ありふれない吸血鬼の王は異世界でも最強   作:fruit侍

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ども。受験を終えて、無事第一志望校に入学できたフルーツ侍です。受験が終わったので大好きな仮面ライダーシリーズを見まくったら書きたくなってしまいました。

最初は原作キャラとの出会いについて書きます。ですので原作開始まで少し間があります。気長にお待ちください。

最初はハジメ君!

受験勉強で全然書いてなかったせいか、文章が上達してるどころか退化してます。見苦しい場所もあるでしょうが、どうか温かい目で見守ってください。

ネタバレで申し訳ないんですけれども、最初っから変身します。


原作開始前
初めての友達 前編


昼でも光があまり差し込まない薄暗い細い道。人々はそれを路地裏と呼ぶ。

 

その路地裏と呼ばれる場所で、一人の異形と一人の少年がお互いを見ていた。少年はどことなく王者の雰囲気を纏っており、異形はどこか怯えている。

 

「お前が人間を襲ったファンガイアか。」

 

少年はその見た目に似合わない威厳に満ちた目で、異形を見つめる。すると異形が喋りだす。

 

「何故ですキング! 人間はファンガイアにとってただの餌! それを襲って何が悪いのです!」

 

「掟は絶対だ。ファンガイアは、身に危険を感じた時以外で人間を襲ってはならない。だが、お前は私利私欲のために人間を襲った。掟に背いたお前に、王の判決を言い渡す。」

 

少年は掌を見せる。そこには、王冠が薔薇に飾られている紋章が刻まれていた。

 

「死だ。」

 

その一言が少年から放たれた瞬間、空からコウモリのようなものが降りてくる。

 

「ありがたく思え。絶滅タイムだ。」

 

そのコウモリのようなもの、キバットバットⅡ世は口を大きく開き、少年の腕に噛み付いた。

 

「ガブリ!」

 

噛み付かれた部分から、ステンドグラスのような模様が身体中を駆け巡り、その模様は少年の頬にも現れ始めた。そして腰に大量の鎖が巻かれたと思えば、それは真っ黒なベルトを形成した。少年はキバットバットⅡ世を手に取り、前方に掲げた。

 

「変身。」

 

その言葉を口にし、手に持っているキバットバットⅡ世をベルトのバックル部分に足を上にして取り付ける。すると黒い膜のようなものが少年を包んだかと思えば、それは瞬時に弾け、赤と黒の鎧となった。

 

その鎧の名は、『闇のキバ』。またの名を、『仮面ライダーダークキバ』。

 

「うっ、うわああああああ!!」

 

その変身を見ていた異形、『ファンガイア』はダークキバから逃げ出そうとする。しかし、それはダークキバが許さない。

 

「はああぁぁぁ……。」

 

溜め息にも近い声をダークキバが出すと、ダークキバの足元にキバの紋章が現れる。

 

「ふっ!」

 

ダークキバが指差すと、紋章は真っ直ぐファンガイアの方へ向かい、ファンガイアを拘束する。それを見たダークキバは、ベルトの右側に着いているホルダーから黒色の笛のようなものを取り出し、バックルに止まっているキバットバットⅡ世の口に咥えさせる。

 

「Wake up (one)!」

 

パイプオルガンのような笛の音が鳴り響いたと思えば、紅い霧が辺りを覆い、全てを包み込む。そして霧が晴れると辺りは、漆黒の闇夜に包まれていた。ダークキバの後ろには、紅く染まった月が浮かんでいた。

 

「来世では人間を愛し、人間に愛されよ!」

 

未だに拘束されたままのファンガイアにそう言うと、ダークキバは体を低くし、腕を前に組むと、高く跳び上がった。紅い月を背にして、ダークキバは一回転すると右手を大きく突き出し、無防備なファンガイアの胸へとダークキバが持つ必殺技の一つ、ダークネスヘルクラッシュを叩き込んだ。

 

「ぐあああああああああ!!!」

 

その一撃でファンガイアは大きく吹き飛ばされ、地面に転がる。ダークキバは振り返り、背のマントをはためかせた。それと同時に、ファンガイアはガラスが砕けるように散った。

 

 

―――――――――――――――――――――

 

 

キバットバットⅡ世はベルトから外れると、直ぐ様何処かへ飛び去ってしまった。少年、紅音牙(くれないおんが)は、キバットバットⅡ世が飛び去って行った方向を少し見つめた後、また歩き出した。

 

「お疲れ様です。」

 

その声が聞こえた瞬間、音牙は足を止める。前方から、黒い衣装に身を包んだ一人の少女がやって来る。

 

「真深。」

 

少女の名を呼ぶと、音牙は少女に近づく。

 

「怪我はありませんか?」

 

「ああ。」

 

「それならこうさせてください。」

 

そう言うと少女、真深(まみ)は音牙を力一杯抱き締める。それに対して音牙も、真深を優しく抱き締め返す。

 

「行こうか。」

 

「はい。」

 

音牙と真深は、手を繋ぎながら道を歩いて行く。

 

「明日から学校というものに通わなければならない。真深が嫌なら、行かなくてもいいんだが……。」

 

「大丈夫です。私も行ってみたいと思ったので。」

 

真深は笑いながら音牙に言う。嘘を言っていないと分かった音牙は、心から安心した。

 

「……そうか。ならよかった。」

 

音牙と真深は、笑顔を浮かべながら街灯の少ない薄暗い夜道を歩いて行く。

 

その様子を見ている者がいた。

 

「あの人が……ファンガイアの王様で、闇のキバ……!」

 

彼の名は南雲ハジメ。ゲームクリエイター、少女漫画家の両親を持つ、ファンタジーやラノベが大好きな少年である。

 

彼は手伝いで描いている漫画のネタ探しのために、わざわざ夜の世界を歩き回っていたところ、闇のキバをたまたま見つけて反射的に尾行してしまったのだ。

 

(本当に見つけちゃったよ……路地裏なんて殆ど歩かないけど、勇気を出して入って本当によかった!)

 

ハジメの見た目は普通の男子だが、中身は典型的なオタクである。故に勇気を出すことがあまりなく、流してしまうことも多かった。しかし今回は自分のためであるということで、不良などの溜まり場になっている路地裏に入り、何かネタになるものがないか探していたのである。

 

「よし、大部分のスケッチは出来たから、後は家に帰って……」

 

「家に帰ってどうするんだ?」

 

ハジメが振り向くと、そこには先程去っていった筈の二人がいた。

 

「うわああ!?」

 

ハジメは反射的に後ろに飛び退く。そしてこれから自分に何が起きてもいいように、体を丸めて踞った。

 

「驚かせて悪かったが、とりあえず立ってくれ。」

 

ハジメはその声に体の震えを止めると、指の間から音牙を覗いた。音牙は優しい表情で手を差しのべている。それを見て、ハジメは安心したように音牙の手を取り、立ち上がる。

 

「さて、名乗らないといけないな。俺はファンガイアの(キング)にして闇のキバの資格者、紅音牙だ。」

 

「私はファンガイアの女王(クイーン)、真深と申します。」

 

「僕は南雲ハジメです。」

 

ハジメは頭を下げる。相手が王となると、頭を下げなければ無礼に値すると思ったからだ。しかし、

 

「頭を上げてくれ。そういうのは俺は好きじゃない。友達のように接してくれると助かる。」

 

「え? でも……。」

 

「音牙さんは王ですが、普段は人間と変わらない生き方をしてるので、そういうのに慣れてないんです。」

 

「なるほど。じゃあ……これでいい?」

 

ハジメは敬語をやめ、家族と話す時のような口調になる。

 

「これからはそれで頼む。それと……お前にはファンガイアの血が流れているみたいだな。」

 

「あはは……やっぱり分かるか。」

 

ハジメは悪戯がバレてしまった子供がやるように、頭をがさがさと掻いた。

 

「僕はファンガイアと人間のハーフなんだ。中途半端だから、人間にもファンガイアにも嫌われちゃうことが多いし、友達もいないんだ……。」

 

人間とファンガイアは、自分達と違うものを異様に嫌う性質がある。

 

人間はファンガイアを化け物と呼ぶ一方、ファンガイアは人間を下等種族と見下す。共存社会となった今でも、そのような呼び方をする人間やファンガイアは少なくない。

 

ハジメはハーフという、人間にもファンガイアにも属さない類なので、どちらの種族にも嫌われている。故に友人もいない。

 

「なら、俺が友達になってやろうか?」

 

「え?」

 

「音牙さん、そう言うのは上から言うものじゃないですよ。」

 

「そうなのか? それはすまないことをしたな。それじゃあ改めて、俺と友達になってくれ。」

 

音牙にもこれといった友人はいない。彼はファンガイアの王であるため、基本的に誰かの上に位置している。そのため対等な関係である者が真深以外にいないのだ。しかしその真深も、友人ではなく婚約者という友人とはまた違った関係で、友人ではない。

 

「本当に……いいの……?」

 

ハジメはそれが自分の聞き間違いではないか、改めて聞く。

 

「ああ。」

 

その言葉を聞いて、ハジメは嬉しくなった。初めて友人ができたのだ。嬉しくないはずがないだろう。

 

「それじゃあハジメ、友達として最初に聞きたいことがあるんだが……。」

 

「いいよ! 何でも聞いて!」

 

ハジメはこれから聞かれることが何か期待しながら音牙を見た。

 

「俺と真深は明日、学校というものに通うことになるんだが、そこがどういう場所なのか少し知りたい。」

 

「え? えーと……。」

 

ハジメは言葉に詰まる。ハジメにとって、学校は嫌いな場所の一つである。一週間に五回も行かなくてはならないし、何より人間が多い。

 

「ち、因みに、どこの学校に通うの?」

 

「南陽中学校というところだが。」

 

「え!? 僕の通ってる学校だよそこ!」

 

「そうか! それは安心した! 知っているやつが一人でもいると、知らない場所でも安心して過ごせる!」

 

音牙は笑いながらハジメの肩を叩く。先程まで赤の他人だったとは思えない。

 

「それなら明日僕が案内しながら教えていくよ。百聞は一見に如かずって言うでしょ?」

 

「それもそうだな。それじゃ、明日は頼む。俺はまだ仕事が残っている。」

 

「仕事って、さっきやってたこと?」

 

「ああ。じゃ、行くか。真深。」

 

「はい。」

 

音牙は真深と共に薄暗い路地裏の闇に消えていった。

 

「うわっ、もうこんな時間。僕も帰らなきゃ!」

 

ハジメも腕時計を見て、すぐさま路地裏を後にする。

 

 

——————————————————————————————

 

 

翌日。

 

 

 

「それじゃあ、入りなさい。」

 

南陽中学校のとある教室で、教壇の前に立つ担任の声が鮮明に響く。その声を合図に、思わず膝を着いてしまいそうな威厳さを感じられる二つの足音が聞こえ始める。只者ではない雰囲気に、生徒達はざわつき始めるが、その中でハジメだけは、この足音の正体を知っているため、動揺せず落ち着いている。

 

足音が2、3回鳴り響くと、その足音の正体が姿を現す。その足音の正体は、勿論音牙と真深である。しかし二人の姿を見て、ハジメとその他大勢は心の中でツッコむ。

 

(何で制服姿じゃないの!?)

 

と。

 

中学校は基本的にその学校ならではの制服が存在し、生徒はそれを着ることによって、初めてその学校の生徒だと認識される。私服だとどこの中学校かも分からないだろう。しかし音牙と真深が着ている服は、ハジメが昨日二人と出会った時に着ていた服と全く同じなのである。具体的に言うならば、音牙が仮面ライダーキバの過去編キング、真深が仮面ライダーキバの真夜の服装だ。

 

「とりあえず聞きたいことは色々あると思うが、まずは自己紹介を。」

 

「聞きたいことが色々と多すぎるよ!」という生徒達の無言の訴えをスルーし、担任は音牙達に自己紹介を促す。

 

「自己紹介をすればいいのか。紅音牙。テレビで知っている奴も多いと思うが、ファンガイアの王だ。好きな食べ物はオムライス。特技はバイオリン。以上だ。」

 

あまりにも早い自己紹介に、生徒達の半数は聞き取れなかったのか、唖然としている。

 

「それじゃあ私も。真深です。音牙さんが言ったように知っている人も多いと思いますが、ファンガイアの女王です。好きな食べ物はお肉です。特技は音牙さんと同じくバイオリンです。よろしくお願いします。」

 

真深が最後に見せた笑顔に、男子は釘付けになり、そんな男子を女子は冷たい視線で見る。その様子を見て、音牙が真深を引き寄せて言い放つ。

 

「言っておくが、俺と真深は将来結婚することが決定している。俺から奪おうだなんて思うなよ。」

 

その一言で、真深に一目惚れした男子たちは一斉に崩れ落ちる。それを見て、女子たちは口角を吊り上げて「ざまぁw」と笑うのだった。

 

「それじゃ二人は空いてる席に座ってくれ。この後質問タイムを作るから、質問はその時にやれよー。」

 

音牙はハジメの左に、真深はハジメの右に座り、結果的に二人が右と左でハジメを挟むような形になった。




キャラ紹介

紅音牙

今作の主人公にしてチェックメイトフォーのキング。そして仮面ライダーダークキバの資格者でもある。過去編キングの衣装を纏い、普段は人間と変わらない生活をしているが、夜にはクイーンに代わって掟に背いたファンガイアを始末している。基本的に誰にでも優しいが、弱者をいたぶる者やつまらない正義で行動を起こす者を強く嫌い、物理的に潰すこともしばしば。ファンガイアの王としてテレビや新聞などに出ているため、かなり知名度がある。名前の元ネタは紅音也と登太牙。

真深

主人公のメインヒロインにして、チェックメイトフォーのクイーン。真夜の衣装を纏い、普段は音牙と共にいることが多い。白崎香織と八重樫雫に負けず劣らずの美人で、親衛隊が人間、ファンガイア関係なくできていたりする。どんな相手にも敬語を使い、優しい。しかし敵対する者には、冷酷非道な面を見せる。ファンガイアの女王としてテレビや新聞に出たりしているため、かなりの知名度がある。名前の元ネタは真夜と鈴木深央。

南雲ハジメ

今作のサブ主人公にして原作主人公。原作と違うのは、ファンガイアと人間のハーフであるという点。ハーフにした理由は、ただの人間よりハーフの方が面白いかなと思ったから。

Q.なんでハジメにファンガイアの血が流れてるって分かったの?

A.仮面ライダーキバでも太牙が渡にファンガイアの血が流れていると渡に告げるシーンがあったので、分かるもんなんだと思いました。

Q.ルークとビショップは?

A.人間とファンガイアで共存するぞーと前キングが言ったら超反対した挙げ句襲いかかってきたので、前キングによって処された。なので今は空き状態。チェックメイトフォーが四人揃ってなきゃいけない決まりとかはなかったと思うし、ま、多少はね?

思ったより長くなったので二つに分けようと思います。ハジメ君パートは次で終わると思います。

好物や特技も元ネタはキバからです。オムライスは音也の好物、肉は深央が焼き肉屋のウェイトレスをしていたことから、バイオリンは音也と真夜から、といった感じです。

ハジメ君が仮面ライダーになるとしたら?(変身しないという選択肢はなし)

  • キバ
  • イクサ
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