FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
ラクサスは雷神衆の3人に、自分が破門になったことを告げた。
「冗談じゃないわよっ!!!何でアナタだけ破門なの!!?」
「オレたちだって罪は同じじゃねーのかよ!?」
「ジジィが決めたことだ」
「だったら私だってやめてやるわよ!!!」
「オレだっておまえがいなきゃよう」
ラクサスの破門について、エバーグリーンとビックスローの二人はもう抗議するが、フリードだけは、黙って下を向いていた。
「めんどくせぇ奴等だな『じゃあな』の一言も言えねーのか?」
そしてようやく今まで口を開かなかったフリードが、ラクサスに訪ねる。
「何で…一人で全ての責任をとろうとする」
「そんなんじゃねーよ。おまえらと違ってオレにはこのギルドに何の未練もねぇからな」
「私達がマスターに頼んでみるわ!!」
「きっとナツやリート、グレイだって反対してくれる!!!あいつら何だかんだ言っておまえの事……」
「ラクサス…」
ラクサスは雷神衆に背を向けて、歩きだしながら手を降った。
「元気でな」
「ラクサス!!!」
「ふざけんなよっ!!!雷神衆はどーなるんだよっ!!!」
「……また会えるよな…ラクサス」
それから数時間後、収穫祭の目玉である幻想曲のパレードが始まった。
パレードを率いるのは、妖精の尻尾のメンバーが、ほぼ全員で率いて大盛り上がりだった。
ラクサスは街に生えていた木の裏から、アクナやミストガン等は、観客に混じってパレードを観覧していた。
「ミスFTに出てた女のコ達だっ!!」
「かわいー!!」
「いいぞー!!!」
「まさに妖精だぁ!!!」
パレード用の乗り物の上で、ルーシィ、レビィ、ビスカ達が踊っている。
それの後にも、続々と様々な乗り物が観客の中を通過し、パレードは更に盛り上がる。
「エルフマンよ!!」
「すげぇ迫力!!!」
エルフマンは、テイクオーバーで体の大きな怪物を表現する。
そして、エルフマンの足元から一輪の大きな薔薇の花が現れ、薔薇の中からミラが出てきた。
「ミラちゃんだー!!」
「待ってましたー!!」
ミラはテイクオーバーで、エルフマンよりも圧倒的に大きなトカゲに変身し、観客を驚かせていた。
その後ろからは、グレイとジュビアが、氷の城を乗せた乗り物と一緒に現れる。
「何あれ!?氷のお城!!!」
「キレ~水が吹き出してる」
そして、ジュビアが水を操り、グレイがその水を凍らせてFAIRY TAILの文字を城の上に浮かび上がらせる。
そして、その後次はエルザが、いくつもの刀を操っていた。
「妖精女王が来たぞっ!!!剣が舞ってる!!」
「うわぁ!!」
「オレの嫁になってくれ!!!」
エルザは換装すると、日本の剣を持ってソードダンスを披露する。
オオオオオオォ
ボゴォ ヒュオオォ
エルザの後ろからは、炎と冷気を灯した台と一緒にナツとリートが現れ、その回りではハッピーとラリカが飛び回っていた。
スウウゥッ
ボウボゥボゥ!!
ヒュッヒュッヒュ
ナツとリートはそれぞれFAIRY TAILの文字を空中で一文字ずつ交互に浮かび上がらせる。
「すげぇ!!炎と氷の文字だ!!」
「さすが双竜!!」
「息ピッタリね!!」
するとナツとリートが作った文字を、バンクが拳から風の塊を放ち、一文字ずつ消していった。
バンクによって撃ち抜かれた文字が結晶となり、観客の上からゆっくりと舞い落ちてくる。
「すげぇぞ!!」
「キレ~」
「幻想的~」
最後にマスターであるマカロフが、乗り物に乗って登場する。
「マスターだ!!」
「マスターが出てきたぞ!!」
マカロフは乗り物の上で、猫耳の帽子を被り、ピエロのような服を着て、両腕をヒラヒラとふりながら踊っていた。
「なんか妙にファンシーだ」
「似合ってねぇ!!」
「そのコミカルな動きやてめくれ」
ラクサスはそれをずっと見ており、過去の事を思い出していた。
【じーじ!!今回は参加しないの!?ファンタジア】
【おまえの晴れ舞台じゃ客席で見させてもらうよ】
【じーじのトコ見つけられるかなぁ?】
【ワシの事などどうでもよいわ】
【じゃあさ、オレ…パレードの最中こうやるから】
小さい頃のラクサスは、右手を上に上げ、人差し指と親指を立てる。
【何じゃそりゃ】
【メッセージ!!じーじのトコ見つけられなくてもオレはいつもじーじを見てるって証】
【ラクサス…】
マカロフは涙ぐんでいた。
【見ててな!!じーじ】
ラクサスは昔の回想を終えると背を向けて立ち去ろうとする。
しかし、振り返ると、マカロフや妖精の尻尾の全員が、右手を上に上げ、人差し指と親指を立ててポーズをとっていた。
「じーじ…」
ラクサスは、その光景に涙を流す。
(たとえ姿が見えなくとも、たとえ遠く離れていようと…ワシはいつでもおまえを見てる…おまえをずっと……見守っている)
「あぁ、ありがとな」
………
『闇ギルド大鴉の尻尾本拠地』
「カラスゥ~おまえはなぜにそんなに美しい」
一匹の鴉に向かって、1人の男が歩み寄っていく。
「あ?そりゃあ嫌われモンだからってよぉ?」
「よしよしぃ」
カァーカァー!!
男は飛び立とうとする鴉を捕まえ、紙に変えてしまった。
「美しいものは儚い命だ。ぶはは」
「なぁ、ガジルちゃん」
「………」
男の後ろには、ガジルが壁に寄りかかって立っていた。
「ラクサスが滅竜魔導士だなんて聞いてなかったぞ」
「ぷふぅ…ぶわぁっははは!!」
男はガジルの言葉を聞いた後、いきなり笑いだした。
「あれはニセモノ、ニセモノちゃんよぉ」
男の名はイワン、大鴉の尻尾のマスター・イワンだ。
そして、ラクサスの父でもあった。
「ニセモノ?」
「アイツは小せぇ頃から体が弱くてなぁ、不憫に思えたオレはラクサスの体に魔水晶を埋め込んだ」
「滅竜魔法を使える魔水晶だと!!?」
「めんずらしいだろぉ?」
「奴は破門されここに来るだろう。丁度いい」
「あの魔水晶は金になるって最近知ったんだよぉ、それも信じられねぇほどの金になぁ」
「と…取り出す気なのか?そんな事したらラクサスは……」
「ぶはははっ!!!!元々あのガキには過ぎた力よ。パパがスッキリ元の子に戻してあげちゃうよぉ」
「今は金だ…お金ちゃんよぉ」
「妖精の尻尾と抗争するだけの金がいるんだょ」
イワンは、ガジルの耳元で声色を変えて話す。
「おまえはもう少し潜入を続けろぉ、いいか?スパイだとバレてもこの場所だけは吐くんじゃねぇぞ」
ガジルもそれに笑って答える。
「ギヒッそんなヘマはしねぇよ」
………
『妖精の尻尾ギルド』
ガジルは、妖精の尻尾に戻ってきていた。
下ではファンタジアの打ち上げで、全員が大はしゃぎしているのを、ガジルは上からただ眺めているだけだった。
「ガジル」
「!」
マカロフが、ガジルに声をかける。
「ファンタジアの打ち上げには参加せんのか?」
「ガラじゃないんでね」
「そうか」
マカロフは、ファンタジアで着ていた服を脱ぎ始める。
「ふぃー、収穫祭も無事終了か。明日からは街の修復も手伝わんとな、やれやれ」
「マスター」
ガジルがマカロフに近寄り、一枚の小さな紙を手渡す。
「マスターイワンの…アンタの息子の居場所を突き止めた」
「よくやってくれた、スマンな……危険な仕事を任せて」
「オレが二重スパイだってのはバレてねぇ、それよりヤツはラクサスの魔水晶を狙っている」
「居場所さえ分かればどうとでもなる。奴の好きにはさせん」
今日は一気に2つ投稿します。本編とオリジナルです。
因みにオリジナルの話をやるので、ルーシィの親父さんは別ルートで進行中ってことで跳ばすことにしました。
………なんかすんません