勘違いは止まらない!   作:ふに・ふらふら

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(☝︎ ՞ਊ ՞)☝︎


四宮と白銀は誘いたい(表)

 

 人を好きになり、告白して結ばれる。

 それはとても素晴らしい事だと誰もが言う。

 

 だがそれは間違いである!

 

 恋人たちの間にも明確な力関係が存在する!

 

 搾取する側とされる側。

 尽くされる側と尽くす側。

 勝者と敗者。

 

 もし貴殿が気高く生きようと思うのなら決して敗者になってはならない!

 

 恋愛は戦!!

 

 好きになった方が負けなのである。

 

 

 

side主人公

 

 

 私立秀知院学園。

 かつて貴族や士族を教育する機関として設立された由緒正しい名門校である。

 貴族制が廃止された今でなお富豪名家に生まれ、将来国を背負うであろう人材が多く修学している。

 

 そんな彼らを率い纏めあげる者が凡人であるなど許されるはずもない。

 

 全てに秀でたマジモンの天才、四宮(しのみや)かぐや。

 努力の鬼、秀才の白銀御行(しろがねみゆき)

 

 キャラの濃いやつらばっかのこの学園。そんな学園の一室。生徒会室で息を潜めながら仕事をこなす私。

 それはなぜか。

 

「なんだか、また噂されているみたいですね。私達が交際してるとか」

 

 そう言って会長に紅茶を淹れる副会長。

 中等部の頃、何故か話しかけるだけでポイントが入る四宮かぐやに付き纏っていたらすっかり嫌われてしまった私。

 息を潜め、いないものとして扱ってくださいアピールをする。

 

 善行にはポイントが与えられる一方、他者に不快感を与える行い等にはポイントにマイナスがつく。明確なポイント付与の基準が数年かけても分からなかった以上、不用意な行動は慎むべし。

 

 この生徒会では、何気ない一言でポイントが減る場合がある。

 

 きっと私は生徒会メンバーに嫌われているのだろう。

 一応ポイント獲得だけに注視すればデメリットよりメリットの方が大きいから所属しているが、正直生徒会の仕事なんかも全て家でやりたい。

 けど定期的に顔を出さないとそれもポイント減に繋がる。

 

 嫌われてんじゃないのかよっ。

もうわけわかめ。

 

「そういう年頃なのだろう。

聞き流せばいい」

 

 白銀御行。

 私を嫌っているであろう生徒会のトップ。

ただし、いい奴である。

家計が色々と厳しいらしく、定期的に物を与えればポイントが手に入る。

ポイント製造マシーン。

 私が嫌いな割に感謝はしてくれるのでいい奴。

ただし、余計なことを言うとたまにポイントが減るので注意。

 

「ふふ、そういうものですか」

 

「はは、そういうものだ」

 

 長い沈黙の後、静かに笑い出す二人。

ついにテレパシーで会話しだしたのだろうか、この二人。

 

 仲良さげで大変羨ましゅうございますよ、まったく。

 

「そういえば今日、庭の噴水にある甘いリンゴとさくらんぼのレリーフの奥深くにカタツムリが───────」

 

「俺の妹が昔、暑いからと言って噴水に入って風邪を引いてな。ほんと、感情で動くとろくなことに───────」

 

 雑談する二人、羨ましい。

だが私は空気だ。

 

「ああ、そういえばー。聞いてください。なんか、映画のチケットが当たったんですけど家の方針でこういうものを見るのは禁止されてましてー。

 お二人はご興味おありですか?」

 

 取り出したるは三枚の映画チケット。

 

 バックに華を咲かせる頭ポワポワの藤原千花(ふじわらちか)

こいつに関わって何度ポイントを減らされたことか。だが、許す。可愛いから。

地雷原書記。彼女に減らされた分をポイント製造マシーン白銀で回復するのがルーティンになっている。

 基本関わらないが吉。

 

「ほう、そういえば週末は珍しくオフだったな。だったら四宮、俺たち─

「なんでも、この映画を男女で見に行くと結ばれるジンクスがあるとか!」

 

「「っ!?」」

 

「ステキ!!」

 

 可愛らしく左右に揺れながらそう言う藤原を他所に白銀と四宮はお互い睨み合っている。

 

 なんだ、またテレパシーか?

 

「…ん。あら、会長。今私の事を誘いましたか?

 男女で見に行くと結ばれる映画に、私と会長の男女で行きたいと。

 あらあら、まあまあ。それはまるで……」

 

 頬を釣り上げる四宮に対して白銀もまた笑みを浮かべる。

 

「ああ、四宮を誘った。俺はそう言った噂など気にせんが、お前はそうではないみたいだな。

 お前は俺とこの映画を観に行きたいのか?」

 

「そうですね。やはりどうしてもこう言ったお話は信じてしまうもので。ですから、私達──

「もう!お二人とも何を言ってるんですか。チケットは三枚あるんですからもう一人お誘いすればいいじゃないですかー!」

 

 二人の意味深なやり取りを藤原が可愛らしく遮る。可愛い。

 

 けど、今のやり取りってようは二人で行きたいって事じゃないの?

 でも、誘うとしたら石上君かな。彼が二人に誘われてあたふたしてるところ見てみたい。なにそれ愉悦。

あ、間違えてパソコンに愉悦って打っちゃった。

 

……予測変換に愉悦部って出てきた。

 

 

「そうですね。せっかくチケットが三枚あるのですから、三人で行くのがいいでしょう。思い当たる方はいらっしゃいませんか、会長?」

 

「……そ、うだな。俺と四宮にもう一人加わるのならば、共通の知人が─

「あ!圭ちゃんがいるじゃないですかー!かぐやさんも会長の妹さんに会ったことありませんし、いい機会なのでは?」

 

 白銀圭(しろがねけい)

 白銀御行の妹さん。ポイント稼ぎに白銀のお宅にお邪魔した時に会ったが、あの娘も御多分に洩れず私を嫌っている様子。

初対面時に鼻で笑われたのはいい思い出。

 

 とりあえずこちらの仕事も一段落したところで、話のオチもつきそうなので一足先に教室に戻ろう。

もうすぐ昼休みも終わる。

 

「それではお三方。

 私は先に教室に戻ります。また放課後に」

 

 余計なことを言わないよう言葉に気をつけ、一礼する。

 

「え、ええ。そうですか。ではまた放課後に」

 

 私が話しかけた瞬間苦笑いになるのやめてもらっていいですか四宮さん。

さっきまでの笑顔どこいった。

 

「ああ、また放課後にな、放課後に」

 

 放課後強調して、そんなに顔合わせるのが嫌かこのやろう。なら今日は家で仕事しても問題ないよね、ね?

 

「あ、居たんですね。十八(とうよう)さん」

 

 はい、居ました。藤原さん。

私が顔を向けると目をそらすのなんなんですか。私は汚物か何かですか。

 

 私が生徒会室を出ると再び話し声が戻る。その声音に先程の硬さはない。

 

 私、嫌われすぎじゃね?

またあれか、ホモだと思われてんのか?

 

 

 ん?アルェェ?ポイント減ってるぅ?

 

何でぇ?

 

 

 

 

 




(´⊙ω⊙`)

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