FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」   作:タイキック新

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だぁぁぁ!!こーなりゃ一気に最後まで行ったれ!ここは長いですぞ皆さん!!


ケミストリーという男

「……出てこないねぇ」

 

カナはしばらく様子を見ていたが、リートが出てくる気配がない為しびれをきらす。

 

「あーもう!じれったい!!こーなったらもう全部燃やして」

 

カナが、懐からカードを取りだして構える。

 

「いやカードの効力切るだけでいいと思いますわよ?!!」

 

「あ、そっか」

 

カナは自身の魔法を解いて、辺り一面の森を消し去る。

 

シュゥゥゥ

 

「フフーン、みーつけた」

 

「リート!!気をつけてくださいまし!!」

 

「……」

 

カナはカードを投げつけて、リートに攻撃を仕掛ける。

 

「これで…終わりだよ!!!」

 

「チッ…ゴミが」

 

リートが腕を軽く払うと、カードが凍りつき床に落ちる。

 

「なっ!!」

 

「リート?」

 

《決してアイツらにお前の存在を感ずかせるな》

 

(確認の為に入れ替わらないといけなかったとはいえ、リートのやつ無駄に交渉を取り付けやがって)

 

現在、リートと刃鬼の中身が入れ替わっていた。

 

(滅悪竜 魔輝)

 

刃鬼は、空中に無数の氷針を作り出し、カナに向けて飛ばす。

 

「つっ!!札魔法!!石壁!!」

 

ズババババ!!

 

「アァァァ!!!」

 

氷の針はカナの作り上げた石の壁を貫き、カナは間一髪で腕で顔をガードし防ぐが、氷の針はカナの腕に突き刺さる。

 

「チッ」

 

(一気に貫いて一瞬で終わらせてしまうつもりだったが…やはりオレ達の世界のカナとは違うか)

 

「中途半端な力は、より自身を苦しめるぞ」

 

「くっ!札魔法!!爆発(エクスプロージョン)!!!」

 

ズドォン!!!

 

パラパラ

 

「どう!!これなら」

 

「モード滅神竜」

 

「!」

 

刃鬼は煙が晴れる前にカナの懐に入り込み、掌に青と黒の混ざりあった冷気を作り出す。

 

「滅神竜 蒼閻」

 

ズドォン!!!

 

「かはぁっ!!!」

 

カナの腹に手を当て、冷気を手元で爆発させると、その勢いでカナは吹き飛んで行き、壁に叩きつけられると、カナはナグオの姿に戻って意識を失っていた。

 

(この程度だったか)

 

刃鬼はリートと入れ替わり、元に戻ったリートがナグオの元に駆け寄る。

 

「ナグオ!!!」

 

「大丈夫ですの?!!」

 

リートに続いて、ラリカも倒れてるナグオの元に駆け寄る。

 

「フフフッ…甘いよ2人とも…敵のボクを心配するなんて」

 

「言っただろ、お前は仲間だって」

 

「そっか……でもボクはもう動けない、あとは好きにするといいさ」

 

そう言ってナグオは動かなくなってしまった。

 

「……くっ…」

 

「ナグオ…おバカ…」

 

2人は涙を流して歯を食いしばっていた。

 

「ラリカ…絶対にケミストリーを倒すぞ」

 

「…はいですわ!」

 

「あの天井を突き破れば一気にケミストリーの所に行けそうだな」

 

リートは上にある自身が落ちてきた場所を見上げて、そう呟く。

 

「ということは、私の出番って訳ですわね」

 

ラリカは翼で宙に浮かび、リートの背中をしっかりと掴む。

 

「あぁ、頼むぜ相棒」

 

「お任せあれですわ」

 

 

ズドンッ!!

 

ラリカはリートを掴んでアッサリと天井を突き破った。

 

「意外と簡単に突き抜けられましたわね」

 

「お前が怪力だかr「何か言いましたの?」なんでもありません」

 

「もう1枚天井がありますわね」

 

「よしっ!行けラリカ!お前の怪力で一気に突き破「八つ裂きにしますわよ?」すんません…一気にお願いします」

 

ラリカはリートを掴みながら、天井を一気に突き破った。

 

「よしっ!ここか」

 

「目の前に扉があるところからして、恐らくここで間違いないですわ」

 

「あれ?リート?」

 

リートが後ろを振り返ると、戦闘後と思われるマキナが立っていた。

 

「マキナ」

 

「五体満足でなによりかな」

 

「あぁ、なんとかな」

 

「それでこの向こうにDr.ケミストリーがいるのー?如何にもって感じの雰囲気だけど」

 

「あぁ、あのクソ科学者の嫌な臭いがプンプンしやがる」

 

「そっかー、じゃあケリつけなきゃだねー」

 

「あぁ、最期の闘いだ」

 

リート達が扉を開けると、そこにはやはりDr.ケミストリーが待ち受けていた。

 

「あっーほっほっほっ!!!まさか、ここまで辿り着くとは思わなかった!まぁ、敢えて言おう!待ちくたびれたぞっ!」

 

扉を潜った先に待ち構えていたのは、特徴的な笑い声を挙げる白衣の老人。聞き慣れてしまった笑い声さえも不協和音を奏でられているかのように感じ、マキナの顔から笑みが消えた。

 

「ごめんねー、待たせてー。ホントはもっと早くに着く予定だったんだけど、ワケわかんねぇトラップに巻き込まれちゃったんだ」

 

「博士、それは誰かを待たせた時に使う決まり文句なのは確かではあるけれど、今の場面に使う台詞ではないよ」

 

「そっかー、間違えちゃったかな。じゃあ、気を取り直して………その耳障りな口を閉じやがれかな、クソジジイ」

 

「テメェの趣味に付き合う時間はもう終わりだ。ここからは、オレ達の戦いに付き合ってもらうぞ、クソ科学者」

 

「それはどうかな?AKAGIとNAGUはやられたが、私にも戦闘の手段はあるのだよ」

 

パチンとDr.ケミストリーが指を鳴らすと、ケミストリーの後ろから人1人が乗り込めるほどの大きさの戦闘用ロボットが出現する。

 

『あーっほっほっほっ!コレが私の最後の兵器なのだよ!さぁ!一思いに叩き潰してあげよう!』

 

「叩き潰されるのはお前だよ」

 

「ボク達が負けるなんてありえないかな」

 

『あーっほっほっほ!!!自意識過剰も程々にするといいよ!!!』

 

バシュウゥ!!

 

Dr.ケミストリーの乗るロボットが、腕をマキナに向けて飛ばしてくる。

 

ヒョイ!

 

マキナは体をかがめて腕をかわすが、ロボットの腕と本体を繋げる鉄製の紐がマキナの身体に絡みつく。

 

「!」

 

「氷竜の剛拳!!!」

 

腕に何重にも氷を纏わせたリートが、巨大な拳をケミストリーに向けて突き出す。

 

ガシッ!

 

だが、ケミストリーはそれを空いた片手でアッサリと受け止める。

 

「ふーん?なんか絡みついてるかな。取り敢えず……えいっ!」

 

その様子を動きを封じられた状態で見ていたマキナは手にしていた双刃剣を一振りし、自分を拘束していた鉄製の紐に振り下ろす

 

『あっーほっほっほっ!無駄だ!そのワイヤーは特殊な合金にカーボンファイザーを混ぜ合わせた合成金属!!!鈍如きでは傷一つ付かんよ!!』

 

「言ってくれるねー?デウスとエクスはボクの最高傑作なんだけどー?」

 

『最高傑作?笑わせてくれる!我が頭脳を総動員させたこのケミストリーキングには及ばんっ!!貴様等の攻撃では私を引きずり出すことも不可能に等しい!!さぁ、抜け出せるものなら抜け出してみるがいい!』

 

物質移動(アポーツ)!!」

 

自分を拘束していた鉄製のワイヤーに触れ、体内の魔力が均等に行き渡る様に流し込む。刹那、拘束していた筈のワイヤーからマキナの姿が忽然と消えた

 

『なんだとっ!!?私のケミストリーカイザーの拘束を破った!?なにをしたっ!!』

 

「なにって移動魔法だけど?一応、言っておくと滅竜魔法はあくまでも二番煎じな上に諸刃の剣、ボクの本来の魔法は物質移動かな。あと、ロボットの名前を統一しやがれかな」

 

「物質移動も使い方次第で化ける魔法みたいだな」

 

「切り札は最後まで見せねぇ方が不思議だからね」

 

「おい、クソジジイ」

 

『!』

 

リートは掴まれていた氷を自信で砕き、ケミストリーのロボットの腕から抜け出しており、懐で拳を構えていた。

 

「誰か忘れてんじゃねぇか?」

 

『しまっ!』

 

「氷河螺旋拳!!!」

 

ズドォン!!!

 

『ぐぉぉぉぉ!!!』

 

リートは、冷気の渦を纏った拳でケミストリーロボを殴りつける。

だが、ケミストリーロボは踏ん張りを効かせて、地面に足をつけて後ろにズリ下がる。

 

ズザザァァァ!!!

 

ケミストリーが顔を上げると、リートとマキナの2人が剣を振り上げて迫ってきていた。

 

「「くらえぇぇぇ!!!」」

 

ズバン!

 

2人が剣を振り切り、ケミストリーロボにダメージを与える。しかし、ケミストリーロボは一瞬ひるんだだけで体制を立て直す。

 

「なかなかどうして……一筋縄ではいかねぇかな。あのロボットの動きを封じないと、当たる攻撃も当たらない………かと言って、闇雲にやるだけじゃどうにもならない……なにかしらの弱点はないもんかな」

 

攻防戦を続けながらも、マキナは思考を巡らせ、ケミストリーロボに対する攻撃を当てる為に策を練る。

機械とはいえ、人の手で生み出された人工物、故に完璧、完全等という言葉は該当しない。

人の手で生み出された物体には必ずと言っていい程に改善すべき弱点又は欠陥が存在する、思考を巡らせつつ、視界を巡らせる

 

『あっーほっほっほっ!無駄な足掻きはやめたまえ!機械こそが世界を支配し、醜い人間は淘汰される!これこそが科学の進歩!!』

 

「うるせぇ………」

 

『なに?』

 

Dr.ケミストリーの言葉に、マキナの中で何かが音を立て、崩れた。理屈よりも先に激しく、ゆらめき、何かが湧き上がる

 

「お前が科学を語るな………科学も……魔法も……人々の暮らしを支える大事な技術だ…….そんなことも理解出来ねぇヤローに……科学者を名乗る資格も、科学を語る資格もねぇ!!お前はボクたちが斬る!!〝X(見えないもの)〟が見えるのはこっからだっ!!!」

 

「マキナ…フッそうだな」

 

リートは拳に氷を纏い、ケミストリーを睨みつける。

 

「オレは、化学なんて全くもって分からねぇ、けど、お前が間違っている事は分かる。ギルドの仲間を潰したテメェに何かを語る資格なんてねぇ」

 

「「オレ達がお前をぶっ潰す!!!」」

 

『遺言はそれでよいかな?ならばもう君達は死んでよし!私の科学力の前に手も足も出ないことを思い知らせてあげよう』

 

ケミストリーが手元のスイッチを押すと、ロボットの両手が変化する。

 

片手はドリルへと、もう一方の手は赤く高温になり明らかに熱を発していた。

 

「物質移動!!爆裂魔水晶!!」

 

マキナはケミストリーロボの目の前に、魔水晶を転移し目の前で爆発を起こそうとするが、

 

ギュッ!ボンッ!

 

「なっ!!」

 

ケミストリーロボは熱を発する片手で魔水晶を握り込み爆発を抑え込む。

 

「氷竜の凍剣!!!」

 

スキを見せたと思ったリートは、ケミストリーロボに向けて氷の剣を振り下ろす。

 

ギャリリリリ!!

 

「ぐっ…くっ」

 

バキィン!!

 

「しまっ…」

 

ドリルの回転で剣が砕けたリートは、体制を崩して、ケミストリーロボにスキを見せる。

 

『まずひとりィィ!!!』

 

ドスッ!!

 

「がふぅっ!!」

 

「リート!!!」

 

巨大なドリルを腹に突き立てられたリートは、後方へ勢いよく吹き飛んでいった。

 

「大丈夫!!?リート!!」

 

「ガフッ…あぁ、なんとか腹に張った氷で防ぎきった…」

 

リートはゆっくりと立ち上がり、マキナと肩を並べた。

 

「あのロボット、見た目の割に厄介な装備が満載かな……爆裂魔水晶は熱を発する手で止められる……氷の刃はドリルの回転で砕け散る……考えろ…考えるんだ………熱……そうかっ!ひらめいたっ!」

 

ケミストリーロボの構造を観察し、思考を巡らせ、弱点を探るマキナ。一度は怒りで破棄した思考を鮮明にした瞬間、その脳裏に何かが浮かび、手を叩いた

 

「何かあるのか?作戦が」

 

「上手く行くかは微妙なんだけど、あの熱を発する方の手をどうにかする方法があるよ。熱を発する原理は二つ、一つは火などの自然エネルギーが該当する」

 

「なるほどな、もう一つは?」

 

「物質を利用する化学エネルギーだね、あのロボットは後者に該当するかな。でも化学エネルギーは自然エネルギーとは裏腹に膨大な量の物質を燃焼させる必要があるんだ。

あの熱を発する力は其れの応用と考えた方がいいね……でも、だからこそ利用出来るんだ」

 

「敵の利点を弱点に変える…….みたいな感じか?」

 

「うん、ロボットを急激に冷やすことでケミストリーは確実に機械を一定の温度まで温めるハズ…そこを更に急激に冷やせば、どうなると思う?」

 

頭のゴーグルに触れ、意味深に笑うマキナ。彼が見据える先にはサイエンスギルドで僅かばかりの科学的発想を受け入れたリートの姿があった

 

「そうか…!逆に機体に負荷が掛かり、脆い部分が生まれる…!」

 

「その通り!物質移動!! 水蒸魔水晶(ウォーターサーバー)!!」

 

リートの答えにニヤリと笑ったマキナは無数の魔水晶を呼び出す。

しかし、其れは十八番芸の爆裂魔水晶とは色味が異なる魔水晶。何が起きるのか、理解不能な其れはロボットの周囲に包囲網を生み出した

 

「爆発するのが火だけだなんてのは大間違いかな。液体、気体、個体、凡ゆるモノが組み合わせ次第で爆弾に変化する!それは水もおんなじだよっ!!さぁ!喰らいなよっ!独奏不思議爆閃光(ソロワンダーインフェルノ)!!!」

 

マキナが指をパチンと鳴らした瞬間、無数の魔水晶が連鎖爆発を起こし、空間全体的に爆発が巻き起こした煙が立ち込め、互いの姿を視認出来ない程に

白一色に染まった

 

『おのれ!小癪な真似を!!しかし、何処に隠れようと無駄だ!煙が晴れた時がお前たちの最後だ!!』

 

「聞いてなかった?だったら、仕方ないから、もっかいだけ言っとくよ……〝X(見えないもの)〟が見えるのはこっからだ」

 

煙が晴れる瞬間を待っていたDr.ケミストリー。だが、視界に捉えたのは爆風に白衣を棚引かせる深紅の髪の少年一人。数秒前までは確認出来ていた青髪の青年の姿が何処にも見当たらない

 

『リート・イクシーズは何処に消えたっ!!』

 

「準備はいいですの?!!リート!!」

 

「あぁ、頼む!」

 

リートはラリカに空中に運んでもらい、ケミストリーの真上に移動していた。

 

「それじゃあ、行ってらっしゃいまし!!」

 

ラリカはリートを、真下にいるケミストリーに向けて全力で投げつける。

 

『!上かぁぁぁ!!!』

 

「凍てつけぇぇぇ!!!」

 

バキィィン!!!

 

『な…なにィィッ!!!!』

 

リートは、落ちてくタイミングを見計らいケミストリーロボの熱を発する腕を凍らせた。

 

『こんなものぉ!!ケミストリーキングの熱で溶かしてくれるぅぅぅ!!!』

 

「オォォォォォォォ!!!」

 

シュゥゥゥーッ!!

 

パキパキパキパキ

 

ケミストリーロボの発する熱で氷をとかそうとするが、リートはそれでも魔力を送り続けて氷を張り続ける。

 

『舐めるなぁぁ!!!』

 

「ォォォォォォォォ!!!!」

 

ビシビシビシ

 

次第に、ケミストリーロボの腕が限界を迎え始め、腕にヒビが入ってゆく。

 

『なっ!!?』

 

「こ!わ!れ!ろぉぉぉぉ!!!!」

 

バリィィン!!!

 

『バカな…!!!』

 

ケミストリーロボの腕がついに壊され、それと同時にリートが地面に着地しマキナを呼ぶ。

 

「マキナァァァ!!!」

 

「準備オッケーかな!!」

 

マキナは剣を構え、既にケミストリーロボを狙っていた。

 

「一刀竜・竜災天!!!」

 

マキナが斬撃を飛ばし、それに続くようにリートも両の手を合わせて巨大な剣を作り出す。

 

「滅竜奥義!!!氷刀飛影斬!!!」

 

 

「「合体魔法!!!天災斬影双(てんさいざんえいそう)!!!」」

 

 

リートとマキナの斬撃が合わさり、ケミストリーロボに向かって飛んで行く。

 

『そんなものぉぉぉ!!!』

 

ケミストリーロボは、残ったドリルを斬撃に向けて突き出した。

 

「「オォォォォォォォ!!!!」」

 

『ぬぅぅぅぅぅん!!!』

 

ギャリリリリ!!!

 

斬撃とドリルの激しいぶつかり合いは、どちらも拮抗しているように見えた。

 

「「いけぇぇぇぇ!!!!!」」

 

ズッズズッ

 

ケミストリーロボのドリルに、徐々に切れ込みが入り込む。

 

『そんなっ!!!馬鹿なぁぁ!!!』

 

ズッパァン!!!

 

ついに斬撃はケミストリーロボの胴体事切り裂いてケミストリーロボは大爆発を起こした。

 

ドカァァァン!!!

 

「はぁ…はぁ…」

 

「はぁ……はぁ」

 

残った魔力全てをぶつけ全力を出し尽くした2人は、同時に地面に膝をつく。

 

「へへっ…」

 

「あははっ」

 

顔を見合わせ、笑いあって拳を合わせる。

 

「やったな」

 

「だね!!」

 

 

 

「そーいや……どうやって、帰るんだ?元凶はロボットと仲良く木っ端微塵になったぞ」

 

「あぁ、それなら大丈夫だよー。あの騒ぎの間にディンガが調べてくれてるかな」

 

「通りで見当たらないと思いましたわ。何時もなら、マキナの考えにエグいツッコミをしているはずですものね」

 

帰る方法が分からない状況に頭を掻くリート。その様子にけらけらと笑いながら、マキナは自らの相棒が既に調べている事を告げる

 

「そーいや……アイツも天才科学猫とか名乗ってたな」

 

「自意識過剰なだけかと思ってましたけど、本当だったのですわね」

 

「当たり前だよー、伊達にボクの相棒兼助手はやってねぇかな」

 

初対面時を思い出し、ディンガの自称が事実である事にリートとラリカは納得したように頷く

 

「おや、あのオトボケジジイは木っ端微塵になったのかい?見逃してしまったね」

 

「あっ、ディンガだ。おかえりー」

 

「開口一番にエグいことを言ってんぞ……ラリカ、アイツってお前の親戚だろ」

 

「違いますわよ。私は人が木っ端微塵になるのを見るよりも、自分でする方ですわよ」

 

「もっとエグいじゃねぇかっ!!」

 

「あっはっはっはっ!!いやぁ、言わずもがなだけど、リートとラリカはおもしろいねー」

 

姿を見せたディンガの物騒な発言にリートがドン引きする中、更に物騒な思考の持ち主だった彼の相棒に突っ込みを放つ様子を見ていたマキナが楽しそうに笑う

 

「おーい!リート!マキナーー!」

 

「この声…まさか」

 

「もしかしたら、もしかするかな」

 

「ああ、言い忘れていたよ。あの後になんとか傷を癒したらしくてね」

 

自分たちを呼ぶ声に二人は背後にある扉の方に視線を向けた。その様子にディンガは頭のガスマスクに触れ、優しく笑い掛ける

 

「「サイエンスギルドアルファモス!!只今参上!!」」

 

「「ベリアル!!みんなっ!!」」

 

其処には襲撃を受け、倒れたベリアル率いるアルファモスのメンバーが勢揃いしていた。数時間しか経っていないが、元気な姿を見せた彼等に二人は歓喜の表情を浮かべる

 

「お前たちが戦ってる間にディンガが見つけた装置を直しておいたぜ!」

 

「大丈夫よ!アルファモス印の安全保障だから、誤作動の心配はないわっ!」

 

「これで無事に帰れるぜっ!多分!」

 

「ははっ……これが襲撃された奴等の元気かよ…心配してたってのによ…」

 

「でもなんか、こういう雰囲気をよ〜く知ってる気がするかな」

 

「オレもだ…」

 

自分たちが傷ついていようと仲間の為ならば、絶対に駆け付ける。そういうギルドを二人は知っていた。妖精の名を冠し、家族の為に命を賭ける、そんなギルドを彼等は知っている

 

「他のロボットは整備しだいでは、前と変わらない状態で動き回れるハズだ」

 

「そっかー、良かったかな」

 

「あぁ………それで、ナグオたちは?直るのか?」

 

「分からねぇ……他のロボットとは構造から違うケミストリーのロボットだからな……」

 

ロボットと聞き、友人たちを思い出したリートの問いにベリアルは首を横に振る。構造が異なるロボットを完全に修復するのは、流石の彼等にもお手上げらしく、誰もが口を噤む

 

「でもよ、安心してくれ。オレたちが必ず直す!なんたって、アイツらも同じギルドの仲間だからな!約束だ!」

 

「ベリアル………うん!約束かな!」

 

「約束だ」

 

「約束ですわ」

 

「嘘をついたら、針を目玉に突き刺すからね」

 

「「発想がエグいわっ!!!」」

 

ベリアルの言葉に全員で約束を交わす。それが叶うかは誰にも分からない、それでも約束する事に意味がある、だからこその約束を彼等は交わした

 

「そろそろ、装置の起動時間だ!あばよっ!リート!マキナ!それにラリカにディンガ!」

 

「「元気でなーー!」」

 

手を振り、見送るベリアルたちの声を背に転移装置の前に二人と二匹は佇む

 

「じゃあな、天才。自慢のネエちゃんと仲良くしろよ」

 

「またね、氷竜。キミの冒険に不思議(ワンダー)な出会いがあることを祈ってるかな」

 

最後に顔を見合わせ、笑い合い、拳を合わせ、互いの冒険に健闘を祈り、彼等は其々の世界に向かい、歩き出す。この出会いは偶然ではなく、必然だったと後に二人は語る。

 

「リート…リート!!」

 

「うん…はっ!!」

 

リートが目を覚ますとそこは、いつものギルドの書斎だった。

 

「ここは…ギルド…?」

 

「よかったぁ〜目を覚ましたのね」

 

声の聞こえた方を向くと、ミラがへたりこんでリートの顔を見ていた。

 

「ミラ?オレ…一体どうして」

 

「あなた、ラリカと一緒にここで気を失ってたのよ、覚えてないの?」

 

「ラリカと…ってことは戻ってこれた…のか」

 

「?何を言ってるの?あなたずっとここで眠ってたのよ」

 

「え?寝てた?」

 

「う…うーん」

 

リートがミラから話しを聞いて困惑していると、隣にいたラリカもようやく目を覚ます。

 

「あら?ここは?さっきまで私…」

 

「よかった。ラリカも目を覚ましたみたいね」

 

「あら?ミラ…そーいえば…マキナはあの後どうなりましたの?」

 

ミラは、聞きなれぬ名前に首を傾げていた。

 

「マキナ?そんな子いなかったわよ?2人ともおかしな夢でも見てたのね、待ってて!今落ち着く紅茶を持ってきてあげるから」

 

そう言ってミラは、小走りで書斎を出ていった。

 

「夢…だったのか?」

 

「どうなのでしょう?」

 

2人が頭を悩ませていると、マカロフの声が書斎に向けて聞こえてくる。

 

「2人ともー!依頼の進み具合はどうじゃぁ?!!」

 

「ゲっ!しまった!全くもって進んでねぇぞ!!」

 

「急ぎますわよリート!!こーなったら私、レビィを力づくでも連れてきますわ!!」

 

「お、おおう!分かった!」

 

ラリカは急いで書斎を飛び出し、レビィを探しに行き、リートも古代文字を調べ直すために立ち上がる。

 

バサッ

 

「ん?」

 

立ち上がったリートが、何かが落ちる音を聞き取り、振り返ると、そこには題名のない1冊の本が落ちていた。

 

「こんな本…あったっけ?」

 

「リートーー!!!レビィを連れてきましたわァ!!!」

 

「でかしたラリカ!!!レビィ手伝ってくれー!!」

 

リートは小さな机の上に本を置いて、ラリカの元へ走り出す。

 

そしてその本には、天才は妖精の尻尾にいるというタイトルが消えていた事、白紙であったハズのページがびっしり文字で埋められていることを、2人は知る由もなかった。




コラボ!完!結!

最近ちょっと悩んでるので読者の皆さんに聞きます。この先この作品でクロスオーバー要素つけた方がいいと思いますか?因みに付けるとしたらキャラ崩壊をなるべく防ぐ為にオリジナル物語か、その物語から繋がるところを本編で出すくらいにしかなりませんが

  • オリキャラに技とかだけでも出して欲しい
  • クロスオーバーキャラも出して欲しい
  • 無くてもいい
  • 無い方がいい
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