FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
「このマグノリアの地を守る為に…剣たちよ、私に力を貸してくれ」
エルザは魔水晶を壊す為に天輪の鎧へと換装し、大量の剣を空中に浮かせていた。
………
「どらぁ!!」
ナツとラクサスの戦いは、先程より更に激しくなっていた。
「テメェにだってわかるだろ ナツ!!!今このギルドがどれだけふぬけた状況か!!!」
「オレはこのギルドを変える!!!その為にマスターにならなきゃいけねぇんだよ!!!」
ラクサスは戦いながら、神鳴殿発動までの時間を確認する。
【神鳴殿発動まで、あと1分30秒】
「何してやがんだジジィは!!!!街がどうなってもかまわねぇのかよ!!!!」
「そんなにあせんなよラクサス」
「!」
「どうせ何も起きねぇから」
ナツは、ラクサスを見ながらニヤリと笑った。
「何だと?」
「街を壊したっておまえには何の得もねぇ、今さら引くに引けなくて焦ってんだろ?」
「大丈夫さ、エルザやリートが止めてくれる」
「意地を通すのも楽じゃねぇよな!!!!ラクサス!!!!」
「テメェが知ったような口を……!!!!」
………
「198…はぁ はぁ 199……」
エルザは、300の魔水晶を一人で壊す為、剣の換装を続けていた。
「同時に破壊するには…まだ……」
「くっ…」
エルザも残りの魔力が少なくなり、耐えきれずに膝をついてしまう。
「もはや魔力ももたんか……時間もない…どうする……」
「はぁはぁはぁ……」
しかし、エルザは諦めずに換装を続ける。
「あと100…はぁ…あと100本の剣がなければ同時には……」
「ったく、リートといいアンタといい、どうしてそう仲間を頼ろうとしねぇんだか」
「!!!」
エルザの後ろから、アクナがやって来ていた。
「アクナ…さん?」
「50本でいい」
「え?」
「アタシが100個の魔水晶をぶち壊してやるよ。アンタは50本の剣で魔水晶をぶち壊しな」
「しかし!!!それでは残りの神鳴殿が…」
《おい!!!みんな聞こえるか!!?一大事だ!!!!空を見ろ!!!》
エルザとアクナの頭の中で、いきなり声が聞こえた。
「!!!」
「あん?なんだこれ?」
「ウォーレン!?」
「念話か…」
「ウォーレンっつーと……」
アクナがニヤリと笑う。
「成る程、リートが探してた奴かい」
《くたばってる奴は起きろ!!!》
「ウォーレン?」
「空って?」
「なんだありゃ」
街中で倒れていたギルドのメンバーも、ウォーレンの念話で次々と目を覚ます。
「んあ?」
そしてずっと眠っていたバンクも、目を覚ます。
《喧嘩してる奴はとりあえず中止だ!!!よく聞けお前ら!!!》
《あの空に浮かんでいる物をありったけの魔力で破壊するんだ!!!!あれはこの街を襲うラクサスの魔法だ!!時間がねぇ!!!一つ残らず全員でやるんだ!!!》
「ウォーレン おまえなぜ神鳴殿の事を」
《エルザか?どうやら石化は解けたみてぇだな》
ウォーレンの念話から、リートの声が聞こえてくる。
「リート…そうかお前が」
《あぁ、悪いがお前ら全員手を貸してくれ。下手をしたら命に関わるが、今はこれしか手がねぇんだ》
「おい、エルザが無事って事は他の娘たちは…」
「レビィは!!?」
「みんな無事よ安心しなさい」
「ビスカもちゃんと解けてるわ」
《ミラ…》
「リート……ごめんね、私ギルドを守れなかった」
ミラは、悲しそうな声でリートに話す。
《いや、おまえは十分やってくれたさ。ありがとな》
「騒がしいことこの上ねぇな」
今のやり取りを聞いたアクナは、完全に呆れていた。
《すまねぇオレのテレパシーはギルドまで届かねぇ。とにかく、これが聞こえてる奴だけでいい!!あの空に浮かんでいるものを…》
《ウォーレン、テメェ……オレに何したか忘れたのかよ》
《マックス!!!》
マックスはウォーレンに、戦いで敗れていた。
《あん時はすまなかったよ…だって女の子助けるのに必死で……》
マックスの台詞を筆頭に、次々に他の者たちも、倒した相手に喧嘩を売る。
《オウ!!そうだ!!!聞こえるかアルザック!!!》
《テメェもだニギー!!ちくしょう!!!》
《さすがにトノは許せねぇぞ!!!》
《テメェらいい加減にしろよ……》
ゾクッ
ウォーレンの念話を通じてリートが全員に話す。
ウォーレンは、リートの怒りを感じとり寒気を感じていた。
《誰が誰にやられたとか今は関係ねぇ、そもそも負けたのはテメェらのただの実力不足だろうが。悔しかったら実力をつけてこい。喧嘩に負けたから勝った奴にイチャモンつけるとか、ガキみてぇなことしてんじゃねぇぞ。文句がある奴はこの一件が終わったらまとめてオレが相手してやるから全員でかかってこい》
《………………》
リートの言葉に誰一人、ぐうの音も出せずにいた。
《はっ…アタシの弟子だけあって言うじゃねぇか》
《アクナさん、あなたにもお願いできますか?》
《任せな》
すぅぅぅぅ
アクナは大きく息を吸い込む
「?」
近くにいたエルザは、なぜアクナが息を吸い込んでいるか分からずにいた。
《バァァァァァンク!!!!!聞こえてんなら返事しなぁ!!!!!》
ビリビリビリ…
あまりの大声に、エルザも含めた全員が耳を塞いでいた。
《デケェ声…》
《な…何か用でしょうか?……師匠……》
《アンタ、自分の場所から見える50個を担当しな、リート、アンタは10個でいい。その代わりこれが終わったらラクサスのクソガキを叩き潰してこい!!!!》
《うっす!!!》
《わかりました》
《とにかく、全員頼むぜ!!!》
全員が神鳴殿へと照準を向けた。
《決着はアレ壊した後だー!!》
《ビジターそこ動くなよぉ!!!》
《マカオ!!テメェにゃ無理だ寝てな》
《んだとワカバ!!!ジジィのくせにはしゃぎすぎなんだヨ!!!》
「ルーシィ、一個任すぜ、オレはこの場から計50個ぶち壊してやる」
「うん、行くよハッピー!!」
「本気?痛いよルーシィ」
「痛くてもやるの!!」
「いくぞ……」
アクナは魔水晶まで飛び上がると、100体に分身した。
《なんだあのバァさん…魔法か!?》
《いや、ありゃ……》
《ただ高速で動いて100体に見せているだけだな……》
ウォーレン達は驚いていたが、リートとバンクは冷静にアクナを分析していた。
《北の50個は私がやる!!!皆は他の箇所を全部撃破!!!》
《テメェら一つも残すなよ!!!》
リートは魔水晶を凍らせ破壊、バンクは岩柱を魔水晶の下から生やし破壊、アクナは分身体でそれぞれ魔水晶を殴り破壊、他の物もそれぞれ一つづつ魔水晶を破壊する。
ドォォォン!!!!
そして、魔水晶を壊した音に街の人達もそれぞれ反応する。
「何だ!?」
「花火か?」
「妖精の尻尾も年々やることがハデになってきたな」
「やった……か」
ビリビリビリビリ!!!!!
「「「「ぐわぁぁぁぁ!!!!!」」」」
魔水晶を壊したことにより、全員がダメージを受けた。
………
【神鳴殿機能停止】
神鳴殿が消えたことに、ラクサスは驚いていた。
それを見たナツは、笑ってラクサスに話す。
「言っただろ?何も起こらねぇって」
………
《みんな…無事か?》
《ケホッ…アタシはね》
アクナは少しだけ煤がついていた程度だったが、それ以外の者は、全員魔水晶により倒れていた。
《相変わらずの化け物ぶりで…師匠……》
《まったく…おまえ達はなんという無茶を》
《けど……生きてる…》
《あぁ…そうだな》
「よしっ」
リートは立ち上がって走り出した。
《お前ら、ありがとな。あとは任せろ》
………
「ギルドを変える必要がどこにある。みんな同じ輪の中にいるんだぞ」
「その輪の中に入ろうとしねぇ奴がどうやってマスターになるんだ!?ラクサス」
「おおおおおおぉ!!!!!!」
ラクサスは、魔力を一気に解放する。
「!!!」
「支配だ」
アクナさん、毎度のごとく化け物ぶりを発揮してますねぇ、このスタイルは変わらんなこれ……
さぁあとはリートをラクサスの元へ向かわせるだけ