゆっくりと立ち上がる。そして消し飛ばされた義手と義足の部分は氷で新たに作られていた。
「バカな!!氷…まさか!!」
『あぁ、お前が悶え苦しんでる時に作らせてもらったよ。あまり出来のいいもんじゃなかったけどな』
「き…貴様ぁ!!!!」
「オイ」
「!」
ギルダーツの声に反応した刃鬼は、振り返るとそこにはギルダーツが拳を構えて立っていた。
「歯ぁ食いしばりやがれ」
「!」
「破邪顕正・一天!!!!」
ドゴォ!!!!
「ぐぼぇがぁぁぁ!!!」
刃鬼の肩を義手で抑えながら、ギルダーツは刃鬼の腹目掛けて全力の一撃を叩き込んだ。
ドサッ
倒れそうになるリートを受け止めるギルダーツは、笑いながらリートに話しかけた。
「ようリート…やっとお帰りか」
「…へへっ、悪ぃな…助かったぜ」
「ま、コレで貸し1つだからな、今度オレと飲みに付き合えよ。当然お前の奢りでな」
「ははっ…随分とデケェ貸しが出来ちまったな」
今後の刃鬼はどうやって出していこうか…