FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
リート達が修行に出てから4日がたち、街は収穫祭の準備で大騒ぎだった。
「街は収穫祭ムード一色じゃのう」
「そうですねー」
マカロフとミラも、収穫祭の準備の為買い出しに出掛けていた。
「みんなもファンタジアの準備で忙しいって」
「アレは我が妖精の尻尾が大陸に誇れるパレードじゃからな」
「リートとバンクも、今日明日には帰ってくるじゃろうし」
「フフッ、楽しみね」
「リートが帰ってくることがか?」
「ええ、もちろん♪」
「青春しとるのぉ」
「ラクサスも参加すればいいのにね」
「奴の話しはよせやい」
「レビィから聞いたんだけど、街には帰ってきてるらしいですよ」
「何じゃと!!?」
マカロフは、少しだけ暗い顔をする。
「……」
「どうしました?マスター」
「よりにもよってこんな時期に…」
………
リート達の修行も、終わりを迎えようとしていた。
「さてと、明日は帰らないといけないことを考えると、残された猶予は今日1日しかねぇ、わかってるな?お前ら」
「「はい」」
「よし、これから最後の修行に入る。やる事は初日に説明した通りアタシとの組手だ。」
バンクの顔色が、みるみると悪くなる。
(これは…)
(おそらく…)
リートとラリカは、バンクの顔色が変わっていくのに、気がついた。
「そして、お前達もそれなりに実力がついた以上…アタシも
ヒュッ
((やっぱり…))
バンクが、いつものように逃げ出した。
「まぁちょうどいい、初めはバンクからだ。このまま修行の最終段階を始めるよ」
アクナは、座っていた丸太を持ち上げると、肩に担ぎ上げ、バンクが逃げていった方へと向ける。
「修行開始の合図だコラァァァ!!!!」
ドカーーン!!!
アクナの持った丸太はバズーカへと変わり、バンクのいる方角へ弾を発射させた。
「うぎゃぁぁぁ!!!」
そしてアクナは、丸太を放り投げると、バンクを追いかけて、森の中へ入っていく。
「この光景にも、もう慣れましたわね」
「本来、慣れちゃいけねぇと思うんだよなぁ俺は」
その後、大きな爆発音が何度か続き、ボロボロになったバンクと、肩にかすり傷をおったアクナが帰って来た。
「ギリギリ、及第点ってとこだな」
「……死ぬかと思った…」
「次はリートだ、準備はできてるな?」
「いつでもいけますよ」
リートはアクナと、一定の距離をとり構える。
「いつでもいいぞ、来な」
それを合図に、ラリカはリートから離れ、リートは前に飛び出す。
「氷竜の硬拳!!!」
(あの時と同じか…)
アクナは、初日でリートに行ったカウンターを、もう一度使う。
片腕をリートの腕に当て、軌道を剃らせ、受け流しながら掌底の構えに入った。
「ぐっ…」
しかし、リートも何度も同じ手を食らうはずもなく、空いた片腕をアクナの腕に添え、支えにすると、そのまま体を捻らせ裏拳を仕掛ける。
「ほぅ」
「これでどうだ!!!」
アクナは、裏拳を仕掛けてきたリートの腕を掴むと、勢いよく放り投げる。
「いぃっ!!?」
「ははっ!!なかなかいい動きをするようになったじゃないか!!」
「そりゃどうもっ!!!」
リートは空中で、掌から氷の柱を作り出すと、アクナに向かって5発放った。
「氷竜の柱弾!!5連射!!!」
アクナは、足元にある木の枝を蹴りあげ、手元に持ってくると、銃に変換し5発の氷の柱を全て撃ち抜き粉々にした。
「トレース」
ドン!!ドン!!ドン!!ドン!!ドン!!
「ははっ…やっぱスゲーや、あの人は…」
リートが地面に着地すると、アクナが目の前まで迫ってきていた。
「!!?」
「気を抜いたら終わりだと思いな!!!」
アクナのパンチを、リートは全力で防御する。
ズガン!!!
「くっ…ぐっ…」
「リート、この戦いの間に言っておきたいことがある」
「…なんですか?…この戦いの間じゃないといけませんかね?」
「あぁ…よく聞いときな」
リートとアクナは、体制を変えることなく、話しを始める。
「この数日、アンタを見ていて分かったことがある。」
「わかったこと?」
「アンタは、始めから全力を出せず、徐々にエンジンがかかるタイプ、いわゆる
「…それが、何か?」
「実力が近くて、戦いが嫌でも長続きしてしまう場合なら、アンタみたいなスロースターターでも特に問題はない、けどな、アタシみたいな格上と戦う時だとそうも言ってられない、あるんじゃないか?そんな危険な目にあったことが」
リートは、楽園の塔でジェラールと戦った時の事を思い出す。
「その顔、やっぱりあるみたいだね」
アクナは拳を引き、パンチやキックを連続で仕掛ける。
リートも、それを紙一重でかわし続けていた。
「確かに、そんな経験はあります。けど、あの時はエーテリオンを食べて一時的に得た力で乗り越えました。」
「その力は、今引き出せるのかい?」
「…いえ、残念ながら…」
「だろうね、だからアタシは別の方法でそれを無理やり解決させた」
「別の方法?」
リートはアクナから離れ、いつでも攻撃に対応出来るように構えをとり続ける。
「そう、なんでアタシはここ数日の修行を、組手ばかりにしたと思う?」
「それは…組手をする必要があったからじゃ」
「確かに組手は必要ではある。けどね、受け流すだけなら、一撃ずつ交互にやっても型としては覚えていくもんだ」
「じゃあなんで?…」
「察しの悪いやつだなぁ、アンタの本気を体に叩き込んで無理やり覚えさせて、始めから全力を出せるようにする為に決まってんだろーが」
リートは、呆気にとられた顔をする。
「そんな無理やりな理由で…」
「それしか方法はなかったんだから仕方ないだろ?」
「だが、アタシの考えは間違っていなかった。じゃないとアタシと話しをしながら戦うなんて、数日前のアンタじゃ絶対にできなかったからね」
「まぁ、確かに…恐らく話そうとした瞬間、殺されてるでしょうね」
「あぁ、後はアンタがこの戦いでどこまで実力を発揮出来るか、ただそれだけなんだよ!!」
アクナは、リートに向かって突っ込んでいく。
「!!?」
リートはアクナの動きに反応し、突きを放つが、拳は空を切った。
「甘い!!」
「足元がお留守だ!!」
アクナは、リートの突きをしゃがんでかわすと、足を払い、リートの体制を崩す。
「ぐっ…」
リートは体制を戻そうとするが、その前にアクナに、空高く蹴りあげられた。
「がっ!!」
アクナの連撃は止まらず、空中に打ち上げられているリートの真上まで、飛び上がってきた。
「!!?」
「ほら、追加だ」
アクナは踵落としで、リートを地面に向かって突き落とすと、自分も落下していく。
ドゴン!!
「かはっ…」
バッ!!
地面に打ち付けられたリートに向かって、アクナは飛び上がる前に拾っていた砂を、リートに向かって投げた。
「まさか!!?」
「トレースだ!!死なねぇように頑張りな!!」
アクナの投げた砂が、一つ、また一つと爆発を起こし爆発の連鎖が起こる。
ドカン!!ドン!!ドン!!ドカーーン!!!
アクナが地面に降りた時には、ボロボロになったリートがふらつきながら立っていた。
「どうした?フラフラじゃねぇか」
「アレだけの事をして、どうした?ってよく聞けますね…」
「フン、減らず口をたたく余裕はまだあるみたいだね」
「ここからは、オレも出し惜しみなく戦います」
「あぁ、アタシと戦ってんだ当然だな」
リートは、掌の上で冷気の塊を作る。
「滅竜奥義…」
「……」
掌に出来た冷気の塊を、地面に落とす。
「氷陣闘戦場!!!」
アクナとリートの周りは、真っ青な氷の世界へと変わった。
「ほぅ…アンタの最終兵器ってところかい」
「えぇ、今のオレに出来る最高の強化魔法です」
「面白ぇ、いつでもかかってきな」
リートは、勢いよくアクナに向かって飛び出す。
(スピードは上々…だな)
リートの拳を、アクナは片手で止めると、肘を折り曲げリート顎をめがけて攻撃しようとする。
リートも空いている手で、アクナの肘を止め、そのまま懐に入り込み、アクナを放り投げる。
「らぁ!!!」
(反応も悪くない)
空中にいるアクナに向かって、リートはブレスを放った。
「氷竜の咆哮!!!!」
アクナは両腕で顔を守るようにガードする。
(攻撃もなかなか…だが…)
「はぁはぁ…はぁ……」
リートの息は上がって疲れが見えていた。
(体力の消耗が激しいのが難点…ってところか)
アクナは地面に着地すると、余裕の表情でリートに向かって叫ぶ。
「どうした!!アタシはまだ、アンタの攻撃で傷一つおっちゃいないよ!!!」
「くそっ…ここまでしてもまだダメなのかよ…」
「その魔法は、まだ完全には使いこなせてないみたいだね」
「元々攻撃が強化される分、魔力や体力の消耗が激しくなる技ですからね」
「なるほど、諸刃の剣ってやつか…」
「えぇ、なので即効で終わらせます。」
「アタシ相手じゃ無理だね」
「……」
リートは、アクナの真上に氷の塊を作り出す。
「氷竜の弾落」
「!!?」
アクナは、上から降ってくる氷の塊を拳で砕く。
当然、リートも攻撃が通用しないのを分かっていた為、リートはアクナが氷を砕いてる間に距離をつめる。
「もらった!!」
「気ぃ抜いてんじゃねぇぞコラ」
「!!?」
アクナは砕いた氷の破片を空中で取ると、ナイフへとトレースする。
「トレース」
そのままリートの肩を目掛けて、ナイフを投げた。
ドスッ!!
「がぁぁっ」
リートは攻撃をする前に肩をナイフで貫かれ、攻撃の軌道がずれる。
さらに、体力の限界でリートの視界がボヤけ始めた。
(やべっ…もう限界かよ……)
そして、アクナのパンチを顔に受け、リートは吹き飛んでいった。
「終わりだな…」
リートはピクリとも動かない。
(こいつの敗因は、決着を急いでしまったってところか…まぁ、バンクのバカと戦った時より力を入れてやってる分、アイツよりは強くなってるのは間違いなさそうだな)
アクナがリートを拾って戻ろうとした瞬間
グオォォォ!!
「!!?」
リートの周りに冷気の渦が巻き上がり、リートがふらつきながら立ち上がる。
「お前…なんだよその
リートの髪は白くなっていた。
(この感じ…楽園の塔で戦ったときに似ている…けど、あの時ほどの力は…出てねぇか…)
アクナは、リートから一度離れ構える。
「これほどの魔力を感じたのは随分と久しぶりだね」
(こいつの体の中で一体何が起こっている…)
リートはアクナに体を向けると、全身全霊で最後の一撃を撃とうと、アクナに向かって殴りかかる。
「らぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「!!?」
ドゴォォォォン!!!!!
シュウゥゥゥ
リートの全身全霊のパンチはアクナが両腕で受け止め、防御していた。
「ぐっ…」
ドサッ
リートは意識を失い、うつ伏せに倒れそうになるのを、アクナが支えて、リートをおぶる。
「コイツ…フッ、合格だよ上出来だ」
アクナはリートをおぶったまま、ラリカとバンクが待っているところまで戻っていく。
(まさか、アタシが
リートをおぶっているアクナの掌は、ボロボロになっていた。
今回もう一度出たリートのドラゴンフォース、ちゃんと設定を考えたうえで出してますからね!!あまり突っ込まないで下さいね!!じゃないと主泣いちゃうよ!!
バンクVSアクナはオリジナルの話しのアンケート募集にでも出そうと考えてますw