FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
「小僧!!?」
「フン!!」
バチィッ!!!
ハデスの目の前に降り立ったラクサス、そのままラクサスはすかさずハデスに向かって頭突きを繰り出した。
「ラクサス…」
「ラクサスが来てくれた」
「この人がマスターの…」
仲間のピンチに現れたラクサスに、ナツ達は安堵を見せる。
「こやつ、マカロフの血族か」
「フン!情けねぇなぁ、揃いも揃ってボロ雑巾みてーな格好しやがって」
ラクサスは、フラフラで立っているリートに視線を向けて話しかける。
「そもそも、テメェがいながら何やってんだヨ、リート」
「うるせぇ、こっちだっていっぱいいっぱいだったんだよ。つーか、なんでオメェこんな所にいんだよ」
「先代の墓参りだよ。コレでも元妖精の尻尾だからな」
「へっ、墓参りねぇ」
リートは、ゆっくりとラクサスの横に並ぶと、ラクサスに張り合うように肩を並べる。
「言い訳が苦しいんじゃねぇか?お前にしては」
「うるせぇよ。オレがオメェにトドメを刺してもいいんだぜ?」
リートは、ニヤリと笑ってラクサスに答えを返す。
「お前じゃ無理だね。仲間だもんよ」
「ッチ、分かったような口利きやがって」
ラクサスは、今度はハデスに視線を向けて、話しかける。
「オレはメイビスの墓参りに来たつもりだったんだがなぁ、こいつぁ驚いた。2代目さんが居られるとは…せっかくだから墓を作って、拝んでやるとするか、手ぇ貸せよリート」
「言われなくても」
ラクサスは雷を、リートは冷気を身体から放出させて構えをとった。
「フッ、ヤレヤレ小僧にこんな思い上がった親族が居たとはな」
ハデスもまた、魔力を身体から放出し、臨戦態勢になる。
「ラクサス!!!」
ラクサスが光速でその場から動き、リートはラクサスの動きに合わせて氷で足場を作る。
「ヌッ!!」
リートが足場を作ったことで、ラクサスは縦横無尽に動き回りハデスを混乱させる。
(速い、そして何より動きが不規則で目が追いつかぬ)
「フン!!」
困惑するハデスに向かってラクサスが蹴りを繰り出し、追い打ちをかけるようにリートが正面からハデスの腹向けて拳を繰り出す。
「ハァッ!!!」
「あの二人が…」
「まさか共闘するとはな…」
「でも、凄く頼もしい」
リートが殴り飛ばしたハデスをラクサスが追いかけ、ラクサスが技を仕掛ける。
「雷竜の、顎ォ!!!」
ハデスを床に叩きつけたラクサスは、その場から飛び上がり、そこにリートが作り出した氷の塊が落ちてくる。
「氷竜の、弾落!!!」
ズドォォン!!!
落とした氷の上から、ラクサスが雷を纏った足で氷の塊を突き抜け、ハデスに向かって蹴りを繰り出す。
だが、ラクサスの蹴りは僅かに反れ、ハデスは氷の塊から抜け出した。
「フン、なかなかの身のこなし、そしてその魔力、更には即興のコンビネーションも悪くないときた。小僧め、ギルダーツ以外にもまだこんな駒を残しておったとは」
「ハッ!この程度じゃまだまだ物足りねぇだろ?あそこのバカにオレが合わせてやってるんだからなぁ」
「誰がバカだ!!!第一合わせてるのはオレも一緒だっつーの!!!」
「ならば準備運動はもうよいだろう。かかってこい!!小童共!!」
「おもしれぇ、ギア上げてくぞ、リート」
「いいぜ、オレの新技お前にも見せてやるよ」
「いくぜ…」
「あぁ」
リートは真っ直ぐにハデスに向かって飛び出し、同時に拳を繰り出した。
ハデスがリートの拳を受け止めるが、今度はラクサスの拳が迫ってきており、リートの拳から手を離し、ハデスは後ろへと大きく飛ぶ。
「オォォォォ!!!」
飛び上がったハデスに向けて、ラクサスはブレスを吐き出すが、ハデスは船の壁を伝ってブレスを上手くかわす。
かわしたままハデスが魔法で鎖をラクサスに向けて飛ばし、ラクサスが鎖をかわすが、鎖は後ろの球型の模型に当たりハデスが鎖を操って2人に向けて転がしてくる。
2人は模型をかわし、地面に着地したハデスに向かって走り出した。
今度はラクサスが拳を構えハデスに殴りかかるが、ハデスは魔法でラクサスを吹き飛ばした。
その隙にリートが空中に飛び、ハデスの顔面に向けて回し蹴りを仕掛けるがハデスはしゃがみこんでリートの蹴りをかわし、動いていないラクサスに向けて魔法陣を仕掛ける。
「これは、天照式の!!!」
「散れぇい!!!」
ラクサスを囲む魔法陣が爆発し、巨大な爆炎でラクサスの姿が見えなくなる。
「ラクサス!!!」
ハデスはリートから距離をとると、ラクサスのいた場所を視界に入れながらリートを警戒する。
「これをくらったものは、四肢の力を失いまともに動くことは不可能、例え防いだとしてもその魔力の消耗は致命的」
「モード滅獣竜!!!!」
リートは床に足を付けると、モードを切り替え、
リートの牙は八重歯の見えるほどに伸び、黒目が細くなると手を床に着け、警戒する獣のように構えをとり高速で走り出す。
「何ィッ!!?」
更に、先程爆発した場所からラクサスが飛び出し、2人がハデスの後ろに回り込むと、ラクサスはハデスの後頭部に蹴りを、リートは背中に肘打ちをくらわせた。
「ぐわぁぁぁっ!!!」
この光景を見ていたグレイやエルザ達は、2人のコンビネーションを賞賛する。
「スゲェ」
(こんなに強かったのか、ラクサス…そしてそれについて行くリートも)
「それがテメェの新しい能力か?リート、そんなもんじゃ足りねぇぞ」
「うっせぇ、一瞬しか発動してねぇだろーが 」
リートは立ち上がると、起き上がろうとするハデスを見ながら言った。
「獣は本能で相手を見抜き、聴覚で危険を捉え、嗅覚で居場所を当て、視覚で動きを読む。どんだけテメーが強かろうと、獣の本能には逆らえねぇんだよ」
「ほざくな小童共がぁぁ!!!」
ハデスの闇の魔法と、ラクサスとリートの放った雷と冷気がぶつかり合い爆発を起こした。
「はぁっ、はぁっ」
「ぬおっ!」
ドサッ
荒い息を上げるリートの横で、ラクサスが膝を着いてしまった。
「!ラクサス!!!どうした!!?」
「おやおやどうしたね?大口を叩いた割には、膝を着くのが早すぎるではないか」
「!お前、まさかさっきの天照式の魔法を!!」
「ラクサス!!!」
「やはりか!!」
「さっきの魔法をくらってたんだ!!」
片膝を着きながら息を荒らげるラクサスは、下を見ながら苦しそうに話す。
「クッ…ハハハハッ…世界ってのは、本当に広い。オレがリートと手を組んでも倒しきれねぇ相手がいるなんてな、リートは満身創痍だとしても…オレは…まだまだ」
「何言ってんだぁ!!!」
「テメェ!諦めるなんてねぇだろ!!」
「しっかりしろよ!!ラクサス!!!」
「やってくれたのう、ラクサスとやら。だがそれもここまで、リートとやらも1人では私に手も足も出ぬほどの重症、ウヌらはもう、消えよ!!!」
ハデスは強力な魔法を込めて、ラクサスとリートのいる場所目掛けて撃ち出した。
「やべぇ!!!」
バッ!
「……は?」
リートがハデスの魔法に気を取られた時、ラクサスはリートをナツ達のいる所へ突き飛ばし、リートもあっけに取られながら吹き飛ぶ。
「オレはよう…もう妖精の尻尾の人間じゃねぇけどよう」
ズザザァァ!!!
「くっ!ラクサス!!!」
「ラクサス!!!」
「避けて!!!」
「それをくらったらダメです!!!!」
「ラクサスゥゥ!!!!」
「ジジイをやられたら…怒ってもいいんだよなぁ!!」
ラクサスの怒りに、ナツとリートは同時に叫んだ。
「「当たり前だァァァ!!!!!」」
それを聞いてラクサスは笑うと、残った魔力を全て解放する。
その雷の魔力は、ナツに向かって飛んで行った。
(雷!!?)
(ラクサス…)
それと同時に、ハデスの攻撃はラクサスに当たり、ボロボロのラクサスが床に倒れ込んだ。
(オレの…奢りだ…テメェらは2人で1つなんだろ?リートも強くなったなら…ナツも……強くならねぇとな…)
ラクサスの雷を纏ったナツと、青と黒の冷気を纏ったリートが同時に立ち上がった。
「はぁ…はぁ……ごちそー…さま」
「えぇ!?」
「ナツさん…リートさん」
「モード…滅神竜、今度は獣より魔力の消耗が激しい分、さっきの比じゃねーぞ」
「オレの…全魔力だ」
「何!?」
「自分の全魔力を、ナツに!?」
「ってことは…」
「雷、食べちゃったの?前はそれで寝込んじゃったって聞いたけど」
「なんで…リートじゃなく、オレに…オレはラクサスやリートより、弱ぇ」
ナツは苦虫を噛み潰したように歯を食いしばり、ラクサスをみる。
「強ぇか弱ぇかじゃねーだろ、傷つけられたのは誰だ?ギルドの紋章を刻んでねぇやつが刻んだやつと一緒にやってどーする!!ギルドが受けた痛みはギルドが返せ!!100倍でなぁ」
「…ナツ…ラクサスがここまで言ってんだ。手を貸してくれるな?」
「くっ…あぁ!」
ナツは雷を纏った炎を放出し、気合いを入れる。
「炎と雷の融合…雷炎竜」
「100倍…」
「いや、2人で」
「「200倍返しだ」」
最初に滅神竜使えよと思った方、引き伸ばしですよ引き伸ばし