愛の調整は難しい   作:粗茶Returnees

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第17話

 

 9月9日。それは我らが生徒会長こと白銀御行の誕生日である。白銀家では、誕生日だからといって特別なことをするわけでもない。主に家計のせいで。

 それが当たり前となって数年。本人も「言われてみれば誕生日だったな」ぐらいの認識。1年ある中での1日。他の日と何も変わらない。しかし、それは本人の認識がそうなだけであって、周りの人間はそういうわけでもない。

 

 特に御行が好きな四宮かぐやにとって。

 

「リサーチするわ」

「どうやってですか?」

「幸いにも明日は会長の妹さんと買い物に出かけるのだから。その時に話を持っていけばいいのよ」

「さらっと書記ちゃんたちを省くのはどうかと」

 

 中学時代からの数少ない大切な友人をカウントしない四宮。こんな扱いを受けているとは知らず、今も心から「かぐやさん大好きです!」と言う藤原はある意味幸せ者だ。もっとも、本人はそれを知っても意見を変えることはないのだが。

 そのことを思考から外し、計画段階だとまだまともな思考をする主人に補足事項を入れておく。本人が知っていたら余計な補足だが、念の為に必要だろう。

 

「明日のそれって光上さんも来ますよ」

「なんで!?」

 

 案の定知らなかったようだ。

 それもそのはず。明日の買い物の計画者は藤原萌葉。四宮と直接やり取りするのは千花の方で、萌葉から千花に回らない情報は四宮にも届かない。そしてこれは圭も知らなかったりする。

 

「週末の予定を聞いたら明日買い物に出かけると言っていたので」

「それがなんで私達と同じだと分かるのよ!」

「誰と行くか聞いたら書記ちゃんの妹さんに誘われたって言っていたので」

「そこに繋がりがあったの!?」

「みたいですね。まぁ、書記ちゃんと光上さんって小学生の間仲良かったですから」

 

 妹の萌葉ともその繋がりなのだろうと早坂は考える。ちょうど千花と圭が知り合ったパターンと同じだ。

 光上と千花がまだ波長が合っていた頃。つまり小学生の間に、光上は妹の萌葉と出会っている。言ってしまえば小学生の間だけの付き合いだったのだが、今回お呼ばれしたのである。

 

「あの子のことですし、碌なことを考えてなさそうね」

「かぐや様じゃないんですから」

「どういう意味よ」

「いえ。単純に圭の反応を見て楽しむ程度の考えだと思いますよ」

「いい趣味とは言えないわ」

「よく他人に言えるなー」

 

 人のふり見て我がふり直せって言葉を知らないのだろうか。そんなことを言って簡単に変わるわけでもなく、それを常に出してるわけでもない。一般的には褒められたことではないのだろうが、これも彼女の特徴の1つ。そしてそれは四宮家の人間である証でもある。

 

「早坂はだめよ」

「行きませんよ」

 

 これ以上人が増えては纏まりというものがなくなる。何よりも、四宮が圭と話せる時間が減ってしまう。目的遂行のための障害は極力取り払っておきたい。

 

「私がいなくても、光上さんがいる時点でどうかと思いますけどね」

「なんて厄介な男なのかしら」

「まぁそこは利用すればいいんじゃないですか?」

「利用? ……そうね。そう考えればこれ以上ない適任者よね」

 

 光上がいれば、たしかに圭と2人だけになる状況というのはなかなか作れない。しかし、そこ以外に目を向ければ障害どころか補助装置となる。光上を仲介すれば圭と仲良くなれる。もう一つの目的である「御行への誕生日プレゼント」。それに参考できる意見を圭から入手するのもやりやすい。

 納得しきれないものはあるが、背に腹は代えられない。

 

 

 

 そうして訪れたお出かけの日。ウィンドウショッピングを楽しみながら秋物の服は買っちゃいましょうの日。買い揃えたらウィンドウショッピングじゃないよという千花のツッコミは萌葉に届かない。

 集合場所にいるのは女性陣の4人。光上が来ることを知ってるのは、誘った萌葉と早坂から聞いた四宮のみ。千花と圭は知らない。

 

(集合時間にはまだ余裕がありますし、来ないということはないでしょうけど)

 

 時計をチラッと確認。あと10分弱の時間がある。彼が遅刻しているというわけでもないのだが、女性を待たせるのはいただけないと四宮は心中で呟く。御行ならこうはならないと比較し、相対的に御行の評価が自動で上がった。

 

「萌葉。みんな揃ってるんだし移動しない?」

「そだね~」

 

(えぇぇ!? 光上くんは!? 彼も呼んだんじゃなかったの!?)

 

 まさかの移動開始。集合場所から離れてもいいものかと頭を悩ませる四宮。それを知る由もなく、千花は自然に圭の隣りを取って先を歩き出した。自ずと四宮の隣りは萌葉となり、千花と圭の背中を見ながら歩くことに。

 

(困りましたね。私の予定が崩れましたよ。しかも藤原さん。ちゃっかり妹さんの隣りをキープしちゃって!)

 

「圭ちゃん可愛いですよね~」

「え、えぇ。そうですね」

 

 何度も藤原家に行ったことがある四宮は、三女である萌葉とも知り合いである。しかし萌葉は千花とはまた違った方向でズレており、四宮はその点に少しばかり苦手意識を持っていた。

 萌葉曰く、白銀圭は男女問わず人気がある。プライドは高いものの、曲がったことを嫌う性格で努力家でもあることが理由のようだ。

 

「徹底的に汚したくなるというか~、一生牢に閉じ込めたくなっちゃう感じ~」

 

(こういう怖いところが苦手なのよね……)

 

「そんなことしたら、お兄さんである会長が怒りますよ」

「つまり閉じ込めちゃえば会長から会いに来てくれる……? なるほど」

「どう聞き取ればそうなるんですか……!」

「あはは! でも、きっと会長より先に圭ちゃんを助けてくれる人いますよ」

 

 四宮は思考した。萌葉は()()()()()について言っているのか。それともそれを知るために探りを入れにきているのか。

 閃光の如き速さの思考。四宮は後者だと判断した。

 

「白銀さんはそういう方を待ち望むタイプなの?」

「うーん。少なからず誰でもそれはあると思うけど、けーちゃんはそこまでじゃないですかね。気になる異性はいるみたいなんですけど」

「そうだったのね。あなたでも教えてもらえないのは、彼女の持ち前のプライドかしら」

「あとは荒らされたくないからじゃないですかね!」

 

(自覚はあるのね)

 

 あの姉(藤原千花)にしてこの妹(藤原萌葉)あり。恋愛話が大好きでありながら確実に地雷を踏み抜くタイプ。しっかりと自覚した上で地雷原に足を踏み入れたがる萌葉の方が、幾分か質が悪いと言える。絶対にそうするわけでもないから、他人から嫌われることも滅多にないのだが。

 

 萌葉に応対しながら情報を整理する。高等部に訪れた際には、緊張のせいからか光上への好意を隠せていなかった。そのため、千花は怪しいものの、生徒会メンバーにはその事を知られている。

 しかし、どうやら中等部の方では知られていないらしい。圭が隠したがっているのなら、ポロッとその事を言うわけにもいかない。

 

(というか、知らない上で光上くんを誘っていたのね)

 

 てっきり知っていた上でやっているのかと思いきや、そうでもなかったらしい。

 萌葉が光上を誘ったのは、なんとなく久しぶりに会いたかったのと、持ち前の情報網で圭の好きな人を知ってないかなという期待だ。

 

「私も誰かに恋してみたいな~」

「そんな軽い気持ちでするものとも思えないのだけど」

「まだ好きな人いませんから! できたら気持ちも変わると思います」

 

 わからないでもない。白銀御行に出会った当初と現在。四宮は多大な影響を受け、変化している。恋愛に対する考えも、冷めたものから甘酸っぱいものへ。

 実体験があるからこそ、その考えを否定できない。しかし、現在進行形であることを知られたくもない。

 

「そういうものかしら」

「きっとそうですよ~!」

 

 曖昧な返事でその場を濁して乗り切るのだった。

 

 ずっと萌葉の相手をしていたら身の危険を感じる。四宮は可及的速やかにこのポジションを離脱し、圭の隣りを確保したかった。

 それはなかなか達成できず、いくつかの店に入った時も、お昼を食べている時も、圭の隣りを確保できない。このままでは、今日の目的のどちらも達成できない。

 

「そろそろかな~」

「? 萌葉何かあるの?」

 

 そんな時だった。喫茶店で談笑している途中で、萌葉がスマホを確認しながら思わしげに発言。それに千花が反応し、何について言っているのか聞く。

 萌葉がニヤリと笑った。四宮は直感的にそれが何かを理解した。圭はその笑みを見て焦った。なにせ、萌葉は圭を一瞥しながら笑ったのだから。

 

「お客様。1名様でよろしいでしょうか?」

「いえ、中に知り合いが」

「きたきた~! 光上さんこっち~!」

「店内で大声出すのはどうかと思うんだけど……。助かったけどさ」

 

 座席から立ち上がり、腕をブンブン振りながら萌葉が呼ぶ。せっかくの喫茶店の空気が壊され、光上は周囲の客と店員に申し訳なさそうにしながらそこへ行く。

 四宮は笑顔を引きつらせた。さすがにこのやり方は引く。千花は聞いていなかったことに憤慨し、萌葉に説明を求めた。ただ、圭だけは反応がなかった。と言うよりも、反応ができなかった。唖然と見つめるしかできない。

 

「……もしかして、俺が来ることみんなに言ってなかったの?」

「この方がサプライズ感あるじゃないですか~! ささっ、座って座って」

「うちの萌葉がすみません」

「いや、俺も女子会を邪魔してごめん」

 

 ぺこりと謝罪する千花に、光上も謝罪を返した。女子4人で遊んでるなんて光上も聞いてなかった。完全に萌葉の手のひらで遊ばれている。

 萌葉が奥に詰め、圭も横にズレる。そうして空いたスペースに光上が座り、飲み物だけを注文。ここで長居する予定もないが、来たのだから何か注文していないと気まずい。

 

「なんだったらそこそこに帰るけども」

 

 そう言った瞬間圭の肩がピクッと震えた。それに気づいたのは四宮ぐらいか。

 圭は萌葉には見えないように、右手を軽く動かして光上の服の裾を小さく摘んだ。来たことに驚きもしたし、光上が来ると想定していない服装でいることに焦りもした。それはそれとして、せっかく来たのなら一緒にいたい。

 

「せっかくですし、光上くんもこの後ご一緒しましょう。この機会に親交を深めるのも悪くないですし」

「そうですよ~。呼んどいてさよならなんて私が認められません! 遊ぶのも初等部以来じゃないですか」

「みんながいいなら同行させてもらうけど」

「男の子は荷物持ちって相場で決まってますからね!」

「おい藤原ちゃん」

 

 萌葉だってなんの悪びれもないわけじゃない。この場はジョークでやり過ごし、店を出て2人になったタイミングでちゃんと謝罪もした。発言が時折怖いものなだけで、とてもいい子なのである。

 ちなみに、光上からは藤原ちゃんと呼ばれており、千花との呼称の差別化はそこだったりする。

 

 喫茶店を出た後は主目的である服屋へ突入。秋物の服を今年のトレンドに合わせながら購入していく。もっとも、藤原姉妹は財による暴力を発揮するわけだが。一応選んでるとは本人談である。

 

「新聞配達450軒分……」

「新聞がどうかしたの?」

「う、ううん」

 

 そんな姉妹とは正反対なのが圭である。秋物の服を買いたい。買いたいのだが、厳選に厳選を重ね、その上で購入するかどうかを決める。家庭事情により、彼女が服を購入することはなかなかない。

 

「白銀さん。何着かなら代わりに払うよ?」

「いえ! それは申し訳ないです」

「日頃頑張ってるし、それの報いって思ってもらえたらいいんだけど」

「頑張りは、お給料という形で還ってきてますから」

 

 誰かに奢ってもらう。そういう行為を圭が素直に受け入れられるわけもなく、光上もそこを押し切ろうなどとは思わない。圭が許容できるのは、せいぜいが誕生日プレゼントとクリスマスプレゼントぐらいか。バレンタインデーは頑張るからホワイトデーも期待したい、とかは画策してる。

 

「光上さ~ん。私これから試着するのでどれがいいか教えてください!」

「主観になるけどいいの?」

「男性の意見がほしいだけなので、主観でいいですよ~」

「なるほど。それくらいなら」

「けーちゃんも一緒にやる?」

 

 光上の承諾を取れたところで、萌葉は圭に声をかけた。

 

「私は今日買わないからいいよ」

 

 嘘である。彼女はめっちゃくちゃ光上の意見がほしい。

 これほどまでに光上が好むファッションを知る機会などない。大いに今後の参考になる案件だ。しかし、お財布事情から今日は買わないと決めたのは事実。光上は奢ってくれるだろうが、それは彼女のプライドが許さない。

 何よりも、光上相手にひたすらファッションショーをするのは、結構恥ずかしいと思ったのだ。

 

「そう? じゃあ光上さん借りるね~」

「光上くん。私のも見てくださいね~」

「それぐらいならいくらでもするよ」

 

 それが1時間近く続くとは、この時藤原姉妹以外は思ってなかった。

 

 光上が他の女子と仲良くするのはまだ許容できる。彼のその接し方は好きな方だ。それも彼の優しさに由来するのだから。

 しかし、それとは別に。彼の好みが自分より先に他の女子に徹底的に知られるのは面白くない。めっちゃ嫉妬する。それでも、一度断ってしまった以上、今さら試着だけするのも圭のプライドが許さない。しかも試着だけして何も買わないとか圭にはできない。 

 

 そんなわけで、圭は店から出ることにした。あのままあそこにいても精神的によろしくない。

 店の外にあるベンチに四宮かぐやは腰掛けていた。彼女はいつも使用人たちが服を買う。そのため自分で服を選ぶという経験がなく、それが転じてトレンドへの疎さに繋がる。どれがいいのかさっぱりわからないのだ。

 

「あの……」

「はいっ! どうされました妹さん?」

「妹さん?」

 

 妹さんと呼ばれたことに引っかかりを感じる。四宮の言い分は、「白銀さん」だと会長と被るからだとか。光上はその呼び方だということを四宮は言ってから思い出した。

 

「圭でいいですよ」

「では、圭さん」

「圭」

「圭ちゃん」

「圭」

「…………圭」

「はい」

 

 実は彼女、強引にやることもできるのである。肝が座っているのも兄妹揃って同じこと。

 そこでふと疑問に思う。こうやって年上の人相手でも強引にいけるのなら。光上相手にも呼称を改めさせないのかと。

 そこを問われた圭は、気恥ずかしそうに顔を伏せる。

 

「だって……恥ずかしい……」

 

(きゃわわわわわ!!)

 

「もし、光上さんに呼ばれたらって思うと……想像するだけで……!」

 

(私の場合ですと会長に……。……っ!!!)

 

 2人揃ってそれぞれの相手から名前を呼ばれた時を想像し、それだけのことで頬を朱に染める。

 その思考から外れようとしながら、四宮は手でパタパタと扇ぐ。効果はイマイチだが、こういうのは気持ちの問題だ。そんな四宮の考えとは裏腹に、圭はこの話題を続けた。

 

「……私、一度断ってるんです」

「何をですか?」

「名前で呼ばれること」

「え……」

 

 熱くなっていた顔がすぐに戻った。それは欠片も予想していなかったこと。圭が断ったのは、さっき言ったとおり恥ずかしさのせいだろうか。その予想も外れた。

 

「光上さんは知り合ってから、名前の呼び方に悩んでたみたいなんです。それで、兄に相談したみたいで……」

「それで会長が下の名前で呼ぶように言ったのですか?」

「そうみたいです。兄と同じ呼び方なら、親しみやすいんじゃないかって」

 

 つまり「圭ちゃん」呼びである。光上がそこに躊躇うことなく、それでいけるのならと試してみたらしい。しかしその頃の圭は、まだ光上に恋していない時期。兄の友達にまで子供扱いされてると感じ、下の名前で呼ばれることを拒んだのだ。

 それ以降すっかり「白銀さん」呼び。御行に対しては「白銀」であるため、一応差別化ができているわけだ。

 

「拒んだのに、今さらお願いするのも虫のいい話ですし……」

「彼は気にしないと思いますけど」

「それはそれで気にしてほしいんです。私のことで悩んでほしい」

「わからなくはないわね」

 

 そうして話していると、2人の前で小さい子が転びかけた。圭が咄嗟に助けに入り、膝を少し擦りむいた少女に応急処置。買ったばかりのハンカチも、「これが一番いい使い道」として傷を覆うために巻いてあげたのだった。

 

「白銀さんも少し擦ってるね」

「え──」

「じっとして」

 

 いつの間にやら光上がこっちに来ていた。少女を助けた際に、圭も頬を少し擦っている。光上は圭と同じやり方でそこを優しく拭き、ハンカチを圭に渡した。さすがに頬にハンカチは巻けない。少しの間押さえることに使うぐらいか。

 

「ぁ、ありがとうございます」

「どういたしまして。それじゃあ俺は──」

「ハァハァ……! ミツガミくん。まだですよぉ。まだ試着は残ってますヨ~」

「これの対処があるんで」

「藤原さん……」

 

 完全に正気を失った千花に連行されていく光上。深い部分では合わないだけで、こうして遊ぶ分には何も問題ないと気づいた千花は、初めてできた男友達と再び遊べることにテンションが狂った。理性など消し飛んでいた。萌葉でも引いた。

 

「そっか。あんな感じに強引に行けば」

「その道に落ちては駄目よ!?」

 

 そんな千花を参考にしようとした圭を必死に止めるかぐやなのだった。

 ここで今日の目的を思い出し、光上のおかげで藤原姉妹も気にしなくていいという最高の環境であることも気づいた。心の中で光上を褒め、さっそく質問開始。自然な流れになるように前振りを入れることも忘れない。

 

「クリスマスとかどう過ごされてるんですか?」

「クリスマス……。うちは特に何も。父親から図書カード2000円分貰うぐらいで」

 

(そうでした!! 私なんてことを聞いてしまってるのよ!! で、でも圭には光上くんがいるのだし)

 

「せっかくですし、今年は光上くんと過ごすのもいいんじゃないかしら?」

「光上さん……日本にいるんですかね。夏休みだってほとんどフランスでしたし」

「お願いしてみたら、案外残ってくれるかもしれませんよ?」

「……考えてみます」

「2人きりじゃなくていいのなら、藤原さんを巻き込んでもいいのよ。クリスマスパーティーって言えば、彼女が必ず食いつきます」

 

 確信が持てる話だった。最終手段はそれでいこうと圭の中でも方針が決まる。さて、この流れで四宮は誕生日の話へと変えていく。クリスマスプレゼントの話から、誕生日プレゼントの話へ。

 しかし、ここで1つの誤算。圭が反抗期であることを知らないのだ。そのまま圭の愚痴が始まり、家の中での御行の印象が崩れていく四宮。ところがどっこい。途中からいい話に変わり、その勢いそのままに光上の話へ。

 

「光上さん、誕生日に合わせて帰ってきてくれたんです。誕生日プレゼントも貰えて、半日でしたけど、一緒にいられて。それが本当に嬉しかったんです」

 

(あれ? いつの間に惚気話に? 会長の話はもう終わり?)

 

 その後もヒートアップしていく圭の話を、四宮は笑顔を固めて聞き続けるのだった。

 彼がその日に帰ってきたのは、そうさせた影の功労者がいることを誰も知らない。

 

 

 

 

 

修学旅行編について

  • 漫画出るまで修学旅行編待機
  • 18巻の内容までならOK
  • ネタバレ気にしないから更新続行

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