FAIRY TAIL もう一人の滅竜魔導士「氷竜」 作:タイキック新
オリジナル撮影会
収穫祭が終わってから数日が経ったある日の事、リートはミラに話しがあるといって呼び出していた。
「話しって何?リート」
「いや、ちょっとな…カナからこの前の騒動でお前がかなり頑張ってくれたって聞いてよ、何かご褒美でもやってあげろって事になって、何をしてやればいいか分かんなくなっちまってな、実際に聞いた方が早いって思って聞きに来たってわけだ」
「そうなの?ふふっそう言う事ならいい話しがあるの、今度つきあってくれる?」
「?分かった」
………
それから数日後の2月の14日、ミラから呼び出しを受けたリートは、とある場所でミラを待っていた。
「……いや、どこだよここ」
リートが建物の前でミラを待っていると、少し離れたところからミラが走り寄って来た。
「お待たせ、遅くなってゴメンね?」
「いや、全然待ってねぇよ。大丈夫だ、それよりつきあって欲しい事って何だ?」
「実はね、私今日週ソラの撮影があるの」
「ほぉ…それで?」
「リートもやってみない?」
「は?」
リートは呆けた顔でミラを見る。
「あ、もしかしてお前を撮る方「リートは私と一緒に撮られる側よ?」……マジでか…」
リートの顔が、どんどんと青くなる。
「さぁ!もう現場の人たちにも話しは通してあるし、行きましょリート!」
ミラは笑いながらリートの手を引いて、撮影の現場に連れていく。
(やっぱやめときゃよかったかも…)
………
撮影現場にやって来たリートとミラは、ジェイソンに迎え入れられる。
「cooool!!cooool!!cooooool!!!ミラ!!君はなんて最高なんだ!!あの氷竜のリートにもう一度会わせてくれるなんて!!!今日は特別サービスで君の撮りたい写真も撮ってあげるぜcooooool!!!」
「ふふっありがと♪ジェイソンさん」
「取材の時のやつかよ…」
リートは苦い顔で、ジェイソンを見ていた。
「さぁ!!今日はバレンタインだ!!熱い二人を撮らせてくれよcooooool!!!」
「熱いのか冷たいのかハッキリしろよ」
それからリートとミラは、共にエプロン姿に着替えさせられ、撮影場の厨房に立たされていた。
「何で厨房?」
「さっきも言ったが今日はバレンタイン!!二人でcoolにチョコレートを作ってもらうぜ!!今回のテーマはチョコレートを作るcoolな二人だからね!!」
「あら、楽しそうね♪じゃあリート、早速始めましょ」
「お…おう」
リートとミラは共に材料を用意し、バレンタイン用のチョコの制作を始める。
「とりあえず、まずはこの板チョコを細かく刻んでいくか」
「私も手伝うわよ」
「ん、じゃあ湯煎の準備しておいてくれ」
「はーい」
二人は料理が出来るためか、作業は滞りなく順調に進んでいく。
それを見ているジェイソンも、coolcoolと叫びながら写真を撮っていた。
「湯煎の準備できたわよ」
「サンキュ、じゃあこのボウルごと鍋に…」
「ちょーーーっと待ってくれお二人さん!!」
リート達の作業に、ジェイソンは待ったをかける。
「…なんだよ?オレらは言われた通りにチョコ作ってるぞ?」
「確かにそうだ!!けどこれじゃあ足りない!!足りないんだ!!!」
「とりあえず…暑苦しいから寄るな変人」
「今の君たちは付き合っているんだろう?ならば愛!!愛のある二人を読者は期待してくれているんだ!!その期待に答えないといけないぜ!!!」
ジェイソンは、リートとミラに熱く語っていた。
「いや、そうは言われてもな…」
「確かにそうね」
「ミラさん!!?」
ミラはリートの腕を掴み、自分の腰に回すとチョコレート作りを再開する。
「こんな感じ?」
「さすがミラジェーン!!わかってるね!!Cooooool!!!」
「いや、これむしろ効率悪くなってんじゃ」
チュ
ミラはリートの顔に腕を回し自分の顔に近づけると、リートの頬に口付けをして大人しくさせる。
「これじゃあ不満?」
「イエ フマンハナイデス」
「いいね!!最高だぜ!!cooooool!!!」
その後チョコレート作りは、ほとんどミラが作り、リートはミラの腰にずっと手を回してついていく事しかできなかった。
(やっぱり効率悪ぃ…)
………
撮影は昼まで続き、チョコレートの完成と同時に、リートとミラはジェイソンから解放された。
「今日はサンキュー二人とも!!雑誌に載るのを楽しみにしていてくれcooooool!!!」
「お疲れ様でした」
「おまえ、coolの使い方それであってんの?」
「じゃ!!僕は今日の写真の編集があるからこれで!!」
そう言ってジェイソンは、遠くの方へ走り去って行ってしまった。
「忙しねぇなアイツ」
「ふふふっ、じゃあ私達も行きましょうか」
「行くってどこに?」
「今日は私に付き合ってくれるんでしょ?まだまだ時間はあるんだから。思いっきり楽しめる所に行かなきゃ」
「そっか、わかった。こうなりゃとことん付き合ってやるよ」
先を急ぐミラに、リートはついて行こうとする。
「あ、そうだ。忘れる前に…ハイこれ」
ミラは、ポケットから袋を一つ取り出してリートに渡す。
「これは…チョコ?でもさっきの撮影で作ったやつとは梱包の仕方が違うな」
「それは、リートの為に最初から最後まで私が手作りしたチョコよ」
リートの顔が徐々に赤くなる。
「あ、ありがとう…けどこれ…結構恥ずかしいな」
「ねぇリート」
「ん?」
「せっかくだから、ここで食べて感想を聞かせて」
「え?まぁミラが作ったチョコだし、別に構わねぇけど」
リートは袋からチョコレートを一つ取り出すと、自分の口に放り込む。
「うん、うまい」
「ほんと?」
ミラは、少しだけ不安そうに訪ねた。
その顔を見たリートは少しイタズラをしてやろうと、もう一つチョコレートを取り出して自分の口に咥える。
「ミラ」
「え?…んむ!?」
リートはミラの顎に手を添えて、自分の口とミラの口を合わせてチョコレートを口移しで食べさせた。
「どうだ?うまいだろ?」
ミラは顔を下に向けたまま話すが、それでも耳まで赤くなっていたのは一目瞭然だった。
「……わかんない」
「そうか?」
「もう、たまにリートって意地悪よね」
「えー…おまえも似たようなことやってんじゃん…」
そして、ようやくミラが顔を上げる。
「もう!!チョコレートはもういいから、早く行きましょ!!」
ミラは、リートの手を引っ張って走り出した。
「おまえが感想求めてきたのに…」
それから数日後、リートとミラの写真が週ソラに載りギルドのメンバーに笑われたり、殺気を向けられたり、その時の状況を聴かれたりなど大変になったのは言うまでもなかった。
「ダッハッハ!!!リートのエプロン姿似合わねぇぇ!!」
「笑っちゃ悪いよぉナツゥ…ブフッ」
「いやぁ、リート、よく似合ってるぜ…ブッフフッ」
「ナツ、ハッピー、グレイ、そう笑ってやるな、似合ってるじゃないかリート」
「そうよ、それにミラさんと二人で料理なんて、新婚みたいで憧れちゃうなぁ」
「あら、なかなか素敵ですわよ」
「ミラちゃんと料理…新婚だと…」
「アイツはゆるさん…」
「どこか埋めれそうな場所は」
「何?この惨状…」
「ダッハッハッハ!!!なぁリート!!この写真!!今度師匠に見せていいか?!!」
「いい訳あるかぁ!!!」
「あらあら、リートも大変ね」
これでよかったのか疑問だが…まぁやるだけのことはやったし…主的にまぁ満足です。
次回は一気に六魔に入る予定です!!