風紀委員長の弟にご用心   作:後生さん

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あれ?ヒバードどこいった…??




ガラクタめ

 

「ひゃー何処に行くかと思えば、死に損ないを助っ人に呼んでたのかー!?」

 

「並盛中学風紀委員長…雲雀恭弥」

 

「んあ?死に損ないが二人居るびょん?」

 

 

 僕を見て首を傾げる見るからに頭の悪そうな奴に、隣の──先程骸と共に去った部下が眉を顰めた。

 

 

「…雲雀恭弥の弟、雲雀裕弥…」

 

「また会ったね。骸は一緒じゃないんだ」

 

「…あの時、骸様がお前を庇ったから攻撃はしなかった…けど、今は違う……敵は、始末する」

 

 

 明らかに僕を敵対視する部下に、僕は目を細める。

 骸に感謝しろみたいな言い方も酷く気に食わないけど、報告されたお蔭で僕は骸と話せなくなったんだから、邪魔者なのは圧倒的に彼でしょ。滲み出る殺気に、獄寺隼人はビクリと一歩後退った。

 

 

「兄さん、あのガラクタは貰うから」

 

「…唐突だね。別に良いけど」

 

「ありがとう。獄寺隼人、悪いけど譲らないよ」

 

「ッハ、ァ…っ、好きにしろ…」

 

 

 獄寺隼人は何が痛いのか、激痛に顔を歪みながら、早くも僕達に任せ壁に寄り掛かっている。

 横目で見た後、僕は部下を見据えて拳を構えた。

 

 

「なんだなんだ?柿ピーはそっちやんのかー?じゃオレはこっちの死に損ないを相手にしてやんよ!」

 

「ザコが意気込まないでくれる?鬱陶しいから」

 

「…あったまきた。徹底的にやってやる!」

 

 

 早くもキレた敵により両方共に一触即発。

 

 …始めに動いたのは兄さん側の敵だった。

 いきなり四つん這いに構えると、驚いた事に何やら鋭い歯を装着した。一見何の変哲もないが、よく見ると雰囲気が荒々しくなっていて、兄さんは目を瞬かせる。

 

 

「──百獣の王。ライオンチャンネル!!!」

 

「ワォ。子犬かい?」

 

「うるへー、アヒルめ!!」

 

 

 一直線に特攻してきた敵に、兄さんはトンファーを構えた。敵は兄さんの眼前まで来ると、余裕の表情を浮かべながら思い切り拳を振り上げ──。

 

 

「ひょい♪」

 

「──舐めてるの?」

 

「!!?」

 

「犬!!」

 

 

 隙だらけの鳩尾にトンファーを喰らい、敵はたったの一撃で地に沈んだ。兄さんがつまらなさそうに溜息を吐きトンファーを降ろす。

 その様子に部下は目を丸くするが、僕の殺気に態勢を直した。

 

 

「…骸は強いのに、部下である君等がそんなので良いの?兄さんに掠り傷すら与えてないじゃん」

 

「っ…!…犬は弱い、それだけ」

 

「ふぅん?君は同じじゃないって言いたいの?僕からすれば、実力の違いすらも把握出来ないガラクタにしか思えないんだけど。君は、本当に違う?」

 

 

 そう聞けば、ギリッと僕を睨む部下に僕はグッと拳を握った。

 実は内心、かなり哀れんでいた。骸は彼等の事なんて、微塵たりとも気にしてないから。

 骸の傍に居るのがガラクタなのが、とてつもなく残念だと感じる。そして、とても腹ただしく思う。

 

 

「君等は骸に相応しくないよ。せめて骸を引き立てる装飾品なんかになればマシだったのに」

 

「ッ!お前に言われる筋合いはない…!!」

 

「君よりはあるに値すると自負するね。少なくとも、チンピラ風情で終わる君等に価値はない」

 

 

 ──そんなの、僕が決める事じゃないけど。

 

 完全に殺気立ったガラクタを冷めた目で見据える。

 …少なくとも今までの人生の中で、こんなにも相手を潰したいと思った事はなかった。

 語られた骸の思考によって僕もなんらかの影響を受けたのか、はたまた同類の為のお節介なのか。なんにせよ、僕にとって彼等の存在は目障りでしかないガラクタだ。

 

 

「時間の無駄だ。早く来たら?」

 

「──ッ!!」

 

 

 僕の挑発に感化されたガラクタが、懐に手を突っ込み自らの武器を手に取った。それは、至って普通のヨーヨー。

 しかし側面には至る所に穴が空いている。恐らく中にも何か仕込んでいて、それも致命的なモノの筈だ。

 ヨーヨーを掲げるとガラクタは殺意を込めた瞳で僕を睨む。

 

 

「骸様の元には行かせない…!!」

 

「ガラクタ如きが僕に指図するな。ま、確かにガラクタは障害物として存在するものだけどさ」

 

「ッ減らず口を!」

 

 

 目にも止まらない速さで飛んでくるヨーヨー──だけど僕は、兄さんのトンファーを振るう速さに慣れているせいで視界に捉える事が出来ていて、顔面スレスレで避けて見せる。

 そして、そうする事により何かが飛び出てくるのは予測していた為に、バックステップで回避した。僕が回避した事で地面へと突き刺さったモノは──針。目を細めて納得した。

 

 

「針、しかもそれ、ただの針じゃないよね。そんな小さなモノを人に刺せたって、運が良くても目を潰すか動きを止めるだけでしょ。てことはそれ以外の重要度がある。つまり、毒か麻痺といった状態異常系が付属されてるのは明白だよね。どう?」

 

 

 僕の推理にガラクタは眉を顰めヨーヨーを引っ張りあげた。またそれを回避し、視線を交える。

 

 

「…試してみたらいいんじゃない、!」

 

「最もな意見だね」

 

 

 再び飛んでくるヨーヨーと飛び出してくる針を避けながら、どうしようもないなと溜息を吐いた。

 

 

「っ!その余裕な態度ムカつく…!!」

 

「──実際、余裕だから」

 

「!!」

 

 

 だってそうだろ?簡単な話だ。

 一瞬で距離を詰めてしまえば、ガラクタは息を止め驚き、ヨーヨーを投げれずに終わるんだから。

 

 

「この通りにね」

 

 

 鳩尾に僕の今持てる本気を叩き込んでやれば、ガラクタは息を吐き出し壁へと吹っ飛んだ。

 獄寺隼人がその様子に青ざめているが当然の様に無視して、ガラクタの傍まで歩き、ガラクタを見下す。

 

 

「ぅ、ぐ…ッ」

 

「弱い。圧倒的に弱い。本当、無様」

 

「っ…!」

 

 

 沈黙したガラクタからふっと視線を背けて兄さんの元に戻ると、兄さんは興味深そうに僕を見つめていた。

 思わず、何?と見返すと別に?と返された。

 

 

「ふぅん…。ところで、獄寺隼人。いつまで座ってるつもり?沢田綱吉の所に行くんじゃないの?」

 

「!あ、あぁ、悪ぃ」

 

 

 もたつきながらも立ち上がり、壁伝いに歩いてくる獄寺隼人を見て、兄さんが口を開く。

 

 

「そういえばそんな事言ってたね。ねぇ、もしかして小動物は今彼と戦ってるの?」

 

「、ぁあ?…彼?」

 

「六道骸。主犯格だよ」

 

「!…あぁ、その筈だぜ…、っ、それがなんだ?」

 

 

 言ってから気付いたのか、ハッとした表情で納得した獄寺隼人は兄さんにバツが悪そうに訪ねた。

 

 

「、それはまぁ…、聞いてはいたが、…ッ、一体何でやられたんだ、?骸はそんなつえーのかよ…?」

 

「さぁ。僕も知らない」

 

「おま、っ…ハァ…知らないって、」

 

 

 獄寺隼人は訝しげに兄さんを見つめるが、実際そうだからそうとしか言えないんだ、兄さんからすればね。

 仕方なく蛇足として僕が付け加えた。

 

 

「桜を見せられたの。今の兄さんは、桜が弱点だから骸にそこをつかれたわけ」

 

「桜…?」

 

 

 首を傾げた獄寺隼人は、一間空けて目を見開いた。

 

 

「っそうだった!危うく忘れるとこだったぜ…!」

 

「…なに?煩いんだけど」

 

 

 僕と兄さんの視線を受ける獄寺隼人は、構わずに懐から小さな小瓶を取り出した。

 

 

「ッ、シャマルから預かってた“桜クラ病”の特効薬!は、っ、これで治せる筈だ…ッぐぇっ!?」

 

「「先に言いなよ」」

 

 

 僕はぱっと獄寺隼人から小瓶を奪い、兄さんは獄寺隼人の容態を気にせずトンファーで殴った。沈んだ獄寺隼人をそのままに、小瓶を兄さんに渡す。

 

 

「まさか病気だったとはね。その、シャマル?前に兄さん会ったんじゃないの?」

 

「あのヤブ医者みたいな奴…次会ったら咬み殺す」

 

「ねぇ獄寺隼人。これいつ貰ったの」

 

「ぐ、ッ、ゲホッ、!ぁー、外で戦闘があった時に、治療員を連れて来たんだよ…ッ、」

 

「ふぅん。兄さんの事覚えてたんだ」

 

 

 なんにせよ、兄さんの準備がやっと出来た事で不安点は解消された。兄さん自身の気力が持つかどうかだけど…まぁ、意地でもやり遂げようとするだろうし大丈夫かな。

 小瓶をグッと飲んだ兄さんを横目に、そろそろ立ち上がる事さえ至難になってきた獄寺隼人の腕を僕はおもむろに引っ張りあげた。

 

 

「!ぉ、おう…?」

 

「何その顔。足でまといになりそうだったから手貸してあげようとしてるんだけど。必要ないわけ?」

 

「!いっ、いや!た、助かる。サンキューな…」

 

「…ちょっと本気で獄寺隼人か疑っていい?」

 

「っはぁっ!?」

 

「冗談。ツッコめる位には元気みたいだね」

 

 

 薄く笑うと、すぐに沈黙して何やら複雑そうな表情を浮かべる獄寺隼人。すると、兄さんも獄寺隼人の肩を担ぎ出し、獄寺隼人が目を瞬かせた。

 

 

「小瓶の貸し返しとくよ。どうせ目的地は同じなんだから、小動物の所まで連れて行ってあげる」

 

「、…なんか歯痒くなってきたぜ…」

 

「気の所為でしょ。さっさと行くよ」

 

 

 足並み合わせて歩く様を他人が見たら、何処か勘違いされそうだが生憎そんな奴はとうに倒れている。

 僕達は、骸の居る場所に向けて進み出した。

 

 

 





思ったんですけど、オリ主ガラクタ連呼し過ぎですよね。まぁ現れる人間がその基準なんだから仕方ない、か?

流れはどうですか?
是非とも感想・評価していってください!
ではでは!
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