FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
術式から解放されたナツは、高い建物に登り、上からラクサスを探していた。
「くそ!!人が多すぎる。ラクサスの臭いが見つからねぇ、どーりでリートもいつまでもラクサスと戦わずにいたわけだ」
『いい?ナツ、ガジル、街中にはまだフリードの術式が点在してる。アンタ達がひっかかったら元も子もないんだからここを出たら別行動ね』
レビィがギルドを出る二人にそう告げていた為、ナツもガジルも、単独で行動していた。
そして、ガジルも木の上に上りラクサスを探している。
「へっ火竜にもいずれ雪辱を果たさなきゃならねぇが、まずはあの増長した雷兄さんを潰す。ずいぶんとやってくれたからなぁ」
「問題はねぇよな?マスターイワン」
ガジルの肩に、人型の小さな紙が漂っていた。
《今は仲間だと信頼を得る事が重要だ。気づかれるな、妖精の尻尾の一員として行動しろ。妖精の尻尾に罰を与えるのはまだ先だ》
「ギヒッ了解」
………
「で?リート、アタシらはいつまで此処にいればいいんだい?」
「オレに聞かないで下さいよ、誰かにフリードを倒してもらうしかないのに、こんなところじゃ周りの状況も把握できないんですよ?オレが分かるわけないじゃないですか」
「アタシは待つのが嫌いなんだ。ちょっとテメェ一発でいいから殴らせな」
「何処のガキ大将ですか……」
術式に捕まったアクナは、かなり苛立っていた。
「そもそも、アンタ…あの魔水晶を何とかするって言ってたがどうする気だい?」
「それを今考えてるんですよ。オレの仲間がアレを狙撃で撃ち落としてましたけど、それのせいでダメージを受けそうになったんですから下手に手を出すわけにはいきませんし…」
「受けそうになった?」
「ギリギリでオレがそいつの体に氷を張って凌ぎました。けど、あんなのはそう何回もできません」
「ほう」
(どうする?…いっそオレが全てぶち壊すか?仮にそれをしたとして、オレの体が耐えられる確証はない…なら凍らせて機能を停止させる?持つのか?オレの魔力で、魔力が無くなって氷が割れたら再起するかもしれねぇ)
リートが一人で考え込む姿を見て、アクナはため息をつく。
「アンタ…下らねぇこと考えてねぇか?」
「下らないこと?」
「何の為のギルドだ?テメェ一人でどうにもできねぇなら、仲間の手を借りな、仲間がどうにもできねぇならテメェがそいつに手を貸しな、例えそれが命をかける事になっても、それが仲間ってもんだろ」
「……」
「テメェがうだうだして考えがまとまらねぇなら仲間から知恵を借りるのは当然の事だ。今だけは、アタシも妖精の尻尾の一人だ。必要なら力を貸してやる」
「アクナさん…」
「この術式が解けたら、まずは仲間を一発ぶん殴ってでも無理やり起こせ、そして脳が破裂するほど考えさせてやれ、使えねぇ案ならもう一発ぶん殴れ」
「…全部台無しです……」
しかし、リートは今の言葉で考えを改めた。
「なら、まずはウォーレンを探すべきか…アイツがこの街に居てくれてると助かるんだが…」
「ったく、世話のかかる弟子だ」
そう言うアクナの顔は、少しだけ笑っていた。
………
「姉ちゃん、もういいよ。一人で歩けるって…」
「私…何もできないから……せめてこれくらいは……」
ミラは、傷だらけのエルフマンを運び歩いていた。
すると、ミラ達の上にある橋が崩れ、カナが傷だらけになって落ちてきた。
ドッ ガラガラガラ
「ああああぁぁぁ!!!!」
「カナ!!!」
「え?」
「ぐううぅ」
カナは、胸を抑え苦しんでいた。
「しぶとい、さすがギルドの古株と言ったところか」
カナが落ちてきた橋の上から、フリードが姿を現す。
「フリード!!くそ!!!こんな時に」
「はぁ、はぁ、取り消しなさい…」
カナは、苦しみながらも立ち上がる。
「ジュビアをファントムの女と言った事を取り消しなさい!!!!」
バキバキバキバキ!!
「うっ…あぎっ」
カナの体から異常な音が聞こえ、先ほど同様に苦しみだした。
「ばはっ」
「カナ!!」
「何が起きたんだ!!?」
「カッ…アッ……」
ドサッ
カナは、意識を失い倒れてしまった。
「カナーーー!!!」
「ちくしょぉ」
エルフマンは坂を上り、フリードのいる橋まで這い上がってくる。
「次の相手はお前かエルフマン……と言ってもお前はエバに負けている。ゲームへの復帰権はない」
「うるせぇ!!!」
「いい加減にしなさいフリード!!!私たち仲間じゃない!!!」
「かつては、しかしその構造を入れ換えようとしているこのゲーム内では、その概念は砕け散る」
「ラクサスの敵はオレの敵だ」
シュバ シュバ シュバ シュババ
フリードは、走り向かってくるエルフマンの胸に、剣で文字を書き込む。
「これは!!?」
「一度敗れた駒がゲームへ復帰する事は禁ずる。その掟を破りし者は死よりつらい拷問を受けよ」
「闇の
エルフマンの体に、徐々に痛みが走り出す。
「ぐぅ…な…なんだ?体中がギシギシと」
「その文字は現実となり、おまえの感覚となる」
「ぐ…が……」
エルフマンが苦しみ始めた。
「そんな…」
「うがぁぁぁぁ!!!!!」
「エルフマン!!」
エルフマンが苦しんでいるのにも関係なく、フリードは更に追い討ちをかける。
「闇の文字『恐怖』!!!」
「ぐぁぁぁ!!!!」
「やめてフリード!!!エルフマンはもう戦えないの!!!」
ミラの必死な訴えも、フリードの耳にはとどかない。
「闇の文字『苦しみ』!!!」
「お願いフリード!!!何でもするからもう助けて!!!」
「闇の文字『痛み』『痛み』『痛み』『痛み』『痛み』『痛み』!!!」
エルフマンの体が、悲鳴をあげていた。
ゴキゴキバキゴキガキゴキバキ
「ぐがぁぁぁがふぁっごぁぁ」
「いやぁぁぁ!!!!」
死にかけのエルフマンにフリードが、とどめを指そうとする。
「闇の文字…」
「やめてぇーーーっ!!!!」
「『死滅』」
(死……!!?)
ぞわっ
「!!?」
フリードがエルフマンにとどめを指す前に、フリードは背後に寒気を感じ、攻撃をやめた。
「な…何だこの魔力は!!?」
「あ…あああ……」
「ミラジェーン!?」
ブチッ
ミラの中で、何かが切れた。
「あああああああああぁ!!!!!」
ミラの叫びと同時に、ミラが放出した魔力で、爆風が起こる。
「くっ」
爆風が収まると、テイクオーバーしたミラの姿があった。
ドッ!!
ミラが地面を一蹴りすると、フリードの下まで一気に近づいてくる。
「くっ!!!闇の文字『翼』!!!」
フリードは剣で自分の体に文字を刻むと、背中に翼が生え、ミラから距離をとる。
ドカァ
そして、フリードが先ほどいた場所は、ミラの攻撃で破壊された。
ミラが、フリードを逃がすハズはなく、自分も翼を生やし、フリードに空を飛んで接近する。
ドン!!
「ぐはぁ」
ミラが、フリードを殴り飛ばした。
「うっ」
ピタッ
フリードは、殴り飛ばされ、即座に体制を立て直した。
(こ…これが魔人ミラジェーンのテイクオーバー【サタンソウル】!!!!)
「消す」
アクナさん、かなり苛立ってます。リートは生きて術式から出ることはできるのか?…着目する所違うか…
因みにラクサス戦では、少しこうしたら面白くなるんじゃね?って案が浮かんでますので、それもお楽しみに