ありふれない吸血鬼の王は異世界でも最強   作:fruit侍

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急ぎ足で書きました。間違ってる部分やおかしい部分等あると思います。その時は申し訳ありません。

自粛期間で暇だったので、運動としてイクササイズをやってみたらなかなかいい運動になりました。やっぱり7538315です!

ハジメパートはこれで終わりです。次回は雫パートを書いていこうと思います。


アンケートの経過報告

キバ、イクサ、サガの順で票が多いです。言い忘れていたのでここで言いますが、締め切りは原作のベヒモスにあたる部分が投稿されるまでとします。つまりそこでハジメ君の初変身ですね(ネタバレ)。





余談


先日ランキングにて

ルーキー日間ランキング 27位

(;゚Д゚)「……。」

先程 評価バーに色がつく

(;゚Д゚)「……!?」

ランキングの方は現在だいぶ下がってますが、皆様には感謝しかありません。


初めての友達 後編

「ふう……。やっと休憩時間か。」

 

「まだ始まったばっかりなのに、もう疲れましたね……。」

 

現在は一限目の休憩時間。休憩時間の直前まで質問攻めを受けた音牙と真深は、内心疲れていた。偶に雑誌やテレビの取材は受けるが、どちらも質問攻めといった感じではない。

 

「お疲れ様二人共。初日から大変だね。」

 

二人に近づくのは勿論ハジメだ。ハジメは疲れている二人に、労いの言葉をかける。

 

「これくらいどうってことない。それより昨日のこと、覚えてるか?」

 

音牙が言う昨日のこととは、ハジメが案内しながら学校を見て回り、学校について教えていくということだ。

 

音牙と真深は、今まで学校に通ったことがないため、分からないことしかない。どういう所か知らない場所で一日過ごせと言われたら、それは誰だって不安になるだろう。それと同じである。

 

「うん。それじゃあ早速行こうか。」

 

ハジメは教室から出、音牙と真深もそれについていく。最初に着いたのは、上の札に『職員室』と書かれている場所だった。

 

「ここは職員室。先生が仕事をする部屋で、先生に用があったらここに行くことをお勧めするよ。」

 

音牙は戸にある窓から、コーヒーを飲んで寛いでいる先生達を見る。それを見て音牙は、「休憩室の間違いじゃないのか?」と思った。

 

「次の場所に行こうか。」

 

ハジメにそう言われ、音牙と真深はハジメについていく形で廊下を歩いていく。

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

あれからいくつか特別教室を回り、いよいよ学校巡りも次で最後となった。最後に来た場所の上の札には、『音楽室』と書かれていた。因みにハジメが音楽室を最後にしたのは、特別教室の中で一番高い場所にあるため、面倒だったからである。

 

「ここは音楽室。音楽の授業は、基本的にここで受けるんだ。」

 

音牙は音楽室に興味があったが、それよりもその隣の部屋が気になって仕方なかった。するとそこから、一人の女性が出てきた。

 

「……あら、ハジメ君。どうしたの?」

 

その女性は、南陽中学校の音楽の先生、河野(こうの)先生である。

 

「こんにちは河野先生。実は、今日来た転校生に、音楽室がどういう場所なのか教えていました。」

 

「転校生って、あのファンガイアの王様と女王様?」

 

「はい。というか、もうそこにいるんですけど。」

 

ハジメは音牙と真深を指差す。音牙と真深はこちらに視線が来た瞬間、何をしたらいいのか察した。

 

「紅音牙です。学校は分からないことが多いので、ハジメに教えてもらっていたところなん……ですよ。」

 

慣れない敬語に少々てこずる音牙。音牙が普段使わない敬語を使うのは、ハジメに先生には敬語を使うことが基本と言われたからである。

 

「真深です。私も同じく分からないことが多かったので、教えてもらっていたところです。」

 

真深は使い慣れているので、すらすらと喋っていく。そんな真深が、少し羨ましいと感じた音牙だった。

 

「初めまして。私は音楽を担当している河野です。これからもよろしくね。」

 

河野先生が頭を下げるのにつられて、音牙と真深も頭を軽く下げる。音牙が頭を下げている時にふと前を見ると、開いた戸から一挺のバイオリンが見えた。

 

「先生もバイオリンをしてるんですか?」

 

「あ、見えたのね。昔はバイオリニストを目指してたから、今でも偶に弾いたりするのよ。それより、『も』っていうことは?」

 

「俺もしてるんです。」

 

音牙がバイオリンをしている。それはハジメもさっき聞いたので知っていた。しかしその腕前がどれ程のものなのかはまだ知らない。そこで、ハジメはある提案をする。

 

「それだったら、今ここで弾いて見せてよ。」

 

今ここにいるハジメ以外の全員の視線がハジメに殺到する。音牙は少し考えると、

 

「分かった。じゃあ先生、バイオリンを貸してください。」

 

ハジメの要求を呑んだ。音牙は河野先生に、バイオリンを貸してもらえないか聞いてみる。

 

「いいわよ。その代わり、いい演奏をしてね。」

 

河野先生は準備室の奥に行き、自分のバイオリンを取って戻ってくる。音牙は河野先生からバイオリンを受け取ると、弦を弾いたり触ったりして音を確認する。

 

そして何処にも異常がないことを確認すると、遂に弾く体制になった。音牙はゆっくり弓を引く。

 

♪~~♪~~

 

弓と弦が擦れる場所からは、頬を撫でるそよ風のような音色が響いた。

 

その音色はとても優しく、人に癒しを与えるような音色だった。耳からのみ入ってくるはずのその音色は、知らず知らずのうちに他の場所にも染み込んでいく。

 

この音色を奏でている音牙は、目を閉じていた。その姿は、自然に体が動いているようで、その姿もどこか美しい。

 

そのバイオリンを弾く姿と、発される音色。それはまるで、『紅音牙』という一つの音楽を奏でているようだった。

 

「ぁ……。」

 

音牙がゆっくり弓を弦から離し、演奏を終えると、ハジメが小さい声を出した。その声は、演奏に対しての感動を表す言葉なのか、圧巻の演奏に圧されて出ることもままならなかった言葉の端くれなのか、ハジメにも分からなかった。

 

「おっと授業が始まるな。ハジメ、真深。教室に戻るぞ。」

 

「はい。」

 

「え? ってちょっと!? 置いてかないでよ!」

 

壁に掛けられていた時計を見て音牙は言う。そして持っていたバイオリンを未だ唖然としている河野先生に押し付けるように返すと、階段を急ぎ足で下って行った。それに真深も、遅れてハジメもついていく。

 

嵐のように去っていった三人。音楽室の前でぽつんと一人残された河野先生は、一言だけ呟いた。

 

「やっぱり、あの人の息子ね。」

 

河野先生が持っているバイオリンの側面には、小さく『C』の字が彫られていた。

 

 

——————————————————————————————

 

 

「一日目が終わったな。」

 

「案外楽しそうなところでしたね。」

 

帰り道を歩きながら音牙と真深は話す。ハジメとは先程別れてしまった。家が反対方向にあるそうだ。

 

「さて、早く帰って仕事に取り掛かるとする……!」

 

音牙が目を見開いたかと思うと、急に動きを止め、その場に立ち止まった。突然動きを止めた音牙に、真深は声をかける。

 

「どうしました?」

 

「……。」

 

音牙は、自分の脳内にバイオリンの音が流れていることに気づいたのだ。それは演奏ではなく、同じ音程の音が、一定のリズムで鳴り続けている。

 

この音には聞き覚えがある。音牙の愛用しているバイオリンの音だ。音牙のバイオリンは、前キングが残したバイオリンの中でも名器で、他のバイオリンにはない性質がある。それは、『掟に背いたファンガイアが自分の近くにいると、勝手に鳴り出す』というもの。それもバイオリンが音牙の手元になくても、脳内でその音が勝手に流れる。音牙はその性質のおかげで、今まで掟に背いたファンガイアを見つけ出して、始末できていたのである。

 

今回も掟に背いたファンガイアを感知し、鳴り出したのだろう。しかしその音が示す方向は、自分がよく知っている人物がいる方向だった。

 

「ファンガイアだ。ハジメの行った方向にいる!」

 

その言葉を聞いて、真深の表情が真剣になる。

 

「急ぎましょう!」

 

音牙と真深は、すぐに来た道を戻り、ハジメが行った方向に走っていった。

 

 

——————————————————————————————

 

 

ハジメが見たのは、何かにキレている不良が汚れた服を掴みながら、男の子とおばあさんを恐喝している場面だった。不良たちはクリーニング代出せとか叫びまくるし、男の子はわんわん泣くし、おばあさんは怯えて縮こまるしで散々な状況だった。

 

(ひえ~……。カツアゲじゃん……。警察は誰かが呼んでくれるだろうし、関わらないどこーっと……。)

 

ハジメは現場をガッツリ見ていながらも、スルーすることにした。小説の主人公とかだったら、ここで不良たちに突っ込んでいって、バシバシ不良たちをなぎ倒すのが普通なのだが、ここは現実。いつも学校の授業中に妄想するような仮想の世界ではない。ハジメは格闘術も習っていないし、突っ込むだけ無駄なのだ。ボコボコにされた挙句、何か盗られるかもしれない。

 

通り過ぎる前に最後に見てみようと、ハジメはチラッと現場を見た。そこで見たのは、おばあさんが財布からクリーニング代だと思われる札を何枚か取り出した瞬間、不良たちがおばあさんから財布取り上げたところだった。それを見た瞬間、ハジメの体はいつの間にか動いていた。

 

そこで戦闘力5の農家のおじさんにも負けてしまうほど弱いハジメがとった行動は、

 

「すんまっせーーーーーーーーん!!!」

 

相手が綺麗すぎて引くレベルの土下座だった。

 

公衆の前での土下座は、する方は勿論、される方も意外に恥ずかしい。というか居た堪れない。なので土下座をし続ければ、そのうち帰ってくれるだろうとハジメは思ったのだ。

 

「……何だお前。」

 

不良たちの矛先は、先程まで無関係だったハジメに向いた。しかしハジメは構わず土下座し続ける。

 

「すいません! すべて僕の責任ですのでどうかお引き取りを!」

 

「邪魔だ! 退けよ!」

 

不良たちから何度も蹴られるハジメ。しかしハジメは決して動じなかった。

 

「すいません! 本当にすいません!」

 

「だから何でお前が謝るんだよ!」

 

「すいません! どうかお引き取りを!」

 

「だーーーっ!! 話が通じねえ!」

 

話が全く通じないハジメに叫ぶ不良達と、必死に謝り続けるハジメ。正直言って、先程の光景より酷かった。いつの間にか男の子は泣き止んでおり、おばあさんは何が起こってるのか分からないという表情でハジメ達を見ている。

 

周りの人々もこの騒ぎを聞きつけ、着々と集まってきた。そして遂には写真や動画を撮り出す者まで現れ始めた。

 

(だいぶ人も集まってきた……! お願いだから早く帰って!)

 

何を言っても変わらないハジメに痺れを切らしたのか、不良たちが帰ろうとする。しかし、

 

「おいお前ら、待て。」

 

一人の不良によって呼び止められた。それは男の子に服を汚された不良だった。その不良はハジメに近づく。

 

「お願いです! 全て僕の責任ですからどうかここはぐっ!?」

 

突如髪を掴まれて驚くハジメ。ハジメの髪を掴んだ不良は、ハジメの顔を見ながら笑っていた。

 

「全部お前の責任か。それじゃあ、これどうしてくれるんだ?」

 

不良は服の汚れた部分を指差してハジメに問う。

 

「ぼ、僕が、クリーニング代は払いますから……。」

 

「ああ? お前の金なんかいらねえんだよ。それよりもっと大事なもん寄越せよ。」

 

お金よりも大事なものとは? とハジメは頭で考えるが、全く検討がつかなかった。

 

「分からねえか? じゃあ教えてやるよ。それはな、」

 

不良の顔の下半分に、ステンドグラスのような模様が現れた。

 

「お前の命だよ。」

 

言い終わると、不良は人間の姿から羊のようなファンガイア、シープファンガイアの姿になった。その瞬間、周りの人々は叫び声を上げながら逃げていく。初めて生で見るファンガイアに、ハジメは恐怖のあまり、声も出せなくなる。

 

「お、お前ファンガイアだったのか……!?」

 

後ろから不良の一人がシープファンガイアに聞く。

 

「ああそうだよ。お前らを使えば、人間のライフエナジーが簡単に吸えるからな。最初はお前らから吸うとするか。」

 

シープファンガイアは掴んでいたハジメの髪を乱暴に離し、先程まで仲間だった不良たちに近づく。不良たちも生のファンガイアを見るのは初めてのようで、恐怖からか、腰が抜けていた。シープファンガイアはそれを好機と思い、一番近い場所にいた不良の一人にライフエナジーを吸う牙、『吸命牙』を刺した。するとみるみるうちに、吸命牙を刺された不良は色が抜けていく。

 

「うわあああああ!!!」

 

それを見て、不良の一人が立ち上がり、逃げ出す。しかしシープファンガイアは一瞬でハジメの前から消えると、逃げ出した不良の目の前にいつの間にか立っていた。そして不良の首を掴み、拘束すると、吸命牙を刺してライフエナジーを全て吸い尽くした。

 

残った不良たちも、瞬く間にライフエナジーを吸い尽くされていく。目の前で人間が簡単に死んでいく様子を見たハジメは、死というものがどういうものなのかを嫌と言うほど思い知らされたような気がした。

 

そして、最後の不良がライフエナジーを吸い尽くされ、地面に倒れ込む。

 

「さあ、最後はお前だ。」

 

ハジメを嘲笑うように、ゆっくりとハジメに近づいていくシープファンガイア。ハジメは必死に後ろに下がろうとするが、恐怖で体が思ったように動かず、シープファンガイアはどんどん近づいてくる。

 

(だ、誰か、助けて……。)

 

助けを呼ぶにも、口がうまく開かない。ハジメは心の中で助けを呼ぶことしかできなかった。

 

(音牙……!)

 

つい昨日、友達になった最初の友人の名を心の中で呼び、ハジメは自分の運命を受け入れるように目を閉じた。

 

「俺の前で人間を襲うとはいい度胸だな。」

 

声のした方向に、シープファンガイアとハジメの視線が集まる。そこには、

 

「キ、キング……!?」

 

「音牙!」

 

ファンガイアの王、紅音牙がいた。

 

「大丈夫ですか!?」

 

そしてファンガイアの女王、真深もいた。真深はハジメに近づき、何処にも怪我がないか確認する。

 

「ハジメ、遅くなってすまなかった。」

 

「あ、いや、全然大丈夫!」

 

「音牙さん、見たところ怪我はありません!」

 

真深の声で、ハジメが無事なことを確信した音牙は、目線をハジメからシープファンガイアに移し、睨み付ける。

 

「お前は人間を利用し、数々の人間を襲い殺してきたな?」

 

ハジメは自分達の周りが、妙な威圧感に包まれているのを感じた。昨日音牙がファンガイアを始末した現場では、威圧感など全く感じなかった。ハジメが疑問に思ってると、近くにいた真深がそれに答えた。

 

「音牙さんは怒ってるんです。初めてできた友達を襲われて。それほど、ハジメさんを大事に思ってるんですよ。」

 

真深にそう言われ、ハジメはもう一度音牙を見てみる。確かに、音牙は怒っていた。音牙の目の奥から、燃え上がる業火のような王者の怒りを感じる。

 

ハジメは音牙の威圧感に圧されながらも、嬉しくなっていた。まだ出会って一日も経っていないのに、ここまで自分を大事に思ってくれるとは、嬉しくもなる。

 

「共存相手を騙し、しかも人間を襲うために利用することは、言うまでもなく重罪だ。だが、それ以前に俺の友達を襲うことは……」

 

音牙は、キングの紋章が刻まれた掌を見せた。

 

「種族関係なく死に値する!」

 

音牙が普段出さないような大声を出すと、空からキバットバットⅡ世が下りてくる。

 

「絶滅タイムだ。喜べ!」

 

キバットバットⅡ世は口を大きく開き、音牙の左手に噛みつく。

 

「ガブリ!」

 

噛まれた場所から、ステンドグラスのような模様が音牙の身体中を駆け巡り、その模様はやがて頬にも現れる。腰には既に黒いベルトが巻かれていた。そして音牙は一言だけ呟く。

 

「変身。」

 

その一言を聞いたキバットバットⅡ世は、自らベルトのバックル部分にくっついた。音牙は黒い膜に包まれたと思えば、その黒い膜は弾ける。そして、そこには仮面ライダーダークキバとなった音牙が立っていた。

 

(キングと一騎打ちなど、勝てるわけがない。ならやはり、逃げるしか……!)

 

どこぞの下弦の参のようなことを心の中で呟きながら、シープファンガイアは音牙から逃げるための隙を探す。すると音牙は上を向き、両手を少し広げ、力を下から引き出すような体勢になった。

 

(そこだ!)

 

シープファンガイアは音牙がその体勢になった瞬間に、自慢の俊足で逃げた。シープファンガイアは勝ちを確信した。

 

しかしシープファンガイアは知らなかった。ダークキバの出現させるキバの紋章は、対象を拘束するまでどこまでも追いかけてくることを。

 

「はっ!」

 

音牙は出現させたキバの紋章を、シープファンガイアに向けて飛ばした。その速度はシープファンガイアの走る速さよりも速い。シープファンガイアは成す術なく、紋章に拘束された。

 

「ぐああああ!?」

 

「ふん!」

 

音牙が右手を前に出しすぐに引くと、シープファンガイアが音牙の方に飛んでくる。音牙はそれを紋章の方へ蹴り飛ばし、シープファンガイアが紋章に再度拘束されたことを確認すると、また右手を引きシープファンガイアを引き寄せ、蹴り飛ばす。それを何度も何度も繰り返した。

 

そして何度か蹴り飛ばした後、紋章からシープファンガイアを引き離す。何度も音牙の蹴りを貰ったシープファンガイアは立つ気力さえなく、そのまま地面に転がった。そして音牙が振り向き、マントをはためかせると、シープファンガイアはガラスのように砕け散った。

 

 

——————————————————————————————

 

 

「助けてくれてありがとう。」

 

「友達だから当然のことだ。」

 

変身を解除した音牙は、ハジメと真深と共に帰っていた。

 

「やっぱり音牙は強いよね。僕なんか弱くてあんなこと出来ないよ。」

 

ハジメは自嘲気味に笑った。あの場で、土下座しか出来ない自分は音牙より弱い。そんな意味がこめられていた。しかし音牙はそれを否定する。

 

「それは違うぞハジメ。お前の弱さは、お前の強さでもあるんだ。」

 

否定されるとは思ってもいなかったハジメ。そしてその言葉がどういう意味なのか考えた。しかし答えは出ず、音牙に質問することにした。

 

「どういうこと?」

 

「強い奴が暴力で解決することは簡単だ。だが弱くてもあんなことに立ち向かえる奴はなかなかいない。思い返してみろ。周りの人間は、助けようとしたか? 見てみぬふりして、そのまま通りすぎて行かなかったか? 俺が弱い奴だったらそうしてる。面倒事は避けたいからな。だがお前はそうしなかった。その時点で、お前は強いんだ。」

 

ハジメは思い返す。あの時、周りの大人達は、それぞれが自分達の世界に閉じ籠っていた。電話をする人、音楽を聞く人、手帳で今後の予定を確認する人、といった感じで、自分は関係ないとアピールしている人ばかりだった。しかしその中、自分だけは行動を起こした。そう思うと、音牙の言うことは強ち間違っていないのだろうな、と思う。

 

「はっきり言おう。ハジメは俺より強い!」

 

「ええ!? それは盛りすぎだよ!」

 

ははは、と声を上げて笑う音牙。

 

「さっきのは少し盛ったが、お前が強いことには変わりない。胸を張れ。」

 

そう言われて少し迷うが、何の取り柄もない自分にも、誇れるものがあったのだと思うと、少し自信がついた。そしてそれに気づかせてくれたたった一人の友人に、ハジメは心の中で感謝するのだった。

 

そして同時に、最初はスルーしようとしたことは、内緒にしておいた方がよさそうだな、と思った。




キャラ紹介

河野先生

南陽中学校で音楽を担当している先生。幼少時、バイオリニストを目指していた時期があり、腕前はなかなかのもの。前キングと何度か会ったことがあり、バイオリンはその時に作ってもらったもの。その正体は実はファンガイアだったりする。次の登場は未定。


『C』の字→Crimsonの頭文字→紅(Crimson)→前キング

分かりましたかね?

ハジメ君が仮面ライダーになるとしたら?(変身しないという選択肢はなし)

  • キバ
  • イクサ
  • サガ
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